JPH0649368U - ストロー付紙パック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のストローに比べ、その長さにおいて1/
2 〜1/3 とし、しかも吸飲し易い省資源型ストロー付紙
パック容器とする。 【構成】 紙パック容器１上面のストロー挿入口３に、
弾性体材料よりなるストロー差込筒６の下端ベース部６
ａを挿入保持させ、該ベース部を除く差込筒部分６を圧
縮するか、または横倒しにしてその表面全体を剥離シー
ル材５で一体的に被覆し、かつ、ストロー本体も剥離シ
ール材５で一体的に被覆して容器に付設せしめるか、ス
トロー本体を予めストロー差込筒６に差し込み、両者を
一体として圧縮するか、横倒しにしてその表面全体を剥
離シール材５で被覆せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、箱入り牛乳，箱入りジュース等の液体飲料を収容した紙パック容器 等において、内部液体の吸飲の際に用いるストロー取付部の構造に係り、詳しく は短いストローでも容易に安心して吸飲することができるストロー付紙パック容 器の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

牛乳，ジュース類等の液体飲料を大小種々の箱に充填した、いわゆる紙パック 容器入りの牛乳，ジュース類が市内に多く出回っているが、このうち比較的多量 に充填したものは別として、一回の飲料分に見合う容量の紙パック容器に牛乳等 を充填したものについては、通常、容器の上面にストロー付紙パック容器挿入口 が閉鎖状態で設けられていて、内部の液体飲料を飲もうとするときには、ストロ ーを挿入側の挿入口に突刺して吸飲することがよく行なわれている。

【０００３】 そして、このようなストロー付紙パック容器ではそのストローの長さは、一般 に箱のストロー挿入口から最長距離に当たる底分の斜め隅部までの長さとされて おり、そのためにこの長さに相当するストローが箱の側面部に添着され、シール されているのが現状である。しかし、このようにストローの長さを長くとること は資源の無駄使いである。

【０００４】 そこでこのストローの長さをできるだけ短くすることができればそれだけ省資 源化となることから、その実現について検討した。勿論、あまり短すぎてもパッ ク容器の挿入口に突刺するに際し、ストローの飲口から液が飛び出て周囲を汚染 して衣服等を汚すおそれがあるばかりでなく、ストローがパック容器の挿入口か ら抜け落ちたり、またはストローがパック容器内に落ち込んだりして安全に吸飲 することができないので好ましくない。 と云って現在のところ、ストローを短くすることについて適切な取付手段は提 案されていない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、本出願人はさきにシリコーン製弁体をストロー内適宜位置に封止内 蔵せしめた漏れ防止ストローについて提案した（実開平４−５８１８１号）。 そこでこの漏れ防止ストローの利用をふまえて上記ストローの長さを短くする ことを試みたところ、その取付構造について考慮すれば充分可能であることを知 見するに至った。

【０００６】 即ち、本考案は上述の結果、到達したもので、特にストローの長さの短縮化と 、その取付構造を組み合わせることにより、従来のストローの長さをその1/2 〜 1/3 に短縮して節約すると同時にパック挿入口に突刺しても液が飛散汚染するこ とのない、短くても飲み易いストロー付紙パック容器を提供することを目的とす る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記の目的を達成するため本考案は液体飲料を収容した紙パック容器上 面のストロー挿入口に、ストロー弾性体材料よりなる差込筒の下端ベース部を挿 入保持させ、該ベース部を除く差込筒部分を圧縮するか、または横倒しさせてそ の表面全体を上記紙パック容器上面に剥離シール材により被覆して一体的に被着 し、かつ該紙パック容器の適宜個所に上記ストロー差込筒に挿入するストロー本 体を剥離シール材にて一体的に付設せしめている。

【０００８】 また本考案は同目的を達成するため、上記ストロー差込筒と、ストロー本体と を予め一体に組み合わせ形成しておくことも可能であり、紙パック容器上面のス トロー挿入口に上記ストロー差込筒の下端ベース部を挿入し、保持させると共に 該差込筒に弾性材からなるストロー本体を予め差し込み、両者を一体として圧縮 するか、または横倒しさせて該表面全体を上記剥離シール材により被覆せしめて いる（請求項２）。

【０００９】 なお、上記各本考案において使用するストローの好ましい構成は本出願人がさ きに提案した如き漏れ防止用ストローであり、具体的には截頭直円錐体上部を扁 平となし、頂面に細長スリットを形成した弾性部材例えばシリコーン材からなる 弁体をその頂部をストロー吸引側に向けてストロー本体内に封止収蔵すると共に 軸方向に連通するエアー溝と通気弁を具備せしめた構成である（請求項３）。

【００１０】 また上記ストロー差込筒のベース部を紙パック容器上面の所定ストロー挿入口 に挿入するに際しては、該ストロー差込筒の下端ベース部の端部周縁の少なくと も一ケ所に切込部を設けておくことが好適である（請求項４）。

【００１１】

【作用】

本考案に係るストロー付紙パック容器は、ストロー差込筒の下端ベース部を予 め紙パック容器の上面のストロー挿入口に挿入し、保持させているので、ストロ ー差込筒が該容器から抜け出ることなく、しかもこのストロー差込筒は弾性体材 料で形成されているから表面の剥離シール材を取り外すことによって容易に圧縮 状態より起立させることができる。従ってこのストロー差込筒に従来のストロー に比し短いストロー本体を差込んで漏れることなく、容易に吸飲することができ る。

【００１２】 即ち、従来のストローに比べて1/2 〜1/3 の長さであるに拘らず、吸飲中にパ ック容器から抜け出ることはなく、また反対に紙パック容器の中に落ち込むこと もなく、終始安心して吸飲することができる。また一方、ストロー差込筒とスト ロー本体とを一体化したものにおいては、紙パック容器上面のストロー挿入口に 両者が挿入保持されているので、ストロー本体を被着している剥離シール材を剥 ぎ取るだけで、両者を起立させることができ容易に吸飲が可能となる。なお、ス トローを予め容器に差込んでストロー差込筒とストロー本体とが一体となってい る状態において横倒し状態で添着し、シール材によりシールできるのは、ストロ ー部の長さが短いがためであり、またストロー差込筒が弾性体材料で形成されて いるからである。

【００１３】 また漏れ防止用弁体と、エアー連通溝及び通気弁を形成した構造のストローを 用いることにより吸飲中における容器の横転による液体の流出や一気に吸飲した 場合の真空状態による容器の変形等は起こらず、容易に且つ迅速に吸飲すること ができる。そして更に、ストロー差込筒下端のベース部の端部周縁の少なくとも １ケ所に切込部を設けることにより、紙パック容器上面に所定挿入口に該ベース 部を差込む場合、該ベース部は弾性体材料で形成されていて、この切込部に収縮 代が集中するので、差込んでから１回転するだけで容易に装着固定することがで き、製造工程の迅速化が可能である。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案に係るストロー付紙パック容器の実施例を添付図面を参照しなが ら詳細に説明する。 図１は本考案ストロー付紙パック容器の１例を示す外観斜視図であり、紙パッ ク容器１の側面にストロー本体２がフイルムよりなる剥離シール材４によって添 着されていると共に、上面にストロー挿入口３が設けられ、既知の如く同じくフ イルムよりなる剥離シール材５によって被覆されている。

【００１５】 しかして本考案容器にあっては、上記構造のストロー挿入口３において、特に 図２（イ）〜（ハ）に示すように軟質弾性体材料からなるストロー差込筒６がそ の下端ベース部６ａを前記挿入口３に挿入されて保持され、上方を圧縮せしめて 短縮化してその圧縮状態の差込筒３の表面を覆って前述の剥離シール材５により 被覆されている。図中、挿入された差込筒６にはその内表面を覆ってパック容器 １の内面にアルミ箔からなるシール材７が施されている。

【００１６】 なお、上記の如くストロー差込筒を圧縮させる場合には、該差込筒の周壁面に 予め凹凸を施すか、あるいは蛇腹状に形成しておくことが折畳みを容易ならしめ る上で好適である。

【００１７】 また、ここで使用されるストローとしてはさきに本出願人が実開平４−５８１ ８１号をもって提案したストローが好適である。このストローは図３，図４で示 すように通常構造のストロー本体２の外周途中にストロー挿入口３、即ち、飲み 口から内部液体が飛び出すのを防止するための漏れ防止用パッキング、例えばシ リコーンなど弾性材料からなるキャップ８を嵌着したものが用いられており、こ のストローにはその本体２内部適宜位置に截頭直円錐体上部を扁平となし、頂面 に細長スリットを形成したシリコーン製弾性部材からなる漏れ防止弁体９が吸飲 時、開口し、非吸飲時閉鎖するようその頂部を吸引側へ向けて封止収蔵されてい ると共に、前記キャップ８下方のストロー本体２外周には更に紙パック内部の液 体を飲んだとき、パック内部が真空状態を呈して変形するのを防ぐためのエアー 連通溝１０が図４の中央に示す下部に通気弁１３を備え、上部にエアー開口１２ を有するエアー溝形成片１１によって左右両側又は複数個所形成されている。

【００１８】 なお、このストローのストロー本体２の長さは前記の如くストロー差込筒６を 有する関係上、従来の長さに比し小さくすることが可能であり、通常、半分もし くは1/3 の長さに形成される。

【００１９】 またストロー本体２の前記のキャップ８の位置はストロー本体２を下方へ押し 下げてその先端部が紙パック容器１内面側のアルミシール材７を突き破ることが できる位置であればよい。

【００２０】 以上の説明はストロー差込筒６を圧縮した状態でその上面を剥離シール材５に より被覆せしめる場合であるが、差込筒６を圧縮する場合に限らず、横倒しする ことによっても同様に保持可能であり、何れも剥離シール材の剥離と共に起立せ しめることができる。

【００２１】 図６はこのような横倒しの場合を示し、差込筒６は通常時は点線の如く横倒し 状態で表面が剥離シール材５によって被覆されている。そして、シール材５の剥 離と共に仮想線で示すように起立し、ストローの差し込みを可能ならしめる。

【００２２】 更に図７はストロー差込筒６のみでなく、ストロー差込筒６にストロー自体を 差し込んだまま、そのストロー付き差込筒ａを横倒しにし、その全表面を剥離シ ール材５によって被覆している。このとき、ストロー本体２には押し込み時、引 っ掛け部分を設け、押さえたらそこで止まるようにするのが好ましい。従ってこ の場合にはストロー本体２を別途、剥離シール材により容器１外面に止着してお くことはない。

【００２３】 図８及び図９は上記の横倒しの状況を示し、この場合には図８に示すように紙 パック容器１上面に窪み部分１ａを形成し、該部分に対し横倒しにしたストロー 本体２及びストロー差込筒６を折り曲げ収納させれば嵩張ることがない。またこ の差込筒６にあっては下端のベース部６ａに切込部１４を設けておけば挿入口３ への挿入に関し、楽である。なお、図６〜図９においてさきの各図と同一符号は 同一部分を示す。

【００２４】 かくして上述の如き紙パック容器においては剥離シール材５を剥離してストロ ー差込筒６のみを、または予め差し込んだストロー本体２をも同時に起立させ、 前者の場合は起立した差込筒６に別途、ストロー本体２を差し込んでストローの パッキン用キャップ８をストロー差込筒６の上端部に嵌着させ、押し下げて紙パ ック容器１内面側のアルミシール材７をストロー本体２が突き破ることにより紙 パック容器内部の液体を漏らすことなく吸飲することができる。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は以上のように、液体飲料を収容する紙パック容器上面のストロー挿入 口に弾性体材料からなるストロー差込筒の下端ベース部を挿入し、差込筒のみ、 またはこれにストロー本体を一体として保持させると共に、ベース部を除く上方 部分を圧縮し、または横倒しさせてその表面全体に剥離シール材を被着し、被覆 せしめたものであり、ストロー差込筒を圧縮し、又は横倒しして保持させること から、従来の紙パック容器の嵩を別段増大させることがなく、しかも、吸飲時、 剥離シール材を剥離するだけでストロー差込筒は起立するのでストローの長さを 従来の長さに比し短く、1/2 〜1/3 程度に短縮化することが可能となり、資源の 節約、リサイクルの容易化を図り得ると共に、吸飲に際しても取扱いならびに使 用を容易ならしめる効果を奏する。

【００２６】 しかも、本考案は上述の如くストローの短縮化にも拘らず、シリコーンキャッ プを設け、通気可能としているので紙パック容器内の液体を飲み込んでも真空状 態にならず、快適に飲むことができると共に、非吸飲時にはストロー内部の弁体 により漏れることもない利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案ストロー付紙パック容器の１例を示す概
観斜視図である。

【図２】本考案におけるストロー差込筒の保持、圧縮状
態を示す概要断面図であり、（イ），（ロ），（ハ）は
圧縮過程の順序を示す。

【図３】本考案において使用するストローの１例を示す
断面概要図である。

【図４】本考案におけるストローのエアー溝及び通気弁
の構成を示す断面概要図である。

【図５】本考案においてストロー本体をストロー差込筒
に挿入した状態を示す断面概要図である。

【図６】本考案紙パック容器の他の実施例を示す概観斜
視図である。

【図７】本考案紙パック容器の更に他の実施例を示す概
観斜視図である。

【図８】本考案紙パック容器における差込筒及びストロ
ーの組み合わせ態様を示す断面概要説明図である。

【図９】本考案における差込筒及びストローの横倒し態
様を示す断面概要図である。

【符号の説明】

１ 紙パック容器 ２ ストロー本体 ３ ストロー挿入口 ４ 剥離シール材 ５ 剥離シール材 ６ ストロー差込筒 ６ａ 差込筒下端ベース部 ７ アルミシール材 ８ キャップ ９ 弁体 １０ エアー連通溝 １１ エアー溝形成片 １２ エアー開口 １３ 通気弁 １４ 切込部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体飲料を収容する紙パック容器上面の
   ストロー挿入口に弾性体材料からなるストロー差込筒の
   下端ベース部を挿入し、保持させると共に、該ベース部
   を除く差込筒部分を圧縮するか、または横倒しさせてそ
   の表面全体を剥離シール材により被覆し、かつストロー
   差込筒に差し込むストロー本体を上記紙パック容器外面
   の適宜個所に剥離シール材により付設せしめてなること
   を特徴とするストロー付紙パック容器。
2. 【請求項２】 液体飲料を収容する紙パック容器上面の
   ストロー挿入口に弾性体材料よりなるストロー差込筒の
   下端ベース部を挿入し、保持させると共に、該ストロー
   差込筒に弾性材からなるストロー本体を差し込み、両者
   を一体として圧縮するか、または横倒しさせてその表面
   全体を剥離シール材により被覆せしめてなることを特徴
   とするストロー付紙パック容器。
3. 【請求項３】 ストロー本体が截頭直円錐体上部を扁平
   となし、頂面に細長スリットを形成した弾性部材からな
   る弁体をストロー内適宜位置にその頂部を吸引側に向け
   て封止収蔵すると共に外周に軸方向へ連通するエアー溝
   と通気弁とを有してなる請求項１または２に記載のスト
   ロー付紙パック容器。
4. 【請求項４】 ストロー差込部の下端ベース部の端部周
   縁の少なくとも一ケ所に切込部を設けてなることを特徴
   とする請求項１または２に記載のストロー付紙パック容
   器。