JPH0650310A - 電気粘性流体の制御装置 - Google Patents

電気粘性流体の制御装置

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JPH0650310A
JPH0650310A JP22196892A JP22196892A JPH0650310A JP H0650310 A JPH0650310 A JP H0650310A JP 22196892 A JP22196892 A JP 22196892A JP 22196892 A JP22196892 A JP 22196892A JP H0650310 A JPH0650310 A JP H0650310A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気粘性流体を使用する駆動シリンダ等のア
クチュエータにおいて、消費電力を少なくし、電気粘性
流体の劣化を防止し、ビビリ振動等の発生がない電気粘
性流体の制御装置を提供すること。 【構成】 駆動シリンダ7の速度制御装置は、電気粘性
流体2を挟む円筒電極12と外側電極13との間にパル
ス状の正電圧と負電圧とを交互に印加して電気粘性流体
2の粘性を制御する。ここで、電気粘性流体の制御装置
は、駆動シリンダ7の速度を制御する時に、一定の絶対
値を有する正電圧および負電圧の方形パルスを電極に交
互に常に印加する。ここで、正負の電圧を変化させると
きに電圧を漸次変化させているので、突入電流を小さく
でき、消費電流を少なくし、電気粘性流体の劣化を防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部電界強度に応じて
その粘性を著しく変化させる電気粘性流体の制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体を作動油としてシリンダ等
のアクチュエータを駆動し、電気粘性流体に与える外部
電界の強度を制御することによりアクチュエータの速度
を制御する速度制御装置が、本出願人により特開昭63
−144150号公報において提案されている。一般
に、電気粘性流体としては、シリコンオイル等の電気絶
縁性分散媒体中にシリカ、セルロースや各種イオン交換
樹脂等からなる分散相粒子を分散懸濁させたものが使用
されている。
【0003】この電気粘性流体に外部電界を印加する
と、流体の粘度が著しく上昇し、大きいせん断力を誘起
するウィンズロー効果が起こる。このウィンズロー効果
によれば、流体の粘度を電気信号により容易かつ速い応
答速度で制御することができる。ここで、外部電界を発
生させるための電圧は、交流であっても直流であっても
良いことが知られている。
【0004】しかし、直流電圧を印加して電界を発生さ
せる電気粘性流体の制御装置では、時間経過と共に微粒
子が電極面に移行し沈着する傾向がある。そのため、実
質的に電極間隔が狭められることとなり、電圧により電
気粘性流体の粘度を正確に制御することが困難となる。
これを回避するために、特開平1−144374号公報
において、交互に符号を変えた直流電圧をパルス的に印
加する電気粘性流体の駆動方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術においては、以下の様な問題があった。すなわち、交
互に符号を変えた直流電圧をパルス的に印加する電気粘
性流体の制御方法を用いた場合、図4に示すように、電
圧が急激に変化するときに大きな突入電流Taが流れ、
電流量が増加する。これは、電気粘性流体の制御装置が
電気的にコンデンサとして機能するためである。そし
て、突入電流に対応するため、変圧器をはじめとして制
御装置を大型化する問題があった。また、制御装置の大
型化によりコストアップとなる問題があった。
【0006】また、このような大きな突入電流電流は、
電気粘性流体の電気化学的性質が著しく劣化させるた
め、電気粘性流体の耐久性が悪くなるという問題があ
る。また、電流の消費量が大きいと電気粘性流体の温度
が上昇し、電気粘性流体の性能が変化するため、電気粘
性流体の粘度を正確に制御することが難しくなり、電気
粘性流体の速度等を安定して制御することができないと
いう問題がある。
【0007】ここで、交流パルスとして正弦波形や三角
波形を使用すれば、突入電流の発生を防止することがで
きるが、正弦波や三角波を使用すると、電圧値の絶対値
が変化するため、図10に示すように、シリンダの動き
にヒビリ振動が発生してシリンダを精密な送りに使用す
る上で問題がある。すなわち、電気粘性流体に交流正弦
波による電圧を印加してシリンダを動かした場合のピス
トンの振動を示す。横軸に時間軸をとり、縦軸にシリン
ダの変位X、速度V、加速度Aをとると、加速度Aに示
すようにピストンにビビリ振動Bが発生する。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、電気粘性流体を使用する駆動シ
リンダ等のアクチュエータにおいて消費電流の少なくか
つヒビリ振動のない電気粘性流体の制御装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のアクチュエータの速度制御装置は、電気粘
性流体を挟む電極と、該電極間にパルス状の正電圧と負
電圧とを交互に印加して該流体の粘性を制御する制御手
段とを有する電気粘性流体の制御装置であって、制御手
段が正電圧と負電圧とを切り換える時に電圧値を漸次変
化させる。
【0010】ここで、正電圧と負電圧との切換えを漸次
行うために正電圧および負電圧を略台形パルスとする。
【0011】
【作用】上記の手段よりなる本発明のアクチュエータの
速度制御装置の電極は、電気粘性流体に電圧をかける。
また、制御手段は、該電極間にパルス状の正電圧と負電
圧とを交互に印加して該流体の粘性を制御する。ここ
で、制御手段は、正電圧と負電圧との切換えを漸次行っ
ているので、突入電流が少ないため、消費電流量を低減
でき、変圧器等を小型化でき、またコストダウンでき
る。このとき、電気粘性流体の応答速度は、数ミリ秒と
遅いので、電圧の変化を漸次変化させてもせん断力に大
きな変化はない。
【0012】すなわち、電圧の変化率であるスルーレー
トを、3〜15V/mm/μsecの範囲内に設定して
いるので、消費電流が方形波の場合と比べて20%以上
削減できる。ここで、スルーレートとは、正または負電
圧の絶対値の最大値と負または正電圧の絶対値の最大値
との差を、その変化に要する時間で除した値である。ま
た、せん断力の低下を5%以下にすることができるの
で、電気粘性流体の粘度変化による駆動シリンダ等のビ
ビリ振動が発生することがない。また、制御手段は、図
示しない中央制御装置および駆動電圧可変装置により駆
動電圧Vdを変化させ、電気粘性流体2への印加電圧を
変化させる。これにより、制御手段は、電気粘性流体に
発生する誘起せん断応力を変化させ、アクチュエータの
駆動速度を変化させる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例である電
気粘性流体を使用した駆動シリンダの速度制御装置につ
いて、図面を参照しながら説明する。図3に電気粘性流
体を使用した駆動シリンダ7および制動シリンダ17の
構成を断面図で示す。シリンダチューブ10、エアチュ
ーブ11、オイルチューブ3およびオイル本チューブ1
の4本の中空管が、両端部を1対のエンドブロック8に
各々嵌合され付設されている。
【0014】本実施例で使用されている駆動シリンダ7
および制動シリンダ17はロッドを有しないロッドレス
シリンダである。従って、シリンダチューブ10の内側
に摺動自在に嵌合するピストンは、複数のピストン側磁
石5a,5bをボルト14で連結して構成され、シリン
ダチューブ10およびオイル本チューブ1の外側には、
各々ピストン側磁石5a,5bに対応した位置に複数の
摺動体側磁石6a,6bを構成要素とする摺動体4a,
4bが設けられている。そして、駆動シリンダ7の外周
に設けられた摺動体4aと制動シリンダ17の外周に設
けられた摺動体4bとは、連結部材9により連結され一
体的に摺動する。
【0015】駆動シリンダ7の右側エア室は、エア孔1
4に連通している。また、駆動シリンダ7の左側エア室
は、エンドブロック8に穿切されている中空部16およ
びエアチューブ11を介してエア孔14に連通してい
る。制動シリンダ17の右側オイル室は、右側のエンド
ブロック8に穿切されている速度制御装置18の上部と
連通している。また、制動シリンダ17の左側オイル室
は、エンドブロック8に穿切されている中空部15およ
びオイルチューブ3を介して速度制御装置18の下部に
連通している。
【0016】速度制御装置18は中空パイプ状の外側電
極13と、外側電極の内側にあって円筒状の円筒電極1
2とより構成されている。外側電極13および円筒電極
12とには、各々電圧をかけるための電線19が接続さ
れている。制動シリンダ17、オイルチューブ3および
速度制御装置18の内部には電気粘性流体2が充填され
ている。本実施例では、電気粘性流体2として、シリコ
ンオイル中にシリカ、セルロースや各種イオン交換樹脂
等からなる分散相粒子を分散懸濁させたものを使用して
いる。
【0017】次に、速度制御装置18を制御する制御手
段の構成について説明する。図1に外側電極13および
円筒電極12に電圧を印加するための制御回路をブロッ
ク図で示す。制御回路は、無安定マルチバイブレータ等
による発振回路OSC21にD型フリップフロップ22
が接続し、D型フリップフロップ22に2つのAND論
理素子23が接続し、2つのAND論理素子23a,2
3bにオープンコレクタバッファ24a,24bが接続
し、オープンコレクタバッファ24a,24bにコンプ
リメンタリエミッタフォロア回路26が接続し、コンプ
リメンタリエミッタフォロア回路26に小型の変圧器2
7が接続している。また、2つのAND論理素子23
a,23bには、中央制御装置より制御信号S3が入力
される。
【0018】次に、上記構成を有する制御手段の作用を
図2のタイミングチャートを用いて説明する。発振回路
21は、所定の出力交流周波数の2倍の周波数の交流方
形波S1を発生する。また、D型フリップフロップ22
は、交流方形波S1を受けて、ハイレベル信号とローレ
ベル信号との割合が等しい信号S2に変化させる。ここ
で、分周を行っているのは、パルスのデューティサイク
ルを正確に50%として、出力波形に直流分が重畳させ
ないためである。これにより、変圧器の鉄心の磁気飽和
を防止できる。また、交流方形波S2のパルス周波数は
1Hz以上であることが必要である。S2パルスの周波
数が1Hz未満であると、電気粘性流体2中の微粒子が
電極部に沈着し、速度制御装置の性能が劣化するからで
ある。
【0019】AND論理素子23a,23bは、駆動シ
リンダ7を所定の速度で駆動するために必要な制動を制
動シリンダ17にかけるのに必要な電圧供給の制御信号
S3を、図示しない中央制御装置から受ける。制御信号
S3がローレベルの時にはAND論理素子23a,23
bの出力は共にローレベルとなり、オープンコレクタバ
ッファ24a,24bはオフ状態である。
【0020】また、2つのコンデンサC1,C2は抵抗
R1,R2,R3,R4を介して充電されVdの電圧が
蓄積される。従って、コンプリメンタリエミッタフォロ
ア回路26の入力側電圧は、共に駆動電圧源の電圧Vd
となる。このため、変圧器27の一次側巻線間の電位差
は0Vとなり、電気粘性流体に供給される二次側電圧E
1は0Vとなる。従って、電気粘性流体2に制動力がか
からず、電気粘性流体は流動性を保持している。
【0021】次に、制御信号S3がハイレベルになる
と、一方のAND論理素子23aは、D型フリップフロ
ップ22で分周された方形波パルスを出力し、またAN
D論理素子23bは、AND論理回路素子23aの反転
波形を出力する。そして、AND論理素子23aがハイ
レベルの時、オープンコレクタバッファ24aの出力は
ローレベルとなり、抵抗R2を介して放電を開始する。
このときの波形は、Vd*(1−ea)なる時間関数で
ある。ここでa=t/(C1*R2)である。このコン
デンサC1の電圧波形は、コンプリメンタリエミッタフ
ォロア回路26のトランジスタQ1,Q2の中点S4
に、ほぼそのままの波形を維持しながら出力されて変圧
器27の一次側に印加される。
【0022】次に、AND論理素子23aの出力がロー
レベルに戻ると、コンデンサC1は抵抗R1,R2を介
して再び充電される。この時の電圧波形は、Vd*eb
となる。ここで、b=t/{C1*(R1+R2)}で
ある。そして、R2>>R1となるように回路定数を設
定すれば、正負の非対称性は問題とならない。一方、A
ND論理素子23b側の回路も上記AND論理素子23
aと同様の動作をするが、AND論理回路素子23aの
出力がローレベルになる期間、AND論理素子23b側
の出力がローレベルとなる。
【0023】従って、変圧器27の一次側コイルの両端
に、コンプリメンタリエミッタフォロア回路26の出力
電圧波形S4,S5が各々印加されるので、一次側に印
加される波形S6は、図2に示すような略台形波形とな
る。ここで、正電圧と負電圧を漸次変化させるときの電
圧の変化速度、すなわちスルーレートは、回路中のコン
デンサC1,C2および抵抗R1,R2,R3,R4を
適宜選択することにより調整できる。変圧器27の二次
側には、波形S6が昇圧されて現れることになり、これ
が電気粘性流体2の駆動電圧となる。一方、電気粘性流
体2への印加電圧を変化させることは、図示しない中央
制御装置および駆動電圧可変装置により駆動電圧Vdを
変化させることにより行われる。
【0024】次に、上記構成を有する駆動シリンダの速
度制御装置の作用について説明する。駆動シリンダ7の
右エア室に作動空気が流入されると、シリンダチューブ
10内のピストンが図中の左方向に移動する。ピストン
を構成するピストン側磁石5aが移動すると、ピストン
側磁石5aに対してシリンダチューブを介して磁力で吸
引される摺動体側磁石6aが、ピストン側磁石5aと共
に移動し、摺動体4aが図中の左方向に移動する。この
とき、制動シリンダ17の外周に取り付けられている摺
動体4bは、連結部材9により摺動体4aと一体になっ
ており、摺動体4bは摺動体4aと一体的に動作する。
【0025】そして、摺動体4bが図中の左方向に移動
し、摺動体側磁石6bが移動すると、摺動体側磁石6b
に対してシリンダチューブを介して磁力で吸引されるピ
ストン側磁石5bが摺動体側磁石6bと共に移動し、ピ
ストンがオイル本チューブ1内を図中左方向に移動す
る。ピストンがオイル本チューブ1内を移動すると、電
気粘性流体2がピストンにより左方向に押されると同時
にピストンの右側に圧力低下を発生し、電気粘性流体2
は図中反時計回りに移動される。このとき、電気粘性流
体2は、速度制御装置18内の外側電極13と円筒電極
12により形成される間隙を通過する。
【0026】ここで、電気粘性流体2は、外側電極13
と円筒電極12との間にかけられる電圧により発生する
電界の影響を受けて流体の粘度が高くなる。従って、外
側電極13と円筒電極12との間にかける印加電圧を高
くすると、駆動シリンダ7の摺動体4aの移動速度は低
下する。
【0027】次に、駆動シリンダ7の摺動体4aと印加
電圧との関係を説明する。まず、電気粘性流体の駆動電
圧である印加電圧(実効値)と電気粘性流体に誘起され
るせん断応力との関係を図8に示す。印加電圧として6
0Hzの交流方形波電圧を用いた場合のデータを41に
示し、印加電圧として60Hzの交流略台形波電圧を用
いた場合のデータを42に示す。ここで、方形波の正負
の切換え時の印加電圧の変化率は、180V/mm/μ
secであり、略台形波の正負の切換え時の印加電圧の
変化率は、5V/mm/μsecである。
【0028】図8のデータが示すように、交流方形波4
1と交流略台形波42の場合とで、電気粘性流体2に発
生する誘起せん断応力はほぼ同一である。従って、電気
粘性流体2が使用される駆動シリンダ7のテーブル移動
速度の変化も図6に示すように、交流方形波40と交流
略台形波39の場合とで、ほぼ同じである。一方、電気
粘性流体の駆動電圧である印加電圧(実効値)と電流密
度(実効値)との関係も図9に示している。印加電圧と
して60Hzの交流方形波電圧を用いた場合のデータを
43に示し、印加電圧として60Hzの交流略台形波電
圧を用いた場合のデータを44に示す。このように、方
形波43と略台形波44とで必要とされる電流量は図中
EAで示す量だけ低減されている。
【0029】従って、図6のデータに示すように、電気
粘性流体2を使用する駆動シリンダの速度制御装置にお
いて、方形波37と略台形波38とで必要とされる電流
は大きく低減される。このように消費電流量を低減でき
るのは、交流略台形波を使用した場合には図5に示すよ
うに、電気粘性流体2に誘起せん断応力を発生させると
きに流れる突入電流Tbが1/3程度に低減できるため
である。また、突入電流が低減されるので、変圧器も小
型化できコストダウンになる。
【0030】本実施例では、中央制御装置が、印加電圧
として60Hzの交流略台形波電圧を用いた場合のデー
タ39をテーブルデータとして記憶し、速度制御装置に
テーブルに基づいて、電気粘性流体2流体の速度制御装
置に対して印加電圧の形式で速度指令を与えている。そ
して、一定の絶対値を有する正電圧および負電圧の略台
形パルスを電線19を介して外側電極13と円筒電極1
2との間に交互に常に印加する。
【0031】電極間に一定の絶対値を有する正電圧およ
び負電圧の略台形パルスが常に印加されていれば、電気
粘性流体2の受ける制動力は、一定値となる。すなわ
ち、図7に示すように、横軸に時間軸をとり、縦軸に駆
動シリンダの変位X、速度V、加速度Aをとると、加速
度Aに示すように、前述した図10に示す摺動体のビビ
リ振動Bはまったく発生しない。従って、精密な送りを
必要とする駆動シリンダの制御装置として、本発明に係
る電気粘性流体の制御装置を使用することができる。
【0032】また、正電圧および負電圧の台形パルスの
絶対値が変動した場合について説明する。台形パルスの
絶対値が変動しても、絶対値が90〜110%の範囲に
あれば、駆動シリンダに問題となるビビリ振動が発生し
ないことが実験により確認されている。
【0033】以上説明したように、本実施例の駆動シリ
ンダの速度制御装置によれば、制御手段が駆動シリンダ
の速度を制御する時に、一定の絶対値を有する正電圧お
よび負電圧の台形パルスを電極に交互に常に印加してい
るので、電気粘性流体2の粘度の変動がないため、摺動
体に発生する制動力が常に一定であって、摺動体がビビ
リ振動することがない。ここで、絶対値の正負を変化さ
せるときに電圧値を漸次変化させているので、突入電流
量を大幅に低減することができるため、電気粘性流体2
の劣化を防止し、駆動シリンダの速度を安定して制御を
行うことができる。また、変圧器を小型化してコストダ
ウンを実現できる。
【0034】また、本実施例の駆動シリンダの速度制御
装置によれば、制御手段が駆動シリンダの速度を制御す
る時に、一定の絶対値を有する正電圧および負電圧の台
形パルスを電極に交互に常に印加すると共に方形パルス
の絶対値を変化させることにより、駆動シリンダの速度
を変化させているので、摺動体にビビリ振動を発生させ
ることなく、容易かつ正確に駆動シリンダの速度を制御
できる。
【0035】なお、正電圧と負電圧との切換えを漸次行
う場合、すなわちスルーレートを小さくする場合、パル
ス波形は理想的には台形波がよいが、正確な台形波を実
現するには、制御回路が煩雑となり、コストが大幅にア
ップしてしまう。そこで、本実施例では、制御パルス波
形として略台形波を用いて低いコストで突入電流を小さ
くし、消費電流を低減している。
【0036】また、実験的には図11のデータ線46に
示すように、スルーレートが15V/mm/μsecよ
り小さければ、消費電流が方形波の場合と比べて20%
以上削減できることが確認されている。また、正弦波
(スルーレート2.2V/mm/μsec)では、電気
粘性流体の粘度変化による駆動シリンダ等のビビリ振動
が発生するが、ビビリ振動を発生させないためには、せ
ん断力の低下を5%以下にする必要があり、図11のデ
ータ線45に示すように、スルーレートが3V/mm/
μsecより大きければ、せん断力の低下を5%以下に
することができる。そのため、スルーレートは、3〜1
5V/mm/μsecの範囲内であることが望ましい。
【0037】本実施例では、印加電圧の正電圧パルスと
負電圧パルスの時間割合を5:5で行っているが、この
割合を変化させてもよい。ただし、実験で確認したとこ
ろ、印加電圧の正電圧パルスと負電圧パルスの時間割合
は、8:2から2:8の中間の割合であることが必要で
ある。この割合を外れた場合、電気粘性流体2中の微粒
子が電極部に沈着し粘度に対する制御性能が劣化するか
らである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の駆動シリンダの速度制御装置によれば、制御手段
が駆動シリンダの速度を制御する時に、正電圧と負電圧
のパルスを交互に与えると共に電圧の変化を漸次おこな
っているので、突入電流を小さくできるため、電気粘性
流体を制御するための消費電流を低減することができ
る。また、突入電流を少なくできるため、電気粘性流体
の電気化学的な劣化を抑制して、電気粘性流体の寿命を
延ばすことができる。
【0039】また、消費電流を少なくできるため、電気
粘性流体の温度上昇を抑制でき、電気粘性流体の性能が
変化せず、電気粘性流体の速度を安定して制御すること
ができる。また、消費電流を少なくできるため、変圧器
を小型化してコストダウンできる。また、電気粘性流体
の粘度の変動が少なく、摺動体に発生する制動力が一定
であって、摺動体にビビリ振動が発生することがないた
め、駆動シリンダ等を精密な速度で制御することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気粘性流体の制御装置の構成を
示す回路図である。
【図2】電気粘性流体の制御装置の回路の作用を示すタ
イムチャートである。
【図3】駆動シリンダの速度制御装置の構成を示す断面
図である。
【図4】電気粘性流体に交流方形波を印加した場合の電
流量を示すタイムチャートである。
【図5】電気粘性流体に交流台形方形波を印加した場合
の電流量を示すタイムチャートである。
【図6】印加電圧と摺動体の速度との関係を示すデータ
図である。
【図7】本実施例の駆動シリンダの駆動時の振動を示す
タイムチャートである。
【図8】印加電圧と誘起せん断応力との関係を示すデー
タ図である。
【図9】印加電圧と電流密度との関係を示すデータ図で
ある。
【図10】交流正弦波を用いて駆動シリンダを駆動する
時の振動を示すタイムチャートである。
【図11】スルーレートとせん断力・電流密度との関係
を示すデータ図である。
【符号の説明】
1 オイル本チューブ 2 電気粘性流体 3 オイルチューブ 4 摺動体 5 ピストン側磁石 6 摺動体側磁石 7 駆動シリンダ 12 円筒電極 13 外側電極 17 制動シリンダ 21 発振回路OSC 22 D型フリップフロップ 23 AND論理素子 24 オープンコレクタバッファ 26 コンプリメンタリエミッタフォロア回路 27 昇圧トランス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気粘性流体を挟む電極と、該電極間に
    パルス状の正電圧と負電圧とを交互に印加して該流体の
    粘性を制御する制御手段とを有する電気粘性流体の制御
    装置において、 前記制御手段が前記正電圧と負電圧とを切り換える時に
    電圧値を漸次変化させることを特徴とする電気粘性流体
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するものにおいて、 前記正電圧および負電圧が略台形パルスであることを特
    徴とする電気粘性流体の制御装置。
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