JPH0647983Y2 - トイレの排臭構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はトイレの床付近に籠る臭気を排出する為の排臭
構造に関する。

（従来の技術） トイレには或る程度の臭気が付きもので、これを排出す
る為の工夫が諸種施されており、最近では、利用者の上
体廻りで臭気が鼻につくようなことは稀である。だが、
換気方式や便器のタイプによっては、まだ床付近に臭気
が滞留することがあり、たとえ利用者がこれに気付かず
にいるとしても、出来れば、効果的に排出しておきた
い。

そこで、従来は、トイレルームの下部に吸引通風口を設
け、こゝに向かう気流の伴流効果で、床付近の臭気を排
出するようにしていた。

（考案が解決しようとする課題） この為、伴流効果の及ぶ床領域が吸引通風口の近くに限
られ勝ちで、少し離れると実質的な効果を期し難い一面
があった。

この点、通風口の左右方向に付いては、同様な通風口を
連在せしめ、或いは開口幅を広げることで対処できる
が、前後方向つまり対向する側に離れる場合には、そこ
そこの距離までゝ妥協せざるを得ない。

本考案は斯かる従来のトイレの排臭構造における問題点
を有効に解決すべく為されたもので、その目的とする処
は、吸引通風口と対向する側に離れた床上の位置におい
ても有効な伴流効果を期待することのできるトイレの排
臭構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、トイレルームの下部に
床を挟んで吸引通風口と吹出通風口とを対向配置し、床
の上部に、吹出通風口から吸引通風口に向かう導風溝を
複数条設ける。

（作用） 吹出通風口からトイレルーム内に送風し、且つトイレル
ーム内の空気を吸引通風口から吸引して、吹出通風口か
ら吸引通風口へ向かう気流を発生させる。そして、吹出
通風口から吸引通風口へ向かう気流を、複数条の導風溝
に沿って流し、床に篭っている臭気を排出する。

（実施例） 以下、本考案の実施例に付き、添付図面に基ずいて詳細
な説明を行なう。

先ず、第１図を参照して、本実施例が適用される小便所
の概要を説明しておく。

第１図は小便所の縦断面図である。

図中、Ｔは小便所の全体を表し、小便所Ｔは、建物躯体
の床Fb上に床ランナーRf1,Rf2を定着付設して夫々壁パ
ネルPw1,Pw2を建並べることにより、相対向する側壁Ws
と間仕切壁Wpを形成し、これに廻縁付天井ランナーRc1,
Rc2を嵌着して天井パネルPcを保持せしめ、斯くして得
たトイレスペースStの側壁Ws沿いエリアに配管ユニット
10を連設し、その前方、間仕切壁Wpとの間を防水下地タ
イル仕上床Ftとなし、以って、配管ユニット10の前面パ
ネル11中央部に小便器12を着設すると共に、これを見上
げる床Ft領域に小便器利用者の足場となる低目のステッ
プ13を設け、両者10,13の中間レベルにガラリの吸引通
風口１を開口させた構成のもので、通風口１は、配管ユ
ニット10内蔵の排臭管２を介して室外の強制換気ダクト
３に通じており、ステップ13上面近辺の空気を常時吸引
している。

以上において、本実施例では、床Ftを挟んで上記吸引通
風口１と対向する間仕切壁Wpの下部にガラリの吹出通風
口４を設けて、床Ft上に籠る臭気を排出するようにして
いる。

つまり、前記間仕切壁を二重壁20として、これにダクト
５を縦通し、その中に強制通風ファン６を介設すると共
に、ダクト下端5aを壁パネルPw2下部のガラリにつなげ
て吹出通風口４を得た構成になっており、二重壁20は、
床ランナーRf2の少し外側に別の平行なランナー21を敷
設して壁パネル22を建並べると共に、天井ランナーRc2
を二チャンネル一体品としてこれ22の台輪23を兼ねさせ
た構造を備え、ダクト５の上端5bが壁パネル22の上部に
設けたフィルター７を介して隣りのトイレスペースSt′
に通じている。

本実施例によれば、吸引通風口１と対向する側に離れた
床Ft上の領域であっても、これに臨む吹出通風口４から
のドラフトにより、そこいらの臭気を伴流する強制気流
が通風口１に向かって生じる。

この点、小便器12上の人影センサー14と強制通風ファン
６のモーター6aとを適宜な電気回路で結び、小便器利用
者が立去った後、所定時間だけファン６を作動させるよ
うにしても良い。

また、逆に、利用者が居る間だけ、ファン６を作動させ
るようにしても良く、その場合、好ましくは、ダクト５
の上端5bを空調設備の整った他の部屋につなげ、或い
は、温調自在なエア送給源と接続する。

尚、上記実施例においては、強制気流の方向が配管ユニ
ット10に対し略垂直になっており、排臭系１〜７の枝路
数がユニット10の連設数と比例することになるが、気流
方向を配管ユニットと略平行にしてコストの低減を図る
ことは差支えず、そうした場合の実施例を第２図及び第
３図に基き説明する。

第２図は別実施例に係る小便所の縦断面図、第３図はそ
の３−３線拡大断面図であり、前記実施例と同様な部材
は同じ参照番号で表わされている。

図中、30,40は、小便器付配管ユニット10が連設された
便所側壁Wsの対隣壁即ち、側壁Ws1の交差壁の内、相対
向して隣り合うもの同志を為す一対の二重壁で、前記壁
20と同様な構造を有し、本実施例の場合、排臭系１〜７
の内、吸引通風口１と排臭管２が右方の壁30に設けら
れ、これと対向する左方の壁40に、吹出通風口４、通風
ダクト５及び強制通風ファン６とフィルター７が配設さ
れており、通風口４から通風口１に至る強制気流がステ
ップ13上面近辺の臭気を伴流排出するようになってい
る。

尚、本実施例の場合、好ましくは、通風口1,4間の距離
を考慮し、ステップ13の上面に導風溝８…を複数条設
け、気流の乱流化を可及的に防止する。

（考案の効果） 以上の説明により明らかな如く、本考案によれば、トイ
レルームの下部に床を挟んで吸引通風口と吹出通風口と
を対向配置し、床の上部に、吹出通風口から吸引通風口
に向かう導風溝を複数条設けたことにより、吹出通風口
から吸引通風口に向かって発生した気流が複数条の導風
溝に沿って流れるので乱流になる恐れはなく、吸引通風
口から離れた床領域であっても、そこを通る気流にのせ
て臭気を吸引し易くなり、排出効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を適用した小便所に付き示したも
ので、第１図は小便所の縦断面図、第２図は別実施例に
係る小便所の縦断面図、第３図は第２図の３−３線拡大
断面図である。 尚、図中、１は吸引通風口、２は排臭管、３は強制換気
ダクト、４は吹出通風口、５はダクト、６は強制通風フ
ァン、７はフィルター、８は導風溝、10は排管ユニッ
ト、12は小便器、13はステップ、20,30,40は二重壁、Fb
は床、Ftは防水地下タイル仕上床、Stはトイレルーム
（トイレスペース）、Ｔは小便所、Wsは側壁を表わして
いる。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トイレルームの下部に吸引通風口を設けて
   床付近の臭気を排出するようにしたトイレの排臭構造に
   おいて、 前記床を挟んで前記吸引通風口と対向する位置に吹出通
   風口を設け、前記床の上部に、前記吹出通風口から前記
   吸引通風口に向かう導風溝を複数条設けたことを特徴と
   するトイレの排臭構造。