JPH0649973B2 - グラベル杭造成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、軟弱地盤を改良するのに使用される装置に関
するもので、リーダに吊支される機枠の下部より垂下さ
れたケーシングを回転させつつ地盤中所定深さまで貫入
し、そのあとケーシングを引き抜きながら、砕石、砂
利、砂、石灰等のグラベルをケーシング下端から排出し
つつ地盤中にグラベル杭を造成する装置に関する。

（従来技術及びその問題点） この種のグラベル杭造成装置においては、回転ケーシン
グの回転中にグラベルが共廻りするのを防止して重錘式
グラベル面検知を容易に可能とするために、回転ケーシ
ング内に、上部にグラベル供給用ホッパーを連設した固
定ケーシングを挿入し、またこの固定ケーシング内に内
杆を垂下挿入すると共にこの内杆の上端部を機枠に設け
た上下駆動手段に連結して、固定ケーシング内のグラベ
ルを突き固め、強力なグラベル杭を得るようにし、更に
杭造成中に固定ケーシング内に圧力エアを供給してその
圧力エアによりグラベルを効果的に押出すようにしたも
のが知られている。

ところで、上述したような装置にあって、固定ケーシン
グ内への圧力エアの供給時にホッパーの開口部は空気弁
によって気密封鎖されるが、内杆の上端部が固定ケーシ
ングの上端開口部から出没する状態で内杆上下駆動手段
に連動連結されているために、この固定ケーシング上端
部からエアが洩れ易く、したがって所定のエア圧を得る
のに時間がかかり、余分に多くのエアを供給する必要が
あるといった問題があった。

本発明はこの問題点を解決するものである。

（問題点を解決するための技術的手段） 本発明の技術的手段は、グラベル供給用のホッパーを、
固定ケーシングの上部に横方向に分岐するように連設し
て、このホッパーの内部に空気弁を設け、前記内杆上下
駆動手段と、固定ケーシング内で上下動する内杆とを昇
降ロッドによって連動連結すると共に、該昇降ロッド
を、固定ケーシングの上端部に一体または一体的に設け
たガイドブッシュに気密リングを介して気密的に摺動自
在に嵌挿したことを特徴とする。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明すると、１は、クロ
ーラクレーン等に立設されたリーダ（図示せず）に昇降
自在に吊支される機枠で、この機枠１の下部には、外周
面にその全長に亘りもしくは下部のみにスクリュー２を
螺設した円筒状の回転ケーシング３が軸受４，５を介し
て回転自在に垂下装備され、この回転ケーシング３の下
端に底蓋６が開閉自在に取付けられている。７は機枠１
の下部側に設けられた回転駆動手段で、この回転駆動手
段７は、両側一対のモータ８，８の出力軸に固定した小
ギヤ９，９を、回転ケーシング３の上端部に固装した大
ギヤ10に噛合させ、両モータ８，８を互いに同一方向へ
回転させることにより、回転ケーシング３を正転または
逆転駆動させるようにしたものである。１１は回転ケー
シング３内に垂下挿入された円筒状の固定ケーシング
で、その上端部が機枠１に適宜に固定され、下端は回転
ケーシング３の下端付近まで延びている。また、この固
定ケーシング１１の上端部にはその一側部からグラベル
供給用のホッパー１２が横方向に分岐するように一体連
設されており、このホッパー１２は広口部１２ａと傾斜
通路部１２ｂとからなるもので、傾斜通路部１２ｂの広
口部１２ａ側端部に空気弁１３が設けられ、またこの空
気弁１３の近傍には固定ケーシング１１内に圧力エアを
供給するエア供給手段としてのエア供給ノズル１４が設
けられている。空気弁１３は傾斜通路部１２ｂ内周面に
取着された弁枠１３ａと、この弁枠１３ａの所要部に枢
着された弁体１３ｂとからなり、弁体１３ｂは常時は自
重によって図示のような位置に開放していて、グラベル
杭造成時にエア供給ノズル１４から圧力エアが噴射され
るときその噴射エアにより押圧されて閉弁するようにな
っている。尚、空気弁１３の開閉機構はこれに限るもの
ではなく、例えば常時は弁体１３ｂがばねによって閉鎖
されていて、グラベル供給時に投入されるグラベルによ
り弁体１３ｂが開放されるようなものでもよい。

１５は、固定ケーシング１１内に垂下挿入されていて、
機枠１に設けられた上下駆動手段１６によって上下動す
る内杆で、この内杆１５は固定ケーシング１１の上端部
において昇降する円筒状の昇降ロッド１７を介して上下
駆動手段１６と連動連結している。この昇降ロッド１７
は、固定ケーシング１１の上端部内に振れ止め用筒状体
１８を介して嵌装固定された円筒状のガイドブッシュ１
９に、上下摺動自在に嵌挿され、そしてこの昇降ロッド
１７の外周面とガイドブッシュ１９の内周面との間隙は
ガイドブッシュ１９内周面の上下両端部に装着された気
密リングとしてのＯリング２０によって気密的にシール
されている。尚、図示は省略するが、固定ケーシング１
１の上端部内周面と振れ止め用筒状体１８の外周面との
間隙、及びこの筒状体１８の内周面とガイドブッシュ１
９の外周面との間隙から外部にエアが洩れることのない
ようにそれらの間隙はパッキンその他の適当なシール材
によって気密シールされている。

前記内杆上下駆動手段１６は、モータ２１によって回転
駆動されるクランク円盤２２と、このクランク円盤２２
に一端部がピン２３で枢着された連杆２４とを有するク
ランク機構からなり、連杆２４の他端部がピン２５によ
り昇降ロッド１７の上端部に連結され、この昇降ロッド
１７の下端部はピン２６によって内杆１５の上端部と連
結されている。モータ２１とクランク円盤２２とは図示
のようなベルトやチェーン等の無端状伝動手段２７ある
いはギヤによって連動連結される。尚、この内杆上下駆
動手段１６としては、実施例のようなクランク機構の他
に、いわゆる空気ばね装置を用いることができる。

また、前記内杆１５の下端部にはバイブロフロットから
なるバイブレータ２８が取付けられている。そしてま
た、固定ケーシング１１内には重錘式グラベル検知用の
重錘２９が紐体３０を介して挿入される。尚、この紐体
３０は固定ケーシング１１の側壁部に設けた孔を貫通し
て内部に挿通することになるが、その孔には紐体３０と
の間隙からエアが洩出することのないようにシール材
（図示省略）が取付けてある。

次に、上述したような構成を有するグラベル杭造成装置
の使用方法を説明する。

先ず機枠１をリーダ頂部より適当高さに懸吊支持した状
態で、回転駆動手段７を作動させて回転ケーシング３を
正転させながら、昇降操作用ワイヤー（図示せず）を繰
り出しつつ地盤中に貫入してゆく。回転ケーシング３の
下端が地盤表面に突き当たったとき底蓋６が仮想線図示
のように閉じる。そして回転ケーシング３が地盤中所定
深さに達したら、ホッパー１２より固定ケーシング１１
内に砕石、砂利等の所要のグラベルを供給する。もちろ
ん、グラベルの供給は回転ケーシング３が所定深さに到
達するまでの間に行ってもよい。グラベルの供給を終え
たのち、エア供給ノズル１４よりホッパー１２の傾斜通
路部１２ｂを通じて固定ケーシング１１内への圧力エア
の供給を開始し、このときエア供給ノズル１４より噴射
されるエアの圧力によって空気弁１３を閉鎖させ、この
空気弁１３の閉鎖によって固定ケーシング１１の内部空
間のエア圧を上昇させてゆく。このエア圧の調整は減圧
弁にて行う。このとき、固定ケーシング１１内の上端部
では昇降ロッド１７とガイドブッシュ１９との間隙はＯ
リング２０によって気密シールされており、また固定ケ
ーシング１１、ガイドブッシュ１９及び振れ止め用筒状
体１８相互間の間隙も気密シールされているため、圧力
エアが固定ケーシング１１の外部に洩出することがな
く、したがって圧力エアの供給を短時間で効果的で行う
ことができる。こうして固定ケーシング１１内のエア圧
が所定圧に達したころに、内杆上下駆動手段１６を作動
させて昇降ロッド１７を介し内杆１５を所定ストローク
で上下動させ、またバイブレータ２８を作動させると共
に、回転ケーシング３を逆転させつつ機枠１の昇降操作
用ワイヤーを巻き上げながら回転ケーシング３を引き抜
いてゆくと、固定ケーシング１１内のグラベルは、内杆
１５の上下動による突き固め作用及びバイブレータ２８
の振動作用により十分に締め固められると共に圧力エア
によって上方より押圧されながら、固定ケーシング１１
の下端から効果的に押し出されて、地盤中に強度なグラ
ベル杭を形成してゆくことになる。尚、底蓋６は回転ケ
ーシング３の引き上げに伴って自動的に開く。

この実施例ではガイドブッシュ１９を固定ケーシング１
１の上端部に一体的に設けたが、このガイドブッシュは
固定ケーシングの上端部に一体に設けることもできる。

（発明の効果） 本発明によれば、ホッパーを固定ケーシング上部に横方
向に分岐するように連設したことによって、空気弁の取
付けが容易になると共に、空気弁による弁閉鎖作用をよ
り確実に行わせることができ、また内杆上下駆動手段
と、固定ケーシング内で上下動する内杆とを昇降ロッド
によって連動連結すると共に、該昇降ロッドを、固定ケ
ーシングの上端部に一体または一体的に設けたガイドブ
ッシュに気密リングを介して気密的に摺動自在に嵌挿し
ていることにより、内杆上下駆動手段と内杆との連動連
結部である固定ケーシングの上端部からの圧力エアの洩
出を防止することができ、したがって固定ケーシング内
への圧力エアの供給を短時間で効率良く経済的に行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すグラベル杭造成装置の縦
断面図である。 １…機枠、３…回転ケーシング、７…回転駆動手段、１
１…固定ケーシング、１２…ホッパー、１３…空気弁、
１４…エア供給ノズル（エア供給手段）、１５…内杆、
１６…内杆上下駆動手段、１７…昇降ロッド、１９…ガ
イドブッシュ、２０…Ｏリング（気密リング）、２８…
バイブロフロット（バイブレータ）。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機枠の下部に垂下連設されていて、回転駆
   動手段により回転する回転ケーシングと、上端部が機枠
   に固定されていて、回転ケーシング内に垂下挿入された
   固定ケーシングと、固定ケーシング内に砕石等のグラベ
   ルを供給するためのホッパーと、固定ケーシング内に垂
   下挿入されていて、機枠に設けられた内杆上下駆動手段
   により上下動する内杆と、固定ケーシング内に圧力エア
   を供給するためのエア供給手段と、からなるグラベル杭
   造成装置において、前記ホッパーを、固定ケーシングの
   上部に横方向に分岐するように連設して、このホッパー
   の内部に空気弁を設け、前記内杆上下駆動手段と、固定
   ケーシング内で上下動する内杆とを昇降ロッドによって
   連動連結すると共に、該昇降ロッドを、固定ケーシング
   の上端部に一体または一体的に設けたガイドブッシュに
   気密リングを介して気密的に摺動自在に嵌挿してなるこ
   とを特徴とするグラベル杭造成装置。
2. 【請求項２】前記内杆の下端部にバイブレータを取付け
   てなる請求項１記載のグラベル杭造成装置。