JPH064836Y2 - ペースト状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はペースト状化粧料容器、更に詳細には中皿を用
いない簡易タイプのペースト状化粧料容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、化粧料容器は一般に化粧料を一旦皿状の中皿に充
填した後、これを容器本体に嵌合収納せしめて構成せら
れている。

また、ペースト状化粧料容器としては、当該化粧料を容
入した中皿の開口縁部に、弾性を有する通液性中蓋を固
設したものが知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

然しながら、当該中皿嵌合方式による場合には複雑な製
造工程とならざるを得ず、また薄型化タイプの化粧料容
器を得んとするためにはかなり高度の充填技術が要求さ
れるものであるため、試供用コンパクト等の簡易タイプ
の化粧料容器には不向きなのが実状であった。

また、前記の如きペースト状化粧料用中蓋は、中皿にそ
の周囲が固着せられた中蓋の弾性を利用し、これをスポ
ンジ・パフ等の塗布体で内側に押し撓めることにより、
中皿内のペースト状化粧料を該塗布体に滲出付着せしめ
るものであるため、中皿内のペースト状化粧料残量が減
少するに従い、その押圧滲出効率が悪化し、特に中皿周
辺部に容入された化粧料の滲出は著しく阻害され、該化
粧料を最後まで使用することは甚だ困難なのが実状であ
った。特に、化粧料がある程度以上の硬さを有するもの
であった場合には滲出量が少なく、使用性の点で好まし
くないという問題点があった。

そこで、本考案者は斯かる実状に於て、実用性に優れた
簡易タイプのペースト状化粧料容器を提供すべく鋭意検
討を重ねた結果、中皿を用いず、かつ中蓋を容器に直接
固設しない所謂落し蓋とすれば、極めて良い結果が得ら
れることを見い出し、本考案ペースト状化粧料容器を案
出したものである。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本考案は容器体の化粧料収納部に底部充填口
より充填されたペースト状化粧料を有すると共に、該化
粧料上面にメッシュ体製落し蓋を有し、かつ前記底部充
填口に底面シール体を貼着せしめて成るペースト状化粧
料容器である。

本考案に於ける容器体の材質はその如何を問わないが、
例えば塩化ビニール樹脂等の合成樹脂薄板、適宜厚さを
有する発泡スチロール体等が挙げられる。

また、化粧料収納部は底部充填口と連通するものであれ
ば、その具体的形設法の如何を問わないが、例えば容器
体の材質が合成樹脂薄板である場合にはプレス加工等に
よる収納凹所の一体成型が簡便であり、また発泡スチロ
ール体の場合には、底部充填口と一体化した収納貫通孔
を形設するのが簡便である。

当該化粧料収納部に底部充填口より充填されるペースト
状化粧料としては、ファンデーション、頬紅、白粉等所
謂ペースト状化粧料であればその種類の如何を問わない
が、稠度１７〜２８mm（３０℃）のものが特に有利であ
る。

メッシュ体製落し蓋は、化粧料収納部に充填された化粧
料上面に何ら固定されることなく載置され、化粧料の消
費に伴ない下方に移動し、該化粧料を最後まで使いきる
ことができるものである。このメッシュ体の材質は、化
粧料に悪影響を及ぼさないものであればその如何を問わ
ず使用でき、例えばステンレス、アルミニウム等の金
属；ポリエチレン、ポリプロピン等の合成樹脂が好まし
いものとして挙げられる。尚、メッシュ体の織り方、目
開き等は適宜化粧料に応じ選定され、またその剛体、柔
軟体の如何を問わない。

底部充填口に貼着される底面シール体は、当該充填口を
閉止し得るものであれば、紙等その素材の如何を問わ
ず、またその形態もラベル、台紙等その如何を問わな
い。

〔作用〕

本考案は以上の如く構成せられているので、メッシュ体
製落し蓋が粘性のある化粧料に付着しているため、その
脱落が防止せられると共に、底部充填口は底面シール体
にて、また化粧料上面は落し蓋にて、それぞれ化粧料の
脱漏が防止せられ、化粧料は安定に収納保持される。

また、本考案は中皿を用いることなく容器体の化粧料収
納部にペースト状化粧料が直接充填せられるものである
ため、化粧料容器の薄型化も極めて容易である。

〔実施例〕

以下本考案をその実施例を示す図面と共に説明する。

第１及び２図は第１の実施例を示すもので、１は塩化ビ
ニール樹脂薄板製容器体、２は該容器体１に一体形成さ
れた化粧料収納部、３は該化粧料収納部２の底壁に形設
された底部充填口、４は該底部充填口３より化粧料収納
部２に直接充填されたペースト状化粧料、５は該化粧料
４の上面に固定することなく載置されたメッシュ体製落
し蓋、６は前記底部充填口３に貼着せしめられたラベル
形態の底面シール体である。

また、７は化粧料収納部２の開口内壁に付設された適宜
数の突出部で、メッシュ体製落し蓋５の脱落を防止する
ものであり、８は容器体１に形成されたパフ等の化粧料
塗布具９収納凹所、１０は容器体に一体連成された折曲
開閉蓋である。尚、１１ａ及び１１ｂは切欠係止部で、
それぞれ容器体１と開閉蓋１０の前端縁に形設され、開
閉蓋１０の容器体１への蓋合係止を可能ならしめるもの
である。

第３及び４図は第２の実施例を示すもので、蓋体１０ａ
が被冠蓋である点及び化粧料収納部２が透明合成樹脂フ
ィルム１２でバージンシールせられている以外は第１の
実施例と同一である。

第５及び６図は第３の実施例を示すもので、容器体１ａ
が発泡スチロール体にて形成されている点及び底面シー
ル体６ａが台紙形態であると共に、化粧料収納部２及び
化粧料塗布具収納凹所８の上面全体が透明合成樹脂フィ
ルム１２でバージンシールせられている以外は第１の実
施例と同一である。

第７及び８図は第４の実施例を示すもので、容器体１ａ
が発泡スチロール体にて形成されていると共に、化粧料
収納部２ａ及び化粧料塗布具収納部８ａが同一径の収納
貫通孔として形成せられ、また当該化粧料収納部２ａの
底部に発泡スチロール製等の保温部材１３を介在せしめ
て台紙形態の底面シール体６ａが、当該化粧料塗布具収
納部８ａの底部開口部をも含めて容器体底面全体に貼着
され、更に化粧料収納部２ａ及び化粧料塗布具収納部８
ａの上面全体が透明合成樹脂フィルム１２でバージンシ
ールせられているものである。因に、本実施例の場合に
は、当該保温部材の存在により、化粧料充填の際、充填
化粧料が収納部２内に於て急激に冷却されるのが防止せ
られる結果、収納部２内に於て程よく流動広がりが生
じ、均一な厚さの充填化粧料が得られ、特に有利であ
る。

〔考案の効果〕

以上従って、本考案によれば、中皿の存しないシンプル
の構造でありながら、ペースト状化粧料は安定に収納保
持せられると共に、メッシュ体製落し蓋の存在により、
最後まで収納部内のペースト状化粧料を使いきることが
できるものである。

しかも、本考案によれば、従来の中皿嵌合方式の容器に
比し、容易に薄型の容器として設計できるので、携帯
性、使用性に優れた簡便な化粧料容器を提供できるもの
である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の第１の実施例を示す分解斜視説明図、
第２図は同断面説明図、第３図は本考案の第２の実施例
を示す分解斜視説明図、第４図は同容器体の底面斜視説
明図、第５図は第３の実施例を示す斜視説明図、第６図
は同容器体の底面斜視説明図、第７図は第４の実施例を
示す分解斜視説明図、第８図は同断面説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体の化粧料収納部に底部充填口より充
   填されたペースト状化粧料を有すると共に、該化粧料上
   面にメッシュ体製落し蓋を有し、かつ前記底部充填口に
   底面シール体を貼着せしめて成るペースト状化粧料容
   器。