JP2000508264A - 半導電性フロアカバリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フロアカバリングの表面に平行な導電性材料の層（２）、および、前記導電性材料の層に付着しているポリ塩化ビニルをベースとする材料の層（１，３）からなる半導電性フロアカバリング。フロアカバリング中のポリ塩化ビニルのための可塑剤として、２−エチルヘキシルジフェニルホスフェートおよび脂肪族エステル化合物が用いられ、または、これらの２種が混合され、ポリ塩化ビニル１００部当たり３０〜８０部の可塑剤を含む。充填剤として、タルクおよび／またはＡＴＨ１〜２５０部をさらに含む。

Description

【発明の詳細な説明】 半導電性フロアカバリング 本発明は、カバリングの表面に平行な導電性材料の層、および、前記導電性材 料の層に付着しており、そしてポリ塩化ビニルおよび少なくとも１種の可塑剤を 含む、少なくとも１層のポリ塩化ビニルをベースとする材料の層からなる半導電 性フロアカバリングに関する。 静電放電または静電気の蓄積が安全面から許されない場所において、半導電性 フロアカバリングは要求される。この事実は、例えば、爆薬産業およびコンピュ ータ産業、並びに、静電気の蓄積およびその放電が安全面またはコストに関する 問題を生じうる他の多くの場所に関連がある。 半導電性フロアカバリングは、カバリング材料の表面から接地点で測定した抵 抗が少なくとも５０ｋΩであり、そして、１００ＭΩ以下である材料と理解され る。 従来技術において、半導電性フロアカバリングはゴムまたはプラスティックの いずれかから製造され、このゴムまたはプラスティックに十分な量のカーボンブ ラックを添加し、それにより、半導電性カバリング材料にあたる導電率が達成さ れうる。別の従来技術の解決法において、マットの下側層は導電性材料であり、 その上に隔離した材料の層が提供されており、その層を通して導電性材料からで きた結線が配置されており、それにより、これらの結線部における導電性材料は コーティング材料の表面から底まで延びている。このような解決法は、例えば、 米国特許第５，３０７，２３３号から知られており、チップは、導電性ボトム層 の上に配置され、チップの 直の縁は導電性材料によりコーティングされている。 カーボンブラックを含む材料の問題点は、材料が、通常、黒くなり、そしてど んな着色性材料によってもカバーされえないことである。更に、カーボンブラッ クを用いると、製造の間に機械を汚し、そして、例えば、材料のタイプを変える ときに、生産品を廃棄することになる。更に、溶融状態のこのような材料を延伸 すると、その導電性が悪化する。様々な種類の導電性要素を用いる解決法は、こ のような要素からマット材料を製造することが困難で且つ高価であり、そして更 には、適切な操作のために導電性要素をコーティングしそして測定することが困 難である、という欠点を共有する。 更に、このようなカバリングにおいて、金属粒子のような他の導電性材料を用 いることは高価であり、更に、このような添加剤を使用することにより、着色剤 または材料の色の選択は大きく制約される。というのは、導電性のために、カバ リングは着色されえないか、または、表面パターンをカバリング上にプリントし えないからである。 本発明の目的は、従来技術の欠点を回避でき、そして、良好に機能しかつ耐摩 耗性であり、そして着色できそしてプリント技術によりパターン化でき、そして 無色または透明の耐摩耗性の表面層を更に有することができる、半導電性フロア カバリングを提供することにある。 本発明に係るフロアカバリングは、可塑剤が少なくとも主として２−エチルヘ キシルジフェニルホスフェートおよび／または脂肪族エステル化合物を含み、且 つ、ポリ塩化ビニル材料が、充填剤として、タルクおよび／またはアルミナ三水 和物を含み、ポリ塩化ビニル材料中の成分の相対割合はポリ塩化ビニル１００部 当たり前記可塑剤３０〜８０部および前記充填剤１〜２５０部であることを特徴 とする。 本発明の本質的な思想は、ポリ塩化ビニル材料（以下、ＰＶＣ）のために用い られる一次可塑剤は２−エチルヘキシルジフェニルホスフェート（以下、ＤＰＯ Ｆ）および／または脂肪族エステル化合物であり、さらに、ＰＶＣ１００部当た りに合計で３０〜８０部の可塑剤が用いられるように下記の可塑剤のうちの１種 以上を用いることができることである。 −モノマーもしくはポリマーのフタレート、 −モノマーもしくはポリマーのアジペート、 −ホスフェート可塑剤、 −ベンゾエート可塑剤、 −ポリエステル可塑剤、 −トリメリテート可塑剤、 −アルキルスルホン酸エステル、 −ポリグリコエート、 これは、ＤＰＯＦおよび／または脂肪族エステル化合物の割合はＰＶＣ１００部 当たりに少なくとも３０部であり、そして他の可塑剤の割合は変化してよいこと を意味する。更に、本発明の本質的な特徴は、可塑剤のほか、タルクもしくはア ルミナ三水和物（ＡＴＨ）を含む充填剤は純粋なタルクもしくはアルミナ三水和 物の割合がＰＶＣ１００部当たり１〜２５０部であるようにＰＶＣ材料に加えら れることである。本発明の好ましい態様によると、ＰＶＣの導電性が半導電性材 料の要求を満たしながら、無色であり、またはさらには透明であるＰＶＣを製造 することができる。本発明のさらに別の本質的な思想は、ＰＶＣ層に付着した導 電性層を有し、この導電性層がフロアカバリングの最も下の層であるか、または カバリングの底の表面に有利に近接していることである。 本発明のフロアカバリングは、フロアカバリング自体が前記の割合で材料を単 に混合することにより製造でき、その後、その片面または両面に導電性層を付着 させることができる、という利点を提供する。適切なカーボンガラス繊維層もし くは金属層を用いることにより、導電性層は所望ならばカバリング材料の中の配 置されてよい。本発明のカバリングの更なる利点は、例えば、２層のＰＶＣ層で あって、その下の層が着色されており、例えば、白であり、そして上の層が無色 または透明である、２層のＰＶＣ層を形成することにより、どんな色でも所望の 色のフロアカバリングを製造することができる。さらに、フロアカバリングの半 導電性を悪化させずに、上の層は耐摩耗性成分を有することができる。 次に、本発明は添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。 図１は本発明の１態様を示し、そして、 図２は本発明のフロアカバリングの第２の態様を示す。 図１は、本発明により調製されたフロアカバリングの略図である。このフロア カバリングは実質的に均質なＰＶＣ材料１を含む。ＰＶＣ材料の中には、この態 様における導電性層であるカーボンガラス繊維層２が含まれる。ＰＶＣ材料１は 、次の通り、ＰＶＣ、可塑剤および充填剤からなる。 例１ １００部のＰＶＣと、可塑剤として３０部の脂肪族エステル（商品名Bisoflex 124（商標）、International Specialty Chemmicals製）、５部のアルミナ三水 和物、即ち、ＡＴＨおよび２部の二酸化チタンおよび２部の安定剤を混合するこ とにより、２ｍｍの厚さの半導電性材料を調製した。この層の中には、１０％の カーボンを含むカーボンガラス繊維層が提供された。材料の抵抗を５００ＶＤＣ で標準ＳＦＳ−ＥＮ１０００１５によって厚さ方向に測定し、得られた抵抗は５ ×１０⁵Ωであった。 この混合物は０．１〜２ｍｍの厚さのＰＶＣ材料に５×１０⁵Ωの導電性を提 供する。可塑剤および充填剤の量を、３０〜８０部の可塑剤および１０〜２００ 部の充填剤の範囲内で変化させることにより、抵抗は幾分変化するが、半導電性 の範囲にある。安定剤は、錫、カルシウム、亜鉛またはバリウム、カルシウム、 亜鉛をベースとする化合物であり、ＰＶＣをベースとする材料を安定化させるた めに一般に用いられるものである。これらは周知のものであり、それ故、更に説 明する必要はない。 ＰＶＣ材料１は次のようにも製造されうる。 例２ カーボンを１０％含むカーボンガラス繊維層を間に含む１ｍｍの厚さの半導電 性材料を調製した。 １００部のＰＶＣ、８０部の可塑剤（４０部のＤＰＯＦ、３０部の脂肪族エス テルおよび１０部のジイソデシルアジペート（ＤＩＤＡ））、２０２部の充填剤 （５０部のタルクおよび１５０部のＡＴＨ並びに２部の二酸化チタン）、および 、２部の安定剤を混合した。材料の抵抗を標準ＳＦＳ−ＥＮ１０００１５によっ て厚さ方向に測定し、７×１０⁵Ωの抵抗が得られた。 同様にして、異なる抵抗値は、可塑剤および充填剤の量を変えることにより半 導電性の範囲内で得ることができる。 カーボンガラス繊維層２は１〜５０％のカーボンを含み、それにより、フロア カバリングとしての使用のために十分な強さと十分な導電性の層を形成する。カ ーボンガラス繊維層の代わりに、例えば、要求される導電率を満たす薄いワイヤ ーメッシュを用いてもよい。 図２は、本発明のフロアカバリングの第二の態様を示す。この態様において、 導電性層２は最も下の層であり、その上には、第一のＰＶＣ層１がある。第一の ＰＶＣ層１の上には、第二のＰＶＣ層３があり、第二のＰＶＣ層は組成および性 質に関して第一のＰＶＣ層と異なる。この態様において、第二のＰＶＣ層３は次 のように形成される。 例３ 例１による材料（厚さ１ｍｍ、カーボンガラス繊維層を含まない、図２の層１ ）を、次のように調製した１ｍｍの無色の層（図２の層３）に付着させた。 １００部のＰＶＣ、６０部の可塑剤（ＤＰＯＦ、商品名SANTICIZER 141)、１ ０部の充填剤（タルク）および２部の安定剤(商品名LANCRO BT 295)。導電性カ ーボンガラス繊維層を図２の層１の底に付着させた。この導電性層は１０％のカ ーボン繊維を含んだ。材料の抵抗を標準ＳＦＳ−ＥＮ １０００１５によって厚 さ方向に測定し、そして１７×１０⁶Ωの抵抗を得た。 このように、第二のＰＶＣ層３が無色であり、第一のＰＶＣ層１が着色されて いる製品を得た。所望ならば、第一のＰＶＣ層は、導電率を実質的に変化させず に、絵柄のない無地で着色されるか、または、異なるパターンまたは色を含むよ うに既知の方法で着色されてよい。最後に、硬くしそして耐摩耗性とする成分、 例えば、ＡＴＨまたはタルク、および、所望ならば、ＰＶＣ１００部当たり１〜 ９０部のガラスを第二のＰＶＣ層３の中に混入させることにより、無色の耐摩耗 性の層を得ることができ、その層を通して、第一のＰＶＣ層の色を見ることがで きる。全体のフロアカバリングの導電率は、層１および３から導電性層２を通し て、なおも、望まれる半導電性にあるであろう。もし、第二のＰＶＣ層が透明な 層であること が望まれるならば、要求される成分は次の割合で混合される。 例４ 例２による材料（厚さ１．５ｍｍ、カーボンガラス繊維層を含まない、図２の 層１）を、次のように調製した０．５ｍｍの厚さの透明な層（図２の層３）に付 着させた。 １００部のＰＶＣ、５５部の可塑剤（３０部のＤＰＯＦおよび２５部の脂肪族 エステル）、２０部の充填剤（ＡＴＨ）および２部の安定剤。図２に示した層１ の底に、導電性カーボンガラス繊維層を付着させ、その導電性層は１０％のカー ボン繊維を含んだ。材料の抵抗を、標準ＳＦＳ−ＥＮ１０００１５によって厚さ 方向に測定し、そして４×１０⁶Ωの抵抗が得られた。 結果的に、適切な着色剤を用いて、第一のＰＶＣ表面上に所望のパターンをプ リントし、その後に、第二の透明なＰＶＣ層で覆い、半導電性であるが、外観に 関しては、見栄えがよく、魅力のあるフロアカバリングを得ることができる。 導電性層２は、上記の通り、カーボンガラス繊維組成物から形成されてもよい し、または、ワイヤーメッシュ等を用いて形成されてもよい。さらに、導電性層 は、フロアカバリングの下に、または、１層より多くのＰＶＣ層から形成された フロアカバリングの場合には、２つの層の間に、導電性のプリント用インクを用 いて、別個の導電性層をプリントすることにより得ることができる。所望ならば 、導電性層は、カーボンブラックを含む通常の配合材（ｍａｓｓ）から形成され てもよいが、よく知られている欠点がある。さらに、フロアカバリングを下地か ら断路することを望むならば、フロアカバリングの下に別個の非導電性層を提供 してもよい。しかし、フロアカバリングの表面から導電性層に延びているＰＶＣ 材料を上記の方法において調製し、それにより、抵抗の特性に関して、全体のフ ロアカバリングが半導電性となるようにすることが必須である。 充填剤に関して、タルクは純粋のタルクであっても、または、ソープロックか らグラインディングにより製造されたタルコース材料であってもよい。しかし、 カバー材料中の成分の分量を決めるときに、純粋な充填剤、即ち、純粋なタルク の量により決定され、そしてソープロックパウダー中の添加剤は考慮にいれない 。充填剤はＡＴＨであっても、またはタルクであってもよく、そして所望ならば 、その両方が同時に用いられてよい。さらに、ＤＰＯＦおよび／または脂肪族エ ステル化合物（例えば、商品名Bisoflex 124（商標）で販売される製品）は可塑 剤として作用することができ、または、これらの２つは一緒に、または、そのう ちの片方が、次の１種以上の可塑剤とブレンドされてよい。 −モノマーもしくはポリマーのフタレート、 −モノマーもしくはポリマーのアジペート、 −ホスフェート可塑剤、 −ポリエステル可塑剤、 −トリメリテート可塑剤、 −アルキルスルホン酸エステル、 −グリコエート、 −ベンゾエート、 本発明により調製されたＰＶＣ材料は、所望ならば、半導電性の要求をなおも 実現するカバー層とともに発泡されてもよい。さらに、種々の導電性粒子から配 合された材料から形成される導電性層は、既知の方法により製造されてよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．フロアカバリングの表面に平行な導電性材料の層（２）、および、前記導 電性材料の層に付着しており、そしてポリ塩化ビニルおよび少なくとも１種の可 塑剤を含む、少なくとも１層のポリ塩化ビニルをベースとする材料の層（１，３ ）からなる、半導電性フロアカバリングであって、 前記可塑剤は２−エチルヘキシルジフェニルホスフェートおよび／または脂肪 族エステル化合物を少なくとも主に含み、そして、前記ポリ塩化ビニルをベース とする材料は、充填剤としてタルクおよび／またはアルミナ三水和物を含み、ポ リ塩化ビニルをベースとする材料中の成分の相対割合は、ポリ塩化ビニル１００ 部当たり、前記可塑剤が３０〜８０部であり、そして前記充填剤が１〜２５０部 であることを特徴とする、半導電性フロアカバリング。 ２．導電性材料の層がカーボンガラス繊維の層であることを特徴とする、請求 項１記載のフロアカバリング。 ３．成分の割合は、ポリ塩化ビニル１００部当たり、可塑剤が３５〜７０部で あり、そして、充填剤中に含まれる純粋なタルクおよび／またはアルミナ三水和 物の割合が１〜９０部となるような充填剤の量である、少なくとも１層の無色の 層を含むことを特徴とする、請求項１または２記載のフロアカバリング。 ４．ポリ塩化ビニルをベースとする材料の成分の割合は、ポリ塩化ビニル１０ ０部、可塑剤３５〜７０部、および、充填剤中の純粋なタルクおよび／またはア ルミナ三水和物の割合が１〜９０部となるような充填剤の量である、少なくとも １層の透明なポリ塩化ビニルをベースとする材料の層を含むことを特徴とする、 請求項３記載のフロアカバリング。 ５．少なくとも２層のポリ塩化ビニルをベースとする材料の層を含み、導電性 材料の層に付着している下側の層は着色されていることを特徴とする、請求項３ または４記載のフロアカバリング。 ６．無色または透明な層を形成する前に、着色された層の表面上にパターンが プリントされていることを特徴とする、請求項５記載のフロアカバリング。