JP2003183847A - 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置 - Google Patents

複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置

Info

Publication number
JP2003183847A
JP2003183847A JP2002077993A JP2002077993A JP2003183847A JP 2003183847 A JP2003183847 A JP 2003183847A JP 2002077993 A JP2002077993 A JP 2002077993A JP 2002077993 A JP2002077993 A JP 2002077993A JP 2003183847 A JP2003183847 A JP 2003183847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
fine particles
aerosol
substrate
composite structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002077993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3812660B2 (ja
Inventor
Masakatsu Kiyohara
正勝 清原
Hironori Hatono
広典 鳩野
Katsuhiko Mori
勝彦 森
Tomokazu Ito
朋和 伊藤
Atsushi Yoshida
篤史 吉田
Kaori Yamaguchi
香織里 山口
Tatsuro Yokoyama
達郎 横山
Motoi Yasuda
基 安田
Kazuya Tsujimichi
万也 辻道
Jun Aketo
純 明渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Toto Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2002077993A priority Critical patent/JP3812660B2/ja
Publication of JP2003183847A publication Critical patent/JP2003183847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3812660B2 publication Critical patent/JP3812660B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子を含むエアロゾルを高速で基板に吹
き付けてダイレクトに複合構造物を形成させる複合構造
物作製方法及び複合構造物作製装置において、複合構造
物を長時間安定的に生産性良く形成させることができる
複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置を提供す
る。 【解決手段】 上記複合構造物作製方法及び複合構造
物作製装置において、ノズルを加熱する手段を配設し、
ノズル内壁を加熱することにより、微粒子を十分に加速
させることで基板への構造物の形成速度を向上させるこ
とができた。また、ノズル内壁への微粒子や凝集粒の付
着を大幅に低減させることができた。その結果、複合構
造物を長時間安定的に生産性良く形成させることが可能
となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子をガス中に
分散させたエアロゾルを基板に吹き付け、微粒子の材料
からなる構造物を基板上に形成させることによって基板
と構造物からなる複合構造物を作製する複合構造物作製
方法及び複合構造物作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上の膜の形成方法としては数μm以
上の厚膜の場合、溶射法が一般に知られているが、その
他ガスデポジション法(加集誠一郎:金属 1989年
1月号)が提案されている。この方法は金属やセラミッ
クスの超微粒子をガス攪拌にてエアロゾル化し、微小な
ノズルを通して加速せしめ、基板表面に超微粒子の圧粉
体層を形成させ、これを加熱して焼成させることにより
被膜を形成する。前記ガスデポジション法による微粒子
膜の形成装置において、ノズルの加熱に関する技術とし
ては、特開平6−49656が開示されており、ノズル
の先端にノズルを加熱自在とする加熱装置を配置し、ま
たノズルの先端に近接して基板上に堆積される超微粒子
を加熱するレーザービーム加熱装置を配置することで、
基板上に堆積される超微粒子を加熱された状態での噴射
と、基板上に堆積中の超微粒子膜への加熱とを単独に或
いは併用して行うことができ、基板上に堆積される超微
粒子膜に部分的な特性を有する膜を形成することができ
るというものであり、実施例として、BaTiO3超微粒子を
使用する際には、約700℃に加熱したノズルから噴射
し、基板に堆積中の超微粒子に表面温度約1000℃で
レーザービームを照射することにより焼成処理を同時に
行えるといったものが挙げられている。ガスデポジショ
ン法による微粒子膜の形成装置におけるノズル及び搬送
管の加熱に関する技術としては、特開平7−16633
2が開示されており、基板上に超微粒子膜あるいは圧粉
体を形成させる際に、搬送管単独または搬送管とノズル
との両者を、搬送管は300℃〜、ノズルは500℃〜
といった高温に加熱することで、その内壁に超微粒子が
付着凝集せず、凝集体が再飛散することによる凝集体を
含んだ膜の形成やノズル詰まりが抑制されるといったも
のである。前記ガスデポジション法を改良した先行技術
として微粒子ビーム堆積法あるいはエアロゾルデポジシ
ョン法と呼ばれる脆性材料の膜あるいは構造物の形成方
法がある。エアロゾルデポジション法とは脆性材料の微
粒子をガス中に分散させたエアロゾルを搬送し、高速で
基板表面に噴射して衝突させ、微粒子を破砕・変形せし
め、基板との界面にアンカー層を形成して接合させると
ともに、破砕した断片粒子同士を接合させることによ
り、基板との密着性が良好で強度の大きい脆性材料構造
物を基板上にダイレクトに形成させることができる手法
であり、特開平11−21677号公報、特開2000
−212766号公報に開示されるものが知られてい
る。特開平11−21677号公報に開示される技術
は、前記した超微粒子を含むエアロゾルを搬送する際、
微粒子同士が凝集して大きな粒子となるのを防止するた
めに、中間に分級装置を配置するようにしている。特開
2000−212766号公報は、粒径が100nmか
ら5μmの範囲にあるセラミックスなどの超微粒子をガ
スに分散させてエアロゾルとした後、ノズルより高速の
超微粒子ビームとして基板に向けて噴射して堆積物を形
成させる。このときに超微粒子や基板に、イオン、原
子、分子ビームや低温プラズマ等の高エネルギー原子な
どを照射して作製される構造物を強固なものとする工夫
がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常セラミックスや金
属等の微粒子は、粒子間に水分、静電気、ファンデルワ
ールス力などの力を受けて、一次粒子が凝集して比較的
粒径の大きい二次粒子すなわち凝集粒を形成している。
セラミックス等の構造物を基板上にダイレクトで形成さ
せるエアロゾルデポジション法では、エアロゾルに含ま
れる凝集粒がエアロゾル搬送管内壁やノズル内壁に付着
し詰まりが生じ、満足の行く複合構造物を長時間安定し
て作製できないといった問題やエアロゾル搬送管内壁や
ノズル内壁に付着した凝集粒が再飛散し、構造物形成時
に様々な弊害を起こす不具合があった。すなわち十分な
速度まで加速されなかった凝集粒が基板へ衝突する際
に、凝集粒の持つ運動エネルギーが凝集粒から一次粒子
への解砕に消費されるなどし、一次粒子の破砕が抑制さ
れるため、基板への構造物の形成速度が小さく目的の複
合構造物が形成されるのに時間がかかり効率が悪くなっ
たり、凝集粒が形成された構造物に衝突して構造物を削
り取るエッチングを発生させたり、あるいは構造物中に
凝集粒が取り込まれて、その強度を低下させるなどとい
うこの手法固有の問題があった。さらに基板材料に有機
物等を使用する際には、ノズル温度を高温にすると基板
が変形する恐れがあるといった問題があった。またこの
ノズル内壁に付着するという問題は微粒子に金属材料を
用いる場合も同様に懸念される。
【0004】本発明は前記の問題を解決するためになさ
れたものであり、ノズル内壁への凝集粒の付着を抑制す
ること、微粒子を十分に加速させることで基板への構造
物の形成速度を向上させることにより、膜厚や諸特性が
安定した欠陥のない複合構造物を長時間安定的に生産性
良く形成させることができる複合構造物作製装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用、効果】本発明で
は、微粒子、特に好適には脆性材料微粒子をガス中に分
散させたエアロゾルを脆性材料もしくは延性材料ででき
た基板に高速で噴射・衝突させてダイレクトに複合構造
物を作製する複合構造物作製方法およびこれに基づく装
置であり、エアロゾル発生器と、その下流側のエアロゾ
ル搬送管と、その下流側のノズルを有し、微粒子をガス
中に分散させたエアロゾルを前記ノズル先端から基板に
吹き付けて微粒子の材料からなる構造物を基板上に形成
させることによって基板と構造物からなる複合構造物を
作製する複合構造物作製方法或いは複合構造物作製装置
において、前記ノズルには、その内壁側が加熱されるよ
うに、加熱手段が配設されており、少なくともエアロゾ
ルを基板に吹き付けるときには、ノズル先端の温度が5
0℃〜150℃になるように制御されるようにした。
【0006】ノズル内壁を加熱することで、微粒子を十
分に加速し、基板への複合構造物の形成速度を向上させ
ることができる。そしてその形成速度の向上はノズル先
端の温度が50℃〜150℃になるときに最大になる。
従って、少なくともエアロゾルを基板に吹き付けるとき
にノズル先端の温度を上記温度域にすれば、生産性が向
上する。また、ノズル先端の温度が75℃以上である
と、基板への構造物の形成速度が室温25℃のときの2
倍以上と、より一層向上させることができるのでさらに
好適である。ノズル先端の温度が150℃以上になると
エッチングがおこり部分的に剥離が生じる恐れがあり、
また熱に弱い材料基板を用いた場合などは、基板を変質
させる恐れもあるのであまり好適ではない。また、ノズ
ルの内壁側が加熱されるようにすることで、ノズル内壁
の温度がノズルに導入されるエアロゾルの温度より高く
なるので、熱対流効果によりノズル内壁への微粒子や凝
集粒の付着を大幅に低減させることができる。さらに、
ノズルの内壁からエアロゾルに熱が伝達されるので、エ
アロゾルをより一層乾燥させ、再凝集を抑制することが
できる。その結果、凝集粒の少ない微粒子ビームを得る
ことができ、膜厚や諸特性が安定した複合構造物を長時
間安定的に生産性良く形成させることができる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、ノズル
先端における温度がノズルに導入されるエアロゾルの温
度より25℃以上高くすることが好適である。そうする
ことでノズル内壁の温度がエアロゾル温度より高いこと
による熱対流効果が顕著になり、ノズル内壁への微粒子
の付着を大幅に低減させることができるので、ノズル内
壁に付着し詰まりが生じたり、ノズル内壁に付着した凝
集粒が再飛散することが抑制され、微粒子を十分な速度
まで加速させた凝集粒の少ない微粒子ビームを得ること
ができるので、基板への構造物の形成速度を向上させる
ことができる。また、ノズル先端の温度がノズルに導入
されるエアロゾルの温度より50℃以上高くすると、熱
対流効果がより一層顕著になる上、基板への構造物の形
成速度をより一層向上させることができるのでさらに好
適である。
【0008】本発明の好ましい態様においては、使用さ
れるガスは乾燥空気、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム
などであるが、これ以外の種類のガスでも良い。脆性材
料微粒子は酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、半導体
などであり、その一次粒子径は0.1〜5μmが適当で
あるが、これ以外の種類、粒子径のものでも良い。また
延性材料としては各種金属材料やプラスチック材料が挙
げられ、混合微粒子は単純に脆性材料微粒子と延性材料
微粒子をボールミルなどで乾式攪拌混合させて作製す
る。また複合微粒子は脆性材料微粒子の表面にめっきや
PVD、CVD、機械的混砕によるメカノケミカル被
覆、吸着、蒸気析出などの表面改質方法にて金属や有機
物の層を形成したものである。これら混合、複合微粒子
は主体的には脆性材料微粒子であり、本発明で挙げてい
る作用、効果が期待されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、以下に、本発明における主
要な用語について、説明する。エアロゾル発生器 本発明において、エアロゾル発生器とは材料微粒子をガ
ス中に分散させることによりエアロゾルを発生させるも
ので、材料微粒子の粉体を収容する容器と、材料微粒子
の粉体に近接させた、ガスを導入する導入部と、エアロ
ゾルを導出する導出部を有する。その一態様としては、
容器を振動させつつ導入部よりガスを粉体に吹き付けて
エアロゾルを発生させる。さらに粉体とその上部に設置
される導出部の相対位置を変動させて、その間の距離を
利用してエアロゾル中の材料微粒子の重力分級を行なう
ことができる。また、微粒子の温度を測定するための熱
電対とヒーターを有しもよく、微粒子やエアロゾルを加
熱してもよい。加熱手段を使用しないときには、発生す
るエアロゾルの温度は室温であり、ほぼ25℃である。
【0010】ノズル及びノズルの加熱手段 本発明において、ノズルとは、エアロゾルが通過する空
間を持つノズル本体と、エアロゾルを導入するための導
入開口部と、エアロゾルを噴射させるための導出開口部
とを有する硬質の構成部であり、ノズル本体の空間形状
に工夫をもたせて、エアロゾルの噴出状態を安定的に制
御する。導入開口部と導出開口部との間に形状の同一性
は必要としていない。本発明ではこれに近接して加熱手
段が配設される。その一態様としての以下に挙げる実施
例に用いているノズルには、ノズル内壁全体を加熱する
ように、ラバーヒーターをノズルの周囲にノズル外壁に
密着するように取り付けてある。またノズル先端には導
出開口部から1cm以内の部位に熱電対の測定部を取り
付けてあり、ノズル先端の温度をコントローラーで制御
することができる。ノズルの加熱手段としては、ラバー
ヒーターに限らず、マントルヒーターでノズルを囲って
もよいし、リボンヒーターやニクロム線などの電熱線を
ノズルに直に巻きつけたり、ノズルに埋め込んだりして
もよい。
【0011】エアロゾル搬送管 本発明において、本発明において、エアロゾル搬送管と
は、エアロゾル発生器で発生させたエアロゾルをノズル
まで搬送するための管状の構成部である。エアロゾル発
生器からノズルの導入開口部までの経路は直線でもよい
し、エアロゾルの搬送を妨げない程度にたわんでいても
よい。可撓性の部材を使ってもよい。エアロゾル搬送管
に接するようにヒーターと熱電対を有してもよく、コン
トローラーでエアロゾル搬送管の温度を加熱制御しても
よい。エアロゾル発生器及びエアロゾル搬送管を共に加
熱しないときのエアロゾルの温度は室温であり、ほぼ2
5℃である。
【0012】以下に本発明の実施の形態を図に基づいて
説明する。図1は、本発明における一態様としての複合
構造物作製装置の装置図であり、材料微粒子10が充填
されたエアロゾル発生器1がガスボンベ2と送気管3を
介して連結されており、エアロゾル搬送管4を介して構
造物形成室5に連結されている。構造物形成室5はエア
ロゾル搬送管4とつながるノズル6およびこれに対向し
て配置される基板7を有しており、排気ポンプ8と連結
される。基板7はX−Yステージ9上に配置して、ノズル
6との相対位置を変動させながら構造物形成を行なえ
ば、所望形状の複合構造物が形成できる。
【0013】図2は以下で説明される実施例に用いるノ
ズル6の拡大図であり、ノズル外壁に密着させるように
ラバーヒーター11が取り付けてある。ノズル6の先端
には熱電対12が取り付けてあり、構造物形成室外のコ
ントローラーに連結され、ノズルの温度を制御すること
ができる。
【0014】以下で説明される実施例にあっては材料微
粒子として内部歪を有する微粒子を用いたため、内部歪
を付与するための前処理装置として、図示しない遊星ミ
ルを用いた。材料微粒子11をエアロゾル発生器1内に
設置した後、ガスボンベ2を開き、ガスを送気管3を通
じてエアロゾル発生器1に導入し、微粒子をガス中に分
散させたエアロゾルを発生させる。このエアロゾルをエ
アロゾル搬送管4を通じてさらに構造物形成室5の方向
へ搬送し、高速に加速しつつノズル6より基板7に向け
て噴射させる。このときの微粒子の速度は亜音速から音
速程度まで加速されている。十分に加速されて運動エネ
ルギーを得たエアロゾル中の微粒子は、基板7に衝突
し、その衝撃のエネルギーにより細かく破砕されて、発
生した微細断片粒子が基板7に接合し、さらに微細断片
粒子同士が接合して緻密質の複合構造物を形成する。基
板7はX−Yステージ9により揺動され、所定の面積を持
つ複合構造物が形成されていく。また複合構造物形成中
は排気ポンプ8を運転し、構造物形成室5内は圧力が1
kPa以下の低真空状態に置かれている。
【0015】
【実施例】(実施例1)図1に示した複合構造物作製装
置を使用して酸化アルミニウムと真鍮の複合構造物を作
製する実験を行った。粒径0.4μmの酸化アルミニウ
ム微粒子に遊星ミルを用いて内部歪を付与し、乾燥させ
たものをエアロゾル発生器に充填した。また、X-Yステ
ージに真鍮基板を取り付けた。ノズルの先端が100℃
になるようにノズルを加熱しておき、排気ポンプを作動
させ構造物形成室の圧力を0.2kPaにした。ボンベ
を開けてエアロゾル発生器に窒素ガスを毎分5リットル
の流量で送気し、エアロゾルを発生させ、エアロゾル搬
送管を介して、ノズルより加速したエアロゾルを基板に
噴出させ、X-Yステージを操作しながら基板上に17m
m×10mmの酸化アルミニウムの膜を形成させた。こ
のときエアロゾル発生器及びエアロゾル搬送管は加熱せ
ず室温25℃とした。20分間で膜厚13μmの良好な
酸化アルミニウム膜と真鍮基板との複合構造物が形成さ
れた。構造物形成時にはノズルからの凝集粒の噴出はほ
とんどみられず、実験後ノズルを分解すると、ノズル内
壁に粉体の付着はみられなかった。
【0016】(実施例2)ノズル先端の温度75℃、そ
れ以外の条件は実施例1と同様にして実験を行ったとこ
ろ、膜厚10μmの良好な酸化アルミニウム膜と真鍮基
板との複合構造物が形成された。構造物形成時にはノズ
ルからの凝集粒の噴出はほとんどみられず、実験後ノズ
ルを分解すると、目視ではノズル内壁に粉体の付着はほ
とんどみられなかった。
【0017】(実施例3)ノズル先端の温度50℃、そ
れ以外の条件は実施例1と同様にして実験を行ったとこ
ろ、膜厚7μmの良好な酸化アルミニウム膜と真鍮基板
との複合構造物が形成された。構造物形成時にはノズル
からの凝集粒の噴出はほとんどみられず、実験後ノズル
を分解すると、目視ではノズル内壁の根元側面部分にに
わずかに粉体の付着がみられた。
【0018】(実施例4)ノズル先端の温度150℃、
それ以外の条件は実施例1と同様にして実験を行ったと
ころ、膜厚10μmの酸化アルミニウム膜と真鍮基板と
の複合構造物が形成された。構造物形成時にはノズルか
らの凝集粒の噴出はほとんどなかったが、エッチングが
おこり部分的に剥離した箇所があった。実験後ノズルを
分解すると、ノズル内壁に粉体の付着はみられなかっ
た。
【0019】(比較例)比較のためにノズルを加熱せず
室温25℃で、それ以外の条件は実施例1と同様にして
実験を行ったところ、膜厚5μmの良好な酸化アルミニ
ウム膜と真鍮基板との複合構造物が形成された。構造物
形成時には時々ノズルから凝集粒が噴出するのがみら
れ、実験後ノズルを分解すると、目視ではノズル内壁に
かなりの粉体の付着がみられた。
【0020】以上の実験結果を表1に示した。表1よ
り、ノズルを加熱しノズル先端の温度を導入するエアロ
ゾル温度より25℃以上高くすることで構造物の形成速
度が向上し、ノズル内壁への粉体の付着を抑制すること
ができ、効率のよい長時間安定した形成が可能となっ
た。さらにノズル先端の温度を導入するエアロゾル温度
より50℃以上高くすることで構造物の形成速度は2倍
以上に向上し生産性のよい形成が可能となった。また、
ノズル先端の温度を150℃と高くしすぎた場合には、
エッチングが生じ良好な複合構造物が得られない恐れが
あると考えられる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】上述のように、本発明による複合構造物
作製装置を用いれば、材料微粒子をガス中に分散させた
エアロゾルを基板に高速で噴射・衝突させて形成される
複合構造物を長時間安定的に効率よく形成できるため、
様々な複合構造物を作製するのに好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる複合構造物作製装置の装置図で
ある。
【図2】実施例にかかるノズル加熱手段の模式図であ
る。
【符号の説明】 1…エアロゾル発生器 2…窒素ガスボンベ 3…送気管 4…エアロゾル搬送管 5…構造物形成室 6…ノズル 7…基板 8…排気ポンプ 9…X−Yステージ 10…材料微粒子 11…ラバーヒーター 12…熱電対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳩野 広典 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 森 勝彦 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 伊藤 朋和 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 吉田 篤史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 山口 香織里 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 横山 達郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安田 基 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 辻道 万也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 明渡 純 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人 産業技術総合研究所 つくばセンター 内 Fターム(参考) 4K044 AA06 BA01 BA11 BA12 BA13 BB01 BB03 CA23 CA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子をガス中に分散させたエアロゾル
    をノズル先端から噴射して基板に吹き付けて微粒子の材
    料からなる構造物を基板上に形成させることによって基
    板と構造物からなる複合構造物を作製する複合構造物作
    製方法において、少なくとも前記エアロゾルを前記基板
    に吹き付けるときには、前記ノズル先端の温度が50℃
    〜150℃になるように加熱手段によって制御すること
    を特徴とする複合構造物作製方法。
  2. 【請求項2】 前記ノズル先端の温度をノズルに導入さ
    れる前記エアロゾルの温度より25℃以上高く制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合構造物作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記微粒子には脆性材料微粒子または脆
    性材料微粒子と延性材料微粒子が混合された混合微粒子
    または脆性材料微粒子の表面に延性材料を被覆した複合
    微粒子を使用することを特徴とする請求項1または2に
    記載の複合構造物作製方法。
  4. 【請求項4】 エアロゾル発生器と、その下流側のエア
    ロゾル搬送管と、その下流側のノズルを有し、微粒子を
    ガス中に分散させたエアロゾルを前記ノズル先端から噴
    射して基板に吹き付けて微粒子の材料からなる構造物を
    基板上に形成させることによって基板と構造物からなる
    複合構造物を作製する複合構造物作製装置において、前
    記ノズルには、その内壁側が加熱されるように、加熱手
    段が配設されており、少なくとも前記エアロゾルを前記
    基板に吹き付けるときには、前記ノズル先端の温度が5
    0℃〜150℃になるように制御されることを特徴とす
    る複合構造物作製装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズル先端の温度がノズルに導入さ
    れる前記エアロゾルの温度より25℃以上高く制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の複合構造物作製装
    置。
  6. 【請求項6】 前記微粒子には脆性材料微粒子または脆
    性材料微粒子と延性材料微粒子が混合された混合微粒子
    または脆性材料微粒子の表面に延性材料を被覆した複合
    微粒子を使用することを特徴とする請求項4または5に
    記載の複合構造物作製装置。
JP2002077993A 2001-10-11 2002-03-20 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置 Expired - Lifetime JP3812660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002077993A JP3812660B2 (ja) 2001-10-11 2002-03-20 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-314448 2001-10-11
JP2001314448 2001-10-11
JP2002077993A JP3812660B2 (ja) 2001-10-11 2002-03-20 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003183847A true JP2003183847A (ja) 2003-07-03
JP3812660B2 JP3812660B2 (ja) 2006-08-23

Family

ID=27615351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002077993A Expired - Lifetime JP3812660B2 (ja) 2001-10-11 2002-03-20 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3812660B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010146680A1 (ja) * 2009-06-18 2010-12-23 トヨタ自動車株式会社 磁性粉末の製造方法及びその製造装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649656A (ja) * 1992-08-04 1994-02-22 Vacuum Metallurgical Co Ltd ガス・デポジション法による超微粒子膜の形成法およびその形成装置
JP2001003180A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Agency Of Ind Science & Technol 脆性材料超微粒子成形体の低温成形法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649656A (ja) * 1992-08-04 1994-02-22 Vacuum Metallurgical Co Ltd ガス・デポジション法による超微粒子膜の形成法およびその形成装置
JP2001003180A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Agency Of Ind Science & Technol 脆性材料超微粒子成形体の低温成形法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010146680A1 (ja) * 2009-06-18 2010-12-23 トヨタ自動車株式会社 磁性粉末の製造方法及びその製造装置
JPWO2010146680A1 (ja) * 2009-06-18 2012-11-29 トヨタ自動車株式会社 磁性粉末の製造方法及びその製造装置
JP5267665B2 (ja) * 2009-06-18 2013-08-21 トヨタ自動車株式会社 磁性粉末の製造方法及びその製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3812660B2 (ja) 2006-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6811812B2 (en) Low pressure powder injection method and system for a kinetic spray process
EP1200200B2 (en) Kinetic spray coating method and apparatus
JP2006161161A (ja) 真空コールドスプレープロセス
EP1579921A2 (en) Improved kinetic spray nozzle system design
US9079209B2 (en) Apparatus for power coating
US6743468B2 (en) Method of coating with combined kinetic spray and thermal spray
KR101497854B1 (ko) 성막 방법
JP2001181859A (ja) 複合構造物の作製方法および作製装置
US20030190413A1 (en) Method of maintaining a non-obstructed interior opening in kinetic spray nozzles
JP2003119575A (ja) 複合構造物の形成方法及び複合構造物形成装置
JP2006198577A (ja) 微粒子の分級方法および成膜方法
JP2003183847A (ja) 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置
JP2003211030A (ja) 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置
JP2003213451A (ja) 複合構造物作製方法
JP2003306762A (ja) 撥水性部材、及び、インクジェットヘッドの製造方法
JP2010133019A (ja) 構造物形成装置
KR101230241B1 (ko) 세라믹 분말 에어로졸 증착 방법
JP4590594B2 (ja) エアロゾルデポジッション成膜装置
JP3874683B2 (ja) 複合構造物作製方法
KR101214044B1 (ko) 전계방출용 cnt-금속 혼합막 제조 방법
JP2002320879A (ja) 複合構造物形成用ノズル、複合構造物形成装置および複合構造物形成方法
KR101214051B1 (ko) 전계방출용 cnt-금속 혼합막 제조 방법 및 에어로졸 증착장치
JP4086627B2 (ja) 成膜方法
JP2005256017A (ja) 粒子配置装置及び粒子の配置方法
JP2004256920A (ja) 複合構造物及びその製造方法並びに作製装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3812660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term