JPH0647483U - 帯電防止タイル - Google Patents

帯電防止タイル

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JPH0647483U
JPH0647483U JP8321792U JP8321792U JPH0647483U JP H0647483 U JPH0647483 U JP H0647483U JP 8321792 U JP8321792 U JP 8321792U JP 8321792 U JP8321792 U JP 8321792U JP H0647483 U JPH0647483 U JP H0647483U
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layer
antistatic
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thermoplastic resin
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裕一 秋場
龍彦 林
寛 本多
雅巳 麻生
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Lonseal Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 タイルの体積抵抗が105 〜108 Ω、帯電
圧が1kv以下、汚れ難い帯電防止タイルを提供する。 【構成】 導電性材料が添加された体積抵抗が102
105 Ωの導電性熱可塑性樹脂シートからなる裏打基材
層A上に、体積抵抗が108 〜1011Ωの範囲内でかつ
装飾性層Cの体積抵抗と同等かまたはそれ以下の帯電防
止熱可塑性樹脂シートからなる寸法安定性層Bと、体積
抵抗が108 〜1011Ωの帯電防止熱可塑性樹脂からな
る装飾性層Cを積層し、裏打基材層Aから装飾性層Cの
層間または寸法安定性層Bと装飾性層Cのいずれかの層
内に体積抵抗が108 〜1011Ωの範囲内の非伸縮性基
材層Dを積層せしめ、該積層体全体の体積抵抗が105
〜108 Ωで帯電圧が1kv以下の値とする。 【効果】 着色、プリントが可能となり、タイル全体の
体積抵抗を108 以下、帯電圧が1kv以下となり、裏
面より静電気を放出することが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はオフィスビル、半導体製造工場、精密機械製造工場、電気部品製造工 場の様な情報機器、電子機器が設備された場所の床に使用される帯電防止タイル 、特に二重床いわゆるフリーアクセスフロアー用表面仕上げに有用な帯電防止タ イルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オフィスビル、半導体製造工場、精密機械製造工場、電気部品製造工場 の様な電子機器、情報機器が設備された場所の床には、床上に電気配線が多く、 その配線が歩行の妨げになる為、床構造を二重床として床下にその配線を収納し ている。 この様な二重床の上床としての表面仕上げ材は、常に床下配線の変更を行う為 、部分的に取り外しの自由なタイル形状の表面仕上げ材が使用されている。この 様な二重床の表面仕上げ材はくり返し取りはずす為、二重床には完全に接着させ ず、取り外しが自由な帯電防止塩化ビニル樹脂製タイルまたは帯電防止繊維タイ ルが使用されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、近年の情報機器の発達に伴い、二重床の表面仕上げ材の電気性能に関 しても体積抵抗が従来のものよりもさらに低く、体積抵抗が108 Ω以下、特に 105 〜108 Ωで、帯電圧の極度に少ない性能が要求されつつある。例えば通 常の帯電防止樹脂タイルは一般には体積抵抗が108 Ω以下の性能を得る事は困 難であり、帯電圧に関しても1kv以下の性能を得る事は困難である。さらに帯 電防止塩化ビニルタイルの場合、体積抵抗を108 Ω以下、105 〜108 Ωに するために帯電防止剤や帯電防止可塑剤を多量に添加すると、帯電防止剤が表面 へ移行しやすくなり、このため表面がべた付き、汚れを生じ好ましくない。また 、帯電防止剤や帯電防止可塑剤のみでシートの体積抵抗を108 Ω以下の値にす ることは、たとえその添加率を増やしても帯電防止剤の性能上限界があり困難で あった。また、帯電防止性繊維タイルは表面が繊維で構成されている為、汚れが 付着しやすく、メンテナンスが困難であり、好ましくない。
【0004】 また、装飾性層にカーボンブラック等の導電性材料を添加して体積抵抗を低下 させる事は可能ではあるが、カーボンブラックは黒色であるため装飾性層として の使用は美観を損ね敬遠され、更にタイルの摩耗によりカーボンがタイル表面か ら浮遊して部屋を汚染してしまうなどの問題があった。他の金属系の導電性物質 はカーボンのように黒色を呈さないことで装飾性層のとして美観上問題はないが 、これ等の金属系導電性物質を熱可塑性合成樹脂に添加してシートに導電性(電 気伝導)を持たせるには多量に添加する必要があり、シートの強度が低下してし まうばかりでなく、価格的にも非常に高価なものになってしまうという問題があ った。
【0005】 更に、これらの導電性材料でシートの体積抵抗を108 〜1011Ωという比較 的高い抵抗値にするためには、添加率を少なくしなければならい。これらの導電 性材料は粉体、繊維状の固体物質であるため、シート内部での電気の伝導は導電 性材料同士の点接触によりもたらされ、添加率が多いときは優れた伝導を示すが 、添加率を少なくし体積抵抗の比較的高いシートにしようとすると、シート内部 の抵抗値のばらつきが大きくなってしまうという問題を生じていた。
【0006】 本考案は以上の問題点を解決し、タイルの体積抵抗が105 〜108 Ωで、帯 電圧が1kv以下の性能であり、汚れ難くメンテナンスの容易な帯電防止タイル を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】
本考案は、導電性材料が添加され体積抵抗が102 〜105 Ωの値を有する導 電性熱可塑性樹脂シートからなる裏打基材層の上に、帯電防止剤、帯電防止可塑 剤のどちらか一方または両方の添加により体積抵抗が108 〜1011Ωの範囲で かつ装飾性層の体積抵抗と同等かまたはそれ以下の値を有する帯電防止熱可塑性 樹脂シートからなる寸法安定性層と、帯電防止剤、帯電防止可塑剤のどちらか一 方または両方の添加により体積抵抗が108 〜1011Ωの値を有する帯電防止熱 可塑性樹脂からなる装飾性層とが積層され、裏打基材層から装飾性層の層間また は寸法安定性層と装飾性層のいずれかの層内に体積抵抗が108 〜1011Ωの範 囲でかつその層の体積抵抗と同等かそれ以下の値を有する非伸縮性基材層を積層 せしめ、この積層体全体の体積抵抗が105 〜108 Ωで帯電圧が1kv以下の 値とする帯電防止タイルである。
【0008】
【作用】
上記手段における帯電防止タイルは最下層を構成する導電性熱可塑性樹脂裏打 基材層のみに体積抵抗102 〜105 Ωの導電性を持たせることにより、その上 面に位置する寸法安定性層、装飾性層および非伸縮性基材層の体積抵抗が108 〜1011Ωであるにもかかわらず、タイル全体の体積抵抗を105 〜108 Ω、 体電圧を1kv以下にすることができ、従来の帯電防止タイルの制電性をより向 上させることができると共にタイルの最下層を102 〜105 Ωの導電性層とす ることにより、フリーアクセスフロアーに敷設したときにタイルにアースをとる ことなくタイル裏面より静電気を放出することが可能となる。
【0009】
【実施例】
本考案の実施例を図面を用いて説明する。 図1は本考案の帯電防止タイルの構成を示すものであり、Aはカーボンブラッ ク等の導電性材料が添加された導電性熱可塑性樹脂シートからなる裏打基材層、 Bは帯電防止熱可塑性樹脂シートからなる寸法安定性層、Cは着色帯電防止熱可 塑性樹脂シートからなる装飾性層、Dは非伸縮性基材層を示す。
【0010】 本考案における裏打基材層A,寸法安定性層B、装飾性層Cにおいて使用する 熱可塑性樹脂は塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチ レン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重体樹脂、エチレン−ア クリル酸メチル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂で通常 用いられる樹脂であれば何れも使用できる。中でも塩化ビニル系樹脂の使用が好 ましい。
【0011】 導電性熱可塑性樹脂脂シートからなる裏打基材層Aはタイルの最下層となるた め添加される導電性材料に特に制限はなく、導電性材料として黒色のカーボンブ ラック、導電性カーボン繊維、或いは導電性金属紛、導電性金属繊維等の通常用 いられているものを単独または併用して熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜 50重量部の割合で添加し体積抵抗が102 〜105 Ωになるように0.05〜 2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmの厚さにカレンダー成形法、押出し 成形法等によってシート状に成形する。
【0012】 寸法安定性層Bは帯電防止剤または帯電防止可塑剤が単独あるいは併用で添加 され体積抵抗が108 〜1011Ωで、厚さが1.0mm〜4.0mmの帯電防止 熱可塑性樹脂シートからなるものであり、前記導電性熱可塑性樹脂裏打基材層A の上に積層される。この寸法安定性層Bの体積抵抗は108 〜1011Ωの範囲内 で、後述する装飾性層Cの体積抵抗と同等か、または装飾性層Cの体積抵抗より も低くする。これはタイル表面に発生した静電気が装飾性層Cから裏打基材層A へとタイルの内部を通り縦方向へ流れやすくするもので、特に好ましくは装飾性 層Cより寸法安定性層Bの体積抵抗を108 〜1011Ωの範囲内で若干低めに設 定するのが良い。
【0013】 装飾性層Cは帯電防止剤、帯電防止可塑剤が単独または併用で添加された体積 抵抗が108 〜1011Ωで、厚さ0.2〜2.0mmの帯電防止熱可塑性樹脂か らなるものであり、寸法安定性層Bの上に積層する。
【0014】 寸法安定性層B及び装飾性層Cを形成する帯電防止熱可塑性樹脂シートに単独 または併用で添加される帯電防止剤、帯電防止可塑剤はシートの体積抵抗が10 8 〜1011Ωになるように添加する。添加率は帯電防止剤,帯電防止可塑剤の種 類によってそれぞれ異なるが、帯電防止剤の場合は、熱可塑性樹脂100重量部 に対して0.5〜5重量部、帯電防止可塑剤の場合は、熱可塑性樹脂100重量 部に対して5〜50重量部の割合で添加するのが好ましく、両者を併用する場合 も0.5〜55重量部の割合とするのが良い。
【0015】 本考案において使用する帯電防止剤は一般に用いられているものであれば何れ も使用でき、例えばアニオン系、カチオン系、非イオン系、両性の界面活性剤か らなる帯電防止界面活性剤等であるがこれらに限定されるものではない。 これらの帯電防止剤は常温で液状であるかまたは、熱可塑性樹脂シートの加熱 成形時に液状に溶融する粉末状のものであることが良く、このような帯電防止剤 を用いることにより熱可塑性樹脂装飾性層C及び寸法安定性層Bのシート内部に 均一に分散させることができる。従ってカーボン系または金属系の固体の導電性 材料を使用したときのように体積抵抗にほとんどばらつきがないものを得ること ができる。
【0016】 また、帯電防止可塑剤は通常用いられるものであればいずれも使用でき、例え ばフタル酸エステルのアルキル鎖中にエーテル結合を有するフタル酸エステル系 可塑剤や側鎖に水酸基やカルボキシル基を持ったフタル酸エステル系可塑剤、或 いは同様にアルキル鎖中にエ−テル結合を有する脂肪族系可塑剤、リン酸エステ ル系可塑剤、側鎖に水酸基やカルボキシル基を持った脂肪族系可塑剤、グリコー ル脂肪酸エステル系可塑剤などであり、特にアルキル鎖中にエーテル結合を持っ たフタル酸エステル系可塑剤が良い。これら帯電防止可塑剤の添加率は混合する 熱可塑性樹脂との相溶性、制電性等により異なるが、好ましくは樹脂100重量 部に対し1〜50重量部の割合で添加するのが良い。
【0017】 上記帯電防止剤、帯電防止可塑剤は単独で用いても併用しても良く、特に好ま しくは帯電防止可塑剤を主体に目的の体積抵抗に合わせ帯電防止剤を適宜添加し て用いるのが良い。併用する場合も体積抵抗が108 〜1011Ωになるように熱 可塑性樹脂100重量部に対し0.5〜55重量部の割合で添加するのが好まし い。また帯電防止可塑剤は所望の体積抵抗に合わせ、汎用の可塑剤、例えばDO P(ジ−2−エチルヘキシル・フタレート)等と併用することも可能である。
【0018】 寸法安定性層Bはタイルの寸法安定性を向上させるために、重質炭酸カルシウ ム、軽質炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ粉等の無機質充填材、木粉、 繊維粉等の有機質充填材を熱可塑性樹脂に添加してシート状に形成し、その厚さ はタイル全体の厚さによって異なるが、1.0〜4.0mmの範囲であることが 好ましく、単層または何層かに積層された熱可塑性樹脂シートで構成する。該寸 法安定性層Bは1.0〜4.0mmと厚く、タイルの中心構成部分となるため、 上記充填材はタイル全体の伸縮性、寸法安定性を向上させるために熱可塑性樹脂 100重量部に対し100重量部以上、好ましくは100〜500重量部の範囲 内で添加するのが良い。寸法安定性層Bは特に着色する必要はなく、帯電防止剤 または/および帯電防止可塑剤の添加により体積抵抗が108 〜1011Ωの値を 有する熱可塑性樹脂シート状のものであればいずれの形態でも良い。 仮に寸法安定性層Bにカーボン系または金属系の導電性材料を使用して体積抵 抗を108 〜1011Ωの値にしようとしても、導電性材料の添加部数を少量にし なければならず、添加率を減らすとこれら導電性材料は粉体や繊維状の固体状で あるために、電気の伝導は導電性材料同志の点接触によって行なわれ、従って本 考案の寸法安定性層Bのうようにシートの厚さが1.0〜4.0mmと比較的厚 い場合シート内部の電気抵抗にばらつきが生じてしまい好ましくない。
【0019】 装飾性層Cはカーボン系の導電性材料が添加しないので、任意の色調に着色で き、更に表面を透明層とすることもできる。 装飾性層Cは単層または複数のシートが積層された構造であっても良く、シー トにグラビア印刷、スクリーン印刷、転写印刷等により種々のプリント模様を施 したり、黒色のカーボンを含まない、帯電防止剤、帯電防止可塑剤が添加された 熱可塑性樹脂製チップやフレークを押し固めて装飾性層をインレイドタイプにす ることも可能である。また、装飾性層表面に滑り防止やより装飾性を高めるため に装飾性層Cに絞模様を形成しても良い。 装飾性層Cを積層構造とする場合、下層を印刷などで模様を施しその表面に透 明なシート、フイルムを積層することも可能である。この場合もそれぞれの層は 、帯電防止剤、帯電防止可塑剤の添加により体積抵抗を108 〜1011Ωの範囲 に設定する。
【0020】 更に、タイル表面の耐摩耗性などを向上させるために、装飾性層表面に硬化型 ウレタン系樹脂などの透明な耐摩耗性層を厚さ3〜100μm程度に薄く形成す ることも可能である。厚さが2〜10μmとごく薄く形成する場合は、耐摩耗性 層の中に帯電防止剤を添加せずともタイルの体積抵抗は変化せず、10〜100 μmの厚さに形成する場合は、耐摩耗性層に帯電防止剤を少量添加するのが好ま しい。 いずれの構成であっても装飾性層の体積抵抗は108 〜1011Ωの範囲内のも ので、装飾性層の内部の熱可塑性樹脂には帯電防止剤、帯電防止可塑剤のいずれ か一方または両方が層内に均一に分散されているので、縦方向はもちろんのこと 、装飾性層全体の帯電防止性はばらつきがないものである。
【0021】 導電性熱可塑性樹脂裏打基材層Aの体積抵抗を106 Ω以上にするとタイル全 体の体積抵抗を105 〜108 Ωの範囲内にすることができず、102 Ω以下に するには多量の導電性材料を添加しなければならず、高価になるばかりでなくシ ートの強度が低下し、シートの加工や成形自体が困難になり、更には導電性材料 を多量に添加してもシートの体積抵抗は僅かにしか低下せず、従って、102 〜 105 Ωの体積抵抗であることが好ましい。
【0022】 また、寸法安定性層B及び装飾性層Cの体積抵抗を108 Ω以下にすることは シートのべたつき、汚れなどの前記した理由により好ましくなく、また、1012 Ω以上にするとタイル全体の体積抵抗を105 〜108 Ωの範囲内にすることが できなくなり、108 〜1011Ω内であることが好ましい。従って例えば装飾性 層Cの体積抵抗を1010Ω、寸法安定性層Bの体積抵抗を109 Ω、裏打基材層 Aの体積抵抗を103 Ωの様に装飾性層Cよりも寸法安定性層Bの体積抵抗を若 干低くすることにより、装飾性層Cから裏打基材層Aへと電気の流れをより一層 良くすることができ、積層体としての体積抵抗は108 Ω以下となり、帯電圧も 1kv以下になる。
【0023】 非伸縮性材層Dはタイル全体のよりいっそうの伸縮防止のためと、反りを防止 するために裏打基材層Aから装飾性層Cの層間または寸法安定性層と装飾性層と のいずれかの層内の位置に積層される。通常は、タイルのほぼ中央部から装飾性 層Cの間に積層し、タイルの反りを防止すると共に伸縮を防止する。この非伸縮 性基材層Dはカーボン繊維や金属繊維等が混抄された体積抵抗が108 〜1011 Ωのガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の不織布、織布、或いは 帯電防止剤、帯電防止可塑剤を添加した帯電防止性塩化ビニル樹脂が含浸された 体積抵抗が108 〜1011Ωのガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維 等の不織布、織布等で、特に、これらのうちガラス繊維を使用することが伸縮防 止、定型に断裁するときの加工上好ましい。
【0024】 上記構成による帯電防止タイルは厚さが2.0〜6.0mm程度に成形され、 タテ、ヨコの大きさを200〜600mmの正方形あるいは長方形等の矩形の他 ,三角形,五角形,六角形の多角形とし、積層されたタイル全体の体積抵抗を1 05 〜108 Ω、帯電圧を1kv以下にすることが可能となる。
【0025】 次に本考案の具体的実施例を示す。 配合例1 塩化ビニル樹脂(ニポリットSL) 100重量部 DOP 60重量部 ステアリン酸鉛 2.0重量部 ステアリン酸バリウム 0.5重量部 二塩基性ステアリン酸鉛 0.3重量部 ケッチェンブラック 30重量部 炭酸カルシウム 20重量部 上記組成の塩化ビニルコンパウンドをヘンシェルミキサーにて室温で30秒間 混合撹拌する。充分に混合した後、150℃に加温されたバンバリミキサーにて 2分混練りし、コンパウンドをゲル化させる。180℃の温度に調整されたカレ ンダー成形機にてコンパウンドを0.5mm厚さに圧延し、導電性裏打基材シー トを作成した。このシートの体積抵抗は3.8×103 Ωであった。
【0026】 配合例2 塩化ビニル樹脂(ニポリットSL) 100重量部 DOP 65重量部 ジブトキシエチルフタレート 20重量部 ステアリン酸バリウム 1.5重量部 ステアリン酸亜鉛 1.5重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1.0重量部 炭酸カルシウム 200重量部 上記組成の塩化ビニルコンパウンドをヘンシェルミキサーにて室温で30秒間 混合撹拌する。充分に混合した後、150℃に加温されたバンバリミキサーにて 1分混練りし、コンパウンドをゲル化させる。180℃の温度に調整されたカレ ンダー成形機にてコンパウンドを3.0mmに圧延し、寸法安定性層を作成した 。このシートの体積抵抗は8.7×108 Ωであった。
【0027】 配合例3 塩化ビニルペースト樹脂(ゼオン37J) 100重量部 DOP 60重量部 ジブトキシエチルフタレート 30重量部 バリウム−亜鉛系液状安定剤 3.0重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル 3.0重量部 カーボントーナー 1.0重量部 上記配合をミキサーにて混合し塩化ビニルペーストとし、ガラス不織布に前記 ペーストをナイフコーターを用いて50g/m2 〜300g/m2 程度塗布、含 浸後、180℃のオーブンにて3分加熱ゲル化させ、厚さ0.5mmのシート状 の非伸縮性基材層を作成した。この非伸縮性基材層の体積抵抗は4.2×109 Ωであった。
【0028】 配合例4 塩化ビニル樹脂(ニポリットSL) 100重量部 DOP 25重量部 ジブトキシエチルフタレート 20重量部 ステアリン酸バリウム 1.5重量部 ステアリン酸亜鉛 1.5重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1.0重量部 炭酸カルシウム 20重量部 上記組成の塩化ビニルコンパウンドをヘンシェルミキサーにて室温で30秒間 混合撹拌する。充分に混合した後、着色剤として酸化チタン1重量部、フタロシ アニンブルー3重量部を添加し、150℃に加温されたバンバリミキサーにて1 分混練りし、コンパウンドをゲル化させる。180℃の温度に調整されたカレン ダー成形機にて、コンパウンドを厚さ1.0mmに圧延し、装飾性層を作成した 。得られたシートはブルーに着色され、体積抵抗は5.1×109 Ωであった。
【0029】 上記各シートを裏打基材シート、寸法安定性層、非伸縮性基材層、装飾性層を 順次積層して厚さ5.0mmの積層シートとした。室温にて2日間冷却後、プレ スカットを行い縦横500mm角のタイル状とした。このタイルの電気性能を測 定したところ、 体積抵抗 JIS K 6911 2.0×107 Ω 表面抵抗 JIS K 6911 5.0×107 Ω 帯電圧 JIS L 1094 5v 人体帯電圧 JIS L 1021 20v の性能であった。
【0030】
【考案の効果】
本考案は導電性材料が添加された体積抵抗が102 〜105 Ωの値を有する導 電性熱可塑性樹脂シートからなる裏打基材層上に、帯電防止剤,帯電防止可塑剤 のどちらか一方または両方の添加により体積抵抗が108 〜1011Ωの範囲内で かつ装飾性層の体積抵抗と同等かまたはそれ以下の値を有する帯電防止熱可塑性 樹脂シートからなる寸法安定性層と、帯電防止剤,帯電防止可塑剤のどちらか一 方または両方の添加により体積抵抗が108 〜1011Ωの値を有する帯電防止熱 可塑性樹脂からなる装飾性層を積層し、裏打基材層から装飾性層の層間または寸 法安定性層と装飾性層とのいずれかの層内に体積抵抗が108 〜1011Ωの範囲 内でかつその層の体積抵抗と同等かそれ以下の値を有する非伸縮性基材層を積層 せしめ、該積層体全体の体積抵抗が105 〜108 Ωで帯電圧が1kv以下の値 としたから装飾性層に導電性カーボンブラック、導電性カーボン繊維等の黒色ま たは暗色系の導電性材料が添加されていないので、任意に着色、プリントするこ とが可能となり、従来の帯電防止タイルのようにデザインに制限られることがな く、装飾性に優れた帯電防止タイルを提供できる。
【0031】 また、タイルの最下層のみを体積抵抗が102 〜105 Ωの導電性層とするこ とにより、寸法安定性層、装飾性層、非伸縮性基材層の体積抵抗が108 〜10 11 Ωの抵抗であるにも関わらず、タイル全体の体積抵抗を108 以下、帯電圧を 1kv以下とすることができ、帯電防止性の優れたタイルを提供することができ る。また、帯電防止剤、帯電防止可塑剤を多量に添加せずとも最下層の導電性層 の影響により、タイル自体の体積抵抗は低下するので、帯電防止剤、帯電防止可 塑剤を多量に添加した場合に起きるブリード、ブルームによるタイル表面のべた つき現象は生じなくなり、従って、汚れにくくメンテナンスの容易な帯電防止タ イルを提供できる。
【0032】 カーボンブラック、カーボン繊維、導電性金属紛、導電性金属繊維等の導電性 物質を添加したシートを最下層のみに用いることにより、安価になるばかりでな く、タイル表面からカーボンや金属粉が摩耗により脱落したり浮遊するといった 不具合はなくなり、更に装飾性層、寸法安定性層のシートは帯電防止剤、帯電防 止可塑剤のみによって体積抵抗を108 〜1011Ωにしているので、シート内部 の電気伝導は均一になり導電性材料を用いたときのようなシート内部の抵抗値の ばらつきはなくなり、また、シートの強度を向上させる事ができる。 最下層が導電性であるのでフリーアクセスフロアーにタイルを敷設して裏面に アースをとることなく裏面より静電気を放出することが可能となる。
【0033】 タイルの層間いずれかの位置に体積抵抗が108 〜1011Ωの非伸縮性基材層 が積層されているので、タイルの体積抵抗を阻害することもなく、タイルのより 一層の伸縮、反りを防止させることがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の帯電防止タイルの拡大断面図。
【符号の説明】
A:導電性熱可塑性樹脂シートからなる裏打基材層 B:帯電防止熱可塑性樹脂シートからなる寸法安定性層 C:帯電防止熱可塑性樹脂からなる装飾性層 D:非伸縮性基材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 麻生 雅巳 茨城県土浦市東中貫町5−3 ロンシール 工業株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料が添加された体積抵抗が10
    2 〜105 Ωの値を有する導電性熱可塑性樹脂シートか
    らなる裏打基材層上に、帯電防止剤,帯電防止可塑剤の
    どちらか一方または両方の添加により体積抵抗が108
    〜1011Ωの範囲内でかつ装飾性層の体積抵抗と同等か
    またはそれ以下の値を有する帯電防止熱可塑性樹脂シー
    トからなる寸法安定性層と、帯電防止剤,帯電防止可塑
    剤のどちらか一方または両方の添加により体積抵抗が1
    8 〜1011Ωの値を有する帯電防止熱可塑性樹脂から
    なる装飾性層を積層し、裏打基材層から装飾性層の層間
    または寸法安定性層と装飾性層のいずれかの層内に体積
    抵抗が108 〜1011Ωの範囲内でかつその層の体積抵
    抗と同等かそれ以下の値を有する非伸縮性基材層を積層
    せしめ、該積層体全体の体積抵抗が105 〜108 Ωで
    帯電圧が1kv以下の値を有する帯電防止タイル。
  2. 【請求項2】 帯電防止層と導電性層を構成する熱可塑
    性樹脂が塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂である請求
    項1に記載の帯電防止タイル。
JP8321792U 1992-12-02 1992-12-02 帯電防止タイル Pending JPH0647483U (ja)

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JP8321792U JPH0647483U (ja) 1992-12-02 1992-12-02 帯電防止タイル

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