JPH0648641A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給方法及びそれに用いる繊維強化熱可塑性樹脂シート - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給方法及びそれに用いる繊維強化熱可塑性樹脂シート

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JPH0648641A
JPH0648641A JP20232692A JP20232692A JPH0648641A JP H0648641 A JPH0648641 A JP H0648641A JP 20232692 A JP20232692 A JP 20232692A JP 20232692 A JP20232692 A JP 20232692A JP H0648641 A JPH0648641 A JP H0648641A
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JP
Japan
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sheet
thermoplastic resin
reinforced thermoplastic
fiber
connecting portion
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Application number
JP20232692A
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Inventor
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
Koichi Adachi
浩一 足立
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる定尺の
芯材の複数本を、逐次長手方向に接続しながら、連続的
に加工工程に供給する場合に、成形機に芯材の接続部が
引っ掛かって切断し連続加工が中断されるという類のト
ラブルが発生しない、シートの加工工程への供給方法及
びそれに用いるシートを提供する。 【構成】 図4において、先行シートS1の後端接続部
1として、厚み方向に2枚の薄片2、3に分割されたも
のを使用し、この薄片2と薄片3との間に、後続シート
S3の前端接続部26を挿入し、加熱圧着ロール27を
通過させて接続し、加工工程へ供給する。このようにす
れば、前端接続部26の端面は、後端接続部の薄片2、
3間に隠蔽されて、ハッキリした段部を形成しないの
で、成形機中で引っ掛かることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂
シートの加工工程への供給方法及びそれに用いる繊維強
化熱可塑性樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】長尺の強化繊維に、粉末状或いは液体状
の熱可塑性樹脂を付着乃至含浸させて一体化した繊維強
化熱可塑性樹脂シートは、雨樋、管体等の繊維強化合成
樹脂複合体に成形する際の芯材形成用材料として広く使
用可能なことが知られている。
【0003】ところで、この繊維強化合成樹脂複合体を
成形するには、この芯材としての定尺の繊維強化熱可塑
性樹脂シートを加熱賦形してクロスヘッドダイに導き、
一定間隔のクリアランスに該シートを挿入した後、その
内外面に熱可塑性樹脂を被覆し冷却するという一連の加
工工程に、長時間にわたって該シートが途切れないよう
に供給する必要がある。
【0004】というのは、クロスヘッドダイからは溶融
した熱可塑性樹脂が連続的に供給されるので、それに合
わせて芯材も連続的に供給しないと、経済的な生産速度
が確保出来ないからである。そのために、成形機を長時
間停止させることなく、後続シートの前端と先行シート
の後端を接続して定尺の芯材を長尺ものとし、これを連
続的に加工工程に供給するのが通常の成形方法である。
【0005】ところで、その接続方法としては、後続シ
ートの前端を先行シートの後端に突き合わせて、熱可塑
性樹脂で融着接合する方法、後続シートと先行シートの
端部を2枚重ねにして熱融着する方法、或いは、端部同
士を熱硬化性樹脂接着剤を用いて接合するという方法が
知られている。
【0006】しかしながら、後続シートの前端を先行シ
ートの後端に突き合わせて融着接合して一連の加工工程
に供給する方法では、融着時の加熱による接続部分の加
熱変形のために反り上がりが生じ、加工工程中で目詰ま
りを起こしたり、或いは、クロスヘッドダイを通過する
ときに、接続部分が加熱されて接合強度が低下し、切断
することもあった。
【0007】また、後続シートと先行シートの端部を2
枚重ねにして熱融着する方法では、2枚重ねの部分が肉
厚となるばかりでなく、はっきりした段部が生じ、成形
移送方向の前方からこの接続部を見た場合に、一方のシ
ートの前端面が露出した状態となるので、クロスヘッド
ダイを通過するときに、ダイスリット等に引っ掛かり、
切断することがあった。
【0008】また、端部同士を熱硬化性樹脂接着剤を用
いて接合するという方法では、上記の問題点は解消され
るが、熱硬化の反応速度の調整が煩瑣であるとともに、
接続部分が堅いので賦形し難いという問題があった。
【0009】そこで、本出願人はこの点を改良したシー
トの接続方法として、先行シートと後続シートの端部を
突き合わせ、一連の加工工程の長さの2倍以上の長さの
面材を、その突き合わせ部から前後ほぼ等間隔になる位
置に載置して熱圧着することからなる「繊維強化熱可塑
性樹脂シートの供給方法」を先に提案した(特開平3−
151221号公報参照)。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】上記本出願人の提案
になるシートの供給方法によれば、接続部に、熱可塑性
樹脂が含浸された繊維基材からなる面材を熱圧着するの
で、該面材がある程度シート中に埋没した状態で接続さ
れ、接続部分での厚みの増加はやや抑えられ、しかも加
工ライン長の2倍以上の長さの間、面材で補強されてい
るから、接続部のいずれか一部分は樹脂の軟化温度以下
となり、加熱の影響はさけることができる。
【0011】しかしながら、面材を重ねるために尚はっ
きりした段部があり、その端面がクロスヘッドダイを通
過するときに、ダイスリットに引っ掛かってトラブルを
起こすということが完全に解消できたわけではなかっ
た。
【0012】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、シ
ートの接続部がクロスヘッドダイのダイスリット等狭い
間隔内を通過するときでも、該接続部が引っ掛かって切
断することのない、繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工
工程への供給方法及びそれに用いる繊維強化熱可塑性樹
脂シートを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】請求項1記載の発明は、
「定尺の繊維強化熱可塑性樹脂シートを一方向に移送し
つつ加工工程に供給する際に、先行する一つのシートの
後端に後続する他の一つのシートの前端を接続して連続
的に供給する繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程へ
の供給方法において、先行シートとして、その後端接続
部が厚み方向に複数枚の薄片に分割されたものを使用
し、該薄片と薄片との間に、後続シートの前端接続部を
挿入し、加熱圧着して接続することを特徴とする繊維強
化合成樹脂シートの加工工程への供給方法」をその要旨
とするものであり、請求項2記載の発明は、「定尺の繊
維強化熱可塑性樹脂シートの後端が、その厚み方向に複
数枚の薄片に分割されて後端接続部となされ、該シート
の前端は、後端接続部の薄片の枚数が3枚以上の場合
は、該後端接続部の薄片の枚数よりも1枚少ない枚数の
薄片に分割され、後端接続部が2枚の薄片に分割されて
いる場合は、分割されないままの状態で、それぞれ前端
接続部となされていることを特徴とする請求項1記載の
供給方法に用いる繊維強化熱可塑性樹脂シート」をその
要旨とするものである。
【0014】即ち、請求項1及び2記載の発明は、繊維
強化合成樹脂複合体の芯材となる繊維強化熱可塑性樹脂
シートを、加工工程に対して供給する方法として、接続
部が成形装置中を円滑に通過できるようにする為、先行
シートとして、その後端を複数枚の薄片に分割して後端
接続部としたものを使用し、その薄片と薄片との間に後
続シートの前端接続部を挿入し、且つ該接続部分を加熱
圧着することにより、後続シートの前端面を先行シート
の薄片と薄片との間に隠蔽して成形方向の前方から見た
場合に、露出した状態とならないようにする。つまり、
はっきりした段部を形成しないようにして加工工程中を
円滑に通過できるようになし、もって切断等の事故発生
を防ぐことを狙いとするものである。
【0015】請求項1及び2記載の発明において用いる
繊維強化熱可塑性樹脂シートとしては、熱可塑性樹脂と
強化繊維とを主材とするものが用いられる。熱可塑性樹
脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエー
テル・エーテルケトン等である。
【0016】これらの熱可塑性樹脂は、単独あるいは複
数の混合物として用いてもよい。また、熱安定剤、可塑
剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填
材、短繊維或いは粉末状繊維からなる強化繊維などの添
加剤、充填材、加工助剤、改質剤等が混合されていても
よい。
【0017】強化繊維の種類としては、ガラス繊維、炭
素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等合成
繊維もしくは天然繊維であって、合成樹脂の強化繊維と
して使用可能なものは全て採用可能であり、特に、ガラ
ス繊維が好ましい。
【0018】繊維の形状としては、ロービング状或いは
ストランド状のものが好ましく用いられるが、チョップ
ドストランドマット、スワールマットなどのマットや平
織、朱子織などのクロスも使用可能である。
【0019】上記熱可塑性樹脂を液体状もしくは粉体状
の状態で、強化繊維中に付着乃至含浸させ、強化繊維と
一体化させて繊維強化熱可塑性樹脂シートとするのであ
って、その方法としては公知の方法が適宜採用可能であ
る。
【0020】請求項2記載の発明において、シートの少
なくとも後端に形成される薄片の数はできるだけ少ない
方が接続の手数が簡略化されて好ましいが、その数に特
に限定はない。
【0021】請求項2記載の発明のシートの例を図1に
示す。ここに示されたものは、何れもシートの後端部の
みを示し、且つ、シートの後端接続部を分割して薄片を
形成した状態を示すものである。同図(イ)において、
1はシートの後端接続部、2及び3は、該シートの後端
が分割されて形成された2枚の薄片、4は薄片2及び3
の間に介在された剥離シートである。このようなシート
を先行シートS1として用いるときは、後続シートの前
端接続部は、何ら分割されていないものを接続に用いる
のである。
【0022】また、同図(ロ)に示すように、シートの
後端接続部5が、3枚に分割されて薄片6、7、8とさ
れた先行シートS2を用いるときは、後続シートの前端
接続部としては2枚に分割さたもの、即ち、上述の先行
シートS1の後端接続部1と同じような構造のものを前
端接続部としたものを用い、それぞれ1枚づづが、同図
において9、及び10として示した剥離シートの位置に
挿入されて接続されるのである。
【0023】このように、請求項2記載の発明において
は、先行シートの少なくとも後端が薄片に分割されたも
のを使用することとしたのは、そうでないと、後続シー
トの前端接続部を挿入することができないからである。
【0024】だから、後続シートの前端接続部は、必ず
しも分割されたものばかりとは限らないが、先行シート
の後端接続部が3枚以上の薄片に分割されているとき
は、後続シートの前端接続部もそれに対応して分割され
たものを使用する必要があり、該後続シートの前端接続
部の分割の数は、先行シートの後端接続部の分割の数よ
りも1枚少ない数に分割されている必要がある。
【0025】上述のような請求項2記載の繊維強化熱可
塑性樹脂シートの製造方法としては、特に限定はない
が、図2には、最も簡単で且つ確実に均質なものが得ら
れる方法を実施する為の工程の一例を模式図として示し
ている。
【0026】即ち、11は多数個配設された巻き戻しロ
ールであって、該巻き戻しロール11から連続フィラメ
ントからなる強化繊維12を巻き戻しつつ、ガイドバー
13によって幅方向に一定間隔で引き揃え、巻取りロー
ル14によりひねりが生じないようにして、粉体状熱可
塑性樹脂が安定的に浮遊している流動床15中をバー1
6を介して通過させ、強化繊維12に、粉体状熱可塑性
樹脂を付着させる。
【0027】次いで、この樹脂付着強化繊維17を、約
230℃に加熱された一対の加熱ロール18を通過させ
て加熱・加圧し、熱可塑性樹脂を溶融させて強化繊維と
一体化するのであるが、此処までの工程処理を行うため
の設備を更にもう一つ(或いはそれ以上)並設し、樹脂
付着強化繊維17′(或いは図示しない17″、・・)
を得、これら樹脂付着強化繊維17、17′を合わせて
加熱ロール18に送り込むのである。この後、冷却ゾー
ン19を経て繊維強化熱可塑性樹脂シート20を得、こ
れをロールに巻き上げて巻重体21とするのであるが、
加熱ロール18に樹脂付着強化繊維17、17′を合わ
せて送り込むときに、巻き始め端部及び巻き終わり端部
の位置において、単発的に剥離シートの巻重体22を巻
き戻しつつ、樹脂付着強化繊維17、17′の間に挿入
し、所定の長さを挿入したところで、カッター23を操
作して切断し、剥離シートの挿入を停止する。かくし
て、巻取りロール14を出たところで、カッター24に
より剥離シートが挿入されている位置で切断する。
【0028】樹脂付着繊維17、17′の厚みは、従っ
て、芯材として用いるシート20の予め設定されている
厚みのほぼ1/2のものを用いるのである。このカッタ
ー24による剥離シート挿入箇所での切断の位置如何に
より、その端部が種々異なる。これを図3によって説明
すると、短尺の剥離シート25の挿入された部分の、先
ず矢印Aで示す位置で切断した場合は、その切断箇所の
前後が、2枚に分割された接続部として得られ、B1、
B2でほぼ同時に切断した場合は、既に製造した側の後
端が非分割の接続部として得られ、これから製造する側
の前端が2分割された接続部として得られる。また、C
1、C2の位置で、ほぼ同時に切断した場合は、既に製
造した側の後端が2分割された接続部として得られ、こ
れから製造する側の前端は非分割の接続部として得られ
る。
【0029】このようにして得られた定尺のシートを、
巻重体としてこのまま使用する場合は、既に製造した側
の後端が前端接続部となり、巻き始め端部が後端接続部
となるので注意を要する。もしこれとは反対に、巻き始
め端部を前端接続部として使用したいときは、巻き始め
端部から引き出せるような巻き戻し方法を採るか、或い
は他のボビンに巻き直しをしないと使用できない。大抵
の場合は一旦巻重体としたものを原反とし、これを巻き
戻しながら所定幅のシートにスリッターで切断するの
で、結局巻き始め端部が表面に出て、ここに形成されて
いる接続部を前端接続部として利用することができる。
【0030】かくして得られた定尺の熱可塑性樹脂シー
トは、使用にさいしてその接続部に挿入されている剥離
シートを取り出して使用すればよい。シートの前端或い
は後端をその厚み方向に複数枚の薄片に分割する手段と
しては、上記図2に示した方法の他、例えば、強化繊維
の材料が、繊維強化熱可塑性樹脂シートに成形された後
であっても簡単に層割れすることができるような構造の
ものであれば、一枚ものの強化繊維からなる繊維強化熱
可塑性樹脂シートを一旦成形した後に、使用に際して接
続部をその都度引き裂いて、複数枚の薄片に分割しても
よい。
【0031】請求項1記載の発明は、例えば上述の請求
項2記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの複数本を用い
て、これを一本づつ逐次一つの加工工程へ連続的に供給
する方法に関するものである。
【0032】図4は、この請求項1記載の発明の実施に
用いて好適な加工工程の概略説明図であって、4層管か
らなる繊維強化熱可塑性樹脂複合管を成形する為の装置
を含んでいる。
【0033】先行シートS1の後端接続部1の薄片2及
び3間に挿入し得る、前端接続部26を有する後続シー
トS3を、巻重体21から引き出しつつその前端接続部
26を、先行シートS1の後端接続部1に挿入し、加熱
・圧着ロール27に送り込むのである。28は、加熱・
圧着により形成された接続部Jの、幅広となった部分を
所定幅にカットするトリミングカッター、29は移送さ
れるシートをほぼ管状体に賦形するための加熱賦形装
置、30は管状体に賦形されたシートの内面に、熱可塑
性樹脂内層を形成するための第一被覆金型、31は2層
管を冷却する第一の冷却装置、32は2層管の外周面に
巻き付けて第二強化層を成形するための、テープ状の繊
維強化熱可塑性樹脂シート、33は3層管の外側に熱可
塑性樹脂外層を形成するための第二被覆金型、34は4
層管を冷却するための第二の冷却装置、35は引取機で
ある。このような装置を稼働することにより四層管が成
形されるのであるが、請求項1記載の発明はこの成形方
法そのものではなく、この成形の為の上記一連の加工工
程に、繊維強化熱可塑性樹脂シートを連続的に送り込む
方法がその対象となるのである。
【0034】繊維強化熱可塑性樹脂シートの供給に際し
ては、先行シートS1の後端接続部1が、加熱圧着ロー
ル27に到達する相当以前の段階で、後続シートS3の
前端接続部26を挿入した状態としておくのが好まし
い。その為には、挿入された状態で両方のシートS1及
びS3の幅方向両端を把持して加熱圧着ロール27に移
送できる機構、例えば延伸加工で使用されるテンターを
用いてもよい。
【0035】接続部Jの長さ、即ち重ね代は、繊維強化
熱可塑性樹脂シートのマトリックス樹脂が、その溶融温
度以上に加熱されている工程の長さ以上は必要であり、
好ましくは、該樹脂の軟化温度以上に加熱されている工
程の長さ以上とするのがよく、この好ましい工程長さ
は、具体的に上記図4に示した加工工程で言えば、該加
工工程の加熱賦形装置29から第一の冷却装置31まで
の工程Pを指し、このPの長さよりも長くしておくと、
接続部Jが加工工程P中を通過中は、加熱されない部分
が前方或いは後方に存在し、通過中に受ける万が一の過
度の熱エネルギーの為に接続部Jが剥がれるということ
が少なくなるので好ましい。
【0036】接続部Jの厚みは、加工工程P中で最も狭
い箇所となるクロスヘッドダイに設けられている間隙寸
法との関係についてみると、該間隙を100とした場
合、33〜98%の範囲内に調整しておくのが好まし
い。もし、33%以下であると、金型内を折り重なって
通過する事態が起こることがあり、また逆に98%以上
であると、受ける熱エネルギーの為にシートが厚み方向
に膨張して円滑に通過できない場合がある。出来れば、
60〜80%の範囲に調整しておくのがよい。
【0037】この厚み調整は、上記装置における加熱圧
着ロール27の温度、圧力の操作により容易に行うこと
が出来るが、接続部Jの厚さは他の部分に比して厚くな
り勝ちであるので、接続部Jを加工せずに、単に、長時
間にわたって繊維強化熱可塑性樹脂シートを途切れるこ
となく供給するだけでもよい。
【0038】
【作用】請求項1記載の発明は、定尺の繊維強化熱可塑
性樹脂シートを一方向に移送しつつ加工工程に供給する
場合に、その先行する一つのシートの後端に、後続する
他の一つのシートの前端を接続して、連続的に供給する
繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給方法に
おいて、先行シートとしてその後端接続部が厚み方向に
複数枚の薄片に分割されたものを使用し、この先行シー
トの後端接続部における薄片と薄片との間に、後続シー
トの前端接続部を挿入し、加熱圧着して接続するので、
該接続部において、成形移送方向に向かって露出するよ
うなシートの前端面を隠蔽することができる。
【0039】請求項2記載の発明の繊維強化熱可塑性樹
脂シートは、定尺の繊維強化熱可塑性樹脂シートの後端
が、その厚み方向に複数枚の薄片に分割されて後端接続
部となされ、該シートの前端は、後続接続部の薄片の枚
数が3枚以上の場合は、その枚数よりも1枚宛少ない枚
数の薄片に分割され、後続接続部の薄片の枚数が2枚の
場合は、全く分割されない状態で、それぞれ前端接続部
となされているので、同じシートを多数本用意すれば、
先行シートから後続シートへの切替えを円滑に行うこと
ができる。
【0040】
【実施例】本実施例は、請求項1記載の発明の供給方法
を実施するに際し、請求項2記載の発明の繊維強化熱可
塑性樹脂シートを用い、4層管を成形する加工工程に連
続的に供給する場合について説明するものである。 〔請求項2記載の発明のシートの製造〕 .繊維強化熱可塑性樹脂シートの材料 強化繊維;直径23μmのフィラメントからなるガラス
ロービング(4400tex) 合成樹脂;粉体状の塩素化塩化ビニル樹脂(塩素化度=
67%、平均重合度=700、平均粒径=250μm) 剥離性シート;テトラフルオロエチレン製シート .製造装置 樹脂の付着手段としては流動床を用いる装置を採用し、
繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造は図2記載の装置を
用いて実施した。またシートを得る際の加熱ロール18
の温度は230℃とした。 .繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造 上記材料及び装置を用いて繊維強化熱可塑性樹脂シート
の製造を行い、巻き終わり端部にのみ2枚の薄片を有す
る厚みが0.6mmのシートとして一旦巻き取り巻重体
とした。得られたシートの樹脂と強化繊維との容量割合
は、75:25であった。また、剥離性シートの長さは
1.5mとなるようにした。
【0041】更に、このシートを巻き戻しつつスリッタ
ーを用いる切断加工により、シートの幅=91mm、厚
み=0.6mmの繊維強化熱可塑性樹脂シート20とし
て再び巻取り、巻重体21としたものを多数用意した。
得られた定尺の繊維強化熱可塑性樹脂シート20は、前
端接続部は薄片がなく、後端接続部のみが2枚の薄片を
有する請求項2記載の発明の繊維強化熱可塑性樹脂シー
トであった。 〔請求項1記載の発明の供給方法の実施による4層管の
成形〕図4に記載の加工工程を利用して成形した。加工
工程Pの長さは、上記接続部Jの長さよりも30%短く
なるように設定し、加工工程中に、シート20の一つが
先行シートS1として進行中は、待機原反設置箇所に後
続シートS3の巻重体21をセットする。そして、先行
シートS1の、各々の厚さが0.3mmの薄片2、3か
らなる後端接続部1が加熱・圧着ロール27の手前に来
る少し前の段階で、その後端接続部1に、後続シートS
3の厚さ0.6mmの前端接続部26を挿入して加熱・
圧着ロール27で接続した。
【0042】次いで、トリミングカッター28で接続部
Jの幅方向の端部を整え、加熱賦形装置29でシートを
外径29mm、厚み0.8mmの管状体に賦形した。次
に、この管状体の内面に、第一被覆金型30により、塩
素化塩化ビニル樹脂(塩素化度=約65%、重合度=約
1000)を押出被覆し、第一強化層を有する熱可塑性
樹脂内層を形成し、外径が29mm、厚みが2.1mm
の2層管を形成する。
【0043】次に、第一の冷却装置31を通過した2層
管の外周に、上述の第一強化層形成用の繊維強化熱可塑
性樹脂シートと同じ材料で形成されているが、剥離性シ
ートを使用せず、且つ幅が23.5mmに切断加工され
た厚みが0.6mmの繊維強化熱可塑性樹脂テープ32
をスパイラル状に巻回積層し、第二強化層を有する外径
が30.2mm、厚みが2.6mmの3層管を形成す
る。
【0044】次に、この3層管の外面に、第二被覆金型
33より、塩素化塩化ビニル樹脂(塩素化度=約65
%、重合度=約1000)を押出被覆して熱可塑性樹脂
外層を形成し、第二の冷却装置を通過させて固化せし
め、引取機35で引き取って、内径24.8mm、外径
が32.2mmの4層管からなる繊維強化合成樹脂複合
管を成形した。
【0045】上記一連の加工工程において、先行シート
S1が通過する間、及び後続シートS3が通過する間、
更に、引き続き送り込んだ多数の後続シートS3、S3
・・がすべて通過する間に、シートの接続部の切断、目
詰まり等のトラブルは一切発生せず、9時間の連続成形
を完了することができた。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、定尺の繊維強化
熱可塑性樹脂シートを一方向に移送しつつ加工工程に供
給する場合に、その先行する一つのシートの後端に、後
続する他の一つのシートの前端を接続して、連続的に供
給する繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給
方法において、先行シートとしてその後端接続部が厚み
方向に複数枚の薄片に分割されたものを使用し、この先
行シートの後端接続部における薄片と薄片との間に、後
続シートの前端接続部を挿入し、加熱圧着して接続する
ので、該接続部において、成形移送方向に向かって露出
するようなシートの前端面を隠蔽することができる。
【0047】従って、該接続部が成形機の中を通過中
に、加工工程でトラブルが発生せず連続運転が可能とな
り、生産効率の維持、向上を図ることができる。請求項
2記載の発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、定尺の
繊維強化熱可塑性樹脂シートの後端が、その厚み方向に
複数枚の薄片に分割されて後端接続部となされ、該シー
トの前端は、後続接続部の薄片の枚数が3枚以上の場合
は、その枚数よりも1枚宛少ない枚数の薄片に分割さ
れ、後続接続部の薄片の枚数が2枚の場合は、全く分割
されない状態で、それぞれ前端接続部となされているの
で、同じシートを多数本用意すれば、先行シートから後
続シートへの切替えを円滑に行うことができる。
【0048】従って、請求項1記載の発明のシートの供
給方法に用いて好適なシートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2記載の発明のシートの一実施例を示す
要部のみの断面図である。
【図2】請求項2記載の発明のシートを製造する為に用
いて好適な製造工程の一例を、模式図で示した概略説明
図である。
【図3】図2記載の製造工程を用いてシートを製造する
場合、最後の切断工程における切断位置の如何により、
得られるシートの接続部が異なることを説明する為の説
明図である。
【図4】請求項1記載の発明のシートの供給方法に用い
て好適な加工工程の一例を、模式図で示した概略説明図
である。
【符号の説明】
J──────────接続部 P──────────加工工程の長さ S1、S2、─────先行シート S3─────────後続シート 1、5────────後端接続部 2、3、6、7、8──薄片 4、9、10、25───剥離シート 12、17、17′─────強化繊維 20──────────繊維強化熱可塑性樹脂シート 21──────────巻重体 23、24、28──────カッター 26──────────前端接続部 27──────────加熱圧着ロール 29──────────加熱賦形装置 30──────────第一被覆金型 31──────────第一の冷却金型 32──────────繊維強化熱可塑性樹脂テープ 33──────────第二被覆金型 34──────────第二の冷却装置 35──────────引取機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定尺の繊維強化熱可塑性樹脂シートを一
    方向に移送しつつ加工工程に供給する際に、先行する一
    つのシートの後端に後続する他の一つのシートの前端を
    接続して連続的に供給する繊維強化熱可塑性樹脂シート
    の加工工程への供給方法において、先行シートとして、
    その後端接続部が厚み方向に複数枚の薄片に分割された
    ものを使用し、該薄片と薄片との間に、後続シートの前
    端接続部を挿入し、加熱圧着して接続することを特徴と
    する繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給方
    法。
  2. 【請求項2】 定尺の繊維強化熱可塑性樹脂シートの後
    端が、その厚み方向に複数枚の薄片に分割されて後端接
    続部となされ、該シートの前端は、後端接続部の薄片の
    枚数が3枚以上の場合は、該後端接続部の薄片の枚数よ
    りも1枚少ない枚数の薄片に分割され、後端接続部が2
    枚の薄片に分割されている場合は、分割されないままの
    状態で、それぞれ前端接続部となされていることを特徴
    とする請求項1記載の供給方法に用いる繊維強化熱可塑
    性樹脂シート。
JP20232692A 1992-07-29 1992-07-29 繊維強化熱可塑性樹脂シートの加工工程への供給方法及びそれに用いる繊維強化熱可塑性樹脂シート Pending JPH0648641A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010529915A (ja) * 2007-06-14 2010-09-02 ザ・ボーイング・カンパニー 細長い多層ワークピースを接合する装置及び方法
JP2021121751A (ja) * 2020-01-31 2021-08-26 国立大学法人東京工業大学 面状アクチュエータ、これを用いた搬送装置及び移動装置、並びに製造方法

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