JPH0345108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は高温溶融炉例えば溶鉱炉又はキユポ
ラ等の円錐台プロフイルをもの竪型炉のシヤフト
部保護壁の構造に関するものである。

（従来の技術） 竪型炉のシヤフト上部は第３図に示す様に鋳鉄
又は鋳鋼製の炉口金物８を設置し、その下部の鋳
皮９内面に耐火物１０を直積みし、更にその下部
は冷却板又はステーブ冷却装置１１で冷却された
耐火物壁１２を配設することによつて耐火物壁の
炉内面を予め設定したプロフイルラインに合致す
る様に構成してきた。この構造では炉代中〜末期
において非冷却の耐火物壁が損耗して建設時のプ
ロフイルが変化するため装入物の安定降下が維持
できず、炉況がみだされて燃料比の上昇や生産量
の低下を生じる等の現象がみられた。

そこで既設炉では例えば実開59−178354、特開
昭60−70112、特開昭60−184608、特開60−2608
等などの方法で耐火物吹き付けなどによる補修が
行われており、又新設炉では特開53−60804等の
方法で鋳鉄製金属板或は冷却板を耐火物で保護し
た金属材料を設置する方法を採用する高炉が増え
てきた。第４図はステーブ冷却炉にこの方法を適
用した例を示したもので、図中８は炉口金物、１
３は耐火物で保護された水冷金物、１１は従来炉
壁冷却装置として使用してきたステーブ冷却装
置、１２は冷却装置を保護する耐火物ライニング
である。

本構造では耐火物１２は通常焼成煉瓦を下部の
ステーブ冷却装置に設けられた突起１４を基底と
して上方に積みあげ、突起１４と円周セリ力及び
モルタルの接着力によつて壁を構成・保持してい
るのが通例である。このため壁構造を安定させる
ため、最低壁厚を約300mm程度は確保する必要が
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし乍ら前記炉壁構造では、耐火物損耗後は
水冷金物１３とステーブ冷却装置１１の継目に
300mm程度の段差ａ，a′を生ずることとなる。

この様な段差が生ずると炉断面積の急激な拡大
のため内容物の側圧分布に変曲点が生ずるため、
炉周辺で比重が大きく流動性の良い鉱石がコーク
ス層中にもぐりこんで装入物の層状形状が乱され
る結果混合層が形成され、炉況悪化の原因となる
ことが知られており（文献 鐵と鋼 85−S821）
この段差は極力小さいことが望ましい。

一方、この段差を解消するために炉口水冷金物
を更に炉下部方向に延長してステーブ冷却装置の
みで炉体プロフイルを形成させることが考えられ
るが、これは次の点で好ましくない。

(1) 水冷金物表面温度が300℃を越える炉内雰囲
気700℃以上の部位では鋳鉄の耐摩耗性は耐火
物より劣る。

(2) 炉内温度が高く、装入物が固定状でスラグコ
ーチイグが期待出来ない範囲では、冷却水によ
る放散熱量が増加して燃料比の上昇を来すため
断熱の必要があり、更に耐火物による冷却装置
の保護効果も大きい。

(3) ガス温度1000℃以下の範囲では炉内上昇ガス
中のZn、アルカリの析出によつて、壁面に付
着が生成してプロフイルを乱すため断熱が必要
である。

本考案は上記問題点を解決するため炉内温度
700〜1000℃範囲におけるステーブ冷却装置と耐
火物との高さ方向の配設の方法を改良したもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は円錐台プロフイルをもつ竪型炉の炉内
温度700〜1000℃範囲で装入物がまだ固体状態に
ある部分の炉壁構造を、ステーブ冷却装置と耐火
物との境界面の上下方向段差がステーブ各段毎に
100mm以下とする様に配設したものである。

（実施例） 以下本考案を図面にもとずいて詳細に説明す
る。第１図は本考案の実施態様の一例を示したも
ので、１，２，３は炉内水冷金物、４，５はステ
ーブ冷却装置、６，７はステーブ保護用耐火物を
示す。

この構造において炉口水冷金物３とステーブ冷
却装置４の炉内側段差Ａ、さらにステーブ冷却装
置４と５の炉内側段差A′を100mm以下とする。こ
れによつてステーブ冷却装置前面の耐火物厚みは
６の部分で100mm、７の部分で200mmとなるが、こ
の耐火物の支持はステーブ冷却装置に吹き付け又
は流し込み用のラスを取り付けて不定形耐火物を
施行する他、下記の方法によつても可能である。
即ち鋳鉄よりなるステーブ本体の炉内側面に炉壁
煉瓦を煉瓦支持金物ではさみこむごとく、ステー
ブ本体の鋳造時に一体に鋳 ぐるむか、又は煉瓦
支持用金物をステーブ鋳造時あるいは鋳造後にス
テーブ炉内面に設置して煉瓦を差し込む方法によ
つて耐火物を安定して支持することができる。

（考案の効果） このように炉体保護壁を構成することによつて
装入物の降下中の層状形状が乱されることがな
く、且つ熱放散の少ない保護壁を建設することが
可能であり、炉況の乱れや燃料比の上昇が少ない
竪型炉を得ることができる。第２図は炉体保護用
耐火物として煉瓦６，７を煉瓦支持用リブで支持
した場合の放散熱に対する効果を説明した図で、
煉瓦厚みを100mm〜200mmとし、耐火物とリブの炉
内側表面積比を３以上とれば放散熱を従来の保護
壁での新設時と耐火物脱落後の平均値以下とする
ことができる。煉瓦を煉瓦支持用リブで支持した
場合、耐火物の炉壁への支持力は大幅に向上する
ので、炉代総熱放散量は低下し燃料比面で多大の
効果を期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の炉体保護壁の一実施例を示す
断面説明図、第２図は本考案の作用効果の説明
図、第３図、第４図は従来の炉体保護壁を示す断
面図である。 １，２，３……炉口水冷金物、４，５……ステ
ーブ冷却装置、６，７……ステーブ保護用耐火
物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護するステーブ冷
   却装置及び炉壁耐火物を配設した竪型炉の炉体保
   護壁において、雰囲気温度700〜1000℃で装入物
   が炉壁近傍を固体状態で降下する範囲の炉体保護
   壁を、ステーブ冷却装置と耐火物との境界面が炉
   下部に向かつて炉外側へ逃げ且つ境界面の上下方
   向段差がステーブ各段毎に100mm以下となるステ
   ーブ冷却装置で構成したことを特徴とする竪型炉
   の炉体保護壁。