JPH0647556B2 - 病巣内部で組換え型ヒトαインターフェロンを用いる偏平上皮癌の治療 - Google Patents

病巣内部で組換え型ヒトαインターフェロンを用いる偏平上皮癌の治療

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JPH0647556B2
JPH0647556B2 JP2501299A JP50129990A JPH0647556B2 JP H0647556 B2 JPH0647556 B2 JP H0647556B2 JP 2501299 A JP2501299 A JP 2501299A JP 50129990 A JP50129990 A JP 50129990A JP H0647556 B2 JPH0647556 B2 JP H0647556B2
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Description

【発明の詳細な説明】 背景 本発明は、組換え型ヒトαインターフェロンを偏平上皮
癌病巣、すなわち病巣内部に直接投与することによる、
組換え型ヒトαインターフェロンを用いた偏平上皮癌の
治療方法に関する。
偏平上皮癌は、ヒトで見出され且つ日光損傷部分で生じ
ることが多い皮膚新生物である。この治療方法として種
々の外科手術、例えば電気乾燥と掻爬、切除、冷凍外科
および照射が挙げられる。外科手術の治癒率は、概し
て、極めて良好であるが、しかしながら、一般的には、
非外科的な治療法が一層望ましいと思われる。
インターフェロンを直接病巣に注射することによって癌
を治療するための様々な努力が成されてきた。例えば、
イケダ(Ikeda)、癌と化学療法、12(4)、936〜942(198
5)では、組換え型インターフェロンAを用いて種々の悪
性皮膚腫瘍を治療し且つ低い治癒率を得た。治療された
腫瘍で、偏平上皮癌であると明記されたものはなかっ
た。イキック(Ikic)ら、The Lancet、1981年5月9
日、1025〜1027頁では、粗製ヒト白血球インターフェロ
ンを用いて偏平上皮癌を治療した。イキックらは、精製
されたインターフェロン物質を用いなかったが、白血球
インターフェロン成分および非インターフェロン不純物
の混合物を含む物質を用いた。
インターフェロンは、ある種のウイルスに対する抗ウイ
ルス活性およびある種の癌に対する抗癌活性を示す一群
のタンパク質である。インターフェロンには3種類の型
があり、すなわち、αまたは白血球インターフェロン、
βまたは線維芽細胞インターフェロンおよび、γまたは
免疫インターフェロンである。ヒトαインターフェロン
は、α−1インターフェロンおよびα−2インターフェ
ロンと呼ばれるものを含む少なくとも11種類の成分を有
する天然に存在する混合物である。天然に存在するヒト
白血球インターフェロンの生物学的性質と同様の性質を
示すヒトαインターフェロンは、組換え技術によって製
造することができる。
多数のαインターフェロン種または成分が知られてお
り、通常、ギリシャ文字αの後の数字で表示され、そし
ていずれも本発明での使用が考えられる。例えば、ヒト
α−1インターフェロンおよびヒトα−2インターフェ
ロン(ヒトα−2aおよびヒトα−2bインターフェロ
ンを含むヒトα−2インターフェロンと呼ばれる場合が
ある;USAN:インターフェロンα−2はヒトαイン
ターフェロンα−2aおよびインターフェロンα−2b
を含む)と呼ばれる種が考えられるが、ヒトα−2イン
ターフェロンの方が好適である。インターフェロンα−
2は、ルーベンスタイン(Rubenstein)、Biochem.Biop
hys.Acta695、5〜16(1982)に記載の組換え技術を用
いて細菌中で産生させることができる。更に、インター
フェロンα−2は、ナガタ(Nagata)ら、Nature28
4、316〜320(1980)、欧州特許第32,134号明細書および
米国特許第4,289,690号明細書で開示された組換えDN
A技術によって調製してもよい。各種のα−2インター
フェロン種が米国特許第4,503,035号明細書で開示され
ている。本発明で用いるのに好適なのはヒトインターフ
ェロンα−2b(hIFN−α2b)である。
発明の要約 本発明は、組換え型αインターフェロン、好ましくは、
ヒトの組換え型DNAインターフェロンα−2(hIF
N−α2)を用いて、偏平上皮癌の治療を必要とする患
者に、抗腫瘍剤として有効である十分な量のヒト組換え
型αインターフェロン、好ましくは、精製された組換え
型インターフェロンα−2bを病巣内部に(注射によっ
て)投与することによって偏平上皮癌を治療する方法に
関する。
詳細な説明 本明細書中で用いられる「αインターフェロン」とは、
組換え型α−1インターフェロンおよび組換え型ヒトα
−2インターフェロン(インターフェロンα−2と呼ば
れる場合がある)を意味する。たいていの場合、本発明
は、下記の考察において「ヒト組換え型インターフェロ
ンα−2」、「hIFN−α2」または「hIFN−α
2b」を用いて記載される。
病巣内部の投与に対しては、液体の注射可能で薬学的に
容認可能な組成物を用いる。このような組成物は、例え
ば、凍結乾燥したhIFN−α2を防腐剤不含滅菌水で
稀釈して適当な濃度のインターフェロンを含む等張溶液
を生じることによって調製することができる。食塩水、
水性デキストロース、グリセロール、エタノール等を用
いることによって注射用溶液または懸濁液を生成する他
の注射可能な組成物も用いることができる。所望なら
ば、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、pH緩衝剤等のよう
な少量の無毒性助剤物質、例えば、酢酸ナトリウムまた
はモノラウリン酸ソルビタンを組成物中に配合すること
ができる。このような剤形を調製する実際の方法は当業
者に知られておりまたは明らかである。例えば、Reming
ton′s Pharmaceutical Sciences、マック・パブリッシ
ング・カンパニー(Mack Publishing Company)、ペン
シルバニア州、イーストン、第15版、1975を参照された
い。投与されるhIFN−α2の量は、それが治療目的
に有効である程度に対してのみ厳密である。投与される
組成物または製剤中における量は、いずれにしても、治
療される患者が抗偏平上皮癌作用を得るのに有効な量で
ある。
注射可能な投与量0.15ml中のhIFN−α2の量は約1.
5×106I.U.(国際単位)である。
偏平上皮癌でのhIFN−α2の効果を測定する臨床試
験において、hIFN−α2は1.5×106I.U.を1週
間に3日で3週間、すなわち、全量で13.5×106I.
U.の投与量で投与される。
記載されたこれらの投与量および投与法は有益であった
が、それらは単に指標と見なされ且つ担当医師が患者の
年齢および症状並びに偏平上皮癌の苛酷さを考慮してそ
の判断で適当な投与量および投与法を決定するというこ
とが考えられる。したがって、0.1〜10×106I.U.の
hIFN−α2を各注射に用いることができる。
下記に、インターフェロンα−2bを病巣内部に投与さ
れた偏平上皮癌の患者を治療する効果を例示する。
患者および方法 患者 それぞれが1回の生検で皮膚偏平上皮癌と診断された患
者21人を研究に必要とした。病巣は、その最大線寸法で
の大きさが0.5cm〜2.0cmであった。
各患者は良好な健康状態にあり、他の切除または外科的
な方法を受けるよりもむしろインターフェロンα−2b
で治療されるように選択された。
治療 治療は、凍結乾燥したヒト組換え型α−2インターフェ
ロンをバイアル中で且つ滅菌水で稀釈して溶液0.15mlに
1.5×106国際単位(IU)含まれるような十分なインタ
ーフェロン濃度を有する等張溶液に生成したもの用いて
行なった。各病巣に30番の注射針を用いてα−2インタ
ーフェロン0.15mlを注射した。針はその全量を病巣内部
に注射するように注意して病巣に挿入した。その操作を
週に3回の注射で3週間の全部について繰り返した。し
たがって、各病巣には全部で13.5×106I.U.が注射
された。
患者の治療中の臨床的応答および副作用について評価し
た。評価は全部で18週間の治療完了後、6週間間隔で継
続して行なわれた。
応答判定基準 完全に治療された部分を、α−2インターフェロンによ
る治療を完了して18週間後に切除した。臨床的応答を治
療期間中測定し且つ治療された病巣部分での病巣の寸法
および徴候および症状の変化についての評価を通して観
察を続けた。切除標本は、任意の残留する偏平上皮癌の
存在について組織学的に注意深く評価された。
下記の表Iに、組換え型ヒトα−2インターフェロンに
よる偏平上皮癌の治療効果を示す。
表Iのデータから明らかであるように、残留する偏平上
皮癌の形跡は、患者21人中20人の切除生検では見出ださ
れず、観察された治癒率は95%であった。
治療された偏平上皮癌部分は、診断上のパンチ生検から
の微かな萎縮がある場合もある微かな低色素斑および小
さい陥没した瘢痕によって確認することができる。多く
の場合、腫瘍があった部分は診断上の生検から瘢痕によ
って確認することができるにすぎない。
副作用 生命を脅かすような、または重大な副作用は見られなか
った。典型的に、治療の約1週間後に、治療された部分
を約5mm越えて拡張する軽い炎症性反応が観察された。
ほぼ無症状の、この反応は腫瘍徴候を効果的に覆い隠し
且つ治療停止後徐々に軽減した。最初に腫瘍に関係しと
ころを越える腫瘍形成は起こらず、概して、治療後8週
間以内では、腫瘍も炎症性反応も臨床的に明確ではなか
った。
前記に記載した計画の結果により、インターフェロンα
−2bの病巣内注射は偏平上皮癌のための安全で有効な
治療であり、優れた美容効果を生じることが示される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スマイルズ,ケネス・エイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94947, ナヴァト,ストロ・アベニュー 734 (56)参考文献 特開 昭58−77824(JP,A) 特開 昭62−289526(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏平上皮癌の病巣内部での治療に用いるた
    めの組換え型ヒトα−2インターフェロンを含む薬剤組
    成物。
JP2501299A 1988-12-01 1989-11-29 病巣内部で組換え型ヒトαインターフェロンを用いる偏平上皮癌の治療 Expired - Lifetime JPH0647556B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US27831588A 1988-12-01 1988-12-01
US278315 1988-12-01
PCT/US1989/005287 WO1990006135A1 (en) 1988-12-01 1989-11-29 Treatment of squamous cell carcinoma intralesionally with recombinant human alpha interferon

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JPH04500678A JPH04500678A (ja) 1992-02-06
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KR (1) KR950011889B1 (ja)
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AU (1) AU634511B2 (ja)
CA (1) CA2004202C (ja)
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DK (1) DK103891A (ja)
ES (1) ES2058555T3 (ja)
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ES2058555T3 (es) 1994-11-01
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