JP3210226B2 - 直流アーク炉における小天井の冷却方法 - Google Patents

直流アーク炉における小天井の冷却方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製鋼用直流アー
ク炉の炉蓋、とくに小天井を散水して冷却する小天井の
冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク炉として近年、直流アーク
炉が用いられるようになってきた。この直流アーク炉
は、交流アーク炉のように3本の可動電極(上部電極)
を必要とせず、少なくとも1本の上部黒鉛電極と少なく
とも1個の炉底電極にて構成することができ、その上部
黒鉛電極と炉底電極との間でアークを発生させることに
より、スクラップ等の被溶解金属を溶融する形式の炉で
あり、構造が簡単という利点がある。そして、この直流
アーク炉の炉蓋には、その中心部に小天井が設けられて
いるが、この小天井というのは、昇降する上部黒鉛電極
の炉蓋貫通孔の周囲に上部黒鉛電極と炉蓋との絶縁を目
的として設けられるものであって、耐火物で構成されて
いる。
【0003】この種のアーク炉において重要なことは、
高温の溶鋼やアークに接することを考えた時、いかにし
て炉体とくに炉壁を冷却するかであり、なかでも直流ア
ーク炉の場合、炉蓋の小天井耐火物の冷却をいかに効果
的に行うかである。
【0004】この点に関し、従来は、マグクロれんがや
マグネシアカーボンれんがのような高耐溶損性耐火物を
使用する方法とか、図1に示すように鉄皮1内側の耐火
物(キャスタブルライニング)2中に冷却パイプ3や水
冷パネル4を埋設する方法、あるいは炉壁を撒水冷却す
る方法などで対処していた。なお、図中の符号5は炉
蓋、5aは小天井、5bは大天井を示し、6は底部電極、7
は上部黒鉛電極である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナ系不定形耐火物に代えてマグクロれんが (MgO−Cr
O)やマグネシアカーボンれんが (MgO−C) を使う方
法では、耐溶損性はよいとしても耐スポール性が悪いこ
と、また導電性が良好なことから電極まわりの耐火物と
してはもともと好ましくないこと、あるいは耐火物コス
トが上がるという問題点があった。次に、耐火物中にパ
イプを埋設して冷却する方法では、両者の密着力が弱い
ため、耐火物2とパイプ3との間にギャップを生じて冷
却効果が低下するという問題点の他、電気的導通による
スパークや衝撃によるパイプの破損に伴う水漏れ事故を
起こすという問題点があった。さらに、炉殻への散水に
よる冷却方法は、鉄皮とライニングの外側だけしか冷却
できず、内部とくに受熱面の冷却ができないことから、
耐火物寿命が短く、アーク炉の休止を頻繁に行わねばな
らないという問題点があった。
【0006】この発明の主たる目的は、直流アーク炉の
炉蓋、とくに小天井の効果的な冷却を実現できる、新規
な方法について提案することにある。この発明の他の目
的は、マグクロれんがのような高価な耐火物を必要とせ
ず、アルミナのような一般的な、安価な耐火物を使って
効果的に冷却する方法を提案するところにある。この発
明のさらに他の目的は、高い冷却効果を実現することに
より、耐火物原単位を抑え、スパークや水漏れ事故を無
くして安定したアーク炉の操業を行うのに有利な小天井
冷却方法を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上掲の目的に対し、その
解決手段として本発明は、下記の各手段を採用する。即
ち、本発明の基本的な構成は、直流アーク炉の炉蓋に設
けられた、中心部に電極貫通孔を有する耐火物製小天井
の冷却に当たり、この小天火物中に、上下方向に
穿設された多数の冷却孔を設け、該小天井の上方より、
1孔当たり5l/Hr〜50l/Hrの散水を施すことによ
り、前記耐火物中に設けた冷却孔中に侵入した散水の蒸
発潜熱による抜熱によって、該小天井を冷却することを
特徴とする直流アーク炉における小天井耐火物の冷却方
、である。
【0008】そして、本発明においては、上記の構成を
前提として、 a.上記冷却孔を、炉内に通じる貫通孔もしくは非貫通
孔のいずれかにすることを特徴とし、 b.上記冷却孔は、その孔径を、外部ほど大きく炉内側
ほど小さくした先すぼまり形状としたことを特徴とし、 c.上記冷却孔を、同心円状の位置に分散して配設する
とともに、隣り合う円周上では千鳥配置となるように配
設したことを特徴とし、 d.上記冷却孔はを、鉛直方向に対して傾斜して配置す
ると同時に、隣り合うものどうしについては角度を変え
たことを特徴とし、 e.そして、上記冷却孔は、その断面積を20〜2000mm2
の大きさとし、かつ各孔の孔間距離を50〜300 mmの範囲
内とすることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、直流アーク炉の冷却に
当たって、その外表面(鉄皮表面)に散水を施す場合
に、炉壁とくに炉蓋の耐火物中に冷却散水を収容する多
数の冷却孔を設け、この冷却孔中における水分の蒸発潜
熱(気化熱)によって、冷却することを特徴とする。す
なわち、耐火物の厚み方向に穿孔した多数の冷却孔内
に、冷却用散水が侵入すると、アーク溶解によって高熱
状態にある耐火物と接して気化し、その際の気化潜熱に
よる吸熱作用によってこの耐火物自身が冷却されること
を利用するものである。
【0011】上述した方法による冷却のために用いられ
る散水の時の冷却水量は、孔径にもよるが、1孔当たり
5l/Hr〜50 l/Hr の範囲内が好ましい。この量が5l/Hr
未満では冷却不足になるし、50 l/Hr を超える量では過
冷却となってスポーリングの原因となる他、冷却孔が炉
内に貫通するものの場合、炉内に流入する水量が増え、
溶解のための電力消費が嵩む。
【0012】かかる冷却孔は、小天井耐火物の厚み方
向, 即ち、炉内に向かう上下方向に向けて多数穿設され
る。そして、この冷却孔は、開口断面が円形や楕円形あ
るいは方形などの多角形であって、しかも非貫通の孔で
あっても、また、炉内まで貫通する貫通孔であってもよ
い。ただし、貫通孔の方が粉塵等による閉塞もなく、炉
内受熱面も効果的に冷却できて、寿命の延長に有効と言
える。そして、この冷却孔は、入口(外部)の孔径の方
を大きくし炉内側ほど小さなようにした、先すぼまり形
状とするものの方が、冷却水の侵入が容易で冷却効率が
上がるので好ましい。
【0013】なお、この冷却孔の大きさ(断面積)は、
大きい方が冷却効果、粉塵による閉塞防止には有利と言
えるが、発塵防止という観点からは小さい方がよく、20
mm2〜2000mm2 の断面積とすることが望ましい。また、
この冷却孔は、直流アーク炉の小天井に設けられる場
合、中心部の電極貫通孔と同心円状に配設穿孔)すると
共に、同一ピッチで配置するよりは、できれば隣り合う
円周上では円周方向で位置がずれた、すなわち千鳥状の
配置となるように配設されることが望ましい。各孔間の
距離は、小さい方が冷却効果の面で望ましいが、耐火物
構造体としてみれぱ、大きい方が強度の面で有利である
と言える。この意味において、隣り合う冷却孔の望まし
い孔間距離は、50mm〜300 mmの範囲である。
【0014】さらに、この冷却孔の開口の方向は、鉛直
方向のみならず、少なくとも冷却孔のうちの隣り合うも
のの幾つかは、鉛直方向とのなす角度を異ならしめるこ
とも有効である。というのは、このように一部に傾斜配
置のものを含むと、整列させたものに比べると、クラッ
クの進展を防止できると共に、耐火物の脱落防止にも有
効だからである。
【0015】図2は、直流アーク炉の小天井5a耐火物8
の断面を示す一例である。この図の例は、冷却孔9を鉛
直方向に向けて炉内にまで貫通する貫通孔のタイプとし
たものである。図3は、その小天井5aの平面図を示す
ものであって、整列した貫通孔である冷却孔9を同心円
状の千鳥状に配設した例を示している。図4は、隣り合
う冷却孔9のうちのいくつか(9a,9b)を傾斜配置した例
である。図5は、非貫通形のめくら孔である冷却孔9´
の例を示すものである。
【0016】
【実施例】炉容量 100 t/ch の直流アーク炉にて、スク
ラップの実炉溶解実験を行った。この実験で使用した上
記直流アーク炉は、上部黒鉛電極が 711mmφの大きさの
ものであり、これを外径1400mmφ、電極貫通孔径900 mm
φの小天井の炉蓋に貫通させて用い、その小天井には貫
通形の冷却孔 (20mmφ×40個) を、孔間距離約200 mmの
冷却構造を形成したものである。なお、その小天井に
は、総量で800 l/hrの外部散水冷却を施した。その結
果、2日間の電炉操業で、合計5000t のスクラップの溶
解を行ったが、クラックの生成、脱落はもちろんのこ
と、スポーリングなどの耐火物の損傷もなく、効果的な
小天井の冷却の下で、円滑なアーク炉操業を行うことが
できた。しかも、耐火物の損傷速度は、単なる散水冷却
の場合に比べて約1/10となり、その寿命の向上も大いに
期待できることがわかった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
流アーク炉小天井耐火物の効果的な冷却ができると共
に、安価な耐火物を長期に亘って使用することができる
他、円滑なアーク炉操業を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直流ア−ク炉の概念図である。
【図2】小天井の冷却孔配置の一例を示す断面図であ
る。
【図3】小天井の冷却孔配置の一例を示す平面図であ
る。
【図4】小天井の冷却孔の傾斜配置の例を示す断面図で
ある。
【図5】小天井の非貫通形冷却孔の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 鉄皮 2 炉壁ライニング 3 冷却パイプ 4 冷却パネル 5 炉蓋 5a 小天井 5b 大天井 6 底部電極 7 上部黒鉛電極 8 小天井耐火物 9 冷却孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 3/00 - 3/28 F27D 1/12 F27D 1/18 F27D 11/08 H05B 7/00 - 7/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流アーク炉の炉蓋に設けられた、中心
    部に電極貫通孔を有する耐火物小天井の冷却に当た
    この小天井の耐火物中に、上下方向に穿設された多
    数の冷却孔を設け、該小天井の上方より、1孔当たり5
    l/Hr〜50l/Hrの散水を施すことにより、前記耐火物
    中に設けた冷却孔中に侵入した前記散水の蒸発潜熱によ
    る抜熱によって、該小天井を冷却することを特徴とする
    直流アーク炉における小天井の冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記小天井の耐火物中に穿設された各
    却孔、炉内に通じる貫通孔もしくは非貫通孔のいずれ
    かにて構成したことを特徴とする請求項1に記載の冷却
    方法
  3. 【請求項3】 上記冷却孔は、その孔径を、外部ほど大
    きく炉内側ほど小さくした先すぼまり形状としたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の冷却方法
  4. 【請求項4】 上記冷却孔を、同心円状の位置に分散し
    て配設するとともに、隣り合う円周上では千鳥配置とな
    るように配設したことを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の冷却方法
  5. 【請求項5】 上記冷却孔を、鉛直方向に対して傾斜し
    て配置すると同時に、隣り合うものどうしについては角
    度を変えて配置したことを特徴とする請求項1、2、3
    または4に記載の冷却方法
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