JPH0645930B2 - グラベル杭造成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、グラベル供給用ホッパーの下方に垂下連設さ
れたケーシングを地盤中に挿入してこのケーシング内に
ホッパーからの砂、砂利等グラベルを投入充填し、この
充填されたグラベルを上方から供給される圧力エアで押
圧しつつケーシングを引き抜くことにより地盤中にグラ
ベル杭（砂、砂利等の柱状体）を造成する装置に関す
る。

（従来の技術） 従来におけるこの種のグラベル杭造成装置は、グラベル
投入用ホッパーの下部に設けたシュートにケーシングの
上端部を直接連結してなるもので、グラベル杭の造成に
あたり、ケーシングを起振機により打込むか、あるいは
スクリュー付きのケーシングを用いてこれを回転させな
がら穿入し、而してケーシングが所定の深さに達した
後、ホッパーよりグラベルをケーシング内に所要量充填
し、この充填後ケーシング上部に圧力エアを供給してケ
ーシング内のグラベルを押圧しながらケーシングを引き
抜くことによって、地盤中にケーシング１本分のグラベ
ル杭を造成している。

（発明が解決しようとする課題） 上記のような従来の装置では、１本のグラベル杭を造成
するごとにケーシング１本分のグラベルをホッパーから
ケーシング内に充填するようになっていて、グラベルの
充填中は他の作業が中断されることになるため、グラベ
ル杭を隣接した位置に順次連続して多数本造成してゆく
場合に１本当たりのグラベル杭造成に要する時間が相当
長くなって施工能率が悪かった。

本発明は、上記に鑑み、一度グラベルの供給を行えば少
なくとも２本のグラベル杭が作業を中断することなく連
続的に行えて、グラベル杭１本当たりの造成に要する時
間を短縮することのできるグラベル杭造成装置を提供す
ることを目的としている。

（課題を解決する手段） 上記の目的を達成するために、本発明においては、グラ
ベル供給用ホッパーとケーシングとの間に、ケーシング
と同心状で該ケーシングに対し拡径する形状に形成され
た少なくともケーシング１本分の容量のグラベルを収容
しうる中継タンクを介設し、この中継タンクの上部には
この中継タンク内に圧力エアを供給する圧力エア供給手
段を設けたものである。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明する。

第１図はグラベル杭造成装置を示しており、この図にお
いて１はクローラクレーン等に立設されたリーダ（図示
省略）に昇降自在に吊支される機枠で、この機枠１の下
部には、外周面にスクリュー２を螺設した回転ケーシン
グ３が回転自在に垂下装備されている。

回転ケーシング３は、駆動モータ４，４の出力軸に固定
してあるギヤ５，５が該回転ケーシング３の上端部に固
装されたギヤ６と噛み合ってこれを回転することによ
り、駆動されるようになっている。この回転ケーシング
３の下端にはシュー（底蓋）７が開閉自在に装着してあ
る。

８は、回転ケーシング３内に嵌挿された円筒状の固定ケ
ーシングで、その上端所要部が機枠１に対し固定されて
いる。９はグラベル供給用ホッパーで、これの下部には
固定ケーシング８の直上方位置にシュート9aが突設され
ている。

上記グラベル供給用ホッパー９のシュート9aと固定ケー
シング８との間には、固定ケーシング８１本分の容量の
グラベルを十分に収容しうる中継タンク10が介設されて
いる。この中継タンク10は、固定ケーシング８と同心状
をなし且つ該固定ケーシング８に対し拡径するような大
径の円筒状に形成されており、この中継タンク10の下端
部は漏斗状に形成されて固定ケーシング８の上端部に連
結されている。

また、上記シュート9a内には、当該シュート9aの入口開
口部を開閉する開閉弁11が設けられ、更に中継タンク10
内に圧力エアを供給する手段であると同時にその噴射エ
ア圧縮により開閉弁11を押動して閉弁せしめるエア供給
ノズル12が設けられている。尚、開閉弁11は、常時は自
重によってシュート9aの入口開口部を全開する位置に保
持されている。

上記中継タンク10内部から固定ケーシング８内部に亘っ
て中空状の支持杆13が垂下挿入されており、この支持杆
13の下端部にはバイブロフロット14が装備され、支持杆
13上端部は例えば油圧シリンダからなる流体圧シリンダ
15のピストンロッド15aに連結されている。この流体圧
シリンダ15は中継タンク10の上端部に取着されたブラケ
ット16に取付け固定されている。尚、このブラケット16
はシュート9a側からのグラベルが中継タンク10側へ自由
に流通落下しうる構造となっている。また、流体圧シリ
ンダ15及びこれに連結されている支持杆13の上端部側は
上記ブラケット16に吊持された保護管17で保護されてい
る。

上記バイブロブロット14は、第２図に示すように、支持
杆13より十分径大の円筒状フロット本体18内に、電動機
19を配備すると共に、この電動機19の出力軸に連結させ
た偏心軸体20を軸架させてなるもので、電動機19の回転
による偏心軸体20の偏心回転によってフロット本体18に
横方向の振動を生ぜしめるようになっている。電動機19
用のキャップタイヤ21は支持杆13の中空部を通り上垂さ
れて該支持杆13の上端部で保護管17内部に抜け出、そこ
から適宜外部に延出されている。

また、上記バイブロフロット14は、グラベル杭造成時は
第１図の仮想線で示されるように固定ケーシング８の下
端から下方に突出して固定ケーシング８から抜け出た位
置にあり、この位置で固定ケーシング８下端から押出さ
れるグラベルを振動によって締め固めるようになってい
る。また、固定ケーシング８が回転ケーシング３と共に
地上に引き上げられると、流体圧シリンダ15を収縮作動
させることにより、このバイブロフロット14は、第１図
の実線図示の位置、つまり固定ケーシング８の下端部内
にあって、固定ケーシング８に充填されているグラベル
が固定ケーシング８下端から洩出するのを防止すること
ができる。

次に、上述したような構成の装置を使用して軟弱地盤Ｗ
中にグラベル杭を造成する工程を第１図及び第３図Ａ〜
Ｅに従って説明する。

グラベル杭造成作業の開始にあたっては、第３図Ａで示
されるように開閉弁11は開弁状態にあり、バイブロフロ
ット14は固定ケーシング８内に引っ込んだ状態にあり、
そしてこのような状態下においてグラベルＧがグラベル
供給ホッパー９より投入されて固定ケーシング８及び中
継タンク10に充満される。このときの中継タンク10内の
グラベルＧのレベルは図中Ｌ_１で示され、このＬ_１から
その下方のＬ_０（第１図）までの間のグラベルＧの容量
が地盤Ｗ中に造成されるグラベル杭１本分の量に相当す
るものとする。

こうしてグラベルＧを充満した状態から、回転ケーシン
グ３を回転させながら第３図Ｂのように地盤Ｗ中に穿入
してゆく、このときシュー７は同図に示されるように閉
じている。しかして、回転ケーシング３が所定の深さに
達したら、その回転を停止し、そしてエア供給ノズル12
より圧力エアの供給を開始し、このときノズル12からの
噴射エア圧力により開閉弁11を閉鎖位置に作動させ、そ
れによって中継タンク10内の上部空間のエア圧を上昇さ
せる。

こうして高まったエア圧により中継タンク10内のグラベ
ルＧを加圧しつつ、第３図Ｃのように、回転ケーシング
３を逆方向に回転して引き上げを開始すると共に、流体
圧シリンダ15を伸長作動してバイブロフロット14を固定
ケーシング８の下端から下方に突き出させ、同時にまた
このバイブロフロット14を振動させる。こうして回転ケ
ーシング３の引き上げ動作に伴って固定ケーシング８の
下端から加圧されたグラベルＧが押出されて地盤Ｗ中に
グラベル杭Ｐが造成されてゆく。この場合、押出された
グラベルＧがバイブロフロット14の振動作用を受けるた
め圧密された強固なグラベル杭Ｐが形成されることにな
る。

また第３図Ｃを参照して明らかなように、グラベルＧが
固定ケーシング８から地盤Ｗ中に排出されるに従って、
中継タンク10のグラベルＧのレベルが下がる。そして、
第３図Ｄのように回転ケーシング３を地上に引き上げて
しまうことにより、固定ケーシング８の１本分の容量、
すなわち中継タンク10内のレベルＬ_１，Ｌ_０間の容量に
相当する量のグラベル杭Ｐが造成される。回転ケーシン
グ３が地上に引き上げられてしまう頃に圧力エアの供給
を停止すると共に、バイブロフロット14を図示のように
固定ケーシング８の下端部内に引き入れる。このバイブ
ロフロット14を固定ケーシング８内に引き入れることに
より、固定ケーシング８下端の開口面積が狭められて、
固定ケーシング８下端からのグラベルＧの洩出を積極的
に防止することができる。

尚、中継タンク10内におけるグラベルＧのレベル計測は
重錘がグラベル面を検知する重錘式計測装置によって行
う。このレベル計測にあたっては、グラベルＧは回転ケ
ーシング３とは実質的に縁の切れた固定ケーシング８及
び中継タンク10に投入されているため、回転ケーシング
３の回転によってグラベルが共廻りすることがなくな
り、したがって回転ケーシング３の回転中にも何ら支障
なく計測することができる。

こうして１つ目のグラベル杭Ｐの造成を終えたら、装置
を別の箇所へ移動し、そこで再び上述の一連の作業を行
って２つ目のグラベル杭を造成してゆくわけであるが、
この別の箇所における造成作業においては、第３図Ｅに
示すように、固定ケーシング８内に未だグラベル杭１本
分のグラベルＧが詰められているため、特にグラベルＧ
の供給を行うことなく造成作業を連続して行うことがで
きる。したがって、グラベルＧの供給は３つ目のグラベ
ル杭の造成に入るまでの間に適宜行えばよい。

第４図は他の実施例を示すもので、これはスクリュー付
き回転ケーシングのみで固定ケーシングを省略した短管
方式によるグラベル杭造成装置を例示しており、中継タ
ンク10の下端に一帯連接された管部22が回転ケーシング
３の上端部内に嵌挿されている。このような回転ケーシ
ング３による短管方式の場合でも、中継タンク10と回転
ケーシング３とは互いに縁が切れているため、回転ケー
シング３の回転中においても、中継タンク10内での重錘
式計測装置によるグラベルのレベル計測を何ら支障なく
行えるものである。

また、短管方式としては、スクリュー付き回転ケーシン
グのみからなるものの他に、固定ケーシングのみからな
るグラベル杭造成装置があり、これは起振機によって固
定ケーシングに上下振動を与えつつこの固定ケーシング
を地盤中に打ち込むようにしたものであるが、このよう
な固定ケーシングのみからなる装置にも本発明の適用が
可能である。

また、上述した第１図及び第４図の実施例では、中継タ
ンクとしてケーシング１本分程度のグラベルを収容しう
る中継タンクを例示したが、ケーシング５〜６本分のグ
ラベルを収容可能な中継タンクを設ければ、グラベルの
補給なしに５〜６本のグラベル杭を連続して効果的に造
成できるものである。

（発明の効果） 本発明によれば、グラベル供給用ホッパーとケーシング
との間に、少なくともケーシング１本分の容量のグラベ
ルを収容しうる中継タンクを介設しているので、従来装
置のようにグラベル杭１本を造成するごとにグラベルの
供給充填を行う必要がなくなって、一度グラベルの供給
を行うと少なくとも２本のグラベル杭を、作業を中断す
ることなく連続的に行うことができ、それによってグラ
ベル１本当たりの造成に要する時間を短縮できる効果が
ある。

更に本発明では、中継タンクが、ケーシングと同心状で
且つケーシングに対し拡径する形状に形成されているた
め、この中継タンクにグラベルを貯留して造成作業を行
っている時に、中継タンク内に貯留されたグラベルの重
心を常にケーシングのほぼ中心軸線上に作用させること
ができ、しかもタンクの長さを比較的短くできることか
らその重心を比較的低い位置に作用させることができ
る。したがって、ケーシングがリーダ等により鉛直状に
昇降案内されるならば、中継タンク側の荷重でケーシン
グが傾いたり倒れるおそれがなく、装置全体が常に安定
した状態となって、ケーシングの打ち込みや引き上げに
支障を来すことがない上、作業の安全性を確保すること
ができる、と云う格別な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すグラベル杭造成装置の縦
断面図、第２図はバイブロフロットの拡大縦断面図、第
３図Ａ〜Ｅは本発明装置によるグラベル杭造成の施工工
程を示す説明図、第４図は本発明の他の実施例を示す縦
断面図である。 １…機枠、３…回転ケーシング、７…シュー、８…固定
ケーシング、９…グラベル供給用ホッパー、10…中継タ
ンク、11…開閉弁、12…エア供給ノズル（圧力エア供給
手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】グラベル供給用ホッパーの下方に垂下連設
   されたケーシングを地盤中に挿入してこのケーシング内
   に上記ホッパーからの砂、砂利等グラベルを充填し、こ
   の充填されたグラベルを上方からの圧力エアで押圧しつ
   つケーシングを引き抜くことにより地盤中にグラベル杭
   を造成するグラベル杭造成装置において、上記ホッパー
   とケーシングとの間に、ケーシングと同心状で当該ケー
   シングに対し拡径する形状に形成された少なくともケー
   シング１本分の容量のグラベルを収容しうる中継タンク
   を介設し、この中継タンクは、この中継タンクの上部に
   はこの中継タンク内に圧力エアを供給する圧力エア供給
   手段を設けてなることを特徴とするグラベル杭造成装
   置。