JPH0647757B2 - クロムめっき用不溶性複合電極 - Google Patents

クロムめっき用不溶性複合電極

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JPH0647757B2
JPH0647757B2 JP1278694A JP27869489A JPH0647757B2 JP H0647757 B2 JPH0647757 B2 JP H0647757B2 JP 1278694 A JP1278694 A JP 1278694A JP 27869489 A JP27869489 A JP 27869489A JP H0647757 B2 JPH0647757 B2 JP H0647757B2
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邦夫 棚岡
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株式会社アスカエンジニアリング
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、クロムめっき用不溶性複合電極に関し、と
くに電解中におけるめっき浴の汚染を伴うことなく、ま
た浴中のCr3+濃度を適正に保持して、均一な電流分布の
下に均一めっきを実現しようとするものである。
(従来の技術) クロムめっきは、硬さや耐食性に優れていることから、
各種シリンダー、グラビア印刷ロール、自動車部品、そ
の他の工業用品、さらには各種装飾用品など広範囲にわ
たって利用されている。
代表的なクロムめっき浴としては、けいふっ化物浴とサ
ージェント浴が挙げられる。前者は、電流効率が比較的
高く、また仕上がりも良好という利点がある反面、浴管
理や原材料、装置類の保守が難しいという欠点があっ
た。他方、後者は、電流効率がやや低いという問題はあ
るけれども、取扱が極めて容易であることから、広く利
用されている。
ところで従来、サージェント浴(CrO3+H2SO4)を用い
てクロムめっきを行う場合、陽極としては一般に鉛また
は鉛合金が使用されていたが、かかる鉛系陽極は、3価
クロムイオンCr3+の濃度を適切に保持できるという利点
がある反面、使用中に鉛が溶出するため、長時間の使用
においてはクロムめっきそのものが阻害されるという問
題があった。
かような鉛系電極の欠点を解決するものとして二酸化鉛
を被覆した電極が開発され、現在最も広く利用されてい
る。
この二酸化鉛被覆電極は、鉛系電極と違って電解浴中へ
の鉛の溶出は極めて少なく、浴の汚染や沈澱物の生成は
ほとんど生じない。
しかしながら一方で、この電極は三価クロムCr3+から六
価クロムCr6+への酸化力が極めて大きいことから、この
二酸化鉛被覆陽極と陰極との面積比が適切に保持されて
いないと、Cr3+濃度が低下してめっき品質を劣化させる
だけでなく、電流密度の不均一や陽極電流密度の上昇な
どに起因して陽極寿命が低下するなどの問題を残してい
た。
その他、クロムめっき用不溶性電極として、基板を白金
族金属やそれらの酸化物で被覆したいわゆる白金属系電
極が知られている。
この電極は、陽極側の主反応である酸素の発生電位が低
いという利点はあるものの、Cr3+→Cr6+の酸化反応が弱
いため、この電極の単独使用ではめっき浴中のCr3+濃度
が高くなりすぎて、電流効率ひいてはめっき品質が劣化
するだけでなく、陽極寿命の低下を招くところに問題を
残していた。
上記の問題を解決するものとして、特開昭63-270490号
公報において、二酸化鉛被覆電極と白金属系電極とを組
み合わせて使用することからなるクロムめっき法が提案
された。
(発明が解決しようとする課題) 上記の方法は、第5図に示すように、二酸化鉛被覆電極
イと白金属系電極ロとを交互に並べた状態で、被処理材
(陰極)に対向させて、めっき処理を行うものである
が、二酸化鉛被覆電極と白金属系電極とでは、それぞれ
電解電位が異なるため、これらの電極を並列に接続した
場合には、めっき厚に違いが出て不均一めっきとなり易
く、とくにかかる傾向は電極間の間隙が狭い場合に著し
かった。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、浴の
汚染や沈澱物の生成などが生じないのは言うまでもな
く、電流値のアンバランスによるめっき不良を効果的に
回避して、均一で良好なクロムめっきを達成できるクロ
ムめっき用不溶性複合電極を提案することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) まずこの発明の解明経緯について説明する。
さて発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討を重
ねた結果、二酸化鉛被覆電極と白金属系電極とを重ね合
わせた複合電極に想い到った。
そこでまず白金属系電極板の表面に局所的に二酸化鉛被
覆電極の小片を個着させてみたところ、電流値のバラツ
キは従来材に比べるとかなり小さくなったけれども、バ
ラツキを完全になくすことはできなかった。
そこで次に、白金属系電極板の表面にラス状の二酸化鉛
被覆電極を被せたところ、電流値のバラツキをほぼ零に
することができたのである。なおこのとき白金属系電極
板とラス状二酸化鉛被覆電極とは密着させるよりも若干
すき間をあけた方がより効果的であることも判明した。
さらに電極の寿命に悪影響を及ぼすもう一つの原因であ
ると言われている電解中におけるエッジ効果の軽減のた
めには、電極面を凸状に湾曲させることが有効であるこ
とも併せて究明した。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、高耐食性金属基体の少なくとも電
極面側を白金族金属および/または白金族金属酸化物で
被覆した不溶性金属電極の該電極面側に、ラス状の高耐
食性金属の表面を二酸化鉛で被覆した二酸化鉛被覆ラス
状電極を配設してなるクロムめっき用不溶性複合電極で
ある。
この発明において高耐食性金属としては、チタン、タン
タル、ニオブまたはジルコニウムなどが有利に適合す
る。
また白金族金属および白金族金属酸化物とは、白金、イ
リジウム、ロジウム、ルテニウムおよびパラジウムなら
びにそれらの酸化物のことである。
以下、この発明を具体的に説明する。
第1図a,bに、この発明に従う好適電極を平面および
底面で、また第2図a,bには正面および横断面で、さ
らに第3図には斜視面でそれぞれ示す。
図中番号1はTi製基体の表面をIrO2で被覆した白金属系
電極、2は同じくTi製ラス網をPbO2で被覆した二酸化鉛
被覆ラス状電極である。白金属系電極1は、図示したと
おり電極面側を凸にして湾曲させてあり、これに伴って
二酸化鉛被覆ラス状電極2も凸状に湾曲している。なお
この例では、基体の軸心に沿う断面において、白金属系
電極1と二酸化鉛被覆ラス状電極2との間に5mmのギャ
ップを設けてある。
ここに高耐食性金属基体に対する白金族金属および白金
族金属酸化物の被覆法としては、白金族金属箔をシーム
溶接によりクラッドするなど、従来公知の方法いずれも
が適用できる(その他酸化被覆については特公昭57-545
55号公報等)。
また二酸化鉛の被覆方法についても従来公知の方法いず
れもが適用できる(特公昭58-30957号公報等)。
なおこの例では、二酸化鉛被覆ラス状電極の基体として
ラス網を使用した場合について説明したが、その他通常
の金属網や多孔板なども有利に適合する。
(作 用) この発明の主要部材である二酸化鉛被覆電極と白金属系
電極はいずれも、陽極として安定なものであるので電解
浴中への溶出は実質的にない。
まためっき浴中におけるCr3+→Cr6+酸化反応は、前述し
たとおり、二酸化鉛被覆電極単味では大きく、一方白金
属系電極単味では小さく、いずれにしてもめっき浴中の
Cr3+濃度を適正に調整することは難しかったわけである
が、両者を併用することにより、それぞれの欠点が補償
され、その結果Cr3+濃度の適正範囲における安定保持が
達成できる。
さらに両者の電解電位はそれぞれ異なり、陽極における
主反応である酸素発生電位は、白金属系電極で1.6〜1.7
V vs NHE、一方二酸化鉛被覆電極で2.0〜2.2V vs NHEで
あるので、実際にめっき浴中でこれら2種の電極を電気
的に並列に接続した場合には、前述したとおり均一めっ
きはほとんど望みえなかった(とくに極間距離が狭い場
合)のであるが、この発明では二酸化鉛被覆電極を多孔
板として前面に取り付け、しかも通電は後方の白金属系
電極から行うので、陰極被処理物表面における電流分布
には差が生ぜず、均一になり、加えて陽極電流密度の上
昇も回避される。
ここに白金属系電極と二酸化鉛被覆ラス状電極との間に
10〜50mm好ましくは5〜30mm程度のギャップを設けてお
くと、上述した電位差による悪影響が有利に解消される
ので、上記した電流分布均一化効果は一層助長される。
またさらに基体の形状を、電極面を凸とする湾曲状、丸
棒、パイプまたは円筒状(第4図参照)とすることによ
り、電解時におけるエッジ効果が大幅に軽減されるの
で、電極寿命のより一層の延長を図ることができる。
なおめっき浴が、サージェント浴やこれに類似の浴で
は、基体に対する白金族金属および/または白金族金属
酸化物の被覆は電極面のみで充分であるが、ふっ素を含
有する浴の場合はこのふっ素によって基体が腐食を受け
るので、全面に被覆を施すことが好ましい。
またこの発明では、二酸化鉛被覆電極のラス目の大きさ
を変えることによって、IrO2と、PbO2との面積比を自由
に変更することもできる。
(実施例) 陽極として、前掲第1図に示した構造になり、白金属系
電極と二酸化鉛被覆電極との面積比を種々に変化させた
クロムめっき用不溶性複合電極を数種類用意した。白金
属系電極はいずれも、Ti製湾曲板の表面に IrO2を30g/
m2の割合で被覆し、また二酸化鉛被覆電極はいずれも、
Ti製ラス網の表面に厚み:1.1mm のPbO2を被覆したもの
である。
また陰極被処理物としては、表面を脱脂洗浄した鋼板を
用意し、陰極と陽極との面積比を1:1.8〜1:2に調
整して、サージェント浴(浴組成はCrO3:250 g/、H2
SO:2.5 g/)中でクロムめっきを行った。なお浴温
度は50℃、電流密度は25 A/dm2とした。
上記の条件でめっき処理を行ったときの、Cr3+濃度、電
流効率、槽電圧、めっき状況および電極寿命について調
べた結果を下表1にまとめて示す。
なお比較のため、特開昭63−270490号公報の開示に従
い、白金属系電極と二酸化鉛被覆電極とを第5図に示し
たように並列に配置して、同じ条件でクロムめっきを施
した場合の調査結果も表1に併記する。
同表より明らかなように、この発明に従う電極を使用し
た場合は、従来の並列装置の場合と比較してバラツキの
ない均一めっきが得られ、また電極寿命も格段に向上し
ている。
(発明の効果) かくしてこの発明に従う複合電極によれば、電解処理中
にめっき浴が汚染されることがなく、まためっき浴中に
おけるCr3+濃度を一定に保持できるのみならず、電流分
布も均一になるので、めっき厚にバラツキのない均一の
めっき被膜が得られ、さらに陽極電流密度を実質的に低
下させ得るので陽極寿命の延長も図り得る。加えて、電
極の基体形状を電極面側が凸になる湾曲状とすることに
より、電解中におけるエッジ効果が大幅に軽減されるの
で、一層の寿命延長が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは、この発明に従うクロムめっき用不溶性
複合電極の好適例の平面図および底面図、 第2図a,bは、該電極の正面図および横断面図、 第3図は、該電極の斜視図、 第4図は、他の好適例の斜視図、 第5図は、従来法に従う二酸化鉛被覆電極と白金属系電
極の配列図である。 1……白金属系電極 2……二酸化鉛被覆ラス状電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高耐食性金属基体の少なくとも電極面側を
    白金族金属および/または白金族金属酸化物で被覆した
    不溶性金属電極の該電極面側に、ラス状の高耐食性金属
    の表面を二酸化鉛で被覆した二酸化鉛被覆ラス状電極を
    配設してなるクロムめっき用不溶性複合電極。
  2. 【請求項2】高耐食性金属が、チタン、タンタル、ニオ
    ブまたはジルコニウムである請求項1記載のクロムめっ
    き用不溶性複合電極。
  3. 【請求項3】不溶性金属電極と二酸化鉛被覆ラス状電極
    との間隙が1〜50mmである請求項1または2記載のクロ
    ムめっき用不溶性複合電極。
  4. 【請求項4】基体の形状が、電極面を凸とする湾曲状、
    丸棒、パイプまたは円筒状である請求項1、2または3
    記載のクロムめっき用不溶性複合電極。
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