JPH0647780U - サーモスタットミキシングバルブ - Google Patents
サーモスタットミキシングバルブInfo
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- JPH0647780U JPH0647780U JP8413392U JP8413392U JPH0647780U JP H0647780 U JPH0647780 U JP H0647780U JP 8413392 U JP8413392 U JP 8413392U JP 8413392 U JP8413392 U JP 8413392U JP H0647780 U JPH0647780 U JP H0647780U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 サーモスタットミキシングバルブにおいて、
より少ない部材でまたよりコンパクトな構造で自動温度
調整機能を実行できるようにすること。 【構成】 自動温度調整機能を持つサーモスタットミキ
シングバルブにおいて、感温機能部が高温に曝されてい
るときに弁体を湯弁座側に押そうとする負荷の逃がしを
湯弁座側の弾性変形による弁体の移動や湯弁座自身の移
動によって行う。これにより、感温機能部の負荷の逃げ
機構を弁体と湯弁座とを利用して構成でき、装置の小型
化を可能とする。また、給湯圧を受けて水弁座側に付勢
されるように弁体自身に受圧面を形成することで、スプ
リング等の機械的な手段を組み込むことなく水弁座側へ
の付勢構造を得る。
より少ない部材でまたよりコンパクトな構造で自動温度
調整機能を実行できるようにすること。 【構成】 自動温度調整機能を持つサーモスタットミキ
シングバルブにおいて、感温機能部が高温に曝されてい
るときに弁体を湯弁座側に押そうとする負荷の逃がしを
湯弁座側の弾性変形による弁体の移動や湯弁座自身の移
動によって行う。これにより、感温機能部の負荷の逃げ
機構を弁体と湯弁座とを利用して構成でき、装置の小型
化を可能とする。また、給湯圧を受けて水弁座側に付勢
されるように弁体自身に受圧面を形成することで、スプ
リング等の機械的な手段を組み込むことなく水弁座側へ
の付勢構造を得る。
Description
【0001】
本考案は、自動温度調整機能を持つサーモスタットミキシングバルブに係り、 特に弁体周りの構造を簡単にした装置構成に関する。
【0002】
自動温度調整機能を持つサーモスタットミキシングバルブは、たとえば浴室用 のシャワー設備や洗面化粧台等に備える湯水混合栓として利用されている。
【0003】 このサーモスタットミキシングバルブとしては、たとえば特公昭63−522 67号公報に記載されたものがその典型である。これは、熱膨張・収縮性のワッ クスを封入した感温体を用い、この感温体の熱膨張・収縮を変換手段として弁体 を移動させ、湯側と水側の弁開度を変更することによって、自動温度調整を行う 構成としたものである。
【0004】 図8は先の公報に記載のサーモスタットミキシングバルブの構造の概要を示す ものである。
【0005】 このサーモスタットミキシングバルブは、本体50の中に収納した弁体51を 感温体52に接合し、スピンドル53aを介して感温体52に連接した操作ハン ドル53によって弁体51の位置を設定可能としたものである。弁体51は本体 50に設けた水弁座50aと湯弁座50bとの間の弁開度を一軸上で変え、これ によって水と湯との量比を設定して混合水の温度を設定される。
【0006】 また、混合水の温度に応じて感温体52のピン52aが軸線方向へ出没し、こ れによってもし混合水が高温になれば弁体51が図において左側へ移動して混合 水の温度を低下させ、逆に低温に変動すればピン52aの後退によって弁体51 を右側へ移動させて混合水の温度を上昇させる。
【0007】 このように、感温体52を混合水の流路に組み込むことによって、混合水の温 度変動の際には感温体52の動作を利用して弁体51を移動させることができ、 温度変動を補償した自動温度調整が可能である。
【0008】
弁体51は感温体52によって湯弁座50b側へ押されるため、高温側に設定 する作用力を外部から与える必要がある。このため、従来構造では弁体51を水 弁座50a側に付勢する作動スプリング54を弁体51と本体50の内壁との間 に組み込むようにしている。
【0009】 また、使用している間に給湯圧が急激に高くなったときや湯の温度の急上昇を 生じたときには、感温体52のピン52aもこれに応じて大きく進出し、弁体5 1を湯弁座50b側に押して着座させる。そして、給湯の温度が高い状態が続け ば更にピン52aは外側へ突き出ようとする。一方、この温度上昇時でも、スピ ンドル53aは操作ハンドル53によって設定された位置に止まったままである 。したがって、弁体51が湯弁座50bに着座した後でもピン52aが突き出よ うとする力を逃がすことができない。
【0010】 このようなことから、図示のように、ピン52aとスピンドル53aとの間に 安全スプリング55を組み込み、ピン52aの突き出しをこの安全スプリング5 5によって吸収するようにし、感温体52の破損を防いでいる。
【0011】 ところが、弁体51をその軸線方向に移動させることで弁開度の設定や自動温 度調整を行うのが基本であるため、作動スプリング54,弁体51,感温体52 ,安全スプリング55及びスピンドル53をこの順に配列することになり、この ような配列構造は設計上の点から変更できない。したがって、弁体51を含む各 部材の軸線長さには下限があり、本体50の長さにも制限を受けるほか、デザイ ンの自由度にも影響を及ぼす。
【0012】 また、作動スプリング54と安全スプリング55を付属するので、これらの部 品点数の増加と組立て工数とによってコスト面での障害も無視できない。
【0013】 このように、従来構造では、自動温度調整に最小限必要な弁体と感温体のほか に、作動スプリングや安全スプリング等を付属しなければならず、これによって 生じる不利な点も多い。
【0014】 本考案において解決すべき課題は、より少ない部材でしかもよりコンパクトな 構造で自動温度調整機能を実行できるサーモスタットミキシングバルブを提供す ることにある。
【0015】
本考案は、水流入口と湯流入口とを軸線方向に間隔をおいて周壁に開けたハウ ジングと、前記水流入口と湯流入口との間の前記ハウジングの内壁を摺動面とし て軸線方向に移動可能に組み込んだ弁体と、前記水流入口側で前記弁体の軸線方 向の一端面に対向する水弁座と、前記湯流入口側で前記弁体の軸線方向の他端面 に対向する湯弁座と、前記水弁座の下流側のハウジングの周壁に開けた混合水流 出口と、前記混合水流出口までの混合水流路中に組み込まれ前記弁体を温度設定 用の操作部に連接し且つ該弁体を前記湯弁座側に付勢する感温機能部とを備えた サーモスタットミキシングバルブにおいて、前記湯弁座に前記弁体の外径より僅 かに小さい弾性素材のシール環を備え、前記弁体の湯弁座への着座時に、前記感 温機能部からの付勢力によって前記シール環の内部に前記弁体を進出可能とした ことを特徴とする。
【0016】 また、前記弁体を、前記湯弁座を向く側を大径の大環とすると共に前記水弁座 を向く側を小径の小環とし、前記大環と小環の外径差によって前記湯弁座側を向 く面に環状の受圧面を形成し、前記受圧面に作用する給湯圧によって前記弁体を 前記水弁座方向に付勢可能とすることもできる。
【0017】 更に、前記弁体を前記水弁座側に付勢する作動スプリングを前記ハウジングの 一端から前記弁体までの間に介装し、前記湯弁座を前記作動スプリングが貫通す る中空体の湯弁座環として構成する共に該湯弁座環を軸線方向へ移動可能に前記 ハウジングに収納し、更に前記湯弁座環を前記弁体側に向けて付勢する安全スプ リングを前記作動スプリングと同心配置した構成としてもよい。
【0018】
混合水の温度が高くなったときには感温機能部の付勢力によって弁体が湯弁座 側に押される。そして、高温状態が継続したような場合では、感温機能部の付勢 力はそのままか又はそれ以上に維持され、弁体にも負荷が加わる。これに対し、 弁体は湯弁座のシール環を弾性変形させながらその中に入り込むので、感温機能 部の付勢力を逃がすことができる。
【0019】 また、給湯圧を受ける受圧面を弁体が湯弁座側を向く面に設けることによって 、給湯圧によって弁体を水弁座側に付勢できる。したがって、弁体を水弁座側に 付勢するスプリング等の機械的な手段が不要となる。
【0020】 更に、湯弁座をその軸線方向に移動可能な湯弁座環とすると共にこれを弁体側 に安全スプリングによって付勢しておけば、弁体が高温時に着座した後に感温機 能部の付勢力が継続されたときでも、弁座環を後退させることによって弁体も一 緒に感温機能部から離れる向きに動く。したがって、感温機能部からの負荷を湯 弁座環の移動によって逃がすことができる。
【0021】
図1はサーモスタットミキシングバルブの要部の構造の概略を示す正面縦断面 図、図2は図1のA−A線矢視による縦断面図である。
【0022】 図において、湯水混合栓の本体(図示せず)の中に組み込まれるハウジング1 の周壁には軸線方向に間隔をおいて水流入口1a及び湯流入口1bをそれぞれ開 けると共に、これらの流入口1a,1bに連通する下流側には混合水流出口1c を開けている。水流入口1aは湯水混合栓の本体の中の給水室に連通し、同様に 湯流入口1bと混合水流出口1cはそれぞれ湯室及び混合室に連通し、この混合 室を経由して混合水が吐出端から吐出される。
【0023】 ハウジング1の内部には、水流入口1a側及び湯流入口1b側にそれぞれ水弁 座2及び湯弁座3を設ける。そして、これらの水弁座2と湯弁座3との間には、 軸線方向に移動可能な弁体4を組み込む。弁体4は中空の円筒状であってその軸 線方向の両端面を水弁座2及び湯弁座3への着座面とし、内部に設けた隔壁4a に連絡孔4bを開けて湯側を混合水流出口1c側へ連通させたものである。
【0024】 この弁体4によって、ハウジング1の中は、左から順に給湯室1d,給水室1 e及び混合室1fにそれぞれ区画され、給湯室1dの中には弁体4を水弁座2側 に付勢する作動スプリング5を組み込む。
【0025】 湯弁座3には、合成樹脂またはゴムを素材とした弾性変形可能なシール環3a を組み込む。このシール環3aの内径は、図2に示すように弁体4の外形よりも 僅かに小さく、弁体4が図1において左側に移動するときにその左端面が突き当 たって後、図3の(b)に示すようにこの弁体4の移動を受容して中まで進入可 能とする。一方、弁体4は湯弁座3のシール環3aへの突き当て面を円弧状とし 、シール環3aをハウジング1の内壁から剥離させることなくその中に速やかに 嵌まり込めるようにする。
【0026】 混合室1fの中には感温機能部としての感温体6を組み込む。この感温体6は 従来技術の項でも説明したように、容器6aの中に熱膨張,収縮性のワックスぺ レットを封入し、容器6aの一端を弁体4の隔壁4aに結合すると共に他端には ワックスぺレットの膨張,収縮によって軸線方向に出没するピン6bを設けたも のである。
【0027】 感温体6はハウジング1の内周にネジ接合して外部まで突き出るスピンドル7 に連接され、スピンドル7に一体としたハンドル7aの回転操作により軸線方向 へシフトされる。すなわち、容器6aの先端部のピン6bがスピンドル7の端部 に設けた受容孔7bの中に摺動可能に差し込まれ、スピンドル7が回転しながら 軸線方向に移動するときには、容器6aとピン6bは軸線方向のみの作用力を受 け回転を伴うことなく移動する。そして、感温体6が図1において左側に移動す るときは弁体4は感温体6に押されて一体に動き、感温体6が右へ移動するとき は作動スプリング5の付勢力によって弁体4も右側へ移動可能である。
【0028】 以上の構成において、図1の状態では弁体4は水弁座2及び湯弁座3との間の それぞれの弁開度をほぼ等しくした位置に設定されている。この位置設定は、ス ピンドル7のハンドル7aの回転操作によって行い、スピンドル7の軸線方向へ の移動によって、弁体4の位置を決めて混合水の温度を設定する。
【0029】 混合水の温度を設定した後に、給水,給湯圧の変動や温水の温度変化等によっ て混合水の温度が下がると、感温体6のワックスぺレットが収縮する。このため 、ピン6bが容器6a側に入り込むように移動することと、ピン6bがスピンド ル7によって拘束されて弁体4自身も作動スプリング5によって水弁座2側へ付 勢されていることから、弁体4は図1において右側へ移動する。したがって、水 弁座2側の弁開度は小さくて湯弁座3側の弁開度は大きくなり、水と湯の量比が 変更され高温側に設定され、温度降下を自動的に補償して調整する。
【0030】 また、混合水の温度の設定後に上昇する側に温度変動すると、感温体6のワッ クスぺレットの熱膨張によってピン6bが容器6aから突き出る方向に移動する 。これにより、停止したままのスピンドル7に対して容器6aが図1において左 側へ移動し、弁体4を湯弁座3側にシフトする。したがって、湯弁座3側の弁開 度は小さくて水弁座2側の弁開度は大きくなって高温側に設定され、混合水の温 度を自動的に低下させる。
【0031】 ここで、給湯圧や給湯温度が急激に上昇したときには、従来技術の項でも説明 したように、弁体4が湯弁座3に着座して給湯を停止させても、余熱と応答遅れ によってワックスぺレットは更に一時的に膨張する。このため、ピン6bも外側 へ突き出ようとする動きが継続され、弁体4を湯弁座3に強く押しつける。
【0032】 このようなピン6bの突き出しによる弁体4への押付け力に対し、湯弁座3の シール環3aは弾性変形して、図3の(b)に示すように弁体4を受け入れる。 すなわち、通常の着座状態は図3の(a)のように弁体4の着座面が、弁体4の 外形よりも僅かに小さい内径のシール環3aの端面に突き当たって止水されるの に対し、弁体4の或る程度以上の軸線方向の外力が加わると、シール環3aが変 形して弁体4の移動を許す。
【0033】 このように、弁体4は湯弁座3への着座位置から更にその移動方向へ進むこと ができ、ピン6bの突き出しをこの弁体4の移動によって逃がすことができる。 したがって、異常高温の状態が続いても、感温体6はその他の部材に大きな応力 が発生することがなく、損傷が防止される。そして、従来構造では必要であった 安全スプリングを組み込むことが不要となり、構造が簡単で部品点数の削減も可 能となる。
【0034】 図4は従来構造における作動スプリングを不要とした例を示す縦断面図である 。なお、図1の例と同じ部材については共通の符号で指示し、その詳細な説明は 省略する。
【0035】 図において、水弁座2と湯弁座3との間に組み込まれる弁体4は、隔壁4aよ りも水弁座2側の外径に対して湯弁座3側の外径を大きくした異径体である。す なわち、水弁座2側を小環4cとすると共に湯弁座3側を大環4dとし、図5の 拡大断面図に示すように、これらの小環4cと大環4dとの間であって湯弁座3 を向く側に段差状の受圧面4eを形成している。
【0036】 また、この異径の弁体4を摺動可能に支持するハウジング1の内周も段差状に 形成され、小環4cと大環4dとの間であって水弁座2を向く側の環状面4fと の間に空気を給排可能なチャンバ8を区画可能とする。このチャンバ8はハウジ ング1に開けた孔8aによって外部に連通し、接続管8bを通して湯水混合栓の 本体の外部に大気開放させたものとする。
【0037】 感温体6も図1の例と同様の構造を持つが、容器6aから突き出るピンは、図 8の従来例と同様に安全スプリングを介してスピンドル7に連接したものとする 。そして、この感温体6による弁体4のシフトを利用した自動温度調整機能も先 の例と全く同様であるが、作動スプリングによる弁体4の付勢に代えて給湯圧を 利用する点のみが異なる。
【0038】 湯流入口1bからの湯は弁体4の左側から流入して隔壁4aの連絡孔4bを抜 けて混合室1f側へ流れ去る。このとき、給湯圧は弁体4の着座面部分と受圧面 4eに作用して弁体4を図5において右側へ移動させようとする。一方、水流入 口1aからの水も水室1e内で弁体2の水側の着座面に水圧を作用させる。
【0039】 このような給水と給湯の圧力が作用するとき、もし給水,給湯圧が等しかさほ ど違いがない場合では、水側と湯側の着座面部分への圧力負荷は相殺される。し たがって、受圧面4eに作用する給湯圧のみが実質的な作用力となり、これによ って弁体4を水弁座2側へと付勢することができる。
【0040】 一方、チャンバ8内の空気は孔8a及び接続管8bによって大気開放されてい るので、弁体4に給湯圧が作用するときにはチャンバ8内の空気を押し出すよう にして弁体4が水弁座2側へと移動する。したがって、感温体6の位置に応じて 弁体4を水弁座2側へ給湯圧を利用してシフトすることができ、従来構造では必 要であった作動スプリングを組み込むことが不要となる。
【0041】 図6は湯弁座を移動式として感温体のピンの突き出しによる逃げを持たせ、作 動スプリングと安全スプリングとを同心上に二重配置することで全体の長さを短 くした例の要部を示す縦断面図である。
【0042】 ハウジング1の中に組み込む弁体4は図1の例の場合と実質的に同様であり、 感温体6の容器6aの一端を隔壁4aに結合している。また、感温体6のピンも 、図1の例と同様にハンドル操作によって回転するスピンドルに対して軸線方向 に摺動可能に連接されたものとする。
【0043】 水流入口1a側に位置して弁体4の端面が着座する水弁座2は先の2例と同様 にハウジング1の内壁を利用したもので、その位置は固定されている。これに対 し、湯流入口1b側の弁座は軸線方向に移動可能な湯弁座環9として組み込む。 この湯弁座環9は、ハウジング1の内壁に水密状として軸線方向に移動可能であ り、その一端面を弁体4の着座面9aとしたものである。
【0044】 ハウジング1の一端にはプラグ10を設け、このプラグ10と弁体4との間に 作動スプリング11を介装し、図1の例と同様に弁体4を水弁座2側に付勢する 。また、この作動スプリング11の外側には、プラグ10と湯弁座環9との間に 安全スプリング12を組み込み、これによって湯弁座環9を弁体4側へ付勢可能 とする。
【0045】 混合水の温度変動に対する感温体6の作動及び弁体4の動きによる自動温度調 整は先に述べた二つの例と全く同様であり、感温体6のピンが後退したときには 弁体4は作動スプリング11の付勢力によって水弁座2側へと押される。
【0046】 一方、混合水が高温になると、弁体4は湯弁座環9側へ接近して異常高温時に は最終的に着座面9aに着座する。そして、混合水の余熱と感温体6のワックス ぺレットの応答遅れによってピンが進出しようとすると、図1の例と同様に感温 体6はその一端をスピンドルに拘束されているので、弁体4を更に湯弁座環9側 に押そうとする。
【0047】 このような異常高温時の弁体4の動きに対し、着座面9aが弁体4に押されて いる湯弁座環9は安全スプリング12を圧縮して図6において左側へ移動可能で ある。このため、ピンの進出による作用力を湯弁座環9の移動によって吸収する ことができ、感温体6やその他の部材の損傷を防ぐことができる。
【0048】 また、従来では作動スプリング11と安全スプリング12とを軸線方向に並べ る配置であったのに対し、作動スプリング11の中に安全スプリング12を納め てしまう構造なので、これらのスプリング11,12が軸線方向に占める嵩が縮 まる。したがって、ハウジング1の軸線長さも短くすることができ、コンパクト 化が図られる。
【0049】 更に、図8に示した従来構造では、弁体51を水弁座50a側に付勢する作動 スプリング54に対して、弁体51が水側を止水しないようにするため安全スプ リング55のバネ力を大きくする必要があった。これに対し、図6の構成であれ ば、湯弁座環9を受け止めるバネ力を持たせるだけで済み、バネ力の小さなもの を採用できる。
【0050】 ここで、感温体6を用いる場合では、そのピン6aの出没方向と弁体4との動 きの関係から、水弁座2を感温体6側に位置させ、湯弁座3は離れた側に設ける という制約を受ける。こうしないと、混合水の温度上昇によって弁体4が湯弁座 3側に移動できないからである。
【0051】 このように水弁座2と湯弁座3の位置が決められてしまうと、これらに連通す る水流入口1aと湯流入口1bの位置も固定されることになる。したがって、も しハウジング1に外部配管を直結するものとした場合では、これらの配管の位置 も合わせる必要がある。
【0052】 配管の位置が予め決められていると、水側と湯側と接続のために、先の例に示 したようにいずれも右側に操作用のハンドルが位置する据え付けしかできない。 したがって、現場によっては操作し難い部分にハンドルが位置してしまうことも あり、使い勝手に影響を及ぼす。
【0053】 このような問題に対しては、図7に示すような2種の弁体を部品として用意し ておけば、水側と湯側の接続位置を変えることができる。
【0054】 図7の(a)はハウジング13に開ける水流入口13a,湯流入口13b及び 混合水流出口13cをこの順に左から並べた例である。この場合では、弁体14 の周壁に開ける水用孔14aと湯用孔14bは、それぞれ水流入口13aと湯流 入口13bの開口芯の間の距離より短い開口芯間の距離となる位置にある。
【0055】 この構成では、混合水流出口13cへ向かう混合水の温度が上昇したときには 、感温体15によって弁体14は左側へ移動し、湯側の開度を絞り水側を開くこ とによって低温側に設定可能である。また、混合水の温度が下がれば、作動スプ リング16によって弁体14は右側へ移動し、湯側の弁開度を大きくすることに よって高温側に設定される。
【0056】 図7の(b)は同図の(a)と同じハウジング13を使ったときに、水流入口 13aと湯流入口13bを左右逆にした例である。
【0057】 この場合では、弁体14の水用孔14aと湯用孔14bの開口芯間の距離は、 水流入口13aと湯流入口13bの開口芯間の距離よりも大きくする。これによ り、混合水の温度上昇によって弁体14が左側へ動くと、湯側の弁開度が小さく 水側が大きくなるので低温側に設定され、また混合水が温度降下すると弁体14 の右側への移動によって湯側の開度が大きくなっていき高温側に設定される。
【0058】 このように、共通のハウジング13に対して水用孔14aと湯用孔14bの開 口芯間の距離が異なるものを2種用意してさえいれば、水流入口13aと湯流入 口13bの位置を入れ換えても自動温度調整が可能である。したがって、ハウジ ング13を左右反転した据え付けも可能となり、給水と給湯の配管条件にも対応 した設置が行える。
【0059】
本考案では、湯弁座に組み込んだシール環に弁体が着座可能であってしかも高 温時に感温機能部の付勢力が大きくなったときには弁体がシール環の中に入り込 むので、感温機能部の付勢力による負荷を逃がすことができる。このため、従来 構造で必要としていた負荷逃がし用の安全スプリングが不要となり、軸線方向の 嵩を小さくすることができる。
【0060】 また、弁体自身に給湯圧によって水弁座側に圧力を受けるように受圧面を形成 することで、給湯時には弁体を水弁座側に付勢できる。このため、弁体を水弁座 側に付勢する作動スプリングが不要となり、部品点数の削減と同時にハウジング の容量も小型化できる。
【0061】 更に、湯弁座をその軸線方向に移動可能な湯弁座環としてこれを安全スプリン グによって弁体側に付勢する構成では、高温時の感温機能部による負荷を湯弁座 環の移動によって逃がすことができ、部材の損傷を防止できる。そして、安全ス プリングと作動スプリングとを同心配置とすることによって、従来構造よりも軸 線方向の嵩を抑えることができ、コンパクト化が可能となる。
【図1】本考案のサーモスタットミキシングバルブの一
実施例を示す概略縦断面図である。
実施例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視による縦断面図である。
【図3】弁体と湯弁座の要部の拡大縦断面図であって、
同図の(a)は弁体がシール環に突き当たって止水して
いる状態を示し、同図の(b)は弁体がシール環の中に
入り込んだ状態を示す図である。
同図の(a)は弁体がシール環に突き当たって止水して
いる状態を示し、同図の(b)は弁体がシール環の中に
入り込んだ状態を示す図である。
【図4】作動スプリングを不要とした例を示す概略縦断
面図である。
面図である。
【図5】弁体に設けた受圧面による水弁座側への付勢原
理を示す図である。
理を示す図である。
【図6】作動スプリングと安全スプリングとを同心配置
とすると共に可動式の湯弁座を備えた例を示す要部の縦
断面図である。
とすると共に可動式の湯弁座を備えた例を示す要部の縦
断面図である。
【図7】水側及び湯側の位置の変更に対応できるように
したハウジングへの弁体の組込み構造を示す概略図であ
る。
したハウジングへの弁体の組込み構造を示す概略図であ
る。
【図8】従来のサーモスタットミキシングバルブの概要
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
1 ハウジング 1a 水流入口 1b 湯流入口 1c 混合水流出口 1d 給湯室 1e 給水室 1f 混合室 2 水弁座 3 湯弁座 3a シール環 4 弁体 4c 小環 4d 大環 4e 受圧面 5 作動スプリング 6 感温体 6a 容器 6b ピン 7 スピンドル 8 チャンバ 9 湯弁座環 10 プラグ 11 作動スプリング 12 安全スプリング 13 ハウジング 14 弁体
Claims (3)
- 【請求項1】 水流入口と湯流入口とを軸線方向に間隔
をおいて周壁に開けたハウジングと、前記水流入口と湯
流入口との間の前記ハウジングの内壁を摺動面として軸
線方向に移動可能に組み込んだ弁体と、前記水流入口側
で前記弁体の軸線方向の一端面に対向する水弁座と、前
記湯流入口側で前記弁体の軸線方向の他端面に対向する
湯弁座と、前記水弁座の下流側のハウジングの周壁に開
けた混合水流出口と、前記混合水流出口までの混合水流
路中に組み込まれ前記弁体を温度設定用の操作部に連接
し且つ該弁体を前記湯弁座側に付勢する感温機能部とを
備えたサーモスタットミキシングバルブにおいて、前記
湯弁座に前記弁体の外径より僅かに小さい弾性素材のシ
ール環を備え、前記弁体の湯弁座への着座時に、前記感
温機能部からの付勢力によって前記シール環の内部に前
記弁体を進出可能としたことを特徴とするサーモスタッ
トミキシングバルブ。 - 【請求項2】 水流入口と湯流入口とを軸線方向に間隔
をおいて周壁に開けたハウジングと、前記水流入口と湯
流入口との間の前記ハウジングの内壁を摺動面として軸
線方向に移動可能に組み込んだ弁体と、前記水流入口側
で前記弁体の軸線方向の一端面に対向する水弁座と、前
記湯流入口側で前記弁体の軸線方向の他端面に対向する
湯弁座と、前記水弁座の下流側のハウジングの周壁に開
けた混合水流出口と、前記混合水流出口までの混合水流
路中に組み込まれ前記弁体を温度設定用の操作部に連接
し且つ該弁体を前記湯弁座側に付勢する感温機能部とを
備えたサーモスタットミキシングバルブにおいて、前記
弁体を、前記湯弁座を向く側を大径の大環とすると共に
前記水弁座を向く側を小径の小環とし、前記大環と小環
の外径差によって前記湯弁座側を向く面に環状の受圧面
を形成し、前記受圧面に作用する給湯圧によって前記弁
体を前記水弁座方向に付勢可能としたことを特徴とする
サーモスタットミキシングバルブ。 - 【請求項3】 水流入口と湯流入口とを軸線方向に間隔
をおいて周壁に開けたハウジングと、前記水流入口と湯
流入口との間の前記ハウジングの内壁を摺動面として軸
線方向に移動可能に組み込んだ弁体と、前記水流入口側
で前記弁体の軸線方向の一端面に対向する水弁座と、前
記湯流入口側で前記弁体の軸線方向の他端面に対向する
湯弁座と、前記水弁座の下流側のハウジングの周壁に開
けた混合水流出口と、前記混合水流出口までの混合水流
路中に組み込まれ前記弁体を温度設定用の操作部に連接
し且つ該弁体を前記湯弁座側に付勢する感温機能部とを
備えたサーモスタットミキシングバルブにおいて、前記
弁体を前記水弁座側に付勢する作動スプリングを前記ハ
ウジングの一端から前記弁体までの間に介装し、前記湯
弁座を前記作動スプリングが貫通する中空体の湯弁座環
として構成すると共に該湯弁座環を軸線方向へ移動可能
に前記ハウジングに収納し、更に前記湯弁座環を前記弁
体側に向けて付勢する安全スプリングを前記作動スプリ
ングと同心配置したことを特徴とするサーモスタットミ
キシングバルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8413392U JPH0647780U (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | サーモスタットミキシングバルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8413392U JPH0647780U (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | サーモスタットミキシングバルブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0647780U true JPH0647780U (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=13822010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8413392U Pending JPH0647780U (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | サーモスタットミキシングバルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0647780U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11311366A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-09 | Ntc Kogyo Kk | 自動混合水栓 |
JP2001165336A (ja) * | 1999-12-06 | 2001-06-22 | Ntc Industrial Co Ltd | 高温出湯防止弁 |
JP2003525415A (ja) * | 2000-03-01 | 2003-08-26 | ワッツ インヴェストメント カンパニー | ミキシングバルブ |
-
1992
- 1992-12-07 JP JP8413392U patent/JPH0647780U/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11311366A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-09 | Ntc Kogyo Kk | 自動混合水栓 |
JP2001165336A (ja) * | 1999-12-06 | 2001-06-22 | Ntc Industrial Co Ltd | 高温出湯防止弁 |
JP4540780B2 (ja) * | 1999-12-06 | 2010-09-08 | 日本サーモスタット株式会社 | 高温出湯防止弁 |
JP2003525415A (ja) * | 2000-03-01 | 2003-08-26 | ワッツ インヴェストメント カンパニー | ミキシングバルブ |
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