JPS5846400Y2 - 製鋼用ア−ク炉炉蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は製鋼用アーク炉炉蓋に関する。

従来より製鋼用アーク炉の炉蓋は耐火物にて構成されて
いるが、大電力操業の炉が普及するに従い耐火物の品質
向上によりその寿命を延ばし、操業の安定化を図ること
に限界が生じてきた。

」二記対策として、鋼板製の水冷ジャケットにて炉蓋を
構成するようになったが、金属面を直接炉内に露出させ
ることは、熱損失の増加、スクラップとのスパークによ
る水洩れ等の点より問題を有するので、一般には成形耐
人物の内張り、或は金属酸化物により内面をコーティン
グすることが考えられた。

しかしながら、内張り面が下向きであることやジャケッ
ト面の温度が低いこと等によりコーテイング材の剥離落
下し易いので、実用化されていないのが現状である。

又、炉内面に耐火物を鋳込んだ鋳鉄製の冷却ブロックが
最近実用化されているが高価であり、安価な鋼板製水冷
ジャケットの実用化の具体策が期待されている。

本考案は上記実情に鑑みなされたもので、鋼板製水冷ジ
ャケットにて構成した炉蓋構造物本体の下面に、スラグ
による断熱層を自然形成させるため前記炉蓋構造物本体
の下面に対し直角方向以外の方向に張出すスラグ落下防
止兼付着促進部を備えて戒る支持金具を設け、且つ該支
持金具の中間部にスラグ同志を連結固着させるための孔
を穿設したことを特徴とする製鋼用アーク炉炉蓋に係る
ものである。

以下図面に基づいて本考案の炉蓋を説明する。

第１図乃至第４図は一例を示すもので、大天井部の鋼板
製の水冷ジャケット１と小天井部を構成する鋼板製の水
冷ジャケット２により炉蓋構造物本体３を形威し、該本
体３の下面に、先端にスラグ４落下防止兼付着促進用補
助金具５を取付は且つ中間部に任意の間隔で孔６を設け
た所要長さの断熱層支持金具７を適宜間隔で配置して（
図面において千鳥状）本考案の炉蓋を構成する。

上記のように構成した炉蓋を製鋼用アーク炉に備え使用
すると、炉蓋下面には間断なくアークの持つ運動エネル
ギーによりスラグ４が飛散しているので、該スラグ４が
本体３下面及び支持金具７の周囲に付着し、該支持金具
７の孔６を通してスラグ４が連結してスラグ４同志の固
着が強固となり、第３図に示すようなスラグ４による断
熱層が形成されることになる。

このように、支持金具７の孔６及び先端の補助金具５の
作用、つまりスラグ同志が孔６を通して連結することと
、補助金具５が本体３の下面に対し直角方向以外に向け
て張出してあってスラグ落下防止兼付着促進部として作
用することから、自然形成された断熱層は極めて剥離し
にくい状態となり、炉内からの熱流束に応じて断熱層の
厚さをセルフコントロールすることにより熱損失を減少
し、炉蓋の長寿命化が図れる。

又この支持金具７は炉内のスクラップと本体３下面の直
接の接触による本体３下面の溶損事故を抑制する働きも
する。

即ち支持金具７の高さＨとピッチＰ（第３図参照）を任
意の値に選定することによりスクラップとの接触が発生
しても、支持金具７の先端のみにとどまり、本体３迄影
響しない。

第５図及び第６図に示すものは本考案の他の実施例であ
る。

第５図に示すものは上記実施例における支持金具７の代
りに中間部に孔６ａを設は且つ先端を直角に曲げ略り字
状に形威した支持金具７ａであり、第６図に示すものは
、板を台形板に折り曲げてその翌週の部分に孔６ｂを設
けた形式の支持金具７ｂである。

これら第５図及び第６図の方式としても、前記実施例と
同等の作用効果が得られる。

即ち、本体３の下面に対し直角方向以外の方向に向けて
張出すスラグ落下防止兼付着促進部として、第５図のも
のは先端をＬ字状に形威し、第６図のものは全体を台形
状に形成し、しかも中間部には夫々孔５ａ。

６ｂを穿設したので、いずれの場合もスラグ同志が強固
に連結固着して断熱層を剥離しにくい状態とすることが
できる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるものではなく
、支持金具は図示以外の形状でも使用可能であり、その
他本考案の要旨を逸脱しない限り種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

如上のように本考案によれば、 （ｉ）炉蓋構造物下面に、該炉蓋構造物下面に対し直角
方向以外の方向に向けて張出すスラグ落下防止兼付着促
進部を備えて戊る支持金具を設けたので、安定した断熱
層を形成することができ、熱損失を減少できる。

（ｉｉ）支持金具の中間部にはスラグを連結するための
孔が穿設しであるので、スラグ同志が支持金具を貫通し
て連結固着し、断熱層は極めて剥離しにくい状態となる
。

（ｉｉｉ）形成した断熱層によりスクラップと炉蓋構造
物本体とのスパークによる本体溶損を防止することがで
きると共に、炉内からの高温放射熱による本体の熱劣化
、熱変形を防止し得て、ひいては炉蓋の寿命を延ばすこ
とができる。

（ｉｖ）従来の炉蓋に比較して軽量でかつ、ランニング
コストを大幅に低減できる。

（ｖ）鋼板製水冷ジャケットの実用化を図ることが可能
となり、安価に製作できる。

（ｖｌ）炉全体の稼働率の向上が図れる。

（■）構造簡単でメンテナンスが容易である。

等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の炉蓋の縦断面図、第２図は第１図の平
面図、第３図は第１図の拡大図、第４図は第３図のＩＶ
矢視図、第５図及び第６図は本考案の他の実施例図であ
る。 １．２・・・・・・水冷ジャケット、３・・・・・・炉
蓋構造物本体、４・・・・・・スラグ、５・・・・・・
補助金具、６，６ ａ 、６ ｂ・・・・・・孔、７・
・・・・・断熱層支持金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼板製水冷ジャケットにて構成した炉蓋構造物本体の下
   面に、スラグによる断熱層を自然形成させるため前記炉
   蓋構造物本体の下面に対し直角方向以外の方向に張出す
   スラグ落下防止兼付着促進部を備えて成る支持金具を設
   け、且つ該支持金具の中間部にスラグ同志を連結固着さ
   せるための孔を穿設したことを特徴とする製鋼用アーク
   炉炉蓋。