JPH0648251B2 - 熱処理剤の冷却性能評価方法および評価装置 - Google Patents

熱処理剤の冷却性能評価方法および評価装置

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JPH0648251B2
JPH0648251B2 JP59047374A JP4737484A JPH0648251B2 JP H0648251 B2 JPH0648251 B2 JP H0648251B2 JP 59047374 A JP59047374 A JP 59047374A JP 4737484 A JP4737484 A JP 4737484A JP H0648251 B2 JPH0648251 B2 JP H0648251B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、焼入油等の熱処理剤の冷却性能評価方法およ
び評価装置に関する。
〔背景技術〕
現在、焼入油等の熱処理剤の冷却性能試験は、JISに
のっとり試片として銀棒を用い、その銀棒を熱処理剤中
に投入したときの温度降下を時間の関数として求め、そ
の時間と温度との関係によって得られる冷却曲線に基づ
き熱処理剤の冷却性能を評価しているが、次のような問
題がある。
銀棒の表面温度を測定している銀−アルメル熱電対は
温度−出力関係に直線性がないので、温度目盛が等間隔
な冷却曲線が得られず、得られた曲線を書換えなければ
普通の温度目盛のデータが得られない。
銀棒自体のバラツキが大きいためJISでも測定誤差
の許容範囲が広すぎ(JISK2242の5.2.4
(3)および5.2.6(2))、測定試料間の冷却性
能の差が評価し難くなってきており、銀棒のバラツキを
補正する必要がある。銀棒の冷却は速く、一般のペン
レコーダでは追随できず、そのため高速記録計を使用し
なくてはならなくなっている。ところが、一般に、光学
式記録計は記録紙の保存性がなく、再度手書きで記録を
書いているのが実状である。
最近、熱処理剤のより詳細な管理のための冷却曲線と
同時に冷却速度曲線の測定が必要とされてきているが、
現状の方法では測定できない。
〔発明の目的〕
ここにおいて、本発明の目的は、上述した問題点を解決
し、かつ取扱性の向上を図った熱処理剤の冷却性能評価
方法および評価装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
そのため、本発明の評価方法は、熱電対を有する試片を
加熱するとともに、試片の温度を熱電対の起電力として
検出し、この起電力データに基づく温度が所定温度に達
してから所定時間経過後に測定準備完了を報知する測定
準備工程と、この測定準備工程において測定準備完了が
報知されていることを条件として、試片を標準油または
熱処理剤中に投入する試片投入工程と、この試片投入工
程によって試片が標準油中に投入された状態において、
前記熱電対の起電力データを予め設定した標準サンプリ
ング周期毎に取り込んだ後、その起電力データに基づく
温度が所定温度範囲降下するまでの降下時間を計測し、
この計測降下時間と標準降下時間とから補正係数を求め
る補正係数算出工程と、前記試片投入工程によって試片
が熱処理剤中に投入された状態において、前記熱電対の
起電力データを前記補正係数に応じて設定されたサンプ
リング周期毎に取り込んだ後、熱電対の検出温度との関
係で直線化する直線化工程と、この直線化工程で直線化
された起電力データを記憶する記憶工程と、この記憶工
程によって記憶された起電力データを所定の出力タイミ
ングで読み出し、その起電力データに基づき熱処理剤の
冷却曲線および冷却速度曲線の少なくとも一方を図化す
る図化工程と、を含むことを特徴としている。
また、本発明の評価装置は、試片の温度を起電力として
検出する熱電対と、前記試片を加熱する加熱炉と、この
加熱炉によって加熱された試片を標準油または熱処理剤
中に投入させる試片投入機構と、前記熱電対によって検
出される起電力データに基づき熱処理剤の冷却曲線およ
び冷却速度曲線の少なくとも一方を求めるデータ処理装
置と、このデータ処理装置によって求められた冷却曲線
および冷却速度曲線の少なくとも一方を記録する記録計
とからなり、前記データ処理装置は、前記加熱炉の作動
を介して試片を加熱するとともに、試片の温度を熱電対
の起電力として検出し、この起電力データに基づく温度
が所定温度に達してから所定時間経過後に測定準備完了
を報知する手段と、測定準備完了が報知されていること
を条件として、前記試片投入機構を介して試片を標準油
または熱処理剤中に投入させる手段と、試片が熱処理剤
中に投入された状態において前記熱電対によって検出さ
れる起電力データを所定のサンプリング周期毎に取り込
んだ後熱電対の検出温度との関係で直線化する手段と、
この直線化された起電力データを記憶する手段と、この
記憶された起電力データを所定の出力タイミングで読み
出しその起電力データに基づく熱処理剤の冷却曲線およ
び冷却速度曲線の少なくとも一方を前記記録計へ出力す
る手段と、試片が標準油中に投入された状態において前
記熱電対の起電力データに基づく温度が所定温度範囲降
下するまでの降下時間と標準降下時間とから求められる
補正係数を入力する手段と、この補正係数に基づいて前
記サンプリング周期と前記出力タイミングとの比を変化
させる手段とを含む、ことを特徴としている。
〔実施例の説明〕
第1図は本実施例の冷却性能評価装置の全体のシステム
を示している。同システムは、焼入油等の熱処理剤1を
収納した処理槽2と、この処理槽2の上方に昇降自在に
設けられかつ表面温度を検出する熱電対3を有する試片
としての銀棒4と、この銀棒4を測定開始前に所定温度
に加熱するための加熱用電気炉5と、この加熱用電気炉
5を介して前記銀棒4を加熱し、熱電対3からの出力が
所定値つまり銀棒4の表面温度が所定温度に達した際、
銀棒4を処理槽2の熱処理剤1中へ投入した後、熱電対
3からの出力を順次取込み、それを所定処理して冷却曲
線データおよび冷却速度曲線データを求めるデータ処理
装置6と、このデータ処理装置6で求められた冷却曲線
データを図化する記録計としてのX−Yレコーダ7と、
前記データ処理装置6で求められた冷却速度曲線データ
を図化する記録計としてのX−Yレコーダ8とから構成
されている。
前記銀棒4は、第2図に示す如く、前記処理槽2の上方
に昇降自在に設けられた試片投入機構を構成する支持棒
11に螺合され、かつ中央に前記熱電対3を収納する収
納穴12を備えている。また、前記熱電対3は、アルメ
ル線13と、このアルメル線13に前記銀棒4を介して
接する銀製パイプ14とから構成されている。前記アル
メル線13は、前記銀製パイプ14内を通って挿通さ
れ、かつ先端が前記銀棒4の収納穴12の内周面と接す
る球状に成形されている。また、前記銀製パイプ14
は、前記銀棒4の収納穴12に螺合され、かつ耐熱絶縁
体15を介して前記アルメル線13に対して絶縁されて
いる。
一方、前記データ処理装置6は、第3図に示す如く、前
記熱電対3からの出力が増幅器21によって増幅された
後、A/D変換器22へ与えられるようになっている。
A/D変換器22には、前記熱電対3からの出力のほか
に、室温補正回路23からの出力が与えられるようにな
っている。室温補正回路23は、室温を測定し、その室
温を前記熱電対3の出力に換算し、前記増幅器21と同
レベルまで増幅する。室温補正回路23の出力と前記熱
電対3の出力とは、前記A/D変換器22によってデジ
タル値に変換された後、CPUからなる演算制御回路2
4へ与えられている。
前記演算制御回路24には、前記A/D変換器22のデ
ータを演算制御回路24へ取込むためのサンプリングパ
ルスを所定時間毎に出力するサンプリングタイマ25
A、各種操作指令および補正係数等を入力するための操
作盤26、A/D変換器22から取込まれたデータが所
定処理されて順次記憶されるメモリ27、このメモリ2
7に記憶されたデータをアナログ量に変換して前記X−
Yレコーダ7,8へ出力するためのD/A変換器28,
29およびメモリ27に記憶されたデータを前記D/A
変換器28,29へ出力する出力タイミングを決定する
出力タイマ25Bがそれぞれ接続されている。前記サン
プリングタイマ25Aは、前記操作盤26から補正係数
が演算制御回路24へ入力されると、演算制御回路24
によって設定されたサンプリング周期毎にサンプリング
パルスを前記A/D変換器22へ与える。これにより、
サンプリングパルスが与えられる毎に、A/D変換器2
2のデータが演算制御回路24へ取込まれるようになっ
ている。
また、前記操作盤26には、電源スイッチ31、スター
ト釦32、冷却曲線出力釦33、冷却速度曲線出力釦3
4、クリア釦35、補正係数を入力するためのデジタル
スイッチ36、前記熱電対3によって測定された銀棒4
の温度を表示する温度データ表示器37、加熱表示ラン
プ38および準備完了ランプ39がそれぞれ設けられて
いる。また、前記演算制御回路24は、前記操作盤26
の電源スイッチ31、スタート釦32、冷却曲線出力釦
33、冷却速度曲線出力釦34およびクリア釦35が操
作された際、第4図、第5図、第6図、第7図、第8図
に示すフローチャートに従ってそれぞれ処理を行うよう
になっている。
次に、本実施例の作用を説明する。本装置の取扱におい
ては、補正係数の測定と、熱処理剤1の冷却曲線および
冷却速度曲線の測定との2段階に分けることができる。
まず、補正係数の測定にあたっては、始めに操作盤26
の電源スイッチ31をオンすると、演算制御回路24に
おいて第4図に示す処理が行われる。即ち、加熱用電気
炉5が加熱された後、A/D変換器22を介して与えら
れる熱電対3の出力および室温補正回路23の出力が所
定処理され前記操作盤26の温度データ表示器37に表
示された後、その表示温度が810℃に達したか否かが
判断される。
ここで、その表示温度が810℃に達すると、加熱表示
ランプ38が点灯され、続いてメモリ27の内容がクリ
アーされた後、前記加熱表示ランプ38が点灯してから
3分後に準備完了ランプ39が点灯される。準備完了ラ
ンプ39の点灯は、銀棒4の内部まで810℃になって
いることを意味している。この間、処理槽2に収納した
標準油(フタル酸ジオクチル(DOP))を80℃に加
熱しておく。
次に、デジタルスイッチ36の値を1.00に設定した
後、スタート釦32を押すと、第5図にフローチャート
に従って、まず準備完了ランプ39が点灯されているか
否かが判断される。このとき、準備完了ランプ39が点
灯していない場合には、エラーとして処理される。一
方、準備完了ランプ39が点灯している場合には、支持
棒11が下降され銀棒4が処理槽2の標準油内へ投入さ
れた後、A/D変換器22を介して取込まれる熱電対3
の出力つまり銀棒4の温度が800℃に達したか否かが
判断される。
ここで、銀棒4の温度が800℃に達すると、熱電対3
からの出力がサンプリングタイマ25Aで設定されたサ
ンプリングパルス間隔毎に演算制御回路24内へ取込ま
れ、その演算制御回路24内において熱電対3の出力が
検出温度との関係において直線化され(温度との関係に
おいて一次比例するように補正され)た後、メモリ27
内に順次記憶される。
例えば、第11図(A)に示すように、熱電対3の検出
温度が800℃に達した時点(t1)からサンプリングパ
ルス間隔δ毎に熱電対3からの出力が取り込まれる。各
時点(t1〜t10)で取り込まれた起電力データ(v1
v10)は検出温度との関係において直線化される。例え
ば、第11図(B)に示すように、検出温度(T)が8
00℃のときの熱電対3の起電力データ(v1)と検出温
度(T)が400℃のときの熱電対3の起電力データ
(v10)とから第11図(B)に示す直線(一点鎖線)
を求め、この直線の各値と曲線の各値とを対応させたテ
ーブルを予め設けておけば、このテーブルの中から各時
点(t1〜t10)で取り込んだ起電力データ(v1,v2〜v9,v
10)に対応する補正値(v1,v2′〜v9′,〜v10)を読み
出し、これらを各時点(t1〜t10)での起電力データと
して記憶することによって達成することができる。
このようにして、熱電対3からの出力が順次メモリ27
内に記憶されていく過程において、熱電対3の出力つま
り銀棒4の温度が400℃に達すると銀棒4の温度が8
00℃から400℃まで冷却されるまでの時間Tが求め
られた後、その計測降下時間Tと標準降下時間(4.5
秒)とから補正係数が計算される。補正係数は、 補正係数=4.5秒/T の計算式により求められた後、操作盤26の温度データ
表示器37に表示される。
これにより、オペレータは、温度データ表示器37に表
示されている補正係数をみて、それをデジタルスイッチ
36に設定する。デジタルスイッチ36で補正係数が設
定されると、演算制御回路24において、デジタルスイ
ッチ36により設定された補正係数に基づき、サンプリ
ングタイマ25Aから出力されるサンプリングパルスの
間隔と出力タイミングとの比が自動的に設定される。
例えば、熱電対3の出力が第12図の実線に示すように
変化したとすると、温度が800℃から400℃まで降
下する時間Tが計測された後、その計測降下時間Tと標
準降下時間T0(4.5秒)とから補正係数(T0/T)
が計算される。そして、この補正係数がデジタルスイッ
チ36で設定されると、標準のサンプリングパルス間隔
δを補正係数で割った測定時のサンプリングパルス間隔
δ′が自動的に設定される。つまり、δ′=δ/(T0
/T)が設定される。
以上の操作により補正係数を決定することができる。な
お、補正係数の設定範囲は1.99〜0.00である
が、測定された秒数が4.2〜4.8秒の間に入ってい
ないとき(補正係数が1.07〜0.93の間に入らな
いとき)は銀棒4が不良と考えられるので、交換が必要
である。また、この操作は銀棒4を取り替えたときは必
ず実行しなくてはならない。銀棒4を取り替えないとき
は、測定に先だって最初に行うのがよいが、精度を重ん
じるときは測定の度に行うことが好ましい。
次に、熱処理剤1の冷却曲線および冷却速度曲線の測定
にあたっては、処理槽2内に評価対象となる熱処理剤1
を収納した後、スタート釦32を押すと、前述した処理
と同様にしてメモリ27内に熱電対3の出力つまり銀棒
4の温度データが順次記憶される。測定完了後に、冷却
曲線出力釦33を押すと、第6図に示すフローチャート
に従って、メモリ27内のデータがD/A変換器28,
29を介してアナログ信号に変換された後X−Yレコー
ダ7に与えられる。これにより、X−Yレコーダ7上に
冷却曲線が描かれる。このとき、サンプリング周期と出
力タイミングとの比が補正係数により変更されているの
で、銀棒4によるバラツキを補正することができる。な
お、ここではX−Yレコーダ7のY軸上に温度データ
が、X軸上に時間データがそれぞれ記録される。
冷却曲線の記録が終了した後、冷却速度曲線出力釦34
を押すと、第7図に示すフローチャートに従って、メモ
リ27に記録されたデータが微分され、更にD/A変換
器29を介してアナログ信号に変換された後、X−Yレ
コーダ8に出力される。これにより、X−Yレコーダ8
上に冷却速度曲線が記録される。
以上の操作により、冷却曲線および冷却速度曲線の測定
を行うことができるが、次の測定を行うときはまずクリ
ア釦35を押す。すると、第8図に示すフローチャート
に従ってメモリ27の内容がクリアーされる。この後、
スタート釦32を再度押せば、次の測定を繰返し行うこ
とができる。なお、クリア釦35を押さず、また、スタ
ート釦32を押していなければメモリ27内に記憶され
ているデータはそのままであるので何度でも測定した熱
処理剤1の冷却曲線および冷却速度曲線を任意に出力さ
せることができる。
従って、本実施例によれば、A/D変換器22を介して
取込まれる熱電対3の出力を、演算制御回路24におい
て検出温度との関係で直線化、つまり検出温度との関係
で一次的比例関係に補正するようにしたので、その補正
したデータを直接書出すことができる。このことは、熱
電対3が銀−アルメル線からなる場合であっても、従来
のように測定したデータを再度書直す必要がなく、迅速
かつ容易に冷却曲線の測定を行うことができる。
また、測定に対して、銀棒4を加熱用電気炉5によって
加熱するとともに、その銀棒4の表面温度を熱電対3の
起電力として検出し、この起電力データに基づく温度が
所定温度(810℃)に達してから所定時間(3分)経
過後に準備完了ランプ39を点灯させるようにしたの
で、銀棒4の内部まで所定温度(810℃)に達した時
点で測定に入れる旨の指示を測定者へ出すことができ
る。しかも、標準完了ランプ39が点灯していることを
条件として、測定に入れるようにしたので、高精度な測
定が期待できる。
また、標準油を用いて銀棒4の補正係数を測定し、この
補正係数に基づいて測定データの入力サンプリング周期
を変更するようにしたので、銀棒4の性能のバラツキを
容易に補正することができる。従って、銀棒4毎のバラ
ツキを補正できるので、測定精度を向上させることがで
きる。
また、メモリ27内に記憶されたデータを微分した後、
D/A変換器29を介してX−Yレコーダ8へ出力する
ようにしたので、熱処理剤1の冷却速度曲線を容易に測
定することができる。
また、測定したデータを一旦メモリ27内に記憶するよ
うにしたので、一般のペンレコーダ等に記録させること
ができる。
このほか、室温補正回路23を設け、この室温補正回路
23によって出力の補正を行うようにしたので、熱電対
に零接点を設ける必要がない。
なお、実施にあたって、データ処理装置6は、上記実施
例で述べた構成のほか、例えば第9図のように構成して
もよい。このものは、熱電対3の出力を検出温度との関
係で直線化するためのアナログリニアライザ41と、こ
のアナログリニアライザ41の出力をデジタル信号に変
換するA/D変換器42と、このA/D変換器42の出
力を記憶するメモリ43と、このメモリ43に記憶され
たデータをアナログ信号に変換して前記X−Yレコーダ
7へ出力するD/A変換器44と、このD/A変換器4
4の出力を微分して前記X−Yレコーダ8へ出力する微
分回路45と、補正係数を設定する補正係数設定器46
と、この補正係数設定器46に設定された補正係数に基
づきA/D変換器42からメモリ43内へ取込まれるデ
ータのサンプリング周期を決定するサンプリング回路4
7と、前記補正係数設定器46により設定された補正係
数に基づき前記メモリ43からD/A変換器44へ出力
されるデータのサンプリング周期を決定するためのサン
プリング回路48とから構成されている。ここにおい
て、補正係数設定器46とサンプリング回路47,48
とにより補正回路50が構成されている。
また、第10図に示す如く、第9図におけるアナログリ
ニアライザ41を省略し、それに代わってA/D変換器
42の後段にデジタルリニアライザ49を挿入しても同
様な効果を奏することができる。
また、補正係数に基づいてデータの入力サンプリング周
期を変更する代わりに、データの出力タイミングを変更
するようにしても同様な効果が得られる。更に、D/A
変換器を省いて、X−Yレコーダの代わりにプロッタを
使用してもよい。
また、データ処理装置内に記憶回路を含まずに記憶機能
をもったレコーダを利用することも可能である。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、冷却曲線の書直しが必要
なく、かつ銀棒のバラツキを補正できる上、冷却速度曲
線をも測定できる熱処理剤の冷却性能評価方法および評
価装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例を示す全体の説明図、第2図
は銀棒と熱電対との関係を示す部分断面図、第3図はデ
ータ処理装置を示すブロック図、第4図〜第8図はそれ
ぞれフローチャート、第9図および第10図はデータ処
理装置の変形例を示すブロック図、第11図(A)はサ
ンプリングパルス間隔毎に取り込んだ起電力データを時
間との関係で表した図、第11図(B)は起電力データ
を温度との関係で直線化する一例を示す図、第12図は
補正係数の測定において求められる補正係数によってサ
ンプリングパルス間隔が設定される一例を示す図であ
る。 1……熱処理剤、3……熱電対、4……試片としての銀
棒、6……データ処理装置、7,8……記録計としての
X−Yレコーダ、24……演算制御回路、25……サン
プリングタイマ、26……操作盤、27……メモリ、3
6……デジタルスイッチ、41……アナログリニアライ
ザ、42……A/D変換器、43……メモリ、44……
D/A変換器、45……微分回路、46……補正係数設
定器、47,48……サンプリング回路、49……デジ
タルリニアライザ、50……補正回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱電対を有する試片を加熱するとともに、
    試片の温度を熱電対の起電力として検出し、この起電力
    データに基づく温度が所定温度に達してから所定時間経
    過後に測定準備完了を報知する測定準備工程と、 この測定準備工程において測定準備完了が報知されてい
    ることを条件として、試片を標準油または熱処理剤中に
    投入する試片投入工程と、 この試片投入工程によって試片が標準油中に投入された
    状態において、前記熱電対の起電力データを予め設定し
    た標準サンプリング周期毎に取り込んだ後、その起電力
    データに基づく温度が所定温度範囲降下するまでの降下
    時間を計測し、この計測降下時間と標準降下時間とから
    補正係数を求める補正係数算出工程と、 前記試片投入工程によって試片が熱処理剤中に投入され
    た状態において、前記熱電対の起電力データを前記補正
    係数に応じて設定されたサンプリング周期毎に取り込ん
    だ後、熱電対の検出温度との関係で直線化する直線化工
    程と、 この直線化工程で直線化された起電力データを記憶する
    記憶工程と、 この記憶工程によって記憶された起電力データを所定の
    出力タイミングで読み出し、その起電力データに基づき
    熱処理剤の冷却曲線および冷却速度曲線の少なくとも一
    方を図化する図化工程と、 を含むことを特徴とする熱処理剤の冷却性能評価方法。
  2. 【請求項2】試片の温度を起電力として検出する熱電対
    と、 前記試片を加熱する加熱炉と、 この加熱炉によって加熱された試片を標準油または熱処
    理剤中に投入させる試片投入機構と、 前記熱電対によって検出される起電力データに基づき熱
    処理剤の冷却曲線および冷却速度曲線の少なくとも一方
    を求めるデータ処理装置と、 このデータ処理装置によって求められた冷却曲線および
    冷却速度曲線の少なくとも一方を記録する記録計とから
    なり、 前記データ処理装置は、前記加熱炉の作動を介して試片
    を加熱するとともに、試片の温度を熱電対の起電力とし
    て検出し、この起電力データに基づく温度が所定温度に
    達してから所定時間経過後に測定準備完了を報知する手
    段と、測定準備完了が報知されていることを条件とし
    て、前記試片投入機構を介して試片を標準油または熱処
    理剤中に投入させる手段と、試片が熱処理剤中に投入さ
    れた状態において前記熱電対によって検出される起電力
    データを所定のサンプリング周期毎に取り込んだ後熱電
    対の検出温度との関係で直線化する手段と、この直線化
    された起電力データを記憶する手段と、この記憶された
    起電力データを所定の出力タイミングで読み出しその起
    電力データに基づく熱処理剤の冷却曲線および冷却速度
    曲線の少なくとも一方を前記記録計へ出力する手段と、
    試片が標準油中に投入された状態において前記熱電対の
    起電力データに基づく温度が所定温度範囲降下するまで
    の降下時間と標準降下時間とから求められる補正係数を
    入力する手段と、この補正係数に基づいて前記サンプリ
    ング周期と前記出力タイミングとの比を変化させる手段
    とを含む、 ことを特徴とする熱処理剤の冷却性能評価装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の熱処理剤の冷
    却性能評価装置において、前記データ処理装置は、前記
    加熱炉の作動を介して試片を加熱するとともに、試片の
    温度を熱電対の起電力として検出し、この起電力データ
    に基づく温度が所定温度に達してから所定時間経過後に
    測定準備完了を報知する手段と、測定準備完了が報知さ
    れていることを条件として、前記試片投入機構を介して
    試片を標準油または熱処理剤中に投入させる手段と、試
    片が熱処理剤中に投入された状態において前記熱電対に
    よって検出される起電力データを熱電対の検出温度との
    関係で直線化するアナログリニアライザと、このアナロ
    グリニアライザによって直線化された起電力データを所
    定のサンプリング周期でデジタル信号に変換するA/D
    変換器と、このA/D変換器でデジタル信号に変換され
    た起電力データを記憶するメモリと、このメモリに記憶
    されたデータを所定の出力タイミング間隔でアナログ信
    号に変換して前記記録計へ出力するD/A変換器と、こ
    のD/A変換器の出力を微分して前記記録計へ出力する
    微分回路と、試片が標準油中に投入された状態において
    前記熱電対の起電力データに基づく温度が所定温度範囲
    降下するまでの降下時間と標準降下時間とから求められ
    る補正係数を入力する補正係数設定器を含み、入力され
    た補正係数に基づき前記A/D変換器からメモリへ取込
    まれるデータのサンプリング周期と前記メモリからD/
    A変換器へ出力される出力タイミングとの比を変化させ
    る補正回路とから構成されていることを特徴とする熱処
    理剤の冷却性能評価装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項記載の熱処理剤の冷
    却性能評価装置において、前記データ処理装置は、前記
    加熱炉の作動を介して試片を加熱するとともに、試片の
    温度を熱電対の起電力として検出し、この起電力データ
    に基づく温度が所定温度に達してから所定時間経過後に
    測定準備完了を報知する手段と、測定準備完了が報知さ
    れていることを条件として、前記試片投入機構を介して
    試片を標準油または熱処理剤中に投入させる手段と、試
    片が熱処理剤中に投入された状態において前記熱電対に
    よって検出される起電力データを所定のサンプリング周
    期でデジタル信号に変換するA/D変換器と、このA/
    D変換器でデジタル信号に変換された起電力データを熱
    電対の検出温度との関係で直線化するデジタルリニアラ
    イザと、このデジタルリニアライザによって直線化され
    た起電力データを記憶するメモリと、このメモリに記憶
    されたデータを所定の出力タイミング間隔でアナログ信
    号に変換して前記記録計へ出力するD/A変換器と、こ
    のD/A変換器の出力を微分して前記記録計へ出力する
    微分回路と、試片が標準油中に投入された状態において
    前記熱電対の起電力データに基づく温度が所定温度範囲
    降下するまでの降下時間と標準降下時間とから求められ
    る補正係数を入力する補正係数設定器を含み、入力され
    た補正係数に基づき前記A/D変換器からメモリへ取込
    まれるデータのサンプリング周期と前記メモリからD/
    A変換器へ出力される出力タイミングとの比を変化させ
    る補正回路とから構成されていることを特徴とする熱処
    理剤の冷却性能評価装置。
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