JP2790949B2 - 圧力制御装置 - Google Patents

圧力制御装置

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JP2790949B2 JP4296298A JP29629892A JP2790949B2 JP 2790949 B2 JP2790949 B2 JP 2790949B2 JP 4296298 A JP4296298 A JP 4296298A JP 29629892 A JP29629892 A JP 29629892A JP 2790949 B2 JP2790949 B2 JP 2790949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工筋肉の内部圧力制
御装置に関し、外部電界強度に応じてその粘性を著しく
変化させる電気粘性流体を人工筋肉の駆動圧力媒体とし
て使用するための圧力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代の産業において、ロボットは作業者
の代わりとして稼動しており、生産段階の自動化に多大
な貢献をしている。特に近年においては、従来多用され
ているモータ、ピストン機構等の剛的な機械的運動要素
ばかりでなく、柔軟な動きの可能なアクチュエータ(以
下、人工筋肉という)がいくつか提案されるに至ってい
る(田中豊:柔軟運動が可能なゴムアクチュエータ、機
械設計、36巻8号(1992/7)等参照)。これら
人工筋肉は、柔軟性のある管状部材と伸縮しない部材と
を組み合わせ、これに内部圧力をかけることにより不均
一な変形を起こさせることを基本原理としており、1つ
の人工筋肉でも供給される圧力により多様な動きを見せ
るようにすることも可能である。そして、これら人工筋
肉により人間の手指に代替できるような人工的な手を実
現することが期待されている。
【0003】ここで、人間の手の運動のうち、機械的な
ロボットにより代替し難い要素について考察する。人間
の手の運動は、手をひろげて行う「圧排動作」と、なん
らかの対象物をつかむ「把握動作」の2つに大別するこ
とができる。そして圧排動作には、例えば車を押した
り、ピアノを弾くといった動作があり、一方把握動作
は、把握対象物の形と大きさとにより千差万別である
(荒井孝和、人間の手の話、(1985−9)、20−
24、BLUEBACKS)。すなわち、人間の手の顕
著な特徴は、その各関節を正確にかつ複雑に動作させる
ことにより、種類の異なる多様な動作を1つの手で行い
うることにあり、これが機械的なロボットでは困難なの
である。
【0004】そこで、人工筋肉を使用してロボットを人
間の手指に近づけることが試みられている。そのとき、
例えば5本の指を構成する人工筋肉の各々に対して異な
った圧力を供給する必要がある。これを実現するため
に、図6(a)に示すように、人工筋肉71を数本並べ
それぞれに開閉弁74を取り付けた人工手指を考え、各
人工筋肉71に独立に多水準の圧力を供給できるように
すれば、人工手指に多様な動きをさせることができる。
【0005】ここでは多種類の圧力の供給手段として、
それぞれ異なる圧力を有する圧縮空気源72を多数用意
し、各人工筋肉に各圧縮空気源72の圧力を独立に供給
できるように多方弁73を配置して、人工手指の多様な
動きの実現を図っている。ここで開閉弁74は人工筋肉
71の圧力を変更する際に、内圧をいったん開放するた
めに用いる。または、図6(b)に示すように、圧縮空
気源72を1個として、各人工筋肉71にそれぞれ減圧
弁75を介して調整した圧力を供給することも考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
圧力供給方法には、以下の様な問題がある。すなわち、
図6(a)の方法の場合、圧縮空気源72(ボンベまた
はコンプレッサ)を多数用意する必要があり、占有スペ
ースが非常に大きくなるという問題がある。そして、圧
縮空気源72から多方弁73にいたる極めて複雑な配管
を必要とし、また、多方弁73や開放弁74として使用
される弁機構類の占有スペースも大きくなる。これによ
り、図6(a)に示される人工手指は、実際には巨大な
ものとなってしまう。産業用ロボットは狭いスペースで
動作する場合が多く、問題が大きい。さらに、多方弁7
3や開放弁74として使用される弁機構類は、その応答
性が必ずしも充分ではなく、すばやい動きに追従できな
い問題がある。また、各人工筋肉71に供給し得る圧力
は、用意した圧縮空気源72の圧力のいずれかに限ら
れ、任意の圧力を供給することができない問題がある。
【0007】一方、図6(b)に示すものでは、圧縮空
気源72や配管の占有スペースは図6(a)のものより
縮小でき、圧縮空気源72の圧力を最大限として任意の
圧力を各人工筋肉71に供給できる。しかし、減圧弁7
5は開閉弁74等に比べてさらに応答性および操作性が
悪く、また自動化も困難で、実用的なものとはなり得な
い問題がある。また、図6(a)および(b)のいずれ
のものでも、人工筋肉71の圧力を下げる場合、いった
ん開放弁74を開放するので圧力は大気圧まで低下して
しまい、目標の圧力にするには再度圧縮空気源72から
圧力を供給する必要があり、操作性がよくない。
【0008】上述した従来技術の問題点は、各人工筋肉
に任意の圧力を迅速に供給することが困難であることに
集約される。そこで本発明は、これを解決するため、圧
力媒体として圧縮空気でなく電気粘性流体を用い、電気
的制御で圧力の遮断および連通を図ることにより、単一
の圧力発生装置から、簡単な機構で応答性よく任意の圧
力を選択して人工筋肉に供給でき、かつ並列設置が可能
な人工筋肉駆動用の圧力供給装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の圧力制御装置は、電極に与えられた電圧に
より粘性が変化する作動流体を用いてアクチュエータを
駆動する圧力制御装置であって、前記作動流体に圧力が
周期的に変化する脈動圧を加える加圧手段と、前記アク
チュエータに前記作動流体が入力する入力口または前記
アクチュエータに前記作動流体が出力する出力口の少な
くともどちらか一方に設けられた電極と、前記脈動圧の
任意の圧力値のときに前記開閉手段を駆動させて前記電
極に電圧を与えて前記アクチュエータ内の前記作動流体
の圧力を一定に保持する制御手段とを有することを特徴
とする。ここで、作動流体としては、電極に与えられた
電圧により粘性が変化する電気粘性流体の他に、与えら
れた磁界の強度が変化することにより粘性が変化する磁
気粘性流体を用いても同様であり、本発明をそのまま適
用できる。また、ここにおいて、前記アクチュエータは
柔軟伸縮性のある管状部材と伸縮しない部材とを接合し
てなる人工筋肉であることを特徴とする。また、ここに
おいて、前記脈動圧の波形は正弦波形であることを特徴
とする。
【0010】
【作用】上記の構成よりなる本発明の圧力制御装置で
は、加圧手段は、人工筋肉を駆動するのに必要な最小圧
力から最大圧力までをカバーする変動幅で周期的に変化
する脈動圧力を発生して、人工筋肉を駆動する圧力媒体
である電気粘性流体に印加している。一方、粘性制御手
段が、電気粘性流体を挟む電極に電圧を印加すると、電
極間における電気粘性流体の粘度が、電極に電圧が印加
されないときと比較して、大幅に上昇し、この状態では
人工筋肉にかかる圧力は、加圧手段の発生圧力から遮断
される。
【0011】人工筋肉の圧力をより高い圧力に変更しよ
うとする場合は、加圧手段の発生圧力が上昇勾配にある
ときに、電極への電圧印加をオフして電極間の電気粘性
流体の粘度を下げ、人工筋肉に加圧手段の発生圧力が供
給されるようにする。そして、加圧手段の発生圧力が目
標とする圧力に到達したら、電極に電圧を印加して電極
間の電気粘性流体の粘度をあげることにより、以後人工
筋肉の圧力がその時点での圧力に保持される。人工筋肉
の圧力をより低い圧力に変更しようとする場合は、加圧
手段の発生圧力が下降勾配にあるときに、電極への電圧
印加をオフして電極間の電気粘性流体の粘度を下げ、人
工筋肉の圧力が加圧手段側へ開放されるようにする。そ
して、加圧手段の発生圧力が目標とする圧力まで低下し
たら、電極に電圧を印加して電極間の電気粘性流体の粘
度をあげることにより、以後人工筋肉の圧力がその時点
での圧力に保持される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例である、
電気粘性流体を使用した人工筋肉駆動用の圧力制御装置
について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実
施例の圧力制御装置の構成図である。図1の圧力制御装
置1は、作動流体たる電気粘性流体2を封入したシリン
ダ3に、ピストン4を摺動可能に嵌挿し、シリンダ3の
一端を圧力取り出し部13とし、そこに開閉手段たる周
辺電極6と中心電極7とを設けたものであり、さらに周
辺電極6と中心電極7とに電圧を印加するための電池8
と、該電圧を遮断するスイッチ9とが設けられている。
【0013】ピストン4は、シリンダ3の圧力取り出し
部13とは反対側の端面中央を摺動可能に貫通するロッ
ド10を介して後述する揺動装置11により駆動され往
復運動し、電気粘性流体2に脈動する圧力を印加する。
さらにシリンダ3には、ピストン4の往復運動による容
積変化を補衝するためのバッファタンク12が設けられ
ている。かかる圧力制御装置1の圧力取り出し部13に
は、圧力により多様な形態をとる人工筋肉5が取り付け
られている。電気粘性流体2は、人工筋肉5内にも充填
されており、圧力取り出し部13の周辺電極6と中心電
極7との隙間を通してシリンダ3内と連通している。
【0014】まず、シリンダ3および人工筋肉5内に封
入されている電気粘性流体2について説明する。電気粘
性流体2は、シリコンオイル等の電気絶縁性の分散媒体
中にシリカ、セルロースや各種イオン交換樹脂等からな
る分散相粒子を分散懸濁させたものであり、かかる分散
相粒子は、分散媒体中では表面分極を起こして分散媒体
に対してゼータ電位と呼ばれる一定の電位を示すので、
実質的に帯電しているように振舞う。この電気粘性流体
に外部電界を印加すると、流体の粘度が著しく上昇し、
大きいせん断力を誘起するウィンズロー効果が起こる。
このウィンズロー効果によれば、流体の粘度を電気信号
により容易に制御することができる。
【0015】圧力制御装置1においては、スイッチ9を
オンして電池8の電圧を周辺電極6と中心電極7とに印
加すると、周辺電極6と中心電極7との隙間の電気粘性
流体2に電界が印加され、ウィンズロー効果によりその
部分で粘度の上昇が起こる。このとき、シリンダ3側と
人工筋肉5側との圧力は実質的に遮断され、以後人工筋
肉5の圧力は、スイッチ9をオンした時点での圧力を保
持する。スイッチ9をオフすると、電池8の電圧が周辺
電極6と中心電極7とに印加されなくなるので、その部
分の電気粘性流体2に印加されていた電界が消滅し、ウ
ィンズロー効果が消失して電気粘性流体2の粘度が本来
の値に戻る。このとき、シリンダ3側と人工筋肉5側と
の連通が復活し、人工筋肉5の圧力はシリンダ3の圧力
変化に従うようになる。図1では、電界を印加させるた
めの電圧源として、直流電圧源である電池8を使用した
が、これに替えて交流電圧源を使用してもよい。
【0016】次に、電気粘性流体2に圧力を印加する加
圧手段であるピストン4と揺動装置11とについて説明
する。ピストン4は、電気粘性流体2に図2のグラフに
示す正弦波形の周期変動圧力を与えるべく、揺動装置1
1からの駆動により往復周期運動するものである。図2
では、縦軸が圧力Pを、横軸が時間Tを、それぞれ表し
ている。ここで揺動装置11としては、例えばモータ等
の回転運動をクランクやカム等により往復運動に変換す
る方法や、あるいはリニアモータを用いること等が考え
られるが、これらに限らず、必要な出力を発生し得るも
のであれば何でもよい。そして、図2の圧力範囲内の各
圧力により、人工筋肉5は多様な形態をとる。
【0017】続いて、以上の構成および動作による圧力
制御装置1における、人工筋肉5の圧力を任意の値にす
る操作手順について図3のグラフにより説明する。図3
では図2と同様、縦軸が圧力Pを、横軸が時間Tをそれ
ぞれ表し、さらに、Pa は人工筋肉5内の圧力を、Ps
はシリンダ3内の圧力を示している。
【0018】まず、人工筋肉5の圧力Pa が圧力変動範
囲内の低い値P1 に保持されている状態から、圧力変動
範囲内の高い値P2 まで圧力Pa を上げる場合を図3
(a)に基づいて考える。この場合初期状態(図3
(a)中期間A)では、スイッチ9がオンされて人工筋
肉5の圧力Pa が圧力P1 に保持されている。そして、
シリンダ3の圧力Psが周期的変化により、上昇勾配中
に圧力P1 と等しくなったとき(図3(a)中時刻T1
)にスイッチ9をオフするのである。するとその後、
人工筋肉5の圧力Pa はシリンダ3の圧力Ps の上昇に
伴って上昇する(図3(a)中期間B)。そして、シリ
ンダ3の圧力Ps が目標圧力である圧力P2 に達したと
き(図3(a)中時刻T2 )に、図示しない制御手段に
よりスイッチ9をオンするのである。するとその後、人
工筋肉5の圧力Pa は圧力P2 に保持される(図3
(a)中期間C)。
【0019】次に、人工筋肉5の圧力Pa が圧力変動範
囲内の高い値P2 に保持されている状態から、圧力変動
範囲内の低い値P1 まで圧力Pa を下げる場合を図3
(b)に基づいて考える。この場合初期状態(図3
(b)中期間D)では、制御手段によりスイッチ9がオ
ンされて人工筋肉5の圧力Pa が圧力P2 に保持されて
いる。そして、シリンダ3の圧力Ps が周期的変化によ
り、下降勾配中に圧力P2 と等しくなったとき(図3
(b)中時刻T3 )に制御手段によりスイッチ9をオフ
するのである。するとその後、人工筋肉5の圧力Pa は
シリンダ3の圧力Ps の下降に伴って下降する(図3
(b)中期間E)。そして、シリンダ3の圧力Ps が目
標圧力である圧力P1 まで下降したとき(図3(b)中
時刻T4 )に、制御手段によりスイッチ9をオンするの
である。するとその後、人工筋肉5の圧力Pa は圧力P
1 に保持される(図3(b)中期間F)。
【0020】図3(a)、(b)の説明では、人工筋肉
5の圧力としてP1 、P2 の2水準を例示したが、圧力
変動の波形が正弦波であるため、この2水準に限らず圧
力変動範囲内のどの圧力でも、同様の手順により人工筋
肉5に供給できる。
【0021】さらに、人工筋肉5の圧力を所望の値にし
た後、スイッチ9をオンにしておけば一定の圧力を保持
できるのであるが、電気粘性流体2は、電界が印加され
粘度が上昇しているときでも完全に固化しているわけで
はない。したがって長時間スイッチ9をオンにし続ける
と、人工筋肉5の圧力が少しずれてくることがある。そ
こで、長時間一定の圧力を保持する場合は、図4のグラ
フに示す操作を行えばよい。図4では図3と同様、縦軸
が圧力Pを、横軸が時間Tをそれぞれ表し、Pa は人工
筋肉5内の圧力を、Ps はシリンダ3内の圧力を示して
いる。
【0022】すなわち図4の操作とは、シリンダ3の圧
力Ps が人工筋肉5の保持しようとする圧力P3 に等し
くなる直前の短時間のみ、スイッチ9をオフする操作で
ある。人工筋肉5内の圧力Pa が、かりに保持しようと
する圧力P3 から少しずれても、この操作により、正し
い圧力に矯正することができ、人工筋肉5内の圧力Pa
を長時間一定に保つことができる。なおこの操作は、シ
リンダ3の圧力周期毎に欠かさず行う必要は必ずしもな
く、人工筋肉5内の圧力Pa の保持すべき圧力P3 から
のずれが問題とならないよう、適切な頻度で行えばよ
い。またここで、スイッチ9をオフしている時間は、電
気粘性流体2の応答速度(数ミリ秒程度)の数倍程度で
充分である。上述の操作により、人工筋肉5の圧力を圧
力変動範囲内の任意の圧力にし、その圧力に保持するこ
とができるので、人工筋肉5は供給された圧力に対応す
る形態をとってその形態を保持することができる。
【0023】このことから圧力変動の波形は、方形波や
鋸波等、圧力上昇・下降の一方もしくは両方が非連続関
数的なものであってはならず、正弦波に代表されるよう
な圧力上昇・下降の両方が連続的に変化するものでなく
てはならないことがわかる。正弦波以外のこのような連
続波形として、例えば三角波等が考えられる。そして、
揺動装置11として、回転モータとカム機構またはクラ
ンク機構とを組み合わせたものを用いれば、正弦波もし
くは正弦波に近似する波形を容易に得ることができる。
また、通常の人工筋肉5を駆動するための圧力変動幅の
最大値は10kgf/cm2 程度が必要である。
【0024】ここにおいて、図3および図4に示す圧力
変化、すなわちピストン4の往復運動の周波数は、1〜
20Hz程度とするのが望ましい。仮にこれを5Hzと
すると圧力変化の周期は0.2秒となり、人工筋肉5の
圧力変化に必要な時間、すなわち図3中の期間Bおよび
期間Eの時間は最大で0.1秒となる。従来技術の例で
示した開閉弁等によるものでは数秒を要し、特に減圧弁
を使用したものでは数分を要するのでその差は明かであ
る。仮に周波数を1Hz以下としたのでは、開閉速度に
関して従来技術によるものに対する利点が小さくなって
しまう。一方周波数を20Hz以上とした場合は、期間
Bおよび期間Eの時間が電気粘性流体2の応答速度であ
る数ミリ秒程度となるので、圧力制御装置1は正しい作
動をしなくなる。
【0025】以上説明したように、本実施例の圧力制御
装置1によれば、単一の圧力発生手段から、任意の圧力
を選択して人工筋肉5に供給することができる。また、
人工筋肉5に供給されている圧力を迅速に変更すること
が、圧力上昇・下降ともに可能である。また、ここで使
用している開閉手段は、電気粘性流体2を挟持する電極
であり、圧力発生手段は一式ですむので、機械式等の開
閉弁を使用する従来技術の方法よりはるかにコンパクト
である。また、電気粘性流体2が電気絶縁性であるため
両電極間にはほとんど電流は流れないので、ここでの電
力消費はほとんどない。
【0026】続いて、本発明の第2の実施例である、前
記の圧力制御装置を応用した人工手指を図5に示す。図
5の人工手指20は、1つの圧力供給装置21に5口の
圧力取り出し口(331〜335)を設置し、それぞれ
に周辺電極(261〜265)と中心電極(271〜2
75)とを設け、それぞれに人工筋肉(251〜25
5)を取り付けたものである。そして前述の実施例のも
のと同じ電気粘性流体22が、シリンダ23内と各人工
筋肉(251〜255)内とに封入されている。ピスト
ン24、ロッド30、揺動装置31、およびバッファタ
ンク32は、前述の実施例のものと同様の作用をし、電
気粘性流体22に脈動圧を印加する。本実施例において
も、脈動圧の周波数は前述の実施例の場合と同じ理由に
より、1〜20Hz程度とするのが望ましいことはもち
ろんである。
【0027】そして本実施例においては、各人工筋肉
(251〜255)に対して、それぞれスイッチ(29
1〜295)が設けられているので、互いに独立に前述
の操作を行うことにより、各人工筋肉(251〜25
5)に独立に任意の圧力を供給することができる。ま
た、各人工筋肉(251〜255)に供給されている圧
力を迅速に変更することが、圧力上昇・下降ともに可能
であることは前述の実施例の場合と同様である。また、
ある1つの人工筋肉(例えば251)の圧力を変更して
も、そのことにより他の人工筋肉(252〜255)の
状態に影響が及ぶことはない。
【0028】また、ここで使用している開閉手段が、電
気粘性流体22を挟持する電極であり、また圧力発生手
段が一式ですむため、機械式等の開閉弁を使用する従来
技術の方法よりはるかにコンパクトであること、およ
び、電気粘性流体2が電気絶縁性であるため両電極間に
ほとんど電流は流れず、ここでの電力消費がほとんどな
いことは、前述の実施例の場合と同様である。以上の説
明から本実施例の人工手指20は、各人工筋肉(251
〜255)が互いに独立に、多様な形態をとることがで
きるので、人間の手とほぼ同様の多様な動きを実現する
ことができることが理解される。
【0029】なお、前記各実施例は本発明を何ら限定す
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において
種々の改良、変更が可能であることはもちろんである。
例えば、前記各実施例では加圧手段であるピストンを内
蔵するシリンダそのものの一端に人工筋肉を取り付けて
いるが、シリンダとは別に人工筋肉取り付け用の容器を
設け、これとシリンダとを配管で接続してもよい。その
場合バッファタンクは、シリンダと該容器とのいずれに
設置してもよい。また、前記各実施例では作用流体とし
て電気粘性流体を用い、開閉手段として電気粘性流体を
挟む電極としたが、開閉手段として例えば電磁弁等を使
用してもよい。その場合作用流体としては電気粘性流体
に限る必要はない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のアクチュエータの圧力制御装置によれば、作動流
体である電気粘性流体に脈動圧を加え、電界印加による
電気粘性流体が任意の圧力にある時に電気粘性流体を挟
む電極に電圧を与えて、人工筋肉への供給圧力制御を行
っているので、単一の圧力発生装置から任意の圧力を選
択して、複数の人工筋肉に対して任意の圧力を独立に供
給することができるため、人間の手の動きと比肩する多
様な動きをする人工手指を実現でき、その産業上奏する
効果は大きい。また、圧力発生装置が一式ですみ、複雑
な配管を必要とせず、多数の弁機構を設ける必要もない
ため、装置全体をコンパクトにまとめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧力制御装置に人工筋肉を取り
付けたものの構成を示す図である。
【図2】加圧手段が発生する圧力の周期的変化を示すグ
ラフである。
【図3】人工筋肉の圧力を任意の値に変更する手順を説
明するグラフである。
【図4】人工筋肉の圧力を長時間一定の値に保持する手
順を説明するグラフである。
【図5】本発明にかかる圧力制御装置を利用した人工手
指の構成を示す図である。
【図6】従来技術による人工手指の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 圧力制御装置 2、22 電気粘性流体 3、23 シリンダ 4、24 ピストン 5、251〜255 人工筋肉 6、261〜265 周辺電極 7、271〜275 中心電極 8、28 電池 9、291〜295 スイッチ 10、30 ロッド 11、31 揺動装置 12、32 バッファタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−175533(JP,A) 特開 平2−17063(JP,A) 特公 昭54−23293(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F15B 21/06 B25J 9/14 B25J 15/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に与えられた電圧により粘性が変
    化する作動流体を用いてアクチュエータを駆動する圧力
    制御装置において、 前記作動流体に圧力が周期的に変化する脈動圧を加える
    加圧手段と、 前記アクチュエータに前記作動流体が入力する入力口ま
    たは前記アクチュエータに前記作動流体が出力する出力
    口の少なくともどちらか一方に設けられた電極と、 前記脈動圧の任意の圧力値のときに前記電極に電圧を与
    えて前記アクチュエータ内の前記作動流体の圧力を一定
    に保持する制御手段とを有することを特徴とする圧力制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータは柔軟伸縮性のあ
    る管状部材と伸縮しない部材とを接合してなる人工筋肉
    であることを特徴とする請求項1に記載する圧力制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記脈動圧の波形は正弦波形であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載する圧力
    制御装置。
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