JPH0647347U

JPH0647347U - 高炉のステーブクーラー

Info

Publication number: JPH0647347U
Application number: JP8476292U
Authority: JP
Inventors: 弘一村上
Original assignee: JFE Engineering Corp
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1992-12-09
Filing date: 1992-12-09
Publication date: 1994-06-28

Abstract

(57)【要約】【目的】炉内側側面に取付けた断熱材の脱落および亜
鉛の付着を防止できる高炉のステーブクーラーを提供す
る。【構成】冷却管２を鋳ぐるんだステーブクーラー本体
１の炉内側側面３に複数のあり溝状の係合凹部１０を形
成し、該係合凹部１０の内面に隙間調整用モルタル１２
を塗り、台形断面のステンレス製ブロック１１を嵌合、
固定した高炉のステーブクーラー。四角形状断面の係合
凹部１３を形成し、該係合凹部１３に四角形状断面のス
テンレス製ブロック１４を嵌合しブロック１４をステー
ブクーラー本体に溶接してもよい。またあり溝状の係合
凹部１６に台形と矩形の組み合わせた断面のステンレス
製ブロック１７を嵌合、固定してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ステーブクーラーの炉内側側面に取付けた断熱材の脱落および亜鉛の凝縮、付着を防止できる高炉のステーブクーラーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

高炉の炉体鉄皮を冷却するための冷却手段の一つとして、冷却パイプを鋳ぐるんだ鋳鉄製のステーブクーラーがある。このステーブクーラーは、均一な冷却ができ、高温部での寿命が長いことから炉内ガス温度が高温度となるシャフト上部に取付けて使用されている。しかし、シャフト上部に取付けたステーブクーラーの炉内側側面に炉内で気化した亜鉛が析出して炉壁付着物の成長を促し、炉況を悪化させるという問題が発生する。

【０００３】上記の問題を解消する提案として、特開平１−１２７６１０号公報と特開平３ −２１１２１１号公報が公開されている。前者は、図４に示すように、冷却管２を鋳ぐるんだ鋳鉄製のステーブクーラー本体１の炉内側側面３に多数の凹状溝４を形成し、凹状溝４に耐火成形煉瓦５を鋳ぐるみにより取付けている。

【０００４】後者は、図５に示すように、冷却管２を鋳ぐるんだ鋳鉄製のステーブクーラー本体１の炉内側側面３に多数のＹ字金物６を植設し、炉内側側面３上にＹ字金物６を介して不定形耐火煉瓦層７を形成させている。即ち、これらのステーブクーラーは、炉内装入物が接触する炉内側側面を成形煉瓦または不定形耐火物層とすることにより、その表面温度を鋳鉄の表面に比して高温度に保ち、亜鉛の析出を防止しようとするものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ステーブクーラーの炉内側側面に成形煉瓦または不定形耐火物を取付けるステーブクーラーは、次のような問題点がある。（１）耐火物または耐火成形煉瓦と鋳鉄の熱膨張率が大きく異なるため、操業中非定常な熱サイクルを受けると、鋳鉄製ステーブクーラー本体の凹状溝に耐火成形煉瓦を取付けるステーブクーラーにおいては、耐火成形煉瓦と鋳鉄の膨張および収縮量が異なるため、ステーブクーラー本体の凹状溝の膨張により凹状溝と耐火成形煉瓦の間に隙間を生じ耐火成形煉瓦が脱落したり、凹状溝の収縮により、耐火成形煉瓦が圧縮されて耐火成形煉瓦が割れて脱落する。また、鋳鉄製ステーブクーラーにＹ字金物を介して不定形耐火物を取付けるステーブクーラーにおいては、Ｙ字金物の膨張、収縮により不定形耐火煉瓦に亀裂が入り、不定形耐火煉瓦が割れて脱落する。（２）耐火成形煉瓦または不定形耐火物が脱落すると、低温のステーブクーラーの表面が炉内に露出し、高炉内の亜鉛が析出、付着する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の問題点を解決しようとするもので、高炉炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護する高炉のステーブクーラーにおいて、ステーブクーラー本体の炉内側側面に複数の係合凹部を設ける。係合凹部にステンレス製ブロックを嵌着、固定する。そして、炉内装入物に接触する表面をステンレス製ブロックで形成する。

【０００７】

【作用】

（１）ステーブクーラーの炉内装入物に接触する面をステーブクーラー本体を構成する鋳鉄（または、鋳鋼）よりも熱伝導率の低いステンレス製ブロックで構成しているので、鋳鉄を装入物との接触面とするステーブクーラーに比べて、熱放散量が少なくなり、また炉内装入物と接触する面の温度が高温となり、亜鉛が析出、付着することがない。表１に示すように、ステンレス（例えば、SUS 304 ) の熱伝導率は、鋳鉄（例えば、FCD 400)のそれの約６０％である。

【０００８】（２）ステンレス製ブロックの熱膨張係数とステーブクーラ本体のそれは略等しいから、ステーブクーラーが非定常な熱サイクルを受けても、係合凹部に嵌着、固定されているステンレス製ブロックと係合凹部の間の隙間が大きくなることはない。またステンレス製ブロックとステーブクーラー本体間で過大な圧縮力を及ぼし合うことがない。表１に示すように、ステンレス（例えば、SUS 304) と鋳鉄（例えば、FCD 400)の熱膨張係数は略等しい。

【０００９】（３）表１に示すように、ステンレス（例えば、SUS 304) と耐火物（例えば、SiC 系、Al₂O₃系）の伸びおよび最大変形量を比較すると、ステンレスの方が格段に優れている。従って、非定常な熱サイクルを受ける場合、ステンレス製ブロックは耐火物に比べて変形能が大きく、長寿命となる。（４）ステンレス製ブロックをステーブクーラー本体に溶接により固着することができるから係合凹部を簡単な形状にすることができる。

【００１０】

【表１】

【００１１】

【実施例】

本考案の実施例を図面に基づいて以下に説明する。図１は本考案の第１の実施例の断面図である。この例では、冷却管２を鋳ぐるんだステーブクーラー本体１の炉内側側面３に複数のあり溝状の係合凹部１０を形成する。あり溝状の係合凹部１０の内面に隙間調整用モルタル１２を塗り、台形断面のステンレス製ブロック１１を嵌合、固定している。

【００１２】図２は本考案の第２の実施例の断面図である。この例では、冷却管２を鋳ぐるんだステーブクーラー本体１の炉内側側面３に複数の四角形状の係合凹部１３を形成する。四角形状の係合凹部１３に四角形状断面のステンレス製ブロック１４を嵌合し、上面をステーブクーラー本体１に溶接している。

【００１３】図３は本考案の第３の実施例の断面図である。この例では、冷却管２を鋳ぐるんだステーブクーラー本体１の炉内側側面３に複数のあり溝状の係合凹部１６を形成する。係合凹部１６に嵌合する台形断面を下部に矩形断面を上部に有するステンレス製ブロック１７をあり溝状の係合凹部１６に嵌合、固定している。第１の実施例および第２の実施例において、炉内側側面は、ステンレス製ブロックとステンレス製ブロックの間にステーブクーラー本体の表面が露出するが、第３の実施例においては、ステンレス製ブロックで炉内側側面の全体を形成することができる。従って、第３の実施例は、第１の実施例および第２の実施例に比べて、炉内側表面の温度をより高温に保つことができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上記のように構成されているから、次のような効果が得られる。（１）ステーブクーラーの炉内側側面にステンレス製ブロックを嵌着したから、耐火物のように割損、脱落することがない。従って、ステーブクーラーの延命化が図れる。（２）ステーブクーラーの炉内側表面を高温に保つことができるから、亜鉛の析出、付着を防止することができる。また、炉外への熱放散量を減少させることができるから、燃料比の低減ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るステーブクーラーの第１の実施例
の断面図である。

【図２】本考案に係るステーブクーラーの第２の実施例
の断面図である。

【図３】本考案に係るステーブクーラーの第３の実施例
の断面図である。

【図４】従来の成形耐火煉瓦を鋳ぐるんだステーブクー
ラーの断面図である。

【図５】従来の不定形耐火物を取付けたステーブクーラ
ーの断面図である。

【符号の説明】

１ステーブクーラー本体２冷却管３炉内側側面１０，１３，１６係合凹部１１，１４，１７ステンレス製ブロック

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】高炉炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護する
高炉のステーブクーラーにおいて、ステーブクーラー本
体の炉内側側面に複数の係合凹部を設け、該係合凹部に
ステンレス製ブロックを嵌着、固定したことを特徴とす
る高炉のステーブクーラー。