JPH0649605A - 電磁ステンレス鋼 - Google Patents
電磁ステンレス鋼Info
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- JPH0649605A JPH0649605A JP4229282A JP22928292A JPH0649605A JP H0649605 A JPH0649605 A JP H0649605A JP 4229282 A JP4229282 A JP 4229282A JP 22928292 A JP22928292 A JP 22928292A JP H0649605 A JPH0649605 A JP H0649605A
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Abstract
材料として用いられる電磁ステンレス鋼について、その
磁気特性(立上り時の磁束密度および保磁力等)を高
め、かつ加工における冷鍛性や被削性を良好なものとす
る。 【構成】 電磁ステンレス鋼におけるPの含有量を重量
%で0.010%未満とし、また、CおよびNがそれぞ
れ0.010%以下、また、それらの和は、0.015
%以下、CuとNiの和が0.15%以下、Sが0.0
30%以下、Mnが0.50%以下、Siが1.0%以
下、Alが4.0%以下、Crが8〜25%、Moが
2.0%以下とされた。Pの含有量を上述のようにごく
少なくし、かつ、他のC,N,Cu,Ni,S等の含有
量を規制することにより、磁気特性および冷鍛性等を兼
備した電磁ステンレス鋼が実現する。
Description
わり、特にフェライト系電磁ステンレス鋼の磁気特性、
冷鍛性および被削性を向上させた電磁ステンレス鋼に関
するものである。
ポンプ等の電磁弁部品として、13%または18%クロ
ム−鉄系のステンレス鋼が使用されている。このような
電磁ステンレス鋼では、磁気特性(磁束密度、保磁力
等)が良好であるとともに、加工の面からは、冷鍛性や
被削性が良いことが望ましい。
ス鋼の磁気特性を向上させ得ることは従来から知られて
いる。例えば、特開昭57−54252、特開昭57−
192246等がそのことを開示している。
C、Nの低減によるものでは、ステンレス鋼の磁気特性
の改善に限界があり、さらに優れた磁気特性を持つ電磁
ステンレス鋼が求められている。
る磁気特性を従来より一層向上させるとともに、加工の
面から冷鍛性および被削性も良好な電磁ステンレス鋼を
提供することにある。
意研究した結果、Pを0.010%未満にすることによ
り、磁束密度(B80)、保磁力(Hc)等の磁気特性
を向上させ得ることを見い出した。Pの低減によって磁
気特性が改善される理由は、Pが増加すると磁気焼鈍時
の結晶粒が微細化されるが、Pの低減を図ることによ
り、磁気焼鈍時の結晶粒の成長が促進されるためである
と考えられる。すなわち、本発明に係る電磁ステンレス
鋼は、重量%で、P(リン)が0.010%未満、C
(炭素)が0.010%以下、N(窒素)が0.01%
以下、CとNの和が0.015%以下、Cu(銅)とN
i(ニッケル)の和が0.15%以下、S(イオウ)が
0.030%以下、Mn(マンガン)が0.50%以
下、Si(ケイ素)が1.0%以下、Al(アルミニウ
ム)が4.0%以下、Cr(クロム)が8%以上25%
以下、Mo(モリブデン)が2.0%以下、残部がFe
(鉄)および不純物から構成されるものである。
電磁ステンレス鋼は、請求項1の要件に加え、重量%で
SiとAlの和が1.0%以上とされる。
た電磁ステンレス鋼は、請求項1の要件に加え、重量%
で、Siが0.15%以下、Sが0.015%以下、O
(酸素)が0.005%以下、Moが0.5%以下とさ
れる。
た電磁ステンレス鋼は、請求項2の要件に加え、重量%
で、Siが0.15%以下、Sが0.015%以下、O
が0.005%以下、Moが0.5%以下とされる。
た電磁ステンレス鋼は、請求項1ないし4のいずれかの
要件に加え、さらに重量%で、Pb(鉛)が0.25%
以下、Bi(ビスマス)が0.20%以下、Te(テル
ル)が0.03%以下、Se(セレン)が0.03%以
下、Ca(カルシウム)が0.02%以下のうちから選
ばれる1種または2種以上を含む。
(重量%)の限定理由は次の通りである。 (1) P<0.010% Pが少ないほど、良好な磁気特性を示す。ここで、磁気
特性とは、主に磁束密度:B80、B800(単位:
T)等、および保磁力:Hc(単位:A/m)を意味
し、磁束密度のB80等が高いことは電磁弁の立上り特
性が良いことを示し、一方、保磁力が低いことは、立下
り特性が良いことを示す。したがって、磁束密度のB8
0等が高く、保磁力は低いことが磁気特性の改善のため
に必要であり、Pの含有量低減による上記磁気特性の向
上効果は、重量%で特にPの含有量が0.010未満に
おいて顕著であるため、P<0.010%とした。
り、ともに0.010%以下で磁気特性の改善効果が顕
著であることによる。
にそれらの和が0.015%以下で磁気特性の改善効果
が顕著であるため、C+Nを0.015%以下とした。
と良好であるが、それらの和の含有量が0.15%以下
になると、磁気特性および冷鍛性を向上させる効果が小
さくなるため、Cu+Niの含有量は0.15%以下と
した。
電磁弁部品を構成する場合の応答性が向上する。また、
Siの増量は保磁力を減少させることに効果的である。
しかしながら、Siが多すぎると、加工における変形抵
抗が増加して冷鍛性が劣化するので、Siの含有量は
1.0%を上限とし、特に冷鍛性を重視する場合には
0.15%を上限とした。
上(保磁力の減少)に効果的である。しかし、Alが多
すぎると、変形抵抗が増加して冷鍛性が悪くなるので、
Alの上限を4.0%とした。
1.0%以上にする必要がある。AlはSiに比べて変
形抵抗を増加させる弊害が小さいので、冷鍛性を特に重
視する場合には、Alをより多く含有させることが望ま
しい。
%を上限とした。冷鍛性をより重視する場合には、0.
015%を上限とする。
ととした。
が、8%未満であると耐食性が劣化する一方、25%を
越えると磁気特性および冷鍛性が劣化するとともに、電
気抵抗の増加も飽和する。したがって、Crは8%以
上、25%以下とした。
損なう度合は比較的小さいが、2.0%を越えると冷鍛
性が劣化するため、その含有量は2.0%以下とした。
冷鍛性を特に重視する場合は、Moの上限を0.5%と
する。
ので、冷鍛性を重視する場合には、Oの上限を0.00
5%とする。
0%、Te≦0.03%、Se≦0.03%、Ca≦
0.02%の1種または2種以上 Pb、Bi、Te、Se、Caは、いずれも被削性を向
上させる元素であるが、多量に使用すると冷鍛性や靭性
等を損なうので、Pbの上限を0.25%、Biの上限
を0.20%、Teの上限を0.03%、Seの上限を
0.03%、Caの上限を0.02%とした。
が0.010%未満とされることを基本的特徴とし、そ
の他にC、N、Cu、Ni、S、Si、Al、Cr等の
含有量が適切に規制されることによって、磁気特性が良
好なものとなる。すなわち、磁束密度が高められる一
方、保磁力は低く抑えられる。また、Cu、Ni、S
i、Al、S、Mn、Mo、O等の含有量が適切に規制
されることによって冷鍛性が向上し、またPb、Bi、
Te、Se、Caの適宜の添加が被削性を向上させる。
例)に示す成分組成のステンレス鋼を溶製し、直径38
mmの丸棒に圧延した。引き続き750℃で焼鈍処理した
後、これを機械加工することにより、磁気リング試験
片、丸棒状の体積抵抗率(比抵抗)測定試験片、引張試
験片および塩水噴霧試験片を製作した。そして、磁気リ
ング試験片と体積抵抗率測定試験片については、850
℃×2時間の条件で磁気焼鈍した後、前者の試験片によ
って磁気特性(磁束密度:B80およびB800、保磁
力:Hc)を測定し、後者の試験片によって、体積抵抗
率(比抵抗)を測定した。また、引張試験片による引張
特性(絞り)の評価と、徐々圧下試験による冷鍛性の評
価とを行い、さらに塩水噴霧試験片により、耐食性の観
点から塩水噴霧試験を行った。
内径25mm、厚さ7mmのもので、体積抵抗率測定試験片
は、直径5mm、長さ100mmの丸棒である。また、引張
試験片は、JIS4号に規定されるものを縮小したもの
で、引張試験部の直径が8mm、長さが34mmのものであ
る。一方、徐々圧下試験片は、直径6mm、長さ9mmのも
のであり、また塩水噴霧試験片は、長さが100mmの所
定の直径のものである。
の実施例の結果を表3に、また比較例の結果を表4に示
した。
の実施例品においては、比較例と比べて、磁気特性を示
す磁束密度B80等が高く、励磁の際の立上り特性が良
いことを示している。また、保磁力は、本発明の実施例
品では60A/m以下で、励磁・消磁の応答性が良いこ
とを表している。また、絞りの%値は引張りによる断面
積減少率を示し、これが80%以上のものは、電磁燃料
噴射弁の冷鍛シュミレ−ション試験(徐々圧下試験)に
おいて、80%の据込みで割れが発生しなかった。さら
に、塩水噴霧試験は、JIS Z2371の条件で48時
間実施し、さび発生の有無で評価した。ここで、×印は
さび発生あり、○印はさび発生なし、◎印は96時間の
試験でもさびの発生が認められなかったことを示すが、
本発明の実施例品では、さびの発生は認められなかっ
た。
いて特にPの含有量を0.010%未満とすることを前
提に、その他の元素の含有量を適正に規制することによ
って、良好な磁気特性を備えるとともに、冷鍛性や被削
性、耐食性をバランス良く兼ね備えた電磁ステンレス鋼
を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、Pが0.010%未満、Cが
0.010%以下、Nが0.010%以下、CとNの和
が0.015%以下、CuとNiの和が0.15%以
下、Sが0.030%以下、Mnが0.50%以下、S
iが1.0%以下、Alが4.0%以下、Crが8%以
上25%以下、Moが2.0%以下、残部がFeおよび
不純物から構成されることを特徴とする電磁ステンレス
鋼。 - 【請求項2】 重量%で、SiとAlの和が1.0%以
上である請求項1記載の電磁ステンレス鋼。 - 【請求項3】 重量%で、Siが0.15%以下、Sが
0.015%以下、Oが0.005%以下、Moが0.
5%以下である請求項1記載の電磁ステンレス鋼。 - 【請求項4】 重量%で、Siが0.15%以下、Sが
0.015%以下、Oが0.005%以下、Moが0.
5%以下である請求項2記載の電磁ステンレス鋼。 - 【請求項5】 重量%で、Pbが0.25%以下、Bi
が0.20%以下、Teが0.03%以下、Seが0.
03%以下、Caが0.02%以下の1種または2種以
上を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁ステ
ンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22928292A JP3309374B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 電磁ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22928292A JP3309374B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 電磁ステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649605A true JPH0649605A (ja) | 1994-02-22 |
JP3309374B2 JP3309374B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=16889680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22928292A Expired - Lifetime JP3309374B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 電磁ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309374B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012233246A (ja) * | 2011-05-09 | 2012-11-29 | Daido Steel Co Ltd | 電磁ステンレス鋼 |
JP2016183400A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | バーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
JP2018003112A (ja) * | 2016-07-05 | 2018-01-11 | 秋山精鋼株式会社 | フェライト系ステンレス鋼棒材の保磁力調整方法および電磁部材用フェライト系ステンレス鋼棒材または管材 |
WO2022107757A1 (ja) | 2020-11-19 | 2022-05-27 | 日鉄ステンレス株式会社 | ステンレス棒状鋼材及び電磁部品 |
KR20220139981A (ko) | 2020-02-19 | 2022-10-17 | 닛테츠 스테인레스 가부시키가이샤 | 전자 스테인리스 봉상 강재 |
-
1992
- 1992-08-04 JP JP22928292A patent/JP3309374B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012233246A (ja) * | 2011-05-09 | 2012-11-29 | Daido Steel Co Ltd | 電磁ステンレス鋼 |
JP2016183400A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | バーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
JP2018003112A (ja) * | 2016-07-05 | 2018-01-11 | 秋山精鋼株式会社 | フェライト系ステンレス鋼棒材の保磁力調整方法および電磁部材用フェライト系ステンレス鋼棒材または管材 |
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WO2022107757A1 (ja) | 2020-11-19 | 2022-05-27 | 日鉄ステンレス株式会社 | ステンレス棒状鋼材及び電磁部品 |
KR20230088905A (ko) | 2020-11-19 | 2023-06-20 | 닛테츠 스테인레스 가부시키가이샤 | 스테인리스 봉상 강재 및 전자 부품 |
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---|---|
JP3309374B2 (ja) | 2002-07-29 |
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