JPH0649431Y2 - 溶接ロボット用ポジショナ傾動装置 - Google Patents

溶接ロボット用ポジショナ傾動装置

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JPH0649431Y2
JPH0649431Y2 JP1989062163U JP6216389U JPH0649431Y2 JP H0649431 Y2 JPH0649431 Y2 JP H0649431Y2 JP 1989062163 U JP1989062163 U JP 1989062163U JP 6216389 U JP6216389 U JP 6216389U JP H0649431 Y2 JPH0649431 Y2 JP H0649431Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は溶接ロボットに利用されるもので、特に、被溶
接物を回動軸で保持するポジショナのこの回動軸を傾動
させるようにした傾動装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、第6図に示すような被溶接物wのすみ肉溶接部分
aは、水平位置に保った状態でトーチbにより下向き溶
接を行うのが良い溶接結果を得られる。とりわけ、すみ
肉溶接の脚の長さや溶込み量が大きい場合は、この溶接
方法の効果が著しい。したがって、大形の被溶接物のす
み肉溶接部分を例えば溶接ロボット等で下向き溶接を行
う場合には、大形の被溶接物を回動可能に保持するため
のポジショナが用いられる。
しかし、通常のポジショナは、ポジショナの回動軸に保
持された被溶接物のすみ肉溶接で、回動軸の軸心と平行
する溶接部分は水平位置に保った状態で下向き溶接がで
きるが、その他の溶接部分の下向き溶接を行うために
は、ポジショナに対する被溶接物の取付け姿勢を変える
必要があった。
このような不具合を解消しようとして、本出願人は先に
被溶接物のすみ肉溶接部分が回動軸の軸心と平行してい
なくても、このすみ肉溶接部分が水平位置を保つように
被溶接物を回動軸ごと傾斜させるポジショナ傾動装置を
開発した。
すなわち、その一つは基台上にポジショナの傾動台の中
間部が回動可能に支承され、この傾動台上に設けられた
軸台の回動軸で被溶接物が回動可能に保持される一方、
前記傾動台の片端にボールねじ等の傾動手段が設けられ
ることにより、傾動台が回動軸ごと左右両側のいずれか
に傾斜できるように構成されている(実願昭61-10877号
公報参照)。
また、他の一つは軸台を備えたポジショナの傾動台の下
面両端部にそれぞれV形軸受が設けられ、こ各V形軸受
が基台上に間隔をおいて平行に設けられた支軸に対し係
脱可能とされるとともに、傾動台両端部と基台両端部と
の間にそれぞれシリンダ装置による傾動手段がリンクを
介して連結されることにより、傾動台が各支軸のいずれ
かを支点として軸台の回動軸ごと左右両側のいずれかに
傾斜できるように構成されている(実願昭63-70161号公
報参照)。
(考案が解決しようとする課題) しかし、上記の各ポジショナ傾動装置はいずれも被溶接
物がポジショナに保持された状態で必要に応じてポジシ
ョナの傾動台を左側もしくは右側に傾斜させてすみ肉溶
接部分を水平位置に調節できるという利点がある反面、
前者のものは、ポジショナの傾動台の中間部が基台上に
支承されたものであるから、規模が大きくなるだけでな
く、作業高さが高くなるためにピット施工等を必要とし
て設備コストが高くなり、この傾向は取扱う被溶接物が
大きくなればなるほど大きくなる。また、傾動台の傾動
時に片端部が基台に当接して他端部の仰角を規制するた
めに、傾動角度を大きくすることができない。
また、後者のものはポジショナの傾動台の両端部がそれ
ぞれリンクを介してシリンダ装置に連結されているか
ら、各連結部の滑節構造で傾動台の支持姿勢が不安定と
なり、しかも、V形軸受と支軸の間に塵芥等が介入し易
いので、摩耗したり傾動動作に誤差を生じたりする。さ
らに、シリンダ装置は、傾動台の傾動角度や長さが大き
くなればなるほど、ストロークの長い構造となって別途
に補強しない限り大重量の被溶接物を取扱うことができ
ないという問題がある。
本考案はこのような従来の事情から見て、重量の大きい
被溶接物を取扱うポジショナの長尺の傾動台でも、大き
く傾動させることができるようにした溶接ロボット用ポ
ジショナ傾動装置を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 片端部が基台に回動可能に支承された傾動台と、 上記傾動台の途中部にリフト機構を介して傾動用リフト
シリンダが連結され、該傾動台を片端部を中心に傾動さ
せる傾動手段と、 上記傾動台の他端部に設けられ、傾動台の傾動を適宜な
位置で固定保持する位置決め手段と、 上記傾動台上に設けられ、被溶接物を回動可能に保持す
るポジショナとを備え、 ポジショナに保持された被溶接物の溶接部分が水平位置
に調節可能に構成されたものである。
(作用) 傾動台上にポジショナを介して保持した被溶接物を、傾
動手段のシリンダの伸長により該傾動台をその片端部を
中心に傾動させることでその溶接部分が水平位置になる
ように配置し、この傾動位置で位置決め手段によって安
定的に固定保持する。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。
第1図ないし第5図に示すポジショナ傾動装置1は溶接
ロボット(図示省略)に適用される片側傾動方式のもの
で、ポジショナ2、傾動手段3および位置決め手段4を
主要部として構成されている。
前記ポジショナ2は、傾動台5上に被溶接物Wの両端部
を回動可能に保持する駆動側軸台6と従動側軸台7とが
互いに向かい合うように間隔をおいて設けられている。
前記傾動台5は片端部(第1図で左端部)が基台8,8の
片端(左端)部に設けた支軸9,9により回動可能に支承
されるとともに、他端部に係合凹所5a,5aが設けられて
いる。前記駆動側軸台6は傾動台5に固定したコラム10
の上端部に回動軸11が支承され、この回動軸11の両端に
はサーボモータ等の駆動機構12と駆動側取付治具13とが
連結されている。また、前記従動側軸台7は傾動台5に
固定したコラム14の上端部に回動軸15が支承され、この
回動軸15に連結された従動側取付治具16を前記駆動側取
付治具13に正対させている。
前記傾動手段3は、前記各軸台6,7の各回動軸11,15を傾
動台5ごと傾斜させて被溶接物Wのすみ肉溶接部分Fを
水平位置に調節可能とするために設けられたもので、リ
フトアーム17,17、傾動用シリンダ18およびリンク19,19
を主要部として構成されている。前記リフトアーム17,1
7はそれぞれ三角形に形成された板状体で底辺片端部17
a,17aが傾動台5に設けられたブラケット5b,5bにピン2
0,20で結合されている。さらに、底辺他端部17b,17bに
リンク19,19の先端部19a,19aがピン21,21で結合され、
頂点部17c,17cに傾動用シリンダ18に嵌入したピストン
ロッド18aの先端部がT字軸22により回動可能に連結さ
れている。また、傾動用シリンダ18のトラニオン18bは
前記基台8,8の内側に設けた軸受23,23に支承され、前記
リンク19,19の基端部19b,19bは基台8,8上に設けたブラ
ケット24,24にピン25,25で結合されている。
前記位置決め手段4は、傾動台5の他端部(第1図で右
端部)を所望の傾動角度に固定するためのもので、ガイ
ドフレーム26,26およびロック機構27,27とからなってい
る。前記ガイドフレーム26,26は基台8,8の他端部(第1
図で右端部)に設けられてそれぞれの中央部に縦長のガ
イド溝26a,26aが形成されている。また、前記ロック機
構27,27はそれぞれ各ガイド溝26aに対して位置決め用シ
リンダ28,28が摺動可能に嵌合され、この各位置決めシ
リンダ28に連結されたロックピン29,29が前記傾動台5
の係合凹所5a,5aに対して係脱可能となされている。
前記ロック機構27,27の作動位置は、傾動台5の傾動角
度を例えばエンコーダ(図示省略)で検知して溶接ロボ
ットの制御装置(図示省略)に記憶させることにより、
第1図の鎖線位置に反復して設定することができる。
また、ロック機構27は上述のものに代えて、第2図に示
すように、傾動台5の常用される傾動角度に対応して複
数個のロック機構30を設けたり、第3図に示すように、
一組のロック機構31を傾動台5に固定した位置決め用シ
リンダ31aとこの位置決め用シリンダ31aに連結したブレ
ーキ部材31bとで構成するとともに、ガイドフレーム32
の外側に円弧面32aを形成して、この円弧面32aに沿って
傾動台5の傾動角度を無段階に位置決めをしたりするこ
ともできる。
次に、上記実施例の作用について説明する。
傾動台5が第1図の鎖線位置に位置しているとき、傾動
手段3の傾動用シリンダ18を伸長駆動させると、傾動台
5がリフトアーム17,17およびリンク19,19とともに第1
図で反時計回りに回動する。
そして、傾動台5が被溶接物Wのすみ肉溶接部分Fを水
平位置に位置させる実線位置まで傾動すると、制御装置
(図示省略)に予め入力されている傾動台5の設定傾動
角度の信号を位置決め手段4が受けてロック29が傾動台
5の係合凹所5aに係合し、傾動台5はこの実線位置に固
定され、前記すみ肉溶接部分Fは安定した下向き溶接が
行われる。
(考案の効果) 以上述べたように、本考案によれば、傾動手段のシリン
ダの伸長により傾動台をその片端部を中心に傾動させ、
この状態で位置決め手段によって固定保持するため、被
溶接物が長尺でしかも大重量であっても、安定した状態
で保持することができるとともに、ストロークが比較的
短いシリンダで傾斜角度を大きくすることができて位置
決め精度も良く、安定した下向き溶接を行うことができ
る。しかも、構造が簡単で強度を充分に備えたものであ
るから、設備コストが軽減されるとともに、耐用性およ
び作業性が著しく向上するという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図は溶接ロボ
ット用ポジショナ傾動装置の正面図、第2図および第3
図は位置決め手段の他の実施例を示す正面図、第4図は
傾動手段を拡大して示す正面図、第5図は同平面図、第
6図はすみ肉溶接の説明図である。 1……ポジショナ傾動装置 2……ポジショナ、3……傾動手段 4……位置決め手段、5……傾動台 6……駆動側軸台、7……従動側軸台 11……回動軸、15……回動軸 W……被溶接物、F……すみ肉溶接部分

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】片端部が基台に回動可能に支承された傾動
    台と、 上記傾動台の途中部にリフト機構を介して傾動用リフト
    シリンダが連結され、該傾動台を片端部を中心に傾動さ
    せる傾動手段と、 上記傾動台の他端部に設けられ、傾動台の傾動を適宜な
    位置で固定保持する位置決め手段と、 上記傾動台上に設けられ、被溶接物を回動可能に保持す
    るポジショナとを備え、 ポジショナに保持された被溶接物の溶接部分が水平位置
    に調節可能に構成されたことを特徴とする溶接ロボット
    用ポジショナ傾動装置。
JP1989062163U 1989-05-29 1989-05-29 溶接ロボット用ポジショナ傾動装置 Expired - Fee Related JPH0649431Y2 (ja)

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