JPH0648593B2 - 磁気テープ巻き込み装置および磁気テープ巻き込み方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープが長く巻かれた供給リールから送
りだされた磁気テープをカセット内に巻き込む。磁気テ
ープ巻き込み装置および磁気テープ巻き込み方法に関す
るものである。

〔従来の技術〕

磁気テープが長く巻かれた供給リールから磁気テープを
送り出し、カセットマガジンからカセットホルダーにカ
セットを供給し、そのカセットのハブに巻取軸を挿入
し、そのカセットからリーダーテープを引き出し、その
リーダーテープを切断し、切断されたリーダーテープの
巻取軸側の一端と送り出された磁気テープの一端とを接
合し、巻取軸と供給リールとを回転させ、カセット内に
磁気テープを一定長さ巻き込み、巻取軸と供給リールの
回転を停止し、磁気テープを切断し、既に切断されてい
るリーダーテープの残った一端と巻取軸側の磁気テープ
の一端とを接合し、カセットから出ている少量の磁気テ
ープとリーダーテープとを巻取軸にてカセット内に巻き
取り、完成したカセットを排出する磁気テープ巻き込み
装置は公知のものである。

ここで巻取軸に関しては以下のように構成されたものが
知られている。ハブの中心孔の溝に嵌合するように、巻
取軸の外周に突起物いわゆるツメを設ける。ツメは巻取
軸の溝に設けた支柱に回動自在に取り付けられ、バネに
て支えられている。通常はツメが巻取軸から突出した状
態になり、ツメに外力が加わるとツメが巻取軸内に隠れ
る状態をとる。この構成により、ハブに巻取軸を挿入し
易くなる。

また、巻取軸の構成とその動作については、例えば実公
昭58−131469にて示されている。これによると、上記ツ
メを巻取軸の中心からコンロッドにより操作し、ハブに
巻取軸を挿入またはハブから巻取軸を引き抜く際は、ツ
メを巻取軸内に収めた状態にする。また、巻取軸を回転
駆動して磁気テープを巻く際は、ツメを巻取軸から突出
させ、ハブの中心孔の溝に嵌合させる。以上により、ハ
ブに巻取軸を挿入するときに、希に発生する挿入ミスが
無くなるようにしている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来の磁気テープ巻き込み装
置では、オーディオ用磁気テープ等の薄いテープを巻く
場合、カセットからリーダーテープを引き出すときに、
リーダーテープにキズが付くことがあるという課題があ
る。これは、リーダーテープ引き出し時には、ツメがハ
ブの中心孔の溝に嵌合した状態にあり、リーダーテープ
を外力で引き出す為、巻取軸に接合したモーターのイナ
ーシャ等による力が、リーダーテープに加わることによ
る。

本発明は上記課題に着目してなされたもので、カセット
内からリーダーテープをキズ付けることなく、スムース
に短時間で引き出せるようにした磁気テープ巻き込み装
置および磁気テープ巻き込み方法を提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

かかる目的を達成するため、本発明は磁気テープの巻取
手段の構成を、通常はバネの力でツメの先端が巻取軸よ
り突出した状態になるようにし、プレートで後部からツ
メを押すことにより、ツメの先端が巻取軸に引き込まれ
た状態となるようにする。

また、磁気テープの巻き込み工程において、ツメの先端
が巻取軸に引き込まれた状態でハブに巻取軸を挿入し、
リーダーテープを引き出す。その後、プレートを戻すこ
とにより、ツメを巻取軸から突出させ、ツメがハブの中
心孔の溝に嵌合した状態にする。

〔作用〕

上記のような構成及び方法で成された磁気テープ巻き込
み装置では、ツメが巻取軸内に引き込まれた状態のとき
に、リーダーテープが引き出される。このとき、巻取軸
は回転せず、ハブだけが回転する。このため、リーダー
テープに強い力が加わらず、スムースに引き出せ、リー
ダーテープにキズが付かない。

〔実施例〕

以下図面に基づいて、本発明の一実施例を説明する。

第１図は、磁気テープ巻き込み装置の全体概略図を示
す。この装置は、長い磁気テープ２の巻かれた供給リー
ル１が回転駆動することにより送り出された磁気テープ
２を、巻取軸６が回転駆動することにより、カセット４
内のハブ16に巻き込むものである。

また、この装置の構成は、磁気テープ２を供給リール１
から送り出す供給手段と、カセットマガジン７からカセ
ットホルダー５にカセット４を供給するカセット供給手
段と、予めリーダーテープ３が設置されたカセット４か
らリーダーテープ３を引き出すリーダーテープ引き出し
手段と、引き出されたリーダーテープ３と磁気テープ２
とを切断する切断手段と、リーダーテープ３と磁気テー
プ２とを接合する接合手段と、磁気テープ２をカセット
４内のハブ16に巻き取る巻き取り手段と、図示していな
いが、磁気テープ２が巻かれたカセット４をカセットホ
ルダー５から排出する排出手段とからなる。

ここで、巻き取り手段の構成について、第３図、第４
図、第５図を参照して説明する。巻き取り手段は、ベー
スパネル15の裏側に固定されたモーター23と、モータ23
の軸23aに固定された巻取軸６と、巻取軸６の溝にバネ1
8にて支柱19を支点にして回動自在に取り付けられたツ
メ17と、押し出しプレート20とからなる。ツメ17は、ハ
ブ16の中心孔の溝幅よりも少し薄い板状を成しており、
Ｔ字型にバネ取り付け部17ｂと押し出しプレート20に接
する円形部分17ａが付加された形状を成す。また、ベー
スパネル15に固定されたブロック24に２本の平行したロ
ッドを有するツインシリンダー22を取り付け、シリンダ
ー22の２本のシャフト21に押し出しプレート20は固定さ
れている。押し出しプレート20は、ツインシリンダー22
により、ベースパネル15に垂直に往復運動するように成
されている。

ここで、ツメ17は、押し出しプレート20の位置により、
２つの状態をとるこができる。１つは、押し出しプート
20がベースパネル15側に位置するときで、押し出しプー
ト20とツメ17は離れた状態である。このときバネ18の力
により第３図の如く、ツメ17の先端17ｃは巻取軸６より
突出する状態に付勢されている。この状態を便宜上Ａ状
態と称する。このＡ状態では、巻取軸６にハブ16が挿入
される、ハブ16の中心孔の溝にツメ17が入り、巻取軸６
の回転と共にハブ16も回転する。もう１つは、押し出し
プレート20がベースパネル15から離れた側に位置すると
きで、押し出しプレート20がツメ17の円形部分17ａを押
すことにより、支柱19を中心にして、ツメ17は少し回転
する。このとき、ツメ17の先端17ｃは、第４図の如く巻
取軸６の中に隠れる状態となる。この状態を便宜上Ｂ状
態と称する。このＢ状態では、巻取軸６にハブ16が挿入
されて巻取軸６が回転しても、ハブ16は回らない。逆
に、ハブ16が回転しても巻取軸６は回らない。以上が巻
き取り手段の構成である。

次に、巻き込みの手順について説明する。

(1)カセットマガジン７からセット４が、ベースパネル1
5から離れた側に位置しているカセットホルダー５に送
り込まれる（カセット供給工程）。

ここで、図示していないが、カセットホルダー５はベー
スパネル15に垂直に往復運動するように取り付けられて
いる。

(2)押し出しプート20がベースパネル15から離れた状態
に位置し、ツメ17がＢの状態となる。

(3)カセットホルダー５がベースパネル15側に移動す
る。このとき、巻取軸６に、ハブ16が挿入された状態と
なる。

(4)ベースパネル15に固定されたブロック10、10に、２
本が平行に設置されたスライドロッド11，11に沿って、
往復運動するように取り付けられたリーダー引き出し機
構９によって、カセット４に予め設置されているリーダ
ーテープ３が少し引き出される。このとき、リーダー引
き出し機構９は右端に位置する（リーダーテープ引き出
し工程）。

(5)リーダー引き出し機構９がスライドロッド11，11に
沿って、左端まで移動し、所定の長さまでリーダーテー
プ３を引き出す。このとき、リーダーテープ３は、シフ
トブロック12，12の上にある（リーダーテープ引き出し
工程）。

(6)押し出しプレート20がベースパネル15側に位置し、
ツメ17がＡの状態となる。

(7)シフトブロック12，12上で、リーダーテープ３をカ
ッター13にて切断する（切断工程）。

(8)前もってシフトブロック12，12に設置されている磁
気テープ２と、切断されたリーダーテープ３の巻取軸６
側の一端とを接合機構14にて接合する（接合工程）。

(9)巻取軸６と供給リール１が回転駆動することによ
り、磁気テープ２をカセット４内に巻き込んでいく（巻
き取り工程）。

(10)一定長さの磁気テープ２をカセット４内に巻き込ん
だら、巻取軸６と供給リール１の回転を止める。

(11)シフトブロック12,12上で磁気テープ２をカッター1
3にて切断する（切断工程）。

(12)既に切断されているリーダーテープ３の残りの一端
と、切断された磁気テープ２のカセット４側の一端とを
接合機構14にて接合する（接合工程）。

(13)巻取軸６が回転駆動することにより、カセット４か
ら出ている状態のリーダーテープ３と磁気テープ２と
を、カセット４内に巻き込む（巻き取り工程）。

(14)図示していないが、排出機構により、磁気テープ２
の巻き込まれたカセット４を、カセットホルダー５より
排出する（排出工程）。

以上の工程が自動で繰り返され、磁気テープの巻き込ま
れたカセットが生産される。

〔発明の効果〕

本発明は、上記の構成及び方法がとられている為、カセ
ット内からリーダーテープを、スムースに、キズ付ける
ことなく、短時間で引き出せる。このため、品質の良い
カセットが、短いサイクルで生産できる。尚且つ、構造
が簡単な磁気テープ巻き込み装置を作成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明磁気テープ巻き込み装置の全体正面概略
図、第２図はリーダーテープが巻かれているカセットの
正面概略図、第３図、第４図、第５図は巻き取り手段を
示し、第３図、第４図は異なる動作状態の縦断側面図、
第５図は第３図の横断平面図である。 １……供給リール、２……磁気テープ、３……リーダー
テープ、４……カセット、５……カセットホルダー、６
……巻取軸、９……リーダーテープ引き出し機構、16…
…ハブ、17……ツメ、18……バネ、19……支柱、20……
押し出しプレート、23……モーター。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】供給リールから送り出された磁気テープを
   カセット内に巻き込む磁気テープ巻き込み装置におい
   て、前記磁気テープを前記カセット内に巻き込む巻き取
   り手段が、ベースパネルに固定されたモーターと、前記
   モーターの軸に固定された巻取軸と、前記巻取軸の溝に
   回動自在に取り付けられたツメと、前記巻取軸の軸方向
   に往復動作する押し出しプレートと、この押し出しプレ
   ートを往復動させるシリンダーとからなり、前記押し出
   しプレートが前記ベースパネル側に位置するとき、前記
   ツメがバネによって前記巻取軸より突出するよう付勢さ
   れ、前記押し出しプレートが前記ベースパネルから離れ
   た位置にあるとき、前記ツメが前記巻取軸内に隠れるよ
   うに配置されたことを特徴とする磁気テープ巻き込み装
   置。
2. 【請求項２】磁気テープを供給リールから送り出す供給
   工程と、カセットマガジンからカセットホルダーにカセ
   ットを供給するカセット供給工程と、あらかじめリーダ
   ーテープが設置されたカセットから前記リーダーテープ
   を引き出すリーダーテープ引き出し工程と、引き出され
   た前記リーダーテープと前記磁気テープとを切断する切
   断工程と、前記リーダーテープと前記磁気テープとを接
   合する接合工程と、前記磁気テープを前記カセット内に
   ツメを有する巻取軸にて巻き取る巻き取り工程と、磁気
   テープが巻かれたカセットをカセットホルダーから排出
   する排出工程とからなり、前記巻き取り工程において、
   前記巻取軸に前記ツメが隠れた状態で、前記巻取軸を前
   記カセット内のハブに挿入し、あらかじめ前記カセット
   内に設置された前記リーダーテープを前記カセット内よ
   り引き出し、その後前記巻取軸から前記ツメが突出した
   状態にし、前記ハブの中心孔の溝と前記ツメを嵌合させ
   ることを特徴とする磁気テープ巻き込み方法。