JPH0648119Y2 - 二段ターボエンジン - Google Patents

二段ターボエンジン

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JPH0648119Y2
JPH0648119Y2 JP1988135425U JP13542588U JPH0648119Y2 JP H0648119 Y2 JPH0648119 Y2 JP H0648119Y2 JP 1988135425 U JP1988135425 U JP 1988135425U JP 13542588 U JP13542588 U JP 13542588U JP H0648119 Y2 JPH0648119 Y2 JP H0648119Y2
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bypass valve
pressure
exhaust bypass
engine
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、二基のターボチャージャを直列的に接続して
二段に亘って過給を行わせるようにした二段ターボエン
ジンの排気バイパス弁及び排気バイパス弁駆動装置の取
り付け構造に関する。
〔従来の技術〕
吸入空気を過給する低圧段ターボチャージャと、この低
圧段ターボチャージャで過給された空気を更に過給して
エンジンに送る高圧段ターボチャージャとを有し、エン
ジンの排気マニホルドから分岐して高圧段ターボチャー
ジャの排気タービンを迂回する排気バイパス通路を備え
たターボチャージャ・システムが米国特許第3,576,102
号明細書に開示されている。
そして上記ターボチャージャ・システムによれば、排気
バイパス通路内に排気バイパス弁が設けられ、この排気
バイパス弁はベローズを用いたアクチュエータ等により
駆動される。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら上記米国特許明細書に記載されたようなタ
ーボチャージャ・システムを例えば車両に実際に搭載し
て実用に共する上で次のような問題がある。すなわち、
排気ガスの動圧を有効活用する観点から二基のターボチ
ャージャは排気マニホルドに近接配置し、流路圧損を出
来るだけ少なくすることが望ましい。従って必然的に排
気バイパス弁は排気マニホルドに近接した位置に取り付
けられることになる。この排気バイパス弁は、エンジン
がシャーシ等に振動を伝えにくくするよう可動に弾性支
持されているために、エンジンに固定された排気マニホ
ルドと共にエンジンに応動して揺れ動く。このため、こ
のような排気バイパス弁を開閉駆動するためのアクチュ
エータの取り付け位置が大きな問題となる。すなわち、
排気バイパス弁の弁開度を高精度に制御する必要上、排
気バイパス弁とアクチュエータとは常に一定の相対位置
関係にある必要がある。そのためには、簡便な方法とし
ては排気バイパス弁とアクチュエータとを一体的に形成
すればよく、これによりエンジンに応動して排気バイパ
ス弁が揺れ動いても同様にアクチュエータも動くために
弁開閉精度上の不都合がなくなる。ところが、現実の車
両エンジンルーム内はエンジンや補機類が所狭しと配置
され、空きスペースは極小であり、このように排気バイ
パス弁とアクチュエータとを一体的に構成することはス
ペース的に決して容易なことではない。しかも、アクチ
ュエータは排気バイパス弁の高い開弁圧に応じた力を出
力するなど頑丈に形成される必要上、大型化、高重量化
しがちであり、このような重いアクチュエータを排気バ
イパス弁と共に排気マニホルドを介してエンジンに片持
ち的に取り付けることは剛性上及び耐久性上問題であ
る。
従って、本考案の目的は、前述の従来技術のように、高
圧段ターボチャージャと、高圧段ターボチャージャの第
1タービンより排気下流に位置する第2タービンを有す
る低圧段ターボチャージャと、第1タービンをバイパス
する排気バイパス通路と、排気バイパス通路に配置され
た排気バイパス弁、とを有し、各機関速度領域において
さらに効率的な過給を可能とすることに加えて、その大
きさをかなりコンパクトにすると共に、排気バイパス弁
の高精度の動作を保証することである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案による二段ターボエンジンは、各気筒の排気ポー
トと連通する排気マニホルドと、高圧段ターボチャージ
ャと、高圧段ターボチャージャの第1タービンより排気
下流に位置する第2タービンを有する低圧段ターボチャ
ージャと、第1タービンをバイパスする排気バイパス通
路と、排気バイパス通路に配置された排気バイパス弁、
とを有する二段ターボエンジンにおいて、前記排気マニ
ホルドがモジュラーパルス型であり、前記第1タービン
の排気入口が前記排気マニホルドの端部に設けられた第
1集合開口部に直結され、前記排気マニホルドの中央側
に設けられた第2集合開口部に前記排気バイパス弁を支
持する排気バイパス弁ハウジングの片側が直結され、前
記第2タービンの排気入口がバイパス弁ハウジングの他
側に略直結されると共に前記第1タービンの排気出口に
接続管を介して連結され、機関低速運転領域では前記排
気バイパス弁を全閉とし、機関高速運転領域では前記排
気バイパス弁を全開とし、機関中速領域では前記排気バ
イパス弁を前記高圧段ターボチャージャと前記低圧段タ
ーボチャージャの過給圧に応じた中間開度とする前記排
気バイパス弁の駆動装置がエンジンのシリンダブロック
に直接取り付けられるようにしたことを特徴とする。
〔作用〕
前述の二段ターボエンジンは、高圧段ターボチャージャ
の第1タービンの排気入口がモジュラーパルス型排気マ
ニホルドの端部に設けられた第1集合開口部に直結さ
れ、この排気マニホルドの中央側に設けられた第2集合
開口部に排気バイパス弁を支持する排気バイパス弁ハウ
ジングの片側が直結され、第2タービンの排気入口が排
気バイパス弁ハウジングの他側に略直結されると共に第
1タービンの排気出口に接続管を介して連結され、機関
低速運転領域では排気バイパス弁を全閉とし、機関高速
運転領域では排気バイパス弁を全開とし、機関中速領域
では排気バイパス弁を高圧段ターボチャージャと低圧段
ターボチャージャの過給圧に応じた中間開度とする排気
バイパス弁の駆動装置がエンジンのシリンダブロックに
直接取り付けられるようになっているために、排気ガス
量が比較的少ない機関低速運転領域の時に、排気バイパ
ス弁は全閉とされ、全ての排気ガスが、モジュラーパル
ス型排気マニホルド端部の第1集合開口部に接続された
高圧段ターボチャージャの第1タービンへ脈動が減衰す
ることなく供給されて、高圧段ターボチャージャだけに
よる過給が行われ、機関中速運転領域となって排気ガス
量が比較的多くなると、高圧段ターボチャージャによる
過給圧の上昇に伴って排気バイパス弁は徐々に開弁さ
れ、高圧段ターボチャージャによる過給が継続されると
共に、一部の排気ガスが低圧段ターボチャージャの第2
タービンに直接供給されて、この低圧段ターボチャージ
ャによる過給が開始され、この時、高圧段ターボチャー
ジャの第1タービンへ供給される排気ガスの脈動が減衰
することはなく、また機関高速領域となってさらに排気
ガス量が増加すると、排気バイパス弁は全開とされ、全
ての排気ガスは、排気ガスの脈動を必要としない低圧段
ターボチャージャの第2タービンへ供給され、低圧段タ
ーボチャージャだけによる過給が行われる。また、低圧
段ターボチャージャは排気マニホルドにかなり接近して
配置されると共に高圧段ターボチャージャはそれに直結
され、さらに、前述の過給を可能にするための排気バイ
パス弁の駆動装置は、エンジンのシリンダブロックに直
接取り付けられており、シリンダブロックと同様に振動
する排気マニホルドに直結された排気バイパスと、同じ
振幅及び位相で振動する。
〔実施例〕
以下図示実施例に基づき本考案を説明する。
第1図は本考案による二段ターボエンジンの排気マニホ
ルド近傍の分解斜視図であり、図2は本考案による二段
ターボエンジンの排気マニホルド近傍の平面図である。
エンジン1の側部には排気ポートから出てくる排気ガス
を一ヶ所に集める排気マニホルド2が取り付けられる。
この排気マニホルド2は、詳しくは後述されるモジュラ
ーパルス型であり、そのエンジン後方側の一端側には第
1の集合開口部が設けられ、この部分には小容量の高圧
段ターボチャージャ3の排気タービン4が直接取り付け
られる。排気マニホルド2の中央側には第2の集合開口
部が設けられ、この部分には排気バイパス弁5が直接取
り付けられる。図示排気バイパス弁5は、いわゆるバタ
フライ弁であり、排気ガス流れ方向に直角に設けた軸を
中心に円板形の弁体が回転することにより、開閉を行う
ものである。この軸は外部に突出し、リンク桟構(詳細
に図示せず)を介して排気バイパス弁駆動装置6に連結
されている。排気バイパス弁駆動装置6は排気マニホル
ド2下方側のエンジンのシリンダブロックに直接取り付
けられる。従ってエンジンから熱害を被らないように排
気バイパス弁駆動装置6は例えば耐熱性のある構成部品
で形成されている。この駆動装置6は過給圧などの正
圧、バキュームタンクなどからの負圧、あるいは両方を
利用する圧力作動式のアクチュエータで構成されるのが
一般的であり、それらの詳細は後述する。
排気バイパス弁5には、排気マニホルド2と共にこの排
気バイパス弁5を挟み込むように異形管継手7が取り付
けられる。この異形管継手7は内部で連通する3つの開
口部を有し、1つの開口部は前述の如く排気バイパス弁
5出口側に接続され、他の1つの開口部は高圧段排気タ
ービン4出口側に接続され、残りの1つの開口部は上方
側に位置する大容量の低圧段ターボチャージャ8の排気
タービン9に接続される。
ここで排気バイパス弁5の作動について簡単に説明する
と、エンジン低速域においては排気ガス量が全体的に少
なく、この少ない量の排気ガスを有効に利用するには、
容量の小さい高圧段ターボチャージャ3を使用して排気
の脈動エネルギを回収することが効果的である。従っ
て、排気バイパス弁5は全閉状態に維持され、モジュラ
ーパルス型排気マニホルド2の端部に形成された第1集
合開口部から脈動を減衰させずにこの少量の排気ガスを
高圧段ターボチャージャ3のタービン4へ供給する。
次いで低速域から中・高速域にかけては、排気ガス量が
増加し低圧段ターボチャージャ8が本来の過給を徐々に
行い始めるため、高圧段ターボチャージャ3による過給
圧が目標過給圧となったならば、その過給圧を維持し得
るように排気バイパス弁5が徐々に開弁される。この
時、モジュラーパルス型排気マニホルド2の中央側に設
けられた第2集合開口部が小開されるが、高圧段ターボ
チャージャ3のタービン4へ供給される排気ガスは、そ
の脈動が減衰しないために、高圧段ターボチャージャ3
の出力が落ち込んでトルク変動が発生することはない。
そして低圧段ターボチャージャ8による過給圧がこの目
標過給圧に達したときに、排気バイパス弁5を一気に全
開とし実質的な過給機能を高圧段ターボチャージャ3か
ら低圧段ターボチャージャ8に移行させる。すなわち、
排気バイパス弁5が全開となると、排気マニホルド2内
の排気ガスは高圧段タービン4を迂回し、排気バイパス
弁5及び異形管継手7を通って低圧段排気タービン9に
流れるために高圧段ターボチャージャ3は非作動状態と
なる。大容量の低圧段ターボチャージャ8のタービン9
へ供給される排気ガスはその脈動が減衰するが、このよ
うな低圧段ターボチャージャにおいて、本来排気の脈動
による過給効率の向上効果は少ないために、十分に効率
的な過給を実現することができる。このとき、高圧段タ
ーボチャージャ3のコンプレッサを迂回する吸気バイパ
ス通路(図示せず)に設けた図示しない吸気バイパス弁
を全開にすることにより、高圧段ターボチャージャ3は
完全に非過給状態となり二段過給から一段過給への切り
替えが確実に行われる。
以上のように、排気バイパス弁5は二段ターボエンジン
の過給圧制御上及び過給切り替え上極めて重要な役目を
果たすため、前記の如くこの排気バイパス弁5を精度良
く駆動制御するために排気バイパス弁駆動装置6を如何
に取り付けるかが問題となる。
しかしながら、本実施例の取り付け構造によれば、排気
バイパス弁5を排気マニホルド2に直結し、排気バイパ
ス弁駆動装置6を排気マニホルド2下方側のシリンダブ
ロック側壁に直接取り付けるようにしたので、エンジン
に応動して排気バイパス弁5等が揺れ動いても同様に排
気バイパス弁駆動装置6も動くため排気バイパス弁5と
同駆動装置6との相対位置関係を常に一定に維持できる
結果、排気バイパス弁5の弁開度制御を高精度なものと
することが可能となる。また、エンジンのシリンダブロ
ックにこの駆動装置6を直接取り付けるため、支持剛性
上及び耐久性上優れ、そして排気マニホルドに取り付け
る場合と異なり、排気マニホルドに重量的に負担を特に
及ぼすこともない。また、エンジンルーム内の空きスペ
ースは極小であるとは言うものの、排気マニホルド下方
側はエンジンからの放熱やエンジンの振動などの理由か
ら元来空間的余裕が多少ある場所であり、従って排気バ
イパス弁駆動装置6をこの排気マニホルド下方側に配置
したことはエンジンルーム内の空きスペースを巧みに利
用したスペース効率上極めて優れたものと言うことがで
きる。さらに、高圧段ターボチャージャ3は言うに及ば
す、低圧段ターボチャージャ8を排気マニホルド2に極
めて近接配置できるため、排気エネルギを無駄なく有効
に活用して過給を行うことができる。
なお、第1図に示す排気マニホルド2はいわゆるモジュ
ラーパルス型のマニホルドであり、第3図にこのマニホ
ルド2の排気ガス流れ方向に沿う継断面図を示す。
一般に多シリンダエンジンにおいて、独立した排気管を
備えることはスペースや重量上難しく、いくつかのシリ
ンダを共通のマニホルドでつなぐのが普通であるが、共
通マニホルドを用いる場合、他のシリンダの影響を受け
て出力が低下し易い。この影響は特に低速域において顕
著である。
このような排気の干渉に対しては、各シリンダから排気
マニホルドに至る各分岐管の流路長さを異ならしめて排
気時期の重なりをなくすようにするのが一般的であり、
このため、排気マニホルドのこれら分岐管は三次元的に
複雑に曲がりくねったものとなりがちである。
本実施例においては、このような複雑形状の排気マニホ
ルドを用いずに極めてコンパクトなモジュラーパルス型
マニホルドを用いている。すなわち、第3図を参照する
と、この排気マニホルド2は各シリンダからの排気ガス
が流路2aに合流する部分2b〜2eがそれぞれ狭くなってお
り、このため、排気ガスが各シリンダから効果的に吸い
出され、排気干渉が少ないために、各シリンダからの排
気ガスの動的エネルギである脈動の減衰が少ないという
効果を有するものである。
ここで、先に触れた排気バイパス弁駆動装置6について
詳細に説明すると、前述の如く高圧段ターボチャージャ
3による過給圧が所定値以下のときは排気バイパス弁5
を全閉状態に維持し、この過給圧が所定値となると排気
バイパス弁5を徐々に開き、低圧段ターボチャージャ8
による過給圧が所定値に達した過給切り替え時には排気
バイパス弁5を全開状態にする、というように排気バイ
パス弁駆動装置6を介して排気バイパス弁5を開閉制御
する必要がある。
一般に車両に搭載される各種機器制御用の駆動装置は、
圧力作動式の単動アクチュエータが多く、これらは概ね
単一のばねを内蔵したリニアな動特性を有する。このた
めこの単動アクチュエータを用いて排気バイパス弁駆動
装置を構成すると、このアクチュエータのばね定数によ
り排気バイパス弁がリニアな開弁特性を有することにな
る。このため、過給切り替え時に排気バイパス弁が全開
となるようにばね定数を設定すると、排気バイパス弁が
開き始めるのが早まり(いわゆるインタセプト点が下が
る)、過給圧が全般的に下降する結果、低速域の出力が
低下するという不都合がある。一方、排気バイパス弁が
開き始めるのを遅らせる(アクチュエータのばね定数を
大きくする)、すなわちインタセプト点を上げれば低速
域の出力は低下しないが、今度は過給切り替え時に排気
バイパス弁が全開とならないために高圧段ターボチャー
ジャが有効作動範囲を越えて過度に回転することにな
り、耐用寿命の低下、そして背圧上昇による出力低下等
の不都合が招来されてしまう。
このような問題に対しては、排気バイパス弁を駆動する
アクチュエータを例えば多段階作動自在なものとすれば
解決できる。すなわち、インタセプト点を高く維持しな
がらも過給切り替え時には一気に排気バイパス弁が全開
するように少なくとも二段階的に弁駆動速度を異ならせ
れば良い。
以下、これを実現し得る排気バイパス弁駆動装置6の好
ましい例を幾つか記載する。
第4図はこの排気バイパス弁駆動装置6の第一の例の縦
断面図である。第1の圧力作動室61は通路11を介して高
圧段コンプレッサの出口側に連通されており、従ってこ
の過給圧P6に応じてフランジ62ひいてはこのフランジ62
に連結されたロッド63が圧縮ばね64の付勢力に打ち勝ち
ながら図では左方向に変位する。このとき耐熱性のある
例えば金属製のダイヤフラム65等により第1圧力作動室
61から気密的に隔離されたダイヤフラム室66内の空気
は、その大部分がロッド63とこれが貫通する胴部67の穴
との隙間、そして胴部67のこの穴に形成した内周溝68及
びこの内周溝から外部に延びる通路69を介して大気に開
放される。
本駆動装置6は、このような駆動構造に加えて、さらに
次のような駆動構造を有する。すなわち、第2の圧力作
動室71が設けられ、この第2の圧力作動室71は通路12を
介して低圧段コンプレッサの出口側に連通される。この
通路12内には電磁式の三方弁19が介装され、例えば三方
弁19の非励磁時には第2圧力作動室71を大気開放し、励
磁時には第2圧力作動室71に低圧段コンプレッサ出口側
の過給圧P5が作用し得るようになっている。
従って、第1圧力作動室61内に所定の高圧段コンプレッ
サ出口側過給圧P6が作用しロッド63が変位してロッド63
上に設けた突起部63aが例えば図示破線位置Aに移動し
ている場合に、三方弁19が切り替わり第2圧力作動室71
に過給圧P5が作用すると、耐熱性のある例えば金属製の
ダイヤフラム75と共にダイヤフラム室76を第2圧力作動
室71から気密的に隔離するフランジ72はロッド63上を摺
動する。そして破線位置Aにあるロッド63の突起部63a
と斜面係合しさらに突起部63aを図示破線位置Bまで移
動させる、すなわちロッド63が移動することになる。こ
のときダイヤフラム室76内の空気はロッド63とこれが貫
通するキャップ77の穴との隙間から大気に開放される。
なお、第2圧力作動室71内の正圧空気はその極く一部が
ロッド63とこれが貫通する胴部67の穴との隙間から漏出
するが、それらはロッド63を戻し方向に作用させるダイ
ヤフラム室66に流入する前に内周溝68及び通路69を介し
て大気開放されるため特に不都合は生じない。
以上のように、本駆動装置6によれば、第1圧力作動室
61内に高圧段コンプレッサ出口側過給圧P6を作用させる
ことにより、この圧力に応じてロッド63をリニアに移動
させることができ、従ってこのロッド63により図示しな
いリンク機構を介して排気バイパス弁5の開度が一元的
に制御される。そして、三方弁19を介して第2圧力作動
室71に正圧、例えば低圧段コンプレッサ出口側過給圧P5
を作用させることにより排気バイパス弁5の開度を二元
的に制御できる。すなわち、低圧段コンプレッサ出口側
過給圧P5が所定圧に達する前までは高圧段コンプレッサ
出口側過給圧P6に応動して排気バイパス弁5の開度を制
御し、過給圧P5が所定圧に達した時点では急速に排気バ
イパス弁5を全開させる、というような二段階的な弁制
御が可能となる。
次に、排気バイパス弁駆動装置6の第二の例について説
明する。第5図を参照すると、第1の圧力作動室81及び
第2の圧力作動室91は通路11及び12を介してそれぞれ高
圧段コンプレッサ出口側及び低圧段コンプレッサ出口側
に連通され、通路12内に三方弁19が介装される。
耐熱製のベローズ85,95により第1圧力作動室81及び第
2圧力作動室91からそれぞれ気密的に隔離されたベロー
ズ室86,96内には圧縮ばね84,94がそれぞれ配置され、ベ
ローズ85,95を図では右方向に付勢している。ベローズ8
5はフランジ82等と共にピストンロッド83に一体移動自
在に連結され、同様にベローズ95はフランジ92等と共に
ロッド93に一体移動自在に連結される。このロッド93は
図示しないリンク機構を介して排気バイパス弁5に連結
されている。
従って、第1圧力作動室81内に所定の高圧段コンプレッ
サ出口側過給圧P6が作用しピストンロッド83が移動する
と、このピストンロッド83の先端部が第2圧力作動室91
内のフランジ92に当接しこれを押圧するためロッド93も
同様に移動することとなる。このときばね84,94を共に
圧縮させるため(ばね84,94のばね定数をそれぞれk1,k2
とすると、共に圧縮させる場合(k1+k2)のばね定数を有
するばねを圧縮するのに等しい)、排気バイパス弁5を
開閉させるには相当なる過給圧P6が必要である。また、
このときベローズ室86内の空気はピストンロッド83とこ
れが貫通する基部87の穴との隙間から第2圧力作動室91
を通って大気開放される。同様に、ベローズ室96内の空
気はロッド93とこれが貫通する支持部97の穴との隙間か
ら大気開放される。
このように所定の高圧段コンプレッサ出口側過給圧P6
第1圧力作動室81に作用し、ピストンロッド83ひいては
ロッド93が所定量移動している場合に、三方弁19が切り
替わり第2圧力作動室91に過給圧P5が作用すると、フラ
ンジ92、ベローズ95そしてロッド93がさらに前進するこ
とになる。このとき実質的に圧縮するのはばね定数k2
ばね94のみである。また、このときフランジ82、ベロー
ズ85、そしてピストンロッド83はロッド93の前進に対し
追従して前進するが、第2圧力作動室91内の正圧の空気
がピストンロッド83とこれが貫通する基部87の穴との隙
間からベローズ室86内に流入してピストンロッド83の戻
り方向に作用するためピストンロッド83は後退するよう
になる。しかしながら、この動きはロッド93ひいては排
気バイパス弁5の作動に影響するものではなく、特に不
都合はない。
以上のように本駆動装置6によれば第1圧力作動室81内
に高圧段コンプレッサ出口側過給圧P6を作用させること
により、この圧力に応じてピストンロッド83ひいてはロ
ッド93をリニアに移動させることができ(このときの駆
動系のばね定数は(k1+k2)である)、従って排気バイパ
ス弁5の開度が一元的に制御される。そして、三方弁19
を介して第2圧力作動室91に正圧、例えば低圧段コンプ
レッサ出口側過給圧P5を作用させることにより、ピスト
ンロッド83の動きに左右されずにロッド93をより迅速に
移動させることができる。(このときの駆動系のばね定
数はk2となる)。すなわち、例えばばね94のばね定数k2
を予めばね84よりも比較的小さく設定しておくことによ
り、低圧段コンプレッサ出口側過給圧P5が所定値に達す
る前までは高圧段コンプレッサ出口側過給圧P6に応動し
て排気バイパス弁5の開度を制御し、過給圧P5が所定圧
に達した時点では急速に排気バイパス弁5を全開させ
る、というように前記第1の例の駆動装置と同様な二段
階的な弁制御が可能となる。
以上説明したように排気バイパス弁駆動装置6は複動的
な動きが必要とされる場合が多くその構造が複雑となり
大型化、高重量化しがちである。従って、前述の如くこ
のような重い駆動装置を如何にしっかり取り付けるかが
問題となるわけであるが、本実施例の取り付け構造によ
り、このような駆動装置6の高重量化にも十分対応可能
となる。
なお、これら排気バイパス弁駆動装置6はエンジンシリ
ンダブロックに直結するため、その熱害を避ける観点か
ら、耐熱性のある部品で構成されているが、水冷、空冷
などの機構を組み込んだ一般的なアクチュエータ(図示
せず)で構成することもできる。
〔考案の効果〕
このように、本考案による二段ターボエンジンによれ
ば、低圧段ターボチャージャは排気マニホルドにかなり
接近して配置されると共に高圧段ターボチャージャはそ
れに直結されており、各機関速度領域においてモジュラ
ーパルス型排気マニホルドを使用して排気ガスのエネル
ギを効率良く回収できる二段ターボエンジンをかなりコ
ンパクトなものとすることができ、加えて排気バイパス
弁の駆動装置は、シリンダブロックに直接取り付けられ
ており、シリンダブロックと同様に振動する排気マニホ
ルドに直結された排気バイパス弁と、同じ振幅及び位相
で振動し、両者の間に相対的な位置変動を生じないため
に、排気バイパス弁の高精度の動作を保証することがで
きると共に、排気バイパス弁及びその駆動装置の耐久性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による二段ターボエンジンの排気マニホ
ルド近傍の分解斜視図、 第2図は本考案による二段ターボエンジンの排気マニホ
ルド近傍の平面図、 第3図は排気マニホルドの排気ガス流れ方向に沿う縦断
面図、 第4図は排気バイパス弁駆動装置の第1の例を示す図、 第5図は排気バイパス弁駆動装置の第2の例を示す図で
ある。 1……エンジン、2……排気マニホルド、 3……高圧段ターボチャージャ、 5……排気バイパス弁、 6……排気バイパス弁駆動装置、 7……異形管継手、 8……低圧段ターボチャージャ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒の排気ポートと連通する排気マニホ
    ルドと、高圧段ターボチャージャと、高圧段ターボチャ
    ージャの第1タービンより排気下流に位置する第2ター
    ビンを有する低圧段ターボチャージャと、第1タービン
    をバイパスする排気バイパス通路と、排気バイパス通路
    に配置された排気バイパス弁、とを有する二段ターボエ
    ンジンにおいて、前記排気マニホルドがモジュラーパル
    ス型であり、前記第1タービンの排気入口が前記排気マ
    ニホルドの端部に設けられた第1集合開口部に直結さ
    れ、前記排気マニホルドの中央側に設けられた第2集合
    開口部に前記排気バイパス弁を支持する排気バイパス弁
    ハウジングの片側が直結され、前記第2タービンの排気
    入口がバイパス弁ハウジングの他側に略直結されると共
    に前記第1タービンの排気出口に接続管を介して連結さ
    れ、機関低速運転領域では前記排気バイパス弁を全閉と
    し、機関高速運転領域では前記排気バイパス弁を全開と
    し、機関中速領域では前記排気バイパス弁を前記高圧段
    ターボチャージャと前記低圧段ターボチャージャの過給
    圧に応じた中間開度とする前記排気バイパス弁の駆動装
    置がエンジンのシリンダブロックに直接取り付けられる
    ようにしたことを特徴とする二段ターボエンジン。
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