JPH0647465B2 - BaO・9/2Fe▲下2▼O▲下3▼微結晶粉末の製造方法 - Google Patents

BaO・9/2Fe▲下2▼O▲下3▼微結晶粉末の製造方法

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JPH0647465B2
JPH0647465B2 JP60191247A JP19124785A JPH0647465B2 JP H0647465 B2 JPH0647465 B2 JP H0647465B2 JP 60191247 A JP60191247 A JP 60191247A JP 19124785 A JP19124785 A JP 19124785A JP H0647465 B2 JPH0647465 B2 JP H0647465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、板状 BaO・6Fe2O3粒子粉末の製造に好適な原
料である BaO・9/2Fe2O微結晶粉末の製造法に関する
ものであり、詳しくは、オートクレーブ等の特殊な装置
を使用することなく、常圧下の水溶液中から粒度が均斉
であり、且つ、微細な BaO・9/2Fe2O微結晶粉末を工
業的、経済的に有利に得ることを目的とする。
本発明によって製造される BaO・9/2Fe2O微結晶粉末
を原料として空気中で加熱して得られた板状 BaO・6Fe2
O3微粒子粉末の主な用途は、焼結磁石及びゴム、プラス
チック磁石用磁性材料粉末、磁気記録用磁性材料粉末、
防食、防錆塗料用顔料粉末等である。
〔従来の技術〕
板状 BaO・6Fe2O3粒子粉末は、焼結磁石及びゴム、プラ
スチック磁石用材料粒子粉末として現在広く使用されて
いる。
焼結磁石は、板状 BaO・6Fe2O3粒子粉末等の磁性材料粉
末を加圧、成型した後、本焼成を行うことにより製造さ
れる。
また、ゴム、プラスチック磁石は、 BaO・6Fe2O3粒子粉
末等の磁性材料粉末をゴム、プラスチックと混練、成型
することにより製造される。
次に、近年、磁気記録分野における記録密度の高密度化
に伴い、従来方式に比べ、約3倍以上の高密度記録がで
きる垂直磁化方式の実用化が進められているが、板状 B
aO・6Fe2O3粒子粉末はこれら磁気記録用材料粒子粉末と
しても期待される。
更に、近代工業の発展と共に各種の金属材料の使用量が
急速に増加し、その使用条件も多様化し、より一層過酷
な環境下で使用されるようになった結果、金属製品の腐
食の問題がクローズアップされ、防食、防錆塗料用の需
要が激増しているが、板状 BaO・6Fe2O3粒子粉末は、こ
れら防食、防錆塗料用顔料粉末として期待される。
上述した通り、 BaO・6Fe2O3粒子粉末は、様々の分野で
の使用が期待されているが、いずれの分野においても共
通して要求される BaO・6Fe2O3粒子粉末の特性は優れた
分散性である。即ち、高性能、高特性の製品を得ようと
すれば、焼結磁石においては加圧、成型に際しては磁性
材料粉末を一定方向に高密度に整列、配向させることが
必要であり、また、ゴム、プラスチック磁石の製造にお
いては混練に際して、磁気記録媒体及び防食、防錆塗料
の製造においては塗料化に際して磁性材料粉末を均一、
且つ、高密度に分散させる必要があり、分散性の優れた
BaO・6Fe2O3粒子粉末は最も要求されるところである。
分散性の優れた BaO・6Fe2O3粒子粉末としては、粒度が
均斉であり、且つ、微細な粒子であることが必要であ
る。
従来、粒度が均斉であり、且つ、微細な板状 BaO・6Fe2
O3粒子粉末を得る方法として、例えば、Fe(III)とBaイ
オンとを含むアルカリ性懸濁液を 110〜190 ℃の温度範
囲で水熱処理することにより生成した BaO・9/2Fe2O
微結晶粉末を空気中 800℃以上の温度で加熱する方法が
知られている。
この方法におる場合には、生成したBaO・9/2Fe2O3が粒
度が均斉であり、且つ、微細な粒子であることに起因し
て、該 BaO・9/2Fe2Oを原料として得られる板状 BaO
・6Fe2O3粒子もまた粒度が均斉で、且つ、微細な粒子と
なる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分散性の優れた板状 BaO・6Fe2O3粒子粉末は、現在最も
要求されているところであり、このような板状 BaO・6F
e2O3粒子粉末を得る為には、先ず、粒度が均斉であり、
且つ、微細な BaO・9/2Fe2O粒子を生成させることが
必要であるが、上述した通りの水熱処理法による場合に
は、オートクレーブという特殊な装置を必要とする為、
BaO・9/2Fe2O微結晶粉末の量産に限界があり、工業
的、経済的ではないという欠点があった。
そこで、 BaO・9/2Fe2O微結晶粉末を工業的、経済的
に量産する為の技術手段の確立が強く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、 BaO・9/2Fe2O微結晶粉末をオートクレ
ーブ等の特殊な装置を用いることなく工業的、経済的に
容易に得るべく種々検討を重ねた結果、本発明に到達し
たのである。
即ち、本発明は、Baイオンを含むアルカリ性Fe(OH)
濁液中に、35〜95℃の温度範囲に於て酸化性ガスを通じ
て液の撹拌と同時にFe(II)を酸化することにより、 BaO
・9/2Fe2O微結晶を生成させることからなる BaO・9/2
Fe2O微結晶粉末の製造方法である。
〔作 用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、Fe(II)とBaイオ
ンとを含むpH 10 以上のアルカリ性懸濁液を35〜95℃の
温度範囲において酸化するという常圧下の水溶液反応で
あることに起因して粒度が均斉であり、且つ、微細な粒
状 BaO・9/2Fe2O微結晶粉末を工業的、経済的に量産
できるという点である。
次に、本発明方法実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明におけるアルカリ性Fe(OH)懸濁液は、Fe(II)塩
と沈澱剤としてのアルカリとを反応させることにより得
られる。
本発明におけるFe(II)塩としては、ピックリング廃液と
しての塩化鉄を使用することが経済的である。Baイオン
としては、水酸化バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウ
ム等を使用することができる。尚、BaCO沈澱生成を避
ける為に、懸濁液へのCOの混入防止には、特に注意す
る必要がある。
沈澱剤としてはNaOHやKOH が使用できる。
より低いHc値を有した板状 BaO・6Fe2O3粒子の原料とす
るものを得ようとする場合には、当然のことながら、酸
化反応前にあらかじめCo(II)又はCo(II)及びMn、Zn等の
2価金属イオン M(II)とTi(IV)とが共存したアルカリ性
Fe(OH)懸濁液を酸化することによってCo(II)又はCo(I
I)及びMn、Zn等の2価金属イオン M(II)とTi(IV)とを含
む BaO・9/2Fe2O結晶構造を有した微粉末を生成さ
せ、該微結晶粉末を原料として用いればよい。
本発明における酸化反応の温度は、35℃〜95℃である。
BaO・9/2Fe2Oの生成する酸化温度は、沈澱剤の種類
や濃度等によって左右される。
35℃未満である場合には、酸化速度が著しく小さくな
り、生成 BaO・9/2Fe2O微結晶の成長が遅くなる。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明を説明する。
尚、以下の実施例における粒子の平均径は電子顕微鏡写
真から測定した数値である。
実施例1 1.25 mol/のFeClを含む 240 m溶液に11.82 g
のBa(OH)28H2O を溶解し、これに60 gのNaOHを添加し、
水にて全容1とした。このアルカリ性Fe(OH)懸濁液
を加熱し、40℃に於て CO2を除去した空気を毎時250
の速度で吹込んだ。5時間後、懸濁液中のFe(II)は完全
にFe(III)に変化していた。茶色非強磁性沈澱を別、
水洗後80℃で乾燥した。
図1に示すX−線分析によれば、乾燥試料はBaO ・9/2F
e2O相のみより成立っており、図2に示す電子顕微鏡
写真(×100000)によれば、平均径0.02μmの粒度が均
斉な粒状粒子から成立っていた。
実施例2 2.50 mol/のFeClを含む 240 m溶液に23.6 gのB
a(OH)28H2O を溶解し、これに 337 gのKOH を添加し、
水にて全容1とした。このFe(OH)懸濁液を加熱し、
85℃の温度に於て CO2を除いた空気を毎時 450の速度
で吹込んだ。8時間後、Fe(II)は殆どFe(III)に変化し
ていた。別、水洗、乾燥して得られた茶色非強磁性試
料は、電子顕微鏡観察の結果、平均径0.05μmの粒度が
均斉な粒状粒子から成立っており、X−線分析によれば
BaO・9/2Fe2O構造を有していた。
実施例3 1.25 mol/のFeCl、0.208 mol/のCoCl及び0.20
8 mol/のTiClを含む、 240 m溶液に11.82 gのBa
(OH)28H2O を溶解し、これに60 gのNaOHを添加し、水に
て全容1とした。このアルカリ性懸濁液を加熱し、40
℃に於て CO2を除去した空気を毎時 250の速度で吹込
んだ。5 時間後、懸濁液中のFe(II)は完全にFe(III)に
変化していた。茶色非強磁性沈澱を別、水洗後80℃で
乾燥した。X−線分析によれば乾燥試料は、 BaO・9/2F
e2O相のみより成立っており、電子顕微鏡観察の結
果、粒度が均斉な平均径0.02μmの粒状粒子より成立っ
ていた。
〔効 果〕
本発明における BaO・9/2Fe2O微結晶粉末の製造方法
によれば、前出実施例に示した通り、常圧下の水溶液反
応により、粒度が均斉であり、且つ、微細な BaO・9/2F
e2O微結晶粉末を生成することができる為、工業的、
経済的に非常に有利である。
本発明により得られた BaO・9/2Fe2Oを原料として得
られる BaO・6Fe2O3もまた、粒度が均斉であり、且つ、
微細な粒子である為、優れた分散性を有し、焼結磁石及
びゴム、プラスチック磁石用磁性材料粉末、磁気記録用
磁性材料粉末、防食、防錆塗料用顔料粉末として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られた BaO・9/2Fe2O微結晶粉
末のX線回折図であり、図2は、実施例1で得られた B
aO・9/2Fe2O微結晶粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡
写真(×100000)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Baイオンを含むアルカリ性Fe(OH)懸濁液
    中に、35〜95℃の温度範囲に於て酸化性ガスを通じて液
    の撹拌と同時にFe(II)を酸化することにより、 BaO・9/
    2Fe2O微結晶を生成させることを特徴とする BaO・9/2
    Fe2O微結晶粉末の製造方法。
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