JPH0647615B2 - ポリカ−ボネ−ト系グラフト共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリカ−ボネ−ト系グラフト共重合体の製造方法

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JPH0647615B2
JPH0647615B2 JP27564985A JP27564985A JPH0647615B2 JP H0647615 B2 JPH0647615 B2 JP H0647615B2 JP 27564985 A JP27564985 A JP 27564985A JP 27564985 A JP27564985 A JP 27564985A JP H0647615 B2 JPH0647615 B2 JP H0647615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ポリカーボネート系グラフト共重合体の製
造方法に関し、さらに詳しく言うと、透明性、表面硬
度、耐熱性、機械的特性などに優れた新規な共重合体で
あるポリカーボネート系グラフト共重合体の製造方法に
関する。
[従来の技術およびその問題点] 近年、省エネルギーの観点からガラスをプラスチックで
代替することが促進されている。このようなガラス代替
樹脂としては、透明性、寸法安定性等の点からポリカー
ボネート樹脂、アクリル樹脂が有望視されている。ただ
し、その場合、ポリカーボネート樹脂については表面硬
度と耐候性についての問題があり、アクリル樹脂につい
ては耐熱性についての問題があるため、その改良が望ま
れている。
前記問題点を解決するために、従来、ポリカーボネート
樹脂とアクリル樹脂とを混練してなる組成物(特公昭43
-13384号)が提案されているが、この組成物は真珠光沢
を有して不透明であるので、ガラス代替用途には適さな
い。一方、アクリル樹脂を幹成分として、ポリカーボネ
ート樹脂を技成分とした共重合体(特公昭46-11918号)
も提案されているが、機械的強度が小さいという欠点が
ある。
[発明の目的] この発明は、前記事情に基づいてなされたものである。
すなわち、この発明の目的は、透明性、表面硬度、耐熱
性、機械的特性などに優れた新規な共重合体であるポリ
カーボネート系グラフト共重合体の製造方法を提供する
ことにある。この発明の他の目的は、高分子の幹成分お
よび枝成分並びに共重合体全体の分子量などを制御する
ことができ、前記透明性、表面硬度、耐熱性、機械的特
性などを所望の通りに制御することができるポリカーボ
ネート系グラフト共重合体の製造方法を提供することに
ある。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの発明の要旨は、アクリル
酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの、重
合度が10〜500である重合体であり、−OH、−N
、=NHおよび−COOHのいずれかの官能基を片
末端に少なくとも2個有するマクロモノマーと、重合度
2〜50であるポリカーボネートオリゴマーとを反応さ
せて得たプレポリマーと、芳香族ジオキシ化合物とを重
縮合させることが特徴とするアクリル樹脂成分を5〜6
0重量%、ポリカーボネート成分を95〜45重量%含
有するポリカーボネート系グラフト共重合体の製造方法
である。
前記マクロポリマーは、重合度10〜500であり、好まし
くは20〜300であり、特に好ましくは30〜200であり、−
OH、−NH、=NHおよび−COOHのいずれかの
官能基を片末端に少なくとも2個有する。以下、かかる
マクロモノマーをアクリル樹脂マクロモノマーと称す
る。特に好ましいのは、アクリル酸エステルおよび/ま
たはメタクリル酸エステルを重合して得た、重合度10〜
500であり、好ましくは20〜300であり、特に好ましくは
30〜200である低重合体であって、片末端に2個の−C
OOHを有する低重合体である。
ここで、このアクリル樹脂マクロモノマーの重合度が10
よりも小さいと、最終的に得られるポリカーボネート系
グラフト共重合体の表面硬度の改良効果を十分に奏する
ことができないことがあり、また、重合度が500よりも
大きいときにはグラフト化が困難になることがある。
また、前記アクリル酸エステルとしては、たとえば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチルなどが挙げられ、前記メタクリル
酸エステルとしては、たとえば、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
このようなアクリル樹脂マクロモノマーは、たとえば次
のようにして製造することができる。
すなわち、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリ
ル酸エステルを溶媒中に溶解し、連鎖移動剤、重合開始
剤を添加して、40〜70℃の温度範囲内で、30分〜5時間
の時間をかけて反応させる。次いで、生成物を沈殿剤中
に注いで沈殿させ、口別、乾燥、精製することによりア
クリル樹脂マクロモノマーを得ることができる。
前記溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミドなどの極性溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オ
クタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;前記芳香族炭化水素
溶媒と脂肪族炭化水素溶媒との混合溶媒などを使用する
ことができる。これらの中でも、好ましい溶媒はテトラ
ヒドロフランなどの極性溶媒である。なお、前記芳香族
炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶
媒と脂肪族炭化水素との混合溶媒を使用するときは、ア
クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
の重合中に、生成ポリマーが析出することがあるので、
そのようなときには重合液を沈殿剤中に注ぐ必要がなく
なることもある。
前記連鎖移動剤としては、たとえば、チオリンゴ酸、2
−メルカプト−1,4−ブタンジカルボン酸などの、シ
ョッテン−バウマン反応可能な官能基を少なくとも2個
有する化合物などを使用することができる。
前記重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリ
ル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどのラジカ
ル開始剤を使用することができる。
前記沈殿剤としては、たとえば、石油エーテルベンゼン
などの芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン
などの脂肪族ケトンを使用することができる。
この発明の方法で用いられるポリカーボネートオリゴマ
ーは、たとえばカセイソーダ水溶液に溶かしたビス−2
−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(別名:ビス
フェノールA)などの芳香族ジオキシ化合物と塩化メチ
レンなどの有機溶媒との混合物をかきまぜながら、この
中へホスゲンを吹き込み、pH9〜12の範囲になった時
点でホスゲンの導入を停止し、水層と有機層を静置分離
することにより溶媒溶液として得ることができる。
この際、反応条件を適当に制御することによりオリゴマ
ーの分子量、分子中のヒドロキシル基とクロロホーメー
ト基との比率を任意に調整することができる。
この発明の方法で使用するポリカーボネートオリゴマー
としては、その重合度が2〜50、好ましくは3〜10であ
るものが好ましく、また、末端クロロホーメート基含有
量が65%以上であるのが好ましい。このポリカーボネー
トオリゴマーの重合度が2よりも小さいと、最終的に得
られるポリカーボネート系グラフト共重合体の機械的強
度が不十分となることがあり、また、重合度が50よりも
大きいと、ポリカーボネート系グラフト共重合体の成形
性が悪くなることがある。前記ポリカーボネートオリゴ
マー中の末端クロロホーメート基の含有量が65%よりも
少ないと、プレポリマーの生成反応が十分に進行しない
ことがある。
また、前記芳香族ジオキシ化合物として、前記ビスフェ
ノールAの外に、たとえば、ビス−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−メタン、ビス−2−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−プロパン、ビス−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−ブタン、ビス−3−(4−ヒドロ
キシフェニル)−ペンタン、ビス−1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−シクロヘキサンなどのビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−アルカン類;2,2−(3,5,
3′,5′−テトラクロル−4,4′−ジヒドロキシフ
ェニル)−プロパン(別名:テトラクロルビスフェノー
ルA)、2,2−(3,5,3′,5′−テトラブロム
−4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−プロパン(別
名:テトラブロムビスフェノールA)、2,2−(3,
3′−ジクロル−4,4′−ジヒドロキシジフェニル)
−プロパン、2,2−(3,5−ジクロル−4,4′−
ジヒドロキシジフェニル)−プロパン、2,2−(3,
3′−ジクロル−5,5′−ジメチル−4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル)−プロパン、2,2−(3,3′
−ジブロム−4,4′−ジヒドロキシフェニル)−プロ
パン、3,5,3′,5′−テトラブロム−4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン(別名:テトラブロム
ビスフェノールスルホン)などのハロゲン含有のビスフ
ェノール類;あるいは4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン(別名:ビスフェノールスルホン)、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルなどのビスフェノール類;さらにはハ
イドロキノンなどが好適に用いられる。この発明の方法
では、ビスフェノールAを好適な例として挙げることが
できる。
本発明におけるプレポリマーは、前記アクリル樹脂マク
ロモノマーと前記ポリカーボネート系オリゴマーとを反
応させることにより合成することができる。このプレポ
リマーの合成反応は、重縮合反応であり、たとえば触媒
の存在下に、ポリカーボネートオリゴマーおよび生成す
るプレポリマーを溶解し得る有機溶媒中で行なうことが
できる。
前記触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンのような第
三級アミン類が好適に用いられる。第四級アンモニウム
塩でも反応は進行するが、反応速度が非常に遅くなり実
用的でない。
なお、縮合反応に際し、必要に応じて分子量調節剤を併
用することができる。
また、溶媒としてはテトラクロルエタン、トリクロルエ
タン、ジクロルエタン、トリクロルエチレン、ジクロル
エチレン、クロロホルム、塩化メチレン、クロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化水素、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、クラウンエーテルのような環
状オキシ化合物などが用いられる。さらに、必要があれ
ば、ハイドロサルファイト等の酸化防止剤を添加するこ
とが好ましい。
この発明の方法では、前記のようにして得られたプレポ
リマーと芳香族ジオキシ化合物とを重縮合させることに
より、ポリカーボネート系グラフト共重合体を製造す
る。
このポリカーボネート系グラフト共重合体を製造する際
の芳香族ジオキシ化合物としては、前記プレポリマーを
合成する際に使用する芳香族ジオキシ化合物と同様のも
のを使用することができる。前記プレポリマーを合成す
る際の芳香族ジオキシ化合物と、ポリカーボネート系グ
ラフト共重合体を製造する際の芳香族ジオキシ化合物と
はその種類が同一であっても相違していても良い。
前記重縮合反応は、前記プレポリマーの有機溶媒溶液に
前記芳香族ジオキシ化合物のアルカリ性水溶液と、必要
に応じて触媒、分子量調節剤とを加え、攪拌下に、冷却
しながら、前記有機溶媒溶液と水溶液との界面で行なう
ことができる(界面重縮合反応)。
前記触媒としては、基本的には、前記プレポリマーを合
成するときに使用したのと同様第3級アミンなどを使用
することができる。
前記分子量調節剤としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ルのようなアルコール類;フェノール、クレゾール、p
−t−ブチルフェノールのようなフェノール類などが適
当である。
得られたグラフト共重合体の有機溶媒溶液は水洗して無
機物を除去した後、沈殿剤を加えて沈殿させるとグラフ
ト共重合体粉末を得ることができる。
この際の沈殿剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘクサンのような脂肪族炭化水素、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコールのような脂肪族アルコール、アセトン、
メチルエチルケトンのような脂肪族ケトンを単独あるい
は2種以上混合して用いる。
この発明の方法では、前記プレポリマーを合成する第1
段目の重縮合反応と、このプレポリマーと芳香族ジオキ
シ化合物との第2段目の重縮合反応により、ポリカーボ
ネート系グラフト共重合体を得ることができる。
そして、前記第1段目の重縮合反応において使用するア
クリル樹脂マクロモノマーにおける高分子主鎖の片末端
に結合する、ショッテン−バウマン反応可能な基の数、
アクリル樹脂マクロモノマーとポリカーボネートオリゴ
マーとのモル比などによって様々な結合様式のポリカー
ボネート系グラフト共重合体を製造することができる。
たとえば、重合度nのポリカーボネートオリゴマーと、
メタクリル酸メチルをモノマーとして重合し、チオリン
ゴ酸で連鎖移動して得た重合度mのアクリル樹脂マクロ
モノマーと、ビスフェノールAとを例にすると、第1図
に示すように、第1段目の重縮合反応でアクリル樹脂マ
クロモノマーに対して過剰量たとえばXモルのポリカー
ボネートオリゴマーとYモルのアクリル樹脂マクロモノ
マーとを反応させて第1段目の重縮合反応を行ない、Y
モルのプレポリマーを合成する。次いでYモルのプレポ
リマーと(X−2Y)モルの未反応ポリカーボネートオ
リゴマーとの混合物である生成液に、(X−Y−1)モ
ルのビスフェノールAを添加すると、ポリメタクリル酸
メチル成分が枝成分であるポリカーボネート系グラフト
共重合体を得ることができる。このポリカーボネート系
グラフト共重合体は、また、ポリカーボネートオリゴマ
ーがビスフェノールAで結合されたブロックおよびプレ
ポリマーとビスフェノールAで結合されたブロックとか
らなるランダムブロック共重合体と見ることもできる。
また、第2図に示すように、第1段目の重縮合反応で等
モルのポリカーボネートオリゴマーとアクリル系マクロ
モノマーとを反応させてプレポリマーを合成し、このプ
レポリマーとビスフェノールAとを等モル反応させて第
2段目の重縮合反応を行なうと、ポリメタクリル酸メチ
ル成分が枝成分であるポリカーボネート系グラフト共重
合体を得ることができるのであるが、このポリカーボネ
ート系グラフト共重合体は、また、プレポリマーとビス
フェノールAとの交互ブロック共重合体と見ることがで
きる。
分子鎖片末端に、ショッテン−バウマン反応可能な官能
基が3個結合するアクリル樹脂マクロモノマーとポリカ
ーボネートオリゴマーとを反応させて第1段目の重縮合
反応を行ない、得られるプレポリマーと芳香族ジオキシ
化合物とを反応させて第2段目の重縮合反応を行なう
と、第3図に示すように、木の枝状のポリカーボネート
系グラフト共重合体を得ることができる。なお、第3図
において1で示すのはポリメタクリル酸エステルブロッ
ク、2で示すのはポリカーボネートオリゴマーブロック
である。
第1図から第3図に示すものは、単に一例であるに過ぎ
ないが、この図からも解るように、ポリカーボネートオ
リゴマーの重合度、アクリル樹脂マクロモノマーの重合
度、このアクリル樹脂マクロモノマーにおけるショッテ
ン−バウマン反応可能な官能基の数などを適宜に調整す
ると、様々な結合様式のポリカーボネート系グラフト共
重合体のポリマー設計をすることができるのである。
ショッテン−バウマン反応可能な官能基が分子鎖の片末
端に2個有するアクリル系マクロモノマーを使用する場
合、最終的に得られるポリカーボネート系グラフト共重
合体としては、アクリル樹脂成分を5〜60重量%、好ま
しくは10〜50重量%で含有し、ポリカーボネート成分を
95〜40重量%、好ましくは90〜50重量%で含有し、しか
も重量平均分子量が10,000〜200,000、好ましくは20,00
0〜100,000であるのが望ましい。前記アクリル樹脂成分
が5重量%よりも少ないと、このポリカーボネート系グ
ラフト共重合体を成形した成形品の表面硬度の改良を十
分に行なうことができないことがあり、また、60重量%
よりも多いと、このポリカーボネート系グラフト共重合
体を成形した成形品の機械的強度、耐熱性などが不十分
となることがある。また、前記重量平均分子量が10,000
よりも少ないと、流動性が大きくなり過ぎて成形に困難
を生じることがあり、前記重量平均分子量が200,000を
越えると、分子量が高くなり過ぎて、この点で成形に困
難を生じることがある。
このようにして得られるポリカーボネート系グラフト共
重合体は、ガラス代替樹脂といて好適な物性を有するの
で、ガラスの代替として、電気、機械、自動車、建材雑
貨などの広範な分野に利用される。
[発明の効果] この発明によると、 (1)幹成分、枝成分および共重合体全体の分子量、ある
いは隣接する枝成分間の距離などを適宜に制御すること
を容易に行なうことができ、 (2)したがって、電気、機械、自動車、建材、雑貨など
の分野で要求される特性に応じたポリカーボネート系グ
ラフト共重合体の分子設計を容易に行なうことができ、 (3)透明性、表面硬度、耐熱性、機械的強度などに優れ
て、ガラス代替品として好適な、ポリカーボネート系グ
ラフト共重合体を製造することができる、 などの数々の利点を有するポリカーボネート系グラフト
共重合体の製造方法を提供することができる。
[実施例] (1)ポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの合成 テトラヒドロフラン400m中にメタクリル酸メチル200
g、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)2.3
g、チオリンゴ酸(連鎖移動剤)12.7gを溶解し、60℃
に加熱して3時間反応させた。反応生成物を石油エーテ
ル4中に攪拌しながら注ぎ、ポリマーを沈殿、口別、
乾燥した。次いで得られたポリマーを塩化メチレンに溶
解し、水洗後、塩化メチレンを蒸発乾固して精製した重
合度111〜113のポリメタクリル酸メチル(PMMA)マ
クロモノマーを得た。
(2)ポリカーボネートオリゴマーの合成 400の5%カ性ゾーダ水溶液に60Kgのビスフェノー
ルAを溶解し、ビスフェノールAのカ性ゾーダ水溶液を
調製する。次いで室温に保持したこのビスフェノールA
のカ性ゾーダ水溶液およびメチレンクロライドをそれぞ
れ138/時間、69/時間の流量で、内径10mm、管
長10mの管型反応器にオリフィス板を通じて導入し、こ
れにホスゲンを並流して10.7Kg/時間の流量で吹き込
み、3時間連続的に反応させる。ここで用いた管型反応
器は二重管となっており、ジャケット部には冷却水を通
して反応液の排出温度を25℃に保つ。また排出液のpH
は10〜11を示すようにする。この結果得られた反応液を
静置することにより水相を分離除去し、メチレンクロラ
イド相(220)を採取し、これに、さらにメチレンク
ロライド342を加え、十分にかきまぜたものをポリカ
ーボネートオリゴマー(濃度220g/)とした。ここ
に得られたオリゴマーの重合度は3〜4であった。
(3)ポリカーボネート系グラフト共重合体の製造 上記(1)で得られたアクリル樹脂マクロモノマー69gと
上記(2)で得られたポリカーボネートオリゴマー28gと
を塩化メチレン220m中に溶解し、トリエチルアミン
2.1mを加え、攪拌しながら1時間反応させた後、塩
酸で洗浄し、有機相を分離してプレポリマー溶液を得
た。
得られたプレポリマー溶液に塩化メチレンを加えて400
mにし、p−t−ブチルフェノール(分子量調節剤)
1.0gを加えて有機溶媒溶液とした。一方、ビスフェノ
ールA10.7g、水酸化ナトリウム6.5g、およびトリエ
チルアミン0.07mを水に溶解して水溶液とした。この
水溶液110mと前記の有機溶媒溶液を攪拌しながら界
面重縮合し、洗浄、分離してポリカーボネート系グラフ
ト共重合体を得た。得られたポリカーボネート系グラフ
ト共重合体の物性を第1表に示す。
なお、第1表中の熱変形温度はJIS K6871に準拠
し、ビッカース硬度はJIS Z2244に準拠し、引張り
強度はASTM D638-61に準拠して測定したものであ
る。
(実施例2、3) 実施例1と同様にして、共重合成分の割合の異なるポリ
カーボネート系グラフト共重合体を製造した。結果を第
1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明の方法の一例を示す反応
工程図であり、第3図はこの発明の方法により得られる
ポリカーボネート系グラフト共重合体の構造の一例を示
す模式図である。 1……ポリメタクリル酸エステルブロック、 2……ポリカーボネートオリゴマーブロック。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル酸エステルおよび/またはメタク
    リル酸エステルの、重合度が10〜500である重合体
    であり、−OH、−NH、=NHおよび−COOHの
    いずれかの官能基を片末端に少なくとも2個有するマク
    ロモノマーと、重合度2〜50であるポリカーボネート
    オリゴマーとを反応させて得たプレポリマーと、芳香族
    ジオキシ化合物とを重縮合させることを特徴とするアク
    リル樹脂成分を5〜60重量%、ポリカーボネート成分
    を95〜40重量%含有するポリカーボネート系グラフ
    ト共重合体の製造方法。
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