JPH0649266A - プラスチック製品の処理方法 - Google Patents

プラスチック製品の処理方法

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JPH0649266A
JPH0649266A JP13185293A JP13185293A JPH0649266A JP H0649266 A JPH0649266 A JP H0649266A JP 13185293 A JP13185293 A JP 13185293A JP 13185293 A JP13185293 A JP 13185293A JP H0649266 A JPH0649266 A JP H0649266A
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solution
acid
hydroxycarboxylic acid
lactic acid
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正伸 味岡
Tsuyoshi Enomoto
堅 榎本
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Kazuhiko Suzuki
和彦 鈴木
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリヒドロキシカルボン酸ポリマーを主成分
とする熱可塑性ポリマーをヒドロキシカルボン酸として
回収し、必要により再びポリマー原料として用いる方法
を提供する。 【構成】 ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたはコポ
リマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を、pH
10以上のアルカリ性溶液中で分解し、この溶液中から
ヒドロキシカルボン酸を回収することを特徴とする方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分解性ポリマー組成物の
処理方法に関する。さらに詳しくは、ヒドロキシカルボ
ン酸ポリマーを主体とする熱可塑性ポリマー組成物を分
解処理し、回収し、得られたヒドロキシカルボン酸を必
要によりポリマー原料として用いる方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、包装材料としてはポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩
化ビニル、紙、アルミニウム、またはそれらの複合材料
が用いられている。しかしこの中で上記の樹脂から製造
された包装材料は、廃棄する際、ゴミの量を増すうえ
に、従来の物は自然環境下での分解速度がきわめて遅い
ため、埋設処理された場合、半永久的に地中に残留す
る。また投棄されたプラスチック類により、景観が損な
われ海洋生物の生活環境が破壊されるなどの問題も起こ
っている。
【0003】一方、熱可塑性樹脂で生分解性のあるポリ
マーとして、ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたはコ
ポリマー(以下ヒドロキシカルボン酸系ポリマーと略称
する)が知られている。特に、ポリ乳酸または乳酸とそ
の他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーは、動物の体
内で数カ月から1年で100%生分解し、又、土壌や海
水中に置かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を
始め1年から数年で消滅し、さらに分解生成物は、人体
に無害な乳酸と二酸化炭素と水になるという特性を有し
ている。
【0004】ポリ乳酸は、通常ラクタイドと呼ばれる乳
酸の環状2量体から合成され、その製造法に関してはU
SP1,995,970、USP2,362,511、
USP2,683,136に開示されている。また乳酸
とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーは、通常
乳酸の環状2量体であるラクタイドとヒドロキシカルボ
ン酸の環状エステル中間体(例えばグリコール酸の2量
体であるグリコライド)から合成され、その製造方法に
関しては、USP3,636,956とUSP3,79
7,499に開示されている。
【0005】しかし、上記分解性ポリマーを廃棄する際
に土中に埋設するためには、一般に遠隔の埋め立て地ま
で運ぶ必要があり、また埋め立てた場合でも分解するま
でにかなりの時間を要し、埋め立てる場所が不足すると
いう問題を直ちに解決することはできない。焼却により
処理する場合でも処理施設までの移送が必要があった
り、特別な焼却炉を廃棄物の発生源近くに備える必要が
ある。さらに、これらのポリマーが腐敗した有機物や病
原性微生物等で汚染されている場合には、廃棄する施設
に運搬するために、臭気や感染を防ぐための特別な配慮
を必要とする。特に、汚染物質が病原性微生物である場
合には、通常の埋め立て処理を行うと汚染の拡大につな
がるため、焼却処理が必須となるが、この場合にはポリ
マーの構成成分であるモノマーを回収することができ
ず、原料が無駄に廃棄されることになる。
【0006】
【発明を解決しようとする課題】本発明は、ポリヒドロ
キシカルボン酸系ポリマー、特に、ポリ乳酸系ポリマー
を主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を簡単な設備で
安全にヒドロキシカルボン酸モノマーに分解処理して溶
液となし、この溶液中からヒドロキシカルボン酸を回収
し、これを必要により再びポリマー原料として用いる方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒドロキ
シカルボン酸系ポリマーを主成分とするポリマーの処理
方法を鋭意検討した結果、ヒドロキシカルボン酸系ポリ
マーがpH10以上のアルカリ溶液中で容易にモノマー
単位にまで分解し、この際にポリマー中のヒドロキシカ
ルボン酸が不斉炭素を持つ場合にはその立体配置を保っ
たまま分解され、この溶液中からヒドロキシカルボン酸
を回収し、それを必要により再びポリマー原料として用
いることができることを見いだし本発明を完成したもの
である。本発明により、ヒドロキシカルボン酸系熱可塑
性ポリマー組成物をアルカリ性溶液中で処理、分解し、
この溶液中からヒドロキシカルボン酸を回収して必要に
より再びポリマー原料として用いる、効率の良い工業的
に有用な方法を提供することができる。また、ポリマー
中のヒドロキシカルボン酸が不斉炭素を持つ場合にはそ
の立体配置を保ったまま回収することができ、再びポリ
マー原料として用いてもポリマー中の光学活性体の割合
を容易に制御することができる。
【0008】即ち、本発明は、ヒドロキシカルボン酸の
ポリマーまたはコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリ
マー組成物をpH10以上のアルカリ性溶液中でモノマ
ー単位に分解し、この際にポリマー中のヒドロキシカル
ボン酸が不斉炭素を持つ場合にはその立体配置を保った
まま分解され、この溶液中からヒドロキシカルボン酸を
回収し、得られたヒドロキシカルボン酸を必要により再
びポリマー原料として用いる方法である。
【0009】本発明に用いられるポリマーは、ヒドロキ
シカルボン酸系ポリマーが主成分として用いられ、ヒド
ロキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、3−
ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ
吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロ
ン酸等が用いられる。ヒドロキシカルボン酸系ポリマー
は、(1)ヒドロキシカルボン酸から直接脱水重縮合す
る方法、(2)乳酸の環状2量体であるラクタイドまた
はグリコール酸の環状2量体であるグリコライド(GL
D)のような環状2量体を開環重合する方法、(3)ポ
リカプロラクトンのように6−ヒドロキシカプロン酸の
環状エステルであるε−カプロラクトン(CL)を開環
重合する方法、または(4)それらを混合して開環重合
する方法により得られる。なお、反応原料に環状体を使
用する場合には、回収されたヒドロキシカルボン酸を再
び環状体にする必要がある。
【0010】本発明のヒドロキシカルボン酸系ポリマー
の平均分子量は特に限定されない。強度を必要とする用
途には通常1万〜100万程度のものが用いられる。1
万以下の分子量ではフィルムや成形物とするには強度が
小さい。また、分子量が100万より高いと、溶融状態
での粘度が高く成型加工性に劣る。ヒドロキシカルボン
酸系ポリマーは、通常公知の熱可塑性ポリマーまたは可
塑剤、さらに各種の改質剤をが加えられ、熱可塑性ポリ
マー組成物とされる。熱可塑性ポリマー組成物中のヒド
ロキシカルボン酸系ポリマーの占める割合は、目的とす
る分解性により決められるが、一般的には50%以上が
好ましい。
【0011】本発明において、熱可塑性ポリマー組成物
の分解に用いられるアルカリ性溶液は、無機塩基を水性
溶媒に加えて作ることができる。無機塩基としては、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、酸化
物、炭酸塩等が、また、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物等の水
溶液または懸濁液が使用できる。しかし通常は、経済的
な面及びヒドロキシカルボン酸の回収の面から水酸化ナ
トリウムまたは水酸化カルシウムが好ましい。本発明の
アルカリ水溶液のpHは10以上である。pH9以下で
はポリマーが完全にモノマーまで加水分解されるまでに
非常に時間がかかり、実用的ではない。アルカリ溶液の
濃度は特に限定されないが、濃度が高い方が分解が速く
好ましい。通常1%以上の濃度で用いられる。溶液はポ
リマーの分解処理に繰り返し用いることができるが、処
理によりアルカリ溶液中のアルカリ成分が消費された場
合には、アルカリ成分を追加して液のアルカリ性をpH
10以上に保持する必要がある。処理を行う温度は、高
い方がポリマーの分解が速く通常40℃以上で行われる
が特に限定されない。
【0012】本発明のアルカリ水溶液は、アルコール等
の有機溶剤を含んでいても構わない。このようにしてヒ
ドロキシカルボン酸系ポリマーをアルカリ処理して得ら
れた溶液中のヒドロキシカルボン酸は、不斉炭素を持つ
場合にもポリマー中での立体配置を保持している。病院
で用いられるヒドロキシカルボン酸系ポリマーを主成分
とする熱可塑性ポリマー組成物からなる医療用の器具
や、人や動物の排泄物と接触する用途に用いられるヒド
ロキシカルボン酸系ポリマーを主成分とする熱可塑性ポ
リマー組成物からなる物は病原性物質で汚染されている
可能性があり、廃棄する場合にも特別の配慮が必要であ
るが、本発明の処理方法では、病原性微生物等の汚染物
質で汚染されている場合でも、ポリマーが分解すると同
時に病原性微生物が死滅して汚染が広がるおそれがない
ために好適な処理方法として用いられる。
【0013】本発明の処理は、通常のタンク、または攪
拌槽等にアルカリ性溶液を入れ加温しながら、またはそ
のままポリマーの成型物を投入し所定時間保持すること
により行うことができる。投入するポリマー成型物はそ
のままでも細かく破砕あるいは粉砕したものでもよい。
【0014】本発明の方法において、分解された溶液中
からヒドロキシカルボン酸を回収するには、次の方法が
ある。 (1)水酸化ナトリウム分解−電気透析方法 アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いた
場合には、電気透析を用いると効率よくヒドロキシカル
ボン酸の水溶液が得られる。電気透析はイオン交換膜と
電極を備えた装置により行われる。装置としてはAll
ied社のAquatech等が、イオン交換膜として
はナフィオン膜(Du Pont社商品名)、Sele
mion膜(旭ガラス社商品名)等が例示される。この
場合に、電気透析装置に供給されるヒドロキシカルボン
酸塩溶液の濃度はできるだけ高い方が効率がよく、アル
カリ溶液で処理した溶液が低い濃度である場合には、あ
らかじめ濃縮してから用いた方がよい。好ましくは、ア
ルカリ溶液での処理をあらかじめヒドロキシカルボン酸
塩の濃度が高くなるように行う。 (2)水酸化カルシウム分解−晶析方法 本発明のヒドロキシカルボン酸が乳酸である場合には、
アルカリ溶液として水酸化カルシウム水溶液または、懸
濁液が用いられる。水酸化カルシウムを用いると、分解
後の溶液からの乳酸カルシウムの単離を効率的に行うこ
とができる。例えば、水酸化カルシウムの水懸濁液にポ
リマーを加えて、撹拌下に50〜100℃でポリマーを
完全に分解する。分解後の溶液から未反応の水酸化カル
シウムを濾過等で除く。濾液を冷却することにより析出
した乳酸カルシウムを一旦分離する。次に、この乳酸カ
ルシウムを再び水に溶解した後、水溶液にカルシウムと
当量の硫酸を加えて乳酸を遊離させ、析出した硫酸カル
シウムを濾過して除く。このようにしてカルシウムをほ
とんど含まない乳酸水溶液を得ることができる。得られ
たヒドロキシカルボン酸溶液または乳酸水溶液が、微量
のナトリウム、カルシウム等のカチオンや、硫酸イオン
等のアニオンを含んでおり、高純度の製品が必要な場合
にはさらにイオン交換樹脂等で精製することもできる。
【0015】しかし、通常本発明の方法は比較的低温で
行われるため、分解、回収工程での副生物が少なく、ヒ
ドロキシカルボン酸を高純度で回収することができる。
従って、得られたヒドロキシカルボン酸を特に精製する
ことなく再びポリマー原料として用いることができる。
さらに、ヒドロキシカルボン酸が不斉炭素を持つ場合に
は、ポリマー中での立体配置を保持したままヒドロキシ
カルボン酸モノマーとして回収できるために、回収され
たヒドロキシカルボン酸を用いて合成したポリマー中の
光学活性体の割合をコントロールすることが容易であ
る。例えば、L−乳酸のポリマーからほとんど純粋なL
−乳酸が得られ、このL−乳酸を用いて合成したポリ乳
酸はほとんどD−乳酸を含まない。
【0016】
【実施例】本発明における分子量測定及びDL組成の分
析方法を以下に示す。 (1)分子量の測定方法。 ポリマーの重量平均分子量はポリスチレンを標準として
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の
条件で測定した。 装置 :島津LC−10AD 検出器:島津RID−6A カラム:日立化成GL−S350DT−5、GL−S3
70DT−5 溶媒 :クロロホルム 濃度 :1% 注入量:20μl 流速 :1.0ml/min (2)乳酸のDL組成の分析方法。 ポリマーを5N水酸化ナトリウム溶液中60℃で10時
間保持して加水分解し、得られた溶液中のL−乳酸をL
−乳酸デヒドロゲナーゼとニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド(以下NADと略記する)を作用させ、乳酸
がピルビン酸に酸化される際に生成した、NADの還元
型であるNADHの量を吸光分析により定量してL−乳
酸を定量し、一方、D−乳酸についても同様にD−乳酸
デヒドロゲナーゼとNADを作用させてD−乳酸の量を
求め、L−乳酸とD−乳酸の比を計算することにより求
めた。また、L−乳酸自体を5N水酸化ナトリウム溶液
中で10時間保持して、加水分解条件下で乳酸のラセミ
化がおこらないことを確認した。初めに、実施例で使用
するポリマー及びそのフィルムの製造方法をしめす。
【0017】製造例1 L−ラクタイド216g(1.5モル)およびオクタン
酸スズ0.01重量%と、ラウリルアルコール0.03
重量%を、攪拌機を備えた肉厚の円筒型ステンレス製重
合器へ装入し、真空で2時間脱気した後窒素ガスで置換
した。この混合物を窒素雰囲気下で攪拌しつつ200℃
で3時間加熱した。温度をそのまま保ちながら、排気管
及びガラス製受器を介して真空ポンプにより徐々に脱気
し反応容器内を3mmHgまで減圧にし、脱気開始から
1時間反応させ、モノマーや低分子量揮発分の留出がな
くなった。容器内を窒素置換し、容器下部から得られた
ポリL−乳酸を紐状に抜き出し、これをカットしてペレ
ットとした。このペレット化したポリマーの平均分子量
はMw=100,000であり、そのL−乳酸とD−乳
酸の組成比は99.5:0.5であった。
【0018】製造例2 L−ラクタイド216gをL−ラクタイド172gとD
L−ラクタイド44gに変えたほかは製造例1と同様に
してペレット化し、ポリ乳酸を得た。このポリマーの平
均分子量はMw=100,000であった。
【0019】製造例3 L−ラクタイド216gをL−ラクタイド108gとグ
リコライド108gに変えた他は製造例1と同様にして
L-ラクタイド−グリコライド共重合体のペレットを得
た。得られたペレットの平均分子量はMw=100,0
00であった。
【0020】製造例4 L−ラクタイド216gをL−ラクタイド108gとε
−カプロラクトン108gに変えた他は製造例1と同様
にしてL-ラクタイド−ε−カプロラクトン共重合体のペ
レットを得た。得られたペレットの平均分子量はMw=
70,000であった。
【0021】製造例5 90%L−乳酸10.0kgを150℃/50mmHg
で3時間攪拌しながら水を留出させた後、錫末6.2g
を加え、150℃/30mmHgでさらに2時間攪拌し
てオリゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8g
とジフェニルエーテル21.1kgを加え、150℃/
35mmHgで共沸脱水反応を行い留出した水と溶媒を
水分離器で分離して溶媒のみを反応機に戻した。2時間
後、反応機に戻す有機溶媒を4.6kgのモレキュラシ
ーブ3Aを充填したカラムに通してから反応機に戻るよ
うにして、150℃/35mmHgで40時間反応を行
い平均分子量Mw=110,000のポリ乳酸溶液を得
た。この溶液に脱水したジフェニルエーテル44kgを
加え希釈した後40℃まで冷却して、析出した結晶を濾
過し、10kgのn−ヘキサンで3回洗浄して60℃/
50mmHgで乾燥した。この粉末を0.5N−HCl
12.kgとエタノール12.0kgを加え、35℃で
1時間攪拌した後濾過し、60℃/50mmHgで乾燥
して、ポリ乳酸粉末6.1kg(収率85%)を得た。
この粉末をペレット化機で処理しペレット状にして以下
の試験に用いた。得られたポリマーの平均分子量はMw
=110,000であり、そのL−乳酸とD−乳酸の組
成比は98.5:1.5であった。
【0022】製造例6 90%L−乳酸10.0kgを90%L−乳酸9.0k
gと70%グリコール酸1.3kgに変えた他は製造例
5と同様にして重合、ペレット化し、L−乳酸とグリコ
ール酸の共重合体を得た。このポリマーの平均分子量は
Mw=100,000であった。以下の実施例で用いた
フィルムは、製造例1〜6で得られたポリマーを濃度約
10〜20%になるようにクロロホルムに溶解してガラ
ス板上に塗布し、60℃減圧下で乾燥することにより得
られた厚さ25〜30μのフィルムである。
【0023】実施例1 製造例1のポリマーから得られた縦150mm、横15
0mm、厚さ30μmのフィルムを50mlの4%水酸
化ナトリウム水溶液に入れ、60℃で1時間保持した。
フィルムは完全に溶解消滅した。この溶液のpHは12
以上であり、反応液のHLCによる分析の結果、ポリマ
ー中の乳酸単位とほぼ当量の乳酸が生成していた。
【0024】実施例2 製造例1のポリマーの代わりに製造例2のポリマーを用
いた以外は実施例1と同様の操作を行った。フィルムは
完全に溶解消滅した。この溶液のpHは12以上であ
り、反応液のHLCによる分析の結果、ポリマー中の乳
酸単位とほぼ当量の乳酸が生成していた。
【0025】実施例3 4%水酸化ナトリウムの代わりに5%水酸化カルシウム
を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。10メ
ッシュのふるいで濾過したところ形状をとどめているフ
ィルムは認められなかった。この溶液のpHは12以上
であり、反応液のHLCによる分析の結果、ポリマー中
の乳酸単位とほぼ当量の乳酸が生成していた。
【0026】実施例4 製造例3のポリマーから得られた縦150mm、横15
0mm、厚さ25μmのフィルムを50mlの5%アン
モニア水に入れ、40℃で5時間保持した。フィルムは
完全に溶解消滅した。この溶液のpHは12以上であ
り、反応液のHLCによる分析の結果、ポリマー中の乳
酸単位およびグリコール酸とほぼ当量の乳酸およびグリ
コール酸が生成していた。
【0027】実施例5 150mm×150mmの製造例4のポリマーから得ら
れた厚さ25μmのフィルムを50mlの10%水酸化
カリウムに入れ、60℃で5時間保持した。フィルムは
完全に溶解消滅した。この溶液のpHは12以上であ
り、反応液のHLCによる分析の結果、ポリマー中の乳
酸単位およびε−カプロン酸とほぼ当量の乳酸およびε
−カプロン酸が生成していた。
【0028】実施例6 150mm×150mmの製造例1のポリマーから得ら
れた厚さ30μmのフィルムに大腸菌を付着させたもの
を50mlの4%水酸化ナトリウム水溶液に入れ、60
℃で5時間保持した。フィルムは完全に溶解消滅した。
この溶液のpHは12以上であり、反応液のHLCによ
る分析の結果、ポリマー中の乳酸単位とほぼ当量の乳酸
が生成していた。また、処理後の溶液中に大腸菌は検出
されなかった。
【0029】実施例7 製造例5 のポリマーのペレット200gを5N水酸化
ナトリウム水溶液1l中、80℃で2時間保持した。溶
液のpHは終始12以上であり、ペレットは完全に溶解
消滅した。この溶液の一部をとりHLCで分析したとこ
ろ、ポリマー中の乳酸単位とほぼ当量の乳酸が生成して
いた。また、溶液中のL−乳酸とD−乳酸の比は98.
5:1.5であり、ポリマー中の乳酸の不斉炭素の立体
配置を保持していた。
【0030】次に、得られた加水分解溶液を600ml
に濃縮し、透析膜に有効面積9cm 2 のSelemio
n型CMRカチオン交換膜(旭硝子製)を使用し、陽
極、陰極を備えたセルを用いて、陽極室にポリマーの加
水分解溶液を入れ、陰極室に水酸化ナトリウムを加え
て、液を循環しながら電気透析することにより、濃度4
3%のL−乳酸溶液552gを得た。収率は95%(用
いたポリマー換算)であった。この溶液を濃縮し重合用
の乳酸とした。このようにして回収された乳酸モノマー
を使用して、製造例6と同様の方法で重合を行った結
果、平均分子量Mw=100,000のポリマーを得
た。
【0031】比較例1 製造例5のポリマーペレット20gを1N水酸化ナトリ
ウム溶液と1N塩酸でpHを9に調整した溶液100m
l中に80℃で2時間保持した。15gのペレットの殆
どがその形状を保持したままであった。溶液を一部とり
HLCにより定量した結果、1gの乳酸が含まれてい
た。溶液中のL−乳酸とD−乳酸の比は98.6:1.
4であった。
【0032】実施例8 製造例6のポリマーペレット200gを5N水酸化ナト
リウム水溶液1l中、80℃で2時間保持した。ペレッ
トは完全に溶解した。この溶液を600mlまで濃縮
し、実施例7と同様の装置で分解電気透析し、L−乳酸
217gとグリコール酸24gを含んだ540gの溶液
を得た。この溶液を濃縮し、製造例6と同様の方法で重
合を行った結果、平均分子量90,000のポリマーを
得た。
【0033】実施例9 製造例1のポリマーペレット100gを、10%水酸化
カルシウム懸濁液1lに加え80℃で2時間保持した。
溶液のpHは終始12以上であり、ペレットは完全に溶
解消滅した。水酸化カルシウムの不溶分を濾過して除い
た濾液のHLCによる分析の結果、ポリマー中の乳酸単
位にほぼ当量の乳酸が生成しており、また、L−乳酸と
D−乳酸の比は99.5:0.5でポリマー中の乳酸の
立体配置を保持していた。この溶液を濃縮して10℃で
一晩放置し、析出した乳酸カルシウム結晶を濾過により
単離した。得られた結晶に同量の水を加え65℃で溶解
し、その溶液に98%硫酸をカルシウムと等量加えて乳
酸を遊離させ、析出した硫酸カルシウムを濾過した。濾
液を減圧濃縮することにより88%L−乳酸水溶液を得
た。収率は84%であった。この溶液を濃縮し、製造例
6と同様の方法で重合を行った結果、平均分子量10
0,000のポリマーを得た。
【0034】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、分解、回収
工程での副生物が少なく、ヒドロキシカルボン酸を高純
度で回収することができる。従って、得られたヒドロキ
シカルボン酸を特に精製することなく再びポリマー原料
として用いることができる。さらに、ヒドロキシカルボ
ン酸が不斉炭素を持つ場合には、ポリマー中での立体配
置を保持したままヒドロキシカルボン酸モノマーとして
回収できるために、回収されたヒドロキシカルボン酸を
用いて合成したポリマー中の光学活性体の割合をコント
ロールすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたは
    コポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を、
    pH10以上のアルカリ性溶液中で分解し、この溶液中
    からヒドロキシカルボン酸を回収することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が不斉炭素を持つ
    場合にポリマー中での立体配置を保持したまま分解し、
    回収することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシカルボン酸が乳酸であること
    を特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリマー組成物が汚染物質で汚
    染された物であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたは
    コポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を、
    pH10以上の水酸化ナトリウム溶液で分解し、この溶
    液中からヒドロキシカルボン酸を分解電気透析により回
    収することを特徴とする請求項1のヒドロキシカルボン
    酸の回収方法。
  6. 【請求項6】 乳酸のポリマーを主成分とする熱可塑性
    ポリマー組成物を、pH10以上の水酸化カルシウム溶
    液中で分解し、この溶液中から乳酸カルシウムを分離
    し、硫酸により乳酸に変換して回収することを特徴とす
    る請求項1の乳酸の回収方法。
  7. 【請求項7】 ヒドロキシカルボン酸のポリマーまたは
    コポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を、
    pH10以上のアルカリ性溶液中で分解し、この溶液中
    からヒドロキシカルボン酸を回収し、得られたヒドロキ
    シカルボン酸をポリマー原料として用いることを特徴と
    する請求項1の方法。
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