JPH064695U - コンクリート製格納容器のダイヤフラムフロア支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長大な支保工およびアンカが不要で、かつ壁
面に過大な荷重を加えないコンクリート製格納容器のダ
イヤフラムフロア支持構造を提供するものである。 【構成】 コンクリート製格納容器１内に立設されたペ
デスタル５に、コンクリート製ダイヤフラムフロア８を
支持するための片持梁からなる架台１５を設けたことを
特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、原子炉発電所におけるコンクリート製格納容器のダイヤフラムフロ ア支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、原子炉格納容器内には、原子炉圧力容器を据付けるためのペデスタル が立設され、このペデスタルと格納容器との間には上部のドライウェルと下部の サプレッションチェンバとを仕切るためのコンクリート製ダイヤフラムフロアが 形成される。そして、このダイヤフラムフロアを支持する構造として、下部に形 枠を組み、格納容器内の底部床から支保工を立てて支持する構造と、下部にペデ スタルから格納容器に跨がるビームを渡して支持する構造が知られている。

【０００３】 一方、原子炉格納容器としては、内面にライナを有するコンクリート製格納容 器が開発されるに至っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記コンクリート製格納容器において前者の支持構造を採用す る場合、長大（約２０ｍ）な支保工が必要で施工が困難であると共に格納容器内 の底部ライナプレートに補強用のアンカを設けなければならないので構造の複雑 化を余儀なくされる。また、コンクリート製格納容器は壁面に耐圧・耐シール性 が要求されるため、壁面に大荷重が加わるような後者の支持構造は採用すること ができない。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、長大な支保工およびアンカが不要で、かつ壁面に過 大な荷重を加えないコンクリート製格納容器のダイヤフラムフロア支持構造を提 供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、コンクリート製格納容器内に立設された ペデスタルに、コンクリート製ダイヤフラムフロアを支持するための片持梁から なる架台を設けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、ダイヤフラムフロアがペデスタルに設けた片持梁からなる 架台によって支持されるため、長大な支保工およびアンカが不要であり、施工性 の向上および構造の簡素化が図れ、しかもコンクリート製格納容器の壁面に過大 な荷重が加わらず、格納容器の健全性が維持される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図１において、１は原子炉発電所におけるコンクリート製格納容器で、鉄筋コ ンクリート製の格納容器本体２の内壁面には薄い鋼板製ライナ３が張設されてい る。この格納容器１内には原子炉圧力容器４を据付けるためのペデスタル５が立 設され、このペデスタル５と格納容器１との間に上部ドライウェル６とサプレッ ションチェンバ７を上下に仕切るコンクリート製ダイヤフラムフロア８が設けら れる。

【００１０】 上記ペデスタル５は鋼板製の二重円筒における内筒９と外筒１０との間にコン クリートを打設してなり、内筒９と外筒１０との間を通ってベント管１１が配管 され、内筒９の内側が下部ドライウェル１２とされている。また、ペデスタル５ は内筒９と外筒１０との間および内筒９の内側に筒体１３，１４を備え、４重円 筒構造とされている。

【００１１】 そして、上記ダイヤフラムフロア８を支持するためにペデスタル５には片持梁 からなる架台１５が設けられている。この架台１５は図２に示すように連結フレ ーム１６により互いに連結された上部架台１７と下部架台１８とから主に構成さ れている。上部架台１７は図３に示すようにペデスタル５の外筒１０に格納容器 １の内壁である鋼板製ライナ３とは非接触の状態で放射状に溶接固定された複数 の主ビーム１９を有し、これら支持ビーム１９上には上部ドライウェル６とサプ レッションチェンバ７との間をシールするためのシールプレート２０が張設され ている。また、下部架台１８はペデスタル５の外筒１０に格納容器１の内壁であ る鋼板製ライナ３とは非接触状態で放射状に溶接固定された複数の補助ビーム２ １を有し、これら補助ビーム２１上にはプレート２２が張設されている。

【００１２】 こうして架台１５が構築されてから、上部架台１７のシールプレート２０上に 鉄筋を配筋してコンクリートを打設することによりダイヤフラムフロア８が形成 される。なお、図１において、２３は原子炉遮蔽壁、２４は配管支持装置である 。

【００１３】 上記構成によれば、ダイヤフラムフロア８がペデスタル５に設けた片持梁から なる架台１５によって支持されるため、長大な支保工およびアンカが不要であり 、施工性の向上および構造の簡素化が図れ、しかもコンクリート製格納容器１の 壁面に過大な荷重が加わらず、格納容器１の健全性が維持される。特に、架台１ ５が連結フレーム１６により互いに連結された上部架台１７と下部架台１８とか らなる多段構造になっているため支持強度が非常に高く、また下部架台１８は作 業用のプラットフォームとして使用できる。

【００１４】 なお、実施例では架台を多段構造にしたが、上部架台のみの単体構造であって もよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、ダイヤフラムフロアがペデスタルに設けた片持 梁からなる架台によって支持されるため、長大な支保工およびアンカが不要であ り、施工性の向上および構造の簡素化が図れ、しかもコンクリート製格納容器の 壁面に過大な荷重が加わらず、格納容器の健全性が維持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】同要部拡大断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１ 格納容器 ５ ペデスタル ８ ダイヤフラムフロア １５ 架台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート製格納容器内に立設された
   ペデスタルに、コンクリート製ダイヤフラムフロアを支
   持するための片持梁からなる架台を設けたことを特徴と
   するコンクリート製格納容器のダイヤフラムフロア支持
   構造。