JPH0649656A - ガス・デポジション法による超微粒子膜の形成法およびその形成装置 - Google Patents

ガス・デポジション法による超微粒子膜の形成法およびその形成装置

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JPH0649656A
JPH0649656A JP20813492A JP20813492A JPH0649656A JP H0649656 A JPH0649656 A JP H0649656A JP 20813492 A JP20813492 A JP 20813492A JP 20813492 A JP20813492 A JP 20813492A JP H0649656 A JPH0649656 A JP H0649656A
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substrate
nozzle
ultrafine
heating
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JP20813492A
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Chikara Hayashi
主税 林
Seiichirou Kashiyuu
誠一郎 賀集
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Vacuum Metallurgical Co Ltd
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Vacuum Metallurgical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に形成される超微粒子の堆積膜に部分
的な特性を極めて簡単に形成することが出来、微小なコ
ンデンサーの作成の作成が容易で、かつ高温超伝導膜の
補修に利用出来るガス・デポジション法による超微粒子
膜の形成法と、それに用いる形成装置。 【構成】 基板上にキャリアガスと超微粒子を同時に搬
送して、超微粒子膜を形成する際、ノズル加熱と、超微
粒子の堆積時に超微粒子膜の表面への加熱とを単独、或
いは併用で行う超微粒子膜の形成法。基板に超微粒子と
キャリアガスを噴射するノズルの先端にノズルを加熱す
る加熱装置、ノズル先端に近接して基板上に堆積される
超微粒子を加熱するレーザービーム加熱装置を配置した
超微粒子膜の形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス・デポジション法
による超微粒子膜の形成法およびその形成装置に関し、
更に詳細には、粒子の大きさが1μm以下の微粒子を使
用した主にエレクトロニクスの分野で利用される機能性
の厚膜を形成する方法およびその形成装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の膜の形成法として、本発明者ら
は、特許第1513241号(特公昭63−54075
号)で、図8に示すような、金属または合金の超微粒子
aとキャリアガスbとを混合する混合容器cと、該混合
容器cより導出する搬送管dと、該搬送管dに接続する
ノズルeと、該ノズルeより噴出せしめる金属または合
金の超微粒子a含有のキャリアガスbを噴出前に加熱す
る加熱器fとから成る膜形成装置を用い、超微粒子aと
して徐酸化済みNi微粒子を、キャリアガスbとしてH
2ガスを使用し、ノズルeを加熱器fで加熱しながら、
ノズルe先端から噴出せる徐酸化済みNi微粒子の表面
酸化層を基板g上に堆積の直前に還元して膜の比抵抗を
低下させたNi微粒子膜hを形成するノズル加熱による
ガス・デポジション法を提案した。
【0003】更に前記ノズル加熱によるガス・デポジシ
ョン法による具体的実施例を説明する。先ず、混合容器
c内に平均粒径20nmのNi超微粒子aを入れ(このN
i超微粒子は徐酸化処理を行っているので、表面が酸化
し、酸化層を有する)、H2ガスボンベiから流量1リ
ットル/minのH2ガスをキャリアガスbとして容器c内
に流し込む。Ni超微粒子aはキャリアガスb中に浮遊
し、搬送管dを通過して内径0.2mmのステンレス細管
ノズルe内を高速で通過し、基板g上に噴射する。
【0004】また、ノズルeには長さ50mm間隔で2本
の通電用リード線をクランプしてこれをノズルeの加熱
器fとし、そのリード線間に電圧(加熱電力は4.8
W)を印加し、ノズルeを加熱して超微粒子a含有のキ
ャリアガスbを加熱した。そして、基板gをx方向に3
0mm/minの速度で移動させて基板g上に膜(幅0.1
9mm、厚さ25μm)を堆積して、線状Ni超微粒子膜
hを形成した。
【0005】基板g上に形成されたNi超微粒子膜hの
比抵抗は8.8×10- 4Ω・cmと良好な導電性を示し
た。(同じ方法でノズルを無加熱で作成したNi超微粒
子膜は同一測定法で全く電導性を示さなかった。) 尚、図中、jは搬送管dに設けた開閉弁、kは基板gを
固定載置する台、lは該台kの移動装置、mはノズルe
の加熱器fの電圧調節器を示す。
【0006】また、本発明者らは特開平4−42853
号で、図9に示すような、微粒子aとキャリアガスbと
を混合する混合容器cと、該混合容器cより導出する搬
送管dと、該搬送管dに接続するノズルeと、該ノズル
eより噴出せしめる微粒子a含有のキャリアガスbを噴
出前に加熱する加熱器fと、該ノズルeの先端に近接し
て配置した基板g上に堆積される微粒子aを加熱するビ
ーム加熱装置nとから成る膜形成装置を用い、微粒子a
としてBi系高温超伝導材微粒子を、キャリアガスbと
して空気を使用し、前記図8と同様の方法で、ノズルe
の先端から加熱された微粒子aをキャリアガスbと共に
基板g上に噴出し、ビーム加熱装置nによる赤外線の加
熱で微粒子aの堆積部をスポット状加熱をし、膜作成と
熱処理を同時に行うガス・デポジション法を提案した。
【0007】更に前記膜作成と熱処理を同時に行うガス
・デポジション法による具体的実施例を説明する。先
ず、容器c内にBi系高温超伝導材微粒子(平均粒径
0.3μm)aを入れ、ガスボンベiの乾燥空気を1.
2atmの圧力で流量0.3リットル/minをキャリアガス
bとして流し込んだ。その後は前記図8と同様にキャリ
アガス(乾燥空気)bと共に微粒子(Bi系高温伝導材
微粒子)aを内径0.3mmのステンレス製ノズルeから
高速で噴射させた。
【0008】そして、ノズルeの先端とマグネシヤ製の
基板gとを間隔0.5mmに保ち、基板gを予め300℃
に加熱し、x方向に1mm/minの速度で移動させた。ま
た、ノズルeには長さ50mm間隔で2本の通電用リード
線をクランプしてこれをノズルeの加熱器fとし、その
リード線間に4.8Aの電流を流してノズルeを加熱し
て微粒子a含有のキャリアガスbを800℃に加熱し
た。
【0009】ノズルeから微粒子aの噴出で幅約0.3
mm、厚さ25μmの直線状の膜が形成されるが、その堆
積部をねらって、ビーム加熱装置nよりの出力300W
のハロゲンランプoを光源とする集束された赤外線ビー
ムを赤外線導入用ファイバpでスポットを照射した。そ
の照射面の温度は赤外線放射温度計qのセンサーrの測
温で920℃である。
【0010】このようにして、膜形成と熱処理が同時に
かつ連続して行われて基板g上に形成されたBi系高温
超伝導材微粒子の堆積・熱処理膜の特性を調べた結果、
低温での電気抵抗−温度特性の測定で、臨界温度はTc
(on)は115K、また電気抵抗がゼロの超伝導を示す温
度Tc(zero)は92Kの高温超伝導特性を示した。
【0011】尚、図中、sは容器c内にキャリアガスb
を噴出させるキャリアガス導入管、tは成膜室、uは成
膜室tの真空排気装置、vは基板gの移動装置、wは基
板gの加熱装置、yは加熱器fの電圧調節器、zはビー
ム加熱装置nの電圧調節器を示す。
【0012】前記図8または図9に示す装置を用いた、
ガス・デポジション法による微粒子膜の形成法は、 加熱された粒子の堆積、 加熱された粒子の堆積と、堆積部表面の加熱 の2方法であり、いずれも基板上に形成される超微粒
子、微粒子の膜に対して同一条件での堆積、もしくは加
熱で行う方法である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
8または図9に示す装置を用いた、ガス・デポジション
法による微粒子膜の形成法は、 加熱された粒子の堆積、 加熱された粒子の堆積と、堆積部表面の加熱 であり、超微粒子、微粒子の膜への加熱条件が同一で、
従って、堆積される超微粒子、微粒子の膜の加熱温度が
同じであるから、いずれも単一の特性、機能を備えた超
微粒子、微粒子の堆積膜しか形成することが出来ないと
いう問題がある。
【0014】本発明はかかる問題点を解消し、超微粒
子、微粒子の膜内の加熱条件を変えることにより、同じ
膜内でも場所により異なった膜特性を与え、それにより
膜全体の機能、特性を高めた微粒子膜の形成法と、その
膜形成に用いる形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する微粒子膜の形成法を提案するもので、粒径1μm
以下の超微粒子をキャリアガス中に浮遊させ、キャリア
ガスと共に搬送し、噴射して基板上に超微粒子膜を形成
するガス・デポジション法において、搬送時の加熱によ
る微粒子の加熱と、超微粒子の堆積時に超微粒子膜の表
面からの加熱とを単独または併用で、膜の堆積部の予め
設計された部分を必要とする温度に加熱することによ
り、超微粒子膜に複合的特性を与え、該特性を広範囲に
制御することを特徴とする。
【0016】また、更に本発明は、前記形成法を実施す
るための形成装置を提案するもので、基板と、該基板上
にキャリアガスと共に超微粒子膜材料の粒径1μm以下
の微粒子を噴射するノズルとから成るガス・デポジショ
ン法による超微粒子膜の形成装置において、前記ノズル
の先端にノズルを加熱自在とする加熱装置を配置し、ま
た、ノズルの先端に近接して基板上に堆積される超微粒
子を加熱するレーザービーム加熱装置を配置したことを
特徴とする。
【0017】ここに、ガス・デポジション法による微粒
子膜の形成について述べる。
【0018】ガス・デポジション法で作成された超微粒
子、微粒子の堆積膜は、超微粒子、微粒子のみの(それ
以外の異物が混入していない)厚みの薄い固化体であ
る。
【0019】超微粒子、微粒子は従来から実用されてい
る粉体に比べて特異な特性を持ち、低い温度でのいろい
ろの挙動が判明している。それらの特性はそのまま堆積
膜に移されている。
【0020】堆積膜としては 抵抗値および抵抗温度係数のコントロール 膜の硬さのコントロール 材質の異なった積層膜で、それぞれの材質の機能の
出現に適した処理(主に熱処理)をそれぞれの膜の堆積
時に行う 等、特性・機能を広範囲にコントロールすることを可能
にした堆積膜の形成法である。
【0021】具体的に個々の項目についてその内容を説
明する。
【0022】a 前記項の抵抗値および抵抗温度係数
のコントロールについて 例えばNi超微粒子膜では、ニッケル超微粒子膜の比抵
抗を表す図3においてNo.2のデータで示されている
ように、堆積時の搬送ガス温度の変化で、抵抗値のコン
トロールが行われている。また、例えばニッケル超微粒
子膜の場合、搬送ガスの選択で抵抗温度係数のコントロ
ールを行えることが、その抵抗温度係数を表す図4から
分かる。更に、高抵抗材料として用いられているRuO
2の堆積膜では、ノズル加熱によるガス温度の変化で、
比抵抗が広範囲にコントロール出来ることが、ノズル加
熱による比抵抗の変化を表す図5から分かる。
【0023】 b 前記項の膜の硬さのコントロールについて 超微粒子の焼結成形体がバルク材より硬度の高いこと
は、Fe、Co、NiおよびCuの金属については調べ
られており、そのことは超微粒子焼結成形体の結晶粒直
径と硬度との関係を表す図6[林 宏爾、江藤浩之:日
本金属学会誌、平成元年2月号(1989)221〜2
26頁より引用]から明らかである。その要因は、その
焼結成形体は、超微粒子の大きさの微結晶の塊であると
考えられている。
【0024】また、ガス・デポジション法による堆積膜
の硬度について同じことが表1に示されるAu超微粒子
堆積膜の硬度測定結果で明らかである。
【0025】
【表1】
【0026】即ち加熱ガスによる超微粒子堆積ではガス
温度のコントロールで堆積膜の硬度を選ぶことが出来
る。
【0027】c 前記項に対する考えとして 超微粒子のガスデポジション法で、ノズル加熱方式、も
しくは堆積部スポット加熱方式では、局部的にかつ連続
して熱処理が可能である。例えば、基板上に微小面積の
コンデンサーを装着する場合、コンデンサー上下面の電
極、更に絶縁層等が重なって堆積されるが、誘電体や材
料の堆積時にその堆積膜が誘電特性を示すに必要な焼成
温度までの加熱を他の膜の堆積に前後して、連続して行
える。
【0028】(このことは従来法の別工程で作成した微
小コンデンサーの基板への装着などを不要とする。) この手順は基板上への堆積と加熱とを下記の順序で行え
ばよいことになる。
【0029】(下部)電極材堆積⇒誘電体材料堆積(同
時加熱)⇒(上部)電極材堆積⇒絶縁材堆積(必要によ
り必要部分に)
【0030】
【作用】キャリアガスと共に超微粒子は搬送されてノズ
ルより基板上に噴射されて堆積される。
【0031】その際、搬送時の超微粒子の加熱と、超微
粒子の堆積中の膜表面からの加熱とを単独または併用し
て行えば、基板上に部分的な特性の異なる超微粒子の堆
積膜が形成される。
【0032】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づき説明す
る。
【0033】図1は本発明を実施する基本的な形成装置
の1例を示すもので、図中、1はキャリアガスと超微粒
子の供給部、2は膜を形成する膜形成部を示す。
【0034】供給部1の超微粒子蒸発室3内に超微粒子
の原料Xを蒸発させるバスケット状ヒーター4を配置
し、該バスケット状ヒーター4に電圧調整器5を接続し
た。また超微粒子蒸発室3内は真空ポンプ6に調節弁7
を備えた排気管8を介して接続し、該真空ポンプ6によ
って超微粒子蒸発室3内の真空度を調整自在とすると共
に、該超微粒子蒸発室3内に連通されたガス導入管9か
ら例えばアルゴンガス或いは窒素ガスから成るキャリア
ガスを単独或いは混合ガスでガス供給源10,11より
調節弁12,13で流量を制御しながら導入出来るよう
にした。また、超微粒子蒸発室3の上方に超微粒子をキ
ャリアガスと共に搬送する内径1.6mmの搬送管14の
一端を気密に挿入して接続し、更に該搬送管14の他端
側に開閉弁15を配置すると共に、搬送管14の先端側
にステンレス製のノズル16を設けた。
【0035】膜形成部2の膜形成室17内は真空ポンプ
18に調節弁19を備えた排気管20を介して接続し、
該真空ポンプ18によって膜形成室17内の真空度を調
整自在とした。また、膜形成室17内の下方に基板21
を保持し、該基板21を水平方向に移動させる基板保持
装置22を配置し、基板21の下方に基板21を加熱自
在とする基板加熱装置23のヒーターを配置した。そし
て、超微粒子蒸発室3に接続されている搬送管15の先
端側に設けられているノズル16を膜形成室17の内部
に気密に挿入し、ノズル16の先端を膜形成室17内の
基板21と所定間隔を存して配置した。また、ノズル1
6に該ノズルを加熱自在に加熱する2本の通電用リード
線24を間隔50mmでクランプした。
【0036】また、ノズル16の先端部分近傍にノズル
16から噴射され、基板21上に堆積される超微粒子を
加熱するために照射するレーザービーム用の位置調整自
在の反射鏡25と位置調整自在の集束レンズ26を配置
し、膜形成室17の外方に配置された例えばCO2ガス
レーザーのレーザー光発振器27よりのレーザービーム
LBをレーザー光の吸収の少ないガラス製のレーザー光
導入窓28を通過させ、膜形成室17内に導入し、反射
鏡25および集束レンズ26の位置調整によりノズル1
6先端の真下の基板21上に堆積される超微粒子に焦点
が合うようにレーザービームLBをスポット状に照射す
るようにした。
【0037】また、ノズル16の先端部分近傍にレーザ
ービームLBの照射時に堆積中の超微粒子の膜表面温度
を測定する温度測定器29を配置した。
【0038】図中、30は基板加熱装置23の電圧調節
器、31はレーザー光源27のレーザー出力調整器、3
2はノズルの加熱用リード線24の電圧調整器、33は
温度測定器29の温度表示器、34は超微粒子蒸発室3
に配置した圧力計を夫々示す。
【0039】次に前記図1に示す形成装置を用いて、超
微粒子膜の具体的形成例を説明する。
【0040】実験例1 本実験例は上層、下層で異なる特性を有する超微粒子膜
の作成例である。
【0041】先ず、搬送管14の開閉弁15を閉鎖した
状態で、超微粒子蒸発室3内の酸化アルミニウムコート
のタングステン製のバスケット状ヒーター4内に蒸発原
料XとしてNiを8g充填し、超微粒子蒸発室3内を真
空ポンプ6により0.1Pa以下に排気した後、調節弁
12を徐々に開きガス供給源10よりアルゴンガスを超
微粒子蒸発室3内に60KPaの圧力まで導入し、該圧
力を維持するようにした。また、膜形成室17内の基板
保持装置22に長さ20mm、幅20mmの正方形で厚さ1
mmから成るAl23製の基板21を保持し、また、基板
21表面と、外径1mm、内径0.6mm、長さ120mmの
ステンレス製ノズル16の先端とを0.5mmの間隔に保
った後、基板加熱装置23のヒーターに通電して基板2
1を温度100℃に加熱した。
【0042】次に、バスケット状ヒーター4の電圧調整
器5の出力を上昇させて電圧6.5V、電流67Aとし
た。バスケット状ヒーター4の温度は上昇し、バスケッ
ト状ヒーター4内の超微粒子の蒸発原料Xは溶融の後、
蒸発を開始してNi超微粒子(平均粒径50nm)が生成
する。
【0043】そして、真空ポンプ18作動させて膜形成
室17の排気を行うと共に、搬送管14の開閉弁15を
開放すると、超微粒子蒸発室3と膜形成室17との差圧
で超微粒子蒸発室3内に生成したNi超微粒子は超微粒
子蒸発室3内に導入したアルゴンガス中に浮遊し、該ア
ルゴンガスをキャリアガスとして、搬送管14(内径
1.6mm)に圧送され、搬送管14内を1.6リットル
・atm/minの流量で通過して膜形成室17内に搬送さ
れ、搬送管14の先端のノズル16より予め基板加熱装
置23で前記温度に加熱され、基板保持装置22で移動
方向(図1矢印Z方向)に8mm/minの速度で移動して
いる基板21上にNi超微粒子とキャリアガスをノズル
16より噴射して超微粒子を堆積させて超微粒子膜Fの
下層膜を形成した。
【0044】尚、基板21の移動時間は3分間とし、ま
た、超微粒子膜Fの下層膜の形成中はノズル16の加熱
および基板21上に堆積中の超微粒子へのスポット加熱
は行わなかった。この超微粒子膜Fの下層膜の形状は長
さ24mm、幅0.6mm、厚さ12μmであった。そし
て、超微粒子膜Fの下層膜の抵抗温度係数を調べ、その
結果を図4に黒丸でプロットした。
【0045】次に、ガス供給源11の調節弁13を開い
て超微粒子蒸発室3内に窒素ガスを導入して該蒸発室3
内の圧力を65KPaまで上昇させた。このときのアル
ゴンガス中の窒素ガス分圧は5KPaとした。
【0046】それと同時に膜形成室17内の下層膜Fが
形成された基板21を基板保持装置23の移動方向の反
転により矢印方向とは逆方向に前記速度(8mm/min)
と同一速度で移動させながら、下層膜の上に上層膜を積
層状に形成した。尚、基板21の移動時間は3分間と
し、また、超微粒子膜Fの下層膜の形成中はノズル16
の加熱および基板21上に堆積中の超微粒子へのスポッ
ト加熱は行わなかった。この上層膜の形状は長さ24m
m、幅0.6mm、厚さ22μmであった。上層膜の長さ、
幅は下層膜と同じであるが、膜厚は上層膜の堆積時にア
ルゴンガス中に導入した窒素ガス5KPaにより堆積速
度が20%低下により減少した。そして、上層膜の抵抗
温度係数を調べ、その結果を図4に三角でプロットし
た。
【0047】図4から明らかなように、下層膜の抵抗温
度係数は正の係数、上層膜は負の係数の特性を示し、本
実験例1で作成された積層状の超微粒子膜の抵抗温度係
数は±1×10- 4以下で、実用上はゼロに近く、温度
変化の影響を受けない抵抗膜を形成出来ることが確認さ
れた。
【0048】実験例2 本実験例は上層、下層で異なる特性を有する超微粒子膜
の他の作成例である。先ず、搬送管14の開閉弁15を
閉鎖した状態で、超微粒子蒸発室3内の酸化アルミニウ
ムコートのタングステン製のバスケット状ヒーター4内
に蒸発原料XとしてAuを18.5g充填し、超微粒子
蒸発室3内を真空ポンプ6により0.1Pa以下に排気
した後、調節弁12を徐々に開きガス供給源10よりヘ
リウムガスを超微粒子蒸発室3内に150KPaの圧力
まで導入し、該圧力を維持するようにした。また、膜形
成室17内の基板保持装置22に長さ40mm、幅20mm
の長方形で厚さ1mmから成るAl23製の基板21を保
持し、また、基板21表面と外径0.6mm、内径0.3
mm、長さ120mmのステンレス製ノズル16の先端とを
1mmの間隔に保った後、基板加熱装置23のヒーターに
通電して基板21を温度100℃に加熱した。
【0049】次に、バスケット状ヒーター4の電圧調整
器5の出力を上昇させて電圧4.9V、電流51Aとし
た。バスケット状ヒーター4の温度は上昇し、バスケッ
ト状ヒーター4内の超微粒子の蒸発原料Xは溶融の後、
蒸発を開始してAu超微粒子(平均粒径70nm)が生成
する。
【0050】そして、真空ポンプ18作動させて膜形成
室17の排気を行うと共に、搬送管14の開閉弁15を
開放すると、超微粒子蒸発室3と膜形成室17との差圧
で超微粒子蒸発室3内に生成したAu超微粒子は超微粒
子蒸発室3内に導入したヘリウムガス中に浮遊し、該ヘ
リウムガスをキャリアガスとして、搬送管15(内径
1.6mm)に圧送され、搬送管15内を0.8リットル
・atm/minの流量で通過して膜形成室17内に搬送さ
れ、搬送管15の先端のノズル16より予め基板加熱装
置23で前記温度に加熱され、基板保持装置22に保持
されている基板21上にAu超微粒子とキャリアガスを
ノズル16より噴射して超微粒子を堆積させてAu超微
粒子膜Fを形成した。
【0051】そして、ノズルより超微粒子とキャリアガ
スの噴射時は、ノズル16に接続せる通電用リード線2
4に電圧調整器31より電圧1.1V、電流3.5Aの
電力を通電し、その出力でノズル16を加熱した。ノズ
ル16の先端は約500℃に昇温して薄い赤色に変色し
ており、ノズル16から噴射されるAu超微粒子含有の
キャリアガス(ヘリウムガス)の温度は≒400℃であ
った。
【0052】また、基板21上への超微粒子の堆積中
は、CO2ガスレーザーのレーザー光発振器27にレー
ザー出力調整器35より出力1.2W、定格:連続で通
電し、レーザービームLBをレーザー光導入窓28を通
過させ、膜形成室17内に導入せしめ、位置調整された
反射鏡25で反射させ、これを位置調整された集束レン
ズ26よりスポット径直径1mmのレーザービームLBと
して堆積中の超微粒子膜に照射した。尚、レーザービー
ムLBの照射時はレーザー出力調整器31により2Wの
出力が10秒間持続するようにセットした。
【0053】このように基板21上に接点用Au超微粒
子膜を堆積する場合は、基板21を所定速度で移動さ
せ、超微粒子膜を堆積すべき所定位置にノズル16の先
端が合致した時、基板21の移動を20秒間停止し、高
さ30μmのスポット状のAu超微粒子の堆積膜を形成
する。また、超微粒子の堆積の後半10秒間はレーザー
ビームをスポット状で照射してAu超微粒子の堆積膜の
上部および表面の温度を上昇させた。レーザービームの
照射時における堆積中のAu超微粒子の膜表面温度は温
度測定器29の測温で550℃であった。
【0054】前記方法で基板21上に形成されたAu超
微粒子の堆積膜の表面は半溶融状態で、数〜10μmの
大きい粒子に成長し、断面観察でも下層にゆくに従って
粒径が小さくなっていた。また、堆積膜の表面硬度(ビ
ッカース硬度)Hv32で、焼鈍ずみのAu板の硬度に
ほぼ等しいレベルであった。
【0055】一方、ノズル加熱およびレーザー光照射を
行っていないAu超微粒子堆積膜は、その表面をSEM
で観察すると、粒径≒70nmの超微粒子が緻密に充填し
たあたかも微細結晶の構造を示し、その硬さはビッカー
ス硬度(Hv)で約132であった。
【0056】このことから判断するとAu超微粒子の堆
積膜表面(或いは上層)の半溶融はレーザービームの照
射によるスポット加熱の効果によるものであり、このス
ポット加熱によってノズル加熱とレーザービーム照射さ
れた超微粒子の堆積した上層と、レーザービームの照射
されていないノズル加熱のみによる超微粒子の堆積した
下層との間に急激な組織の変化が生じないような役割を
果たしているものと考えられる。
【0057】尚、ノズルより超微粒子含有キャリアガス
を基板上に噴射する際、加熱電力1.1V×3.5Aで
ノズル加熱を行って形成されたAu超微粒子膜の平均硬
度はビッカース硬度(Hv)で112であり、該膜は硬
質膜といえる。
【0058】また、表面(上層)が硬く、下層が軟らか
いAu超微粒子堆積膜を形成する場合は、前記膜形成法
とは反対に、レーザービームのスポット照射は超微粒子
の堆積の前半のみに行い、堆積の後半はノズル加熱のみ
とすればよい。
【0059】図2に示す装置は、本発明の形成装置に配
置するキャリアガスと超微粒子の供給部の他の実施例で
あって、図1に示す形成装置の超微粒子蒸発室3と膜形
成室17との間に配設せる搬送管14に設けた開閉弁1
5より膜形成室18側の搬送管14に合流部を設け、該
合流部に図1に示すキャリアガスと超微粒子の供給部1
とは別個に配置して、2種類の超微粒子を膜形成室17
に切り替え搬送出来るようにして、例えば微小コンデン
サーの作成を行うための装置である。
【0060】先ず、図2に示すキャリアガスと超微粒子
の供給部41について説明する。該供給部41の容器4
2は例えばガラス製の内径100mm、高さ120mmの円
筒形状であり、内径3mmのガス導入管43を容器42の
上部に設けた蓋44を気密に貫通して接続し、該ガス導
入管43はその一端がキャリアガス供給源の圧縮空気ボ
ンベ45に流量調節弁46と除湿器47とガス流量計4
8を介して接続した。更に該ガス導入管43の末端部分
49を容器42内の下部に円形状に配置し、該末端部分
49に例えば直径1mmの孔50を複数個穿設すると共
に、末端を閉鎖した。また、容器42の上部に膜材料の
超微粒子Yをキャリアガスと共に搬送する内径2mmの搬
送管51の一端を蓋44から容器42内部に気密に挿入
して接続し、更に該搬送管51の他端側に開閉弁52を
配置すると共に、該他端の先端部を図1に示す搬送管1
4に設けてある開閉弁15より膜形成室17側の搬送管
14に接続して該接続部分を搬送管51の合流部53と
した。また、他の構成については図1に示す形成装置と
同一構成のため図示およびその説明を省略する。
【0061】次に前記図2に示すキャリアガスと超微粒
子の供給部41を図1に配設せる形成装置を用いて、夫
々の機能を備えた超微粒子膜の具体的形成例を説明す
る。
【0062】実験例3 本実験例は微小コンデンサーの作成例である。
【0063】先ず、搬送管14に設けられた開閉弁15
および搬送管51に設けられた開閉弁53を閉鎖する。
次に、供給部41の容器42内に誘電体材料Yとして比
表面積32m2/gで平均粒径0.7μmのBaTiO3
を40g充填した。
【0064】そして搬送管14に設けた開閉弁15を開
放し、前記実験例1と同様の方法で基板21上に図7
(A)に示すような長さ5mm、幅0.28mm、厚さ10
μmのNi超微粒子膜の下層膜61(このNi超微粒子
の堆積下層膜はコンデンサーの下層電極の役目をする)
を形成した後、開閉弁15を閉鎖した。また、Ni超微
粒子膜の下層膜61の形成中は、基板21の温度は15
0℃とし、また、ノズル加熱は行わず、また、基板21
上に堆積中の超微粒子へのスポット加熱も行わなかっ
た。
【0065】次に、供給部41の容器42のガス導入管
43に連なる流量調節弁46を開放し、圧縮空気ボンベ
45より2.5気圧の乾燥空気を流量1.2リットル/
minで誘電体材料Yが充填された容器42内に送気し
た。続いて、搬送管51の開閉弁53を開放すると、膜
形成室17は減圧されているから、容器42内と膜形成
室17内の差圧で容器42に接続されているガス導入管
43の末端部分49に設けられている孔50より加圧さ
れた空気がキャリアガスとして容器42内に流入し、容
器42内の誘電体材料YのBaTiO3超微粒子がキャ
リアガス中に浮遊状態に維持され、該超微粒子はキャリ
アガスと共に搬送管51に圧送されて搬送管51を通過
して合流部53より膜形成室17側の搬送管14内に搬
送される。
【0066】そして、予め基板21上に形成されたNi
超微粒子膜から成る下層膜61の片側端部に2mm重なる
ように図7(B)のようなBaTiO3超微粒子を噴射
し、噴射時間15秒間で長さ3mm、幅1mm、厚さ9μm
のBaTiO3超微粒子膜62を形成した。また、Ba
TiO3超微粒子膜62の形成中は、基板21の移動速
度は12mm/minとし、また、基板21の温度は300
℃とした。また、ノズル16は内径1mmとし、ノズルに
接続している通電用リード線24を通して電圧調整器3
2により電圧0.8V、電流4.0Aの条件で直接通電
により加熱した。その時、ノズル16の先端は約700
℃に昇温して赤色に変色しており、ノズル16から噴射
される超微粒子含有のキャリアガスの温度は≒550℃
であった。また、ノズル16の先端からBaTiO3
微粒子とキャリアガス(乾燥空気)を基板21上に噴射
し超微粒子の堆積中はCO2ガスレーザーのレーザー光
発振器27の出力をレーザー出力調整器31の調整によ
り出力4.5Wに設定し、発振せるレーザービームLB
をレーザー光導入窓28、位置調整された反射鏡25お
よび集束レンズ26を経由して堆積中のBaTiO3
微粒子上に直径1mmのスポット状レーザービームLBと
して照射した。レーザービームLBの照射時はレーザー
出力調整器31により4.5Wの出力が20秒間持続す
るようにセットした。また、レーザービームLBの照射
時における堆積中のBaTiO3超微粒子の膜表面温度
は温度測定器29の測温で1050℃であった。そし
て、ノズル16からのBaTiO3超微粒子の噴射の終
了と共にノズル加熱と、レーザービームの照射を停止
し、搬送管51の開閉弁52を閉鎖した。
【0067】このレーザービームの照射により基板21
上へのBaTiO3超微粒子膜の形成と共に該超微粒子
膜の誘電体としての特性を示すに必要な焼成処理を同時
に行われることになる。
【0068】続いて、搬送管14に設けた開閉弁15を
開放し、前記実験例1と同様の方法で、図7(C)に示
すような基板21上のBaTiO3超微粒子膜62の上
にその端部が2mm重なり合うようにNi超微粒子膜の上
層膜63(このNi超微粒子の堆積上層膜はコンデンサ
ーの上層電極の役目をする)を長さ5mm、幅0.28m
m、厚さ10μm形成した後、開閉弁15を閉鎖した。
【0069】また、Ni超微粒子膜の上層膜63の形成
中は、基板21へ基板加熱装置23のヒーターで温度1
50℃に加熱されているのみとし、ノズル加熱および基
板21上に堆積中の超微粒子へのスポット加熱は行わな
かった。
【0070】前記方法で作成されたBaTiO3強誘電
厚膜62は、面積2mm×1mmで厚さ9μmの形状で上下
層のNi電極61,63間の静電容量を測定したところ
550pFが得られた。この値は従来法で作成された同
じ面積のBaTiO3厚膜(膜厚25μm)に比べて2.
5倍の高い静電容量を示している。
【0071】前記実験例3で示した微小コンデンサーの
作成に用いた基板21上へのBaTiO3超微粒子の堆
積と、同時にレーザービームの照射による膜表面への加
熱法は、例えば高温超伝導膜の欠陥の補修に利用でき
る。
【0072】実験例4 本実験例は高温超伝導膜の欠陥部分の補修例である。
【0073】先ず、図1に示す膜形成室17内の基板保
持装置22に、例えば組成が(Bi・pb)−Sr−C
a−Cu−OBi系高温超導電膜が予め形成ずみで、そ
の膜の一部に欠陥部分を有する基板21を保持した。そ
して、基板21を基板加熱装置23のヒーターで温度3
00℃に加熱すると共に、膜形成室17内を真空ポンプ
18により排気した。ノズル16は接続している通電用
リード線24を通して電圧調整器32から電圧0.65
V、電流3.3Aの条件で直接通電により加熱した。そ
の時、ノズル16の先端は約650℃に昇温してやや赤
色に変色していた。
【0074】次いで、図2に示す搬送管51の開閉弁5
2を閉鎖し、供給部41の容器42内に超微粒子材料Y
として高温超伝導体、例えば組成が(Bi・pb)−S
r−Ca−Cu−O(以下Bi系という)の平均粒径
0.7μmの超微粒子を38g充填した後、圧縮空気ボ
ンベ45から流量1.2リットル/minの乾燥空気をガ
ス導入管43より送気した。続いて、搬送管51の開閉
弁52を開放すると、膜形成室17内は減圧されている
から、容器42内と膜形成室17内の差圧で容器42内
に接続されているガス導入管43の末端部分49に設け
られている孔50より加圧された空気がキャリアガスと
して容器42内に流入し、容器42内のBi系超微粒子
Yがキャリアガス中に浮遊状態に維持され、該超微粒子
はキャリアガスと共に搬送管51に圧送されて搬送管5
1を通過して合流部53より膜形成室17側の搬送管1
4内に搬送される。
【0075】そして、予め基板21上に膜形成ずみのB
i系高温超伝導膜の欠陥部分上に噴射され、該欠陥部分
にBi系超微粒子が堆積し、補修が完了する。
【0076】また、該欠陥部分へのBi系超微粒子の堆
積、補修中は、基板21の移動速度は10mm/minと
し、また基板21の温度は300℃とした。また、ノズ
ル16は内径1mmとし、ノズル16に接続している通電
用リード線24を通して電圧調整器32により電圧0.
65V、電流3.3Aの条件で直接通電により加熱し
た。その時、ノズル16の先端は約650℃に昇温して
やや赤色に変色しており、ノズル16から噴射されるB
i系超微粒子含有キャリアガスの温度は≒500℃であ
った。また、ノズル16の先端からBi系超微粒子とキ
ャリアガス(乾燥空気)を基板21に噴射し超微粒子の
堆積中はCO2ガスレーザーのレーザー光発振器27の
出力をレーザー出力調整器31の調整により出力3.6
Wに設定し、発振せるレーザービームLBをレーザー光
導入窓28、位置調整された反射鏡25および集束レン
ズ26を経由して欠陥部分に堆積中のBi系超微粒子上
に直径1mmのスポット状レーザービームLBとして照射
した。レーザービームLBの照射時はレーザー出力調整
器31により3.6Wの出力が10秒間持続するように
セットした。また、レーザービームLBの照射時におけ
る堆積中のBi系超微粒子の膜表面温度は温度測定器2
9の測温で約830℃であった。そしてノズル16から
のBi系超微粒子の噴射の終了、即ち補修の終了ととも
にノズル加熱とレーザビーム照射を停止し、搬送管51
の開閉弁52を閉鎖した。
【0077】そして、基板21を膜形成室17より取り
出し、冷却後Bi系超微粒子膜の電気抵抗−温度特性を
測定したところ、その特性は正常で欠陥部分が確実に正
常に補修されていることを示していた。
【0078】この方法で高温超伝導膜の欠陥部分は、膜
全体を加熱高温にすることなく、その欠陥部分のみを短
時間で補修出来ることが確認された。
【0079】本発明のガス・デポジション法による超微
粒子膜の形成法および形成装置による機能のいくつかの
例について説明する。
【0080】1) 抵抗体としての2層の積層膜で、下
層と上層の夫々の抵抗体膜の抵抗温度係数の組み合わせ
で、抵抗温度係数をゼロの抵抗体堆積膜の形成が出来
る。
【0081】その両層の堆積膜の形成で、加熱条件のコ
ントロールが行われている。
【0082】2) 導電用接点のうち、繰り返しコンタ
クトの行われている接点では、下部をある程度軟らか
く、上部は摩耗に対して硬い組み合わせとする。それと
は逆に、一回の接着のみの接点では、小さい押し付けの
力でコンタクト相手(接点やリード線)との接触をよく
するため、上部を軟らかく、下部はある程度の硬い組み
合わせとする。両ケースともにその堆積膜の硬さの調節
は、加熱条件のコントロールで行われている。
【0083】3) 基板上に形成される微小コンデンサ
ーの場合、導電材(下部電極)、誘電体(コンデンサー
本体)、導電材(上部電極)、絶縁材の順序に積層膜を
形成する。その途中で誘電材堆積時に、ノズル加熱と共
にレーザービームのスポットを照射して堆積部を105
0℃に加熱する。下層の電極用導電膜は、極めて短時間
に500℃〜600℃に加熱されるが、例えばNi超微
粒子堆積膜であれば、その程度の温度上昇は支障はな
い。
【0084】
【発明の効果】本発明のガス・デポジション法による超
微粒子膜の形成法によるときは、搬送時の超微粒子の加
熱と、超微粒子の堆積中の膜表面からの加熱とを単独、
または併用して行うようにしたので、基板上に形成され
る超微粒子の堆積膜に部分的な特性を極めて簡単に形成
することが出来、また、微小なコンデンサーの作成が容
易であり、かつ高温超伝導膜の補修に利用出来る等の効
果がある。
【0085】また、本発明のガス・デポジション法によ
る超微粒子膜の形成装置によるときは、ノズルの先端に
ノズルを加熱自在とした加熱装置を配置し、また、ノズ
ルの先端に近接して基板上に堆積される超微粒子を加熱
するレーザービーム加熱装置を配置したので、基板上に
堆積される超微粒子を加熱された状態での噴射と、基板
上に堆積中の超微粒子膜への加熱とを単独に或いは併用
して行えて基板上に堆積される超微粒子膜に部分的な特
性を有する膜を極めて簡単に形成することが出来る形成
装置を提供出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の1実施例の説明線図
【図2】 図1装置に配置する超微粒子とキャリアガス
の供給部の他の実施例の説明線図
【図3】 ニッケル超微粒子膜比抵抗の特性線図
【図4】 ニッケル超微粒子膜の比抵抗と抵抗温度係数
の関係を表す特性値図
【図5】 ノズル加熱による比抵抗の変化を表す特性線
【図6】 超微粒子焼結成形体の結晶粒直径と硬度との
関係を表す特性線図
【図7】本発明形成法の1例により形成された超微粒子
膜の説明図
【図8】従来装置の1例の説明線図
【図9】従来装置の他例の説明線図
【符号の説明】
16 ノズル、 21 基板、24 ノズ
ル加熱装置、 27 レーザビーム加熱装置、6
1,62,63,F 超微粒子膜、 LB レ
ーザービーム。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径1μm以下の超微粒子をキャリアガ
    ス中に浮遊させ、キャリアガスと共に搬送し、噴射して
    基板上に超微粒子膜を形成するガス・デポジション法に
    おいて、搬送時の加熱による微粒子の加熱と、超微粒子
    の堆積時に超微粒子膜の表面からの加熱とを単独または
    併用で、膜の堆積部の予め設計された部分を必要とする
    温度に加熱することにより、超微粒子膜に複合的特性を
    与え、該特性を広範囲に制御することを特徴とするガス
    ・デポジション法による超微粒子膜の形成法。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上にキャリアガスと共に
    超微粒子膜材料の粒径1μm以下の微粒子を噴射するノ
    ズルとから成るガス・デポジション法による超微粒子膜
    の形成装置において、前記ノズルの先端にノズルを加熱
    自在とする加熱装置を配置し、また、ノズルの先端に近
    接して基板上に堆積される超微粒子を加熱するレーザー
    ビーム加熱装置を配置したことを特徴するガス・デポジ
    ション法による超微粒子膜の形成装置。
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