JPH0646947B2 - 生物化学反応方法 - Google Patents
生物化学反応方法Info
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- JPH0646947B2 JPH0646947B2 JP59265895A JP26589584A JPH0646947B2 JP H0646947 B2 JPH0646947 B2 JP H0646947B2 JP 59265895 A JP59265895 A JP 59265895A JP 26589584 A JP26589584 A JP 26589584A JP H0646947 B2 JPH0646947 B2 JP H0646947B2
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- Japan
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- reaction
- hollow fiber
- enzyme
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酵素を触媒に用いた生物化学反応方法の改良に
関するものである。
関するものである。
本発明者等は、先に特願昭58−28325号にて、相
互に溶解しない親水性と疎水性との2種の基質を多孔性
の薄膜を介して接触させながら上記親水性の基質に含ま
せた酵素を触媒として反応させる生物化学反応方法を提
案した。
互に溶解しない親水性と疎水性との2種の基質を多孔性
の薄膜を介して接触させながら上記親水性の基質に含ま
せた酵素を触媒として反応させる生物化学反応方法を提
案した。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上記反応方法は、親水性の基質に含ませた酵素が疎水性
の基質や疎水性の反応生成物の中に全く移行しないた
め、反応に用いた親水性の基質と酵素との混合物の再循
環が可能であるという利点を有しているが、酵素の使用
量が多いという問題があつた。
の基質や疎水性の反応生成物の中に全く移行しないた
め、反応に用いた親水性の基質と酵素との混合物の再循
環が可能であるという利点を有しているが、酵素の使用
量が多いという問題があつた。
本発明は上記反応方法の問題点を解消し、酵素使用量の
少ない生物化学反応方法の提供を目的とするものであ
る。
少ない生物化学反応方法の提供を目的とするものであ
る。
本発明は、酸素を固定化した多孔質膜を介して、相互に
溶解しない親水性と疎水性との2種の基質を反応させる
ことを特徴とする生物化学反応方法である。
溶解しない親水性と疎水性との2種の基質を反応させる
ことを特徴とする生物化学反応方法である。
本発明において相互に溶解しない疎水性の基質と親水性
の基質とは、たとえば油脂を代表例とする脂肪酸エステ
ルの加水分解反応においては、油脂その他の脂肪酸エス
テルと水であり、脂肪酸多価アルコールエステルの合成
反応においては炭素数6〜24の脂肪酸特に高級脂肪酸
とエチレングリコール,プロピレングリコール,グリセ
ロール等の多価アルコールであり、又油脂と多価アルコ
ールとのエステル交換反応による高級脂肪酸多価アルコ
ール部分エステルの合成反応においては油脂と多価アル
コールである。
の基質とは、たとえば油脂を代表例とする脂肪酸エステ
ルの加水分解反応においては、油脂その他の脂肪酸エス
テルと水であり、脂肪酸多価アルコールエステルの合成
反応においては炭素数6〜24の脂肪酸特に高級脂肪酸
とエチレングリコール,プロピレングリコール,グリセ
ロール等の多価アルコールであり、又油脂と多価アルコ
ールとのエステル交換反応による高級脂肪酸多価アルコ
ール部分エステルの合成反応においては油脂と多価アル
コールである。
これらの反応における酵素としてはリパーゼが好適に使
用され、キヤンデイダ属,クロモバクテリウム属,アス
ペルギルス属,ペニシリウム属,ムコール属,ジオトリ
カム属,リゾプス属,アルスロバクター属,ヒコミセス
属などの微生物を給源とするリパーゼ、すい臓などの動
物臓器より得られるリパーゼ、ひま種子などの植物種子
より得られるリパーゼ等を使用することができる。
用され、キヤンデイダ属,クロモバクテリウム属,アス
ペルギルス属,ペニシリウム属,ムコール属,ジオトリ
カム属,リゾプス属,アルスロバクター属,ヒコミセス
属などの微生物を給源とするリパーゼ、すい臓などの動
物臓器より得られるリパーゼ、ひま種子などの植物種子
より得られるリパーゼ等を使用することができる。
又、これらリパーゼは粉末状のものを親水性の基質に溶
解又は分散して用いるほか、リパーゼを含有する培養液
や菌体除去液も使用できる。
解又は分散して用いるほか、リパーゼを含有する培養液
や菌体除去液も使用できる。
多孔質膜は、ガラス,金属等の無機物を材質とするもの
でも、合成樹脂等の有機物を材質とするものでもよく、
その孔径は0.01〜10μmのものが使用される。多
孔質膜の材質はアセチルセルロースなどの親水性のもの
でも、テフロンやポリオレフインなどの疎水性のもので
もよい。多孔質膜の厚さは10〜100μm、好ましく
は20〜50μmであり、空孔率は20〜80%、好ま
しくは40〜70%である。
でも、合成樹脂等の有機物を材質とするものでもよく、
その孔径は0.01〜10μmのものが使用される。多
孔質膜の材質はアセチルセルロースなどの親水性のもの
でも、テフロンやポリオレフインなどの疎水性のもので
もよい。多孔質膜の厚さは10〜100μm、好ましく
は20〜50μmであり、空孔率は20〜80%、好ま
しくは40〜70%である。
多孔質膜の孔径が0.01μmより小さい場合には反応
速度が小さく、10μmより大きい場合には2種の基質
の混合がおこるため好ましくない。又膜の厚さと空孔率
は反応速度と膜の実用的な強度の点から、前記範囲が望
ましい。
速度が小さく、10μmより大きい場合には2種の基質
の混合がおこるため好ましくない。又膜の厚さと空孔率
は反応速度と膜の実用的な強度の点から、前記範囲が望
ましい。
多孔質膜の形態は、平膜でもよいが、中空糸の形態は、
反応器のコンパクト化が可能であり特に望ましい。
反応器のコンパクト化が可能であり特に望ましい。
なお、ポリオレフイン多孔質中空糸膜の場合、微多孔の
形態がスリツト状であるため、孔径で表現することが困
難である。このため、エタノール中でのバブルポイント
を用いるのが便利である。バブルポイントの測定は、ル
ープ状の中空糸モジユールを作製し、これをエタノール
中に浸漬し、アスピレーターで吸引して、中空糸内部を
エタノールで充分に濡らす。次に0.1Kg/cm2のステ
ツプ中で昇圧し、中空糸全体からバブルの発生する圧力
をバブルポイント(Kg/cm2)とする。本発明の方法に
おいて、望ましいバブルポイントは、0.5乃至20Kg
/cm2である。
形態がスリツト状であるため、孔径で表現することが困
難である。このため、エタノール中でのバブルポイント
を用いるのが便利である。バブルポイントの測定は、ル
ープ状の中空糸モジユールを作製し、これをエタノール
中に浸漬し、アスピレーターで吸引して、中空糸内部を
エタノールで充分に濡らす。次に0.1Kg/cm2のステ
ツプ中で昇圧し、中空糸全体からバブルの発生する圧力
をバブルポイント(Kg/cm2)とする。本発明の方法に
おいて、望ましいバブルポイントは、0.5乃至20Kg
/cm2である。
相互に溶解しない2種の基質は、多孔質膜を介して反応
が目的の段階に進行するまで接触させる。この2種の基
質は多孔質膜により隔離されていて互いに混合すること
はないが、多孔質膜の微細孔で接触して反応が行われ
る。反応温度は、用いる酵素個有の反応温度の温度依存
性と熱安定性とにより決定する。反応基質である油脂,
脂肪酸および多価アルコールは、温度が高くなるほどそ
の粘度は低下し、又反応速度も上昇するが、その反面酵
素は温度が高くなるほど失活が著しいので、リパーゼが
失活しない範囲で可能なかぎり高温反応を行うのが効率
的である。
が目的の段階に進行するまで接触させる。この2種の基
質は多孔質膜により隔離されていて互いに混合すること
はないが、多孔質膜の微細孔で接触して反応が行われ
る。反応温度は、用いる酵素個有の反応温度の温度依存
性と熱安定性とにより決定する。反応基質である油脂,
脂肪酸および多価アルコールは、温度が高くなるほどそ
の粘度は低下し、又反応速度も上昇するが、その反面酵
素は温度が高くなるほど失活が著しいので、リパーゼが
失活しない範囲で可能なかぎり高温反応を行うのが効率
的である。
油脂の加水分解反応を行う場合、反応温度は油脂の送液
の都合上、固体の油脂の場合にはその融点より10℃以
上高い方が好ましい。一般に室温で液体である魚油や植
物油は約40℃で、牛脂,ラード,パーム油などの固体
の油脂は約50〜60℃で反応させる。リパーゼは水に
溶解して用いるが、その一部が分散状態となつていても
差し支えない。
の都合上、固体の油脂の場合にはその融点より10℃以
上高い方が好ましい。一般に室温で液体である魚油や植
物油は約40℃で、牛脂,ラード,パーム油などの固体
の油脂は約50〜60℃で反応させる。リパーゼは水に
溶解して用いるが、その一部が分散状態となつていても
差し支えない。
高級脂肪酸と多価アルコールのエステル化反応を行う場
合も同様の理由から約40〜60℃で反応させる。この
場合、リパーゼは多価アルコールに溶解又は分散させて
用いる。多価アルコール中の水分は10重量%以下であ
ればさしつかえないが、好ましくは2〜5重量%であ
る。
合も同様の理由から約40〜60℃で反応させる。この
場合、リパーゼは多価アルコールに溶解又は分散させて
用いる。多価アルコール中の水分は10重量%以下であ
ればさしつかえないが、好ましくは2〜5重量%であ
る。
上記反応により生じた生成物は、親水性のものは親水性
の基質の方へ、疎水性のものは疎水性の基質の方へそれ
ぞれ移行する。尚上記反応生成物とは、油脂の加水分解
反応では一般に疎水性の高級脂肪酸であり、又エステル
化反応では疎水性の脂肪酸エステルである。
の基質の方へ、疎水性のものは疎水性の基質の方へそれ
ぞれ移行する。尚上記反応生成物とは、油脂の加水分解
反応では一般に疎水性の高級脂肪酸であり、又エステル
化反応では疎水性の脂肪酸エステルである。
本発明の反応方法は、例えば第1図に示すような反応装
置を用いて実施できる。同図において(1)は多孔質膜を
内蔵した反応器、(2)は油脂の貯槽、(3)は脂肪酸の貯
槽、(4)及び(5)は緩衝剤−グリセリン溶液の貯槽、(6)
は反応器を所定温度に保持する為の水槽である。
置を用いて実施できる。同図において(1)は多孔質膜を
内蔵した反応器、(2)は油脂の貯槽、(3)は脂肪酸の貯
槽、(4)及び(5)は緩衝剤−グリセリン溶液の貯槽、(6)
は反応器を所定温度に保持する為の水槽である。
反応器(1)としては第2図に示す如き多孔質中空糸を内
蔵した公知の中空糸モジユールが好適に用いられる。多
孔質中空糸としてポリプロピレン多孔質中空糸を用いた
場合の油脂の加水分解反応方法について説明すると、先
ず油脂を入口(22)より供給して中空糸(21)の内部を油脂
で満たし、次いでリパーゼ溶液もしくはリパーゼ・グリ
セリン溶液を緩衝剤入口(24)から供給して中空糸(21)の
外側をリパーゼ溶液もしくはリパーゼ・グリセリン溶液
で満たす。反応器(1)は油脂を含浸した中空糸(1)膜表面
にリパーゼを完全に吸着させる為にそのままの状態を維
持する。リパーゼの吸着が完了した後、リパーゼ溶液も
しくはリパーゼ・グリセリン溶液を緩衝液もしくは緩衝
液・グリセリン溶液で完全に置換し、所定の流速でその
供給を継続して油脂の加水分解を連続的に行わせる。加
水分解により得られる脂肪酸は脂肪酸出口(23)より順次
送出される。
蔵した公知の中空糸モジユールが好適に用いられる。多
孔質中空糸としてポリプロピレン多孔質中空糸を用いた
場合の油脂の加水分解反応方法について説明すると、先
ず油脂を入口(22)より供給して中空糸(21)の内部を油脂
で満たし、次いでリパーゼ溶液もしくはリパーゼ・グリ
セリン溶液を緩衝剤入口(24)から供給して中空糸(21)の
外側をリパーゼ溶液もしくはリパーゼ・グリセリン溶液
で満たす。反応器(1)は油脂を含浸した中空糸(1)膜表面
にリパーゼを完全に吸着させる為にそのままの状態を維
持する。リパーゼの吸着が完了した後、リパーゼ溶液も
しくはリパーゼ・グリセリン溶液を緩衝液もしくは緩衝
液・グリセリン溶液で完全に置換し、所定の流速でその
供給を継続して油脂の加水分解を連続的に行わせる。加
水分解により得られる脂肪酸は脂肪酸出口(23)より順次
送出される。
尚、多孔質膜への酵素の固定化方法としては共有結合に
よる方法、吸着による方法、疎水結合による方法等、使
用する多孔質膜に応じて適宜選定すればよい。
よる方法、吸着による方法、疎水結合による方法等、使
用する多孔質膜に応じて適宜選定すればよい。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 エタノール中でのバブルポイント12.5Kg/cm2空気
透過性7×104/m2hr・0.5atm、空孔率45%、
膜厚22μm、内径200μm、有効長160mmのポリ
プロピレン多孔質中空糸膜980本を用い、第2図に示
すような反応器を作製した。この反応器を用い、第1図
に示すような装置を組み立てた。反応器は40℃の恒温
槽中にセツトした。
透過性7×104/m2hr・0.5atm、空孔率45%、
膜厚22μm、内径200μm、有効長160mmのポリ
プロピレン多孔質中空糸膜980本を用い、第2図に示
すような反応器を作製した。この反応器を用い、第1図
に示すような装置を組み立てた。反応器は40℃の恒温
槽中にセツトした。
オリーブ油を反応器の下部入口22より中空糸内に供給
した。中空糸内部が油脂で満たされると、反応器の入口
24もしくは25からキヤンデイダ・シリンドラセより
産生したリパーゼOF(明糖産業(株)製)を1g/に
なるよう溶解したリパーゼ−グリセリン溶液(グリセリ
ン濃度18%)を注入し、中空糸の外側を満たした。グ
リセリンを18%添加したのは酵素を安定化させるため
である。次いで反応器を3時間、40℃に保ち、リパー
ゼをポリプロピレン多孔質中空糸膜の表面に吸着固定し
た。吸着処理前後のリパーゼの活性差から、リパーゼの
膜に対する固定化量を求めたところ、28単位/cm2で
あつた。次いでリパーゼ−グリセリン溶液を18%グリ
セリンを含む燐酸緩衝溶液で完全に置換した。オリーブ
油の加水分解反応は、オリーブ油を入口22から3.0
ml/hr の流速で連続的に供給し、入口24より上記の
18%グリセリンを含む緩衝溶液を7.0mi/hrの流速
で供給することによつて行つた。グリセリンを添加した
のは酵素の安定化のためである。オリーブ油は固定化リ
パーゼにより連続的に加水分解され、得られた脂肪酸は
出口23より順次送出された。酸価およびけん化価か
ら、次式により求めた加水分解率は初期値85%、半減
期11日であつた。
した。中空糸内部が油脂で満たされると、反応器の入口
24もしくは25からキヤンデイダ・シリンドラセより
産生したリパーゼOF(明糖産業(株)製)を1g/に
なるよう溶解したリパーゼ−グリセリン溶液(グリセリ
ン濃度18%)を注入し、中空糸の外側を満たした。グ
リセリンを18%添加したのは酵素を安定化させるため
である。次いで反応器を3時間、40℃に保ち、リパー
ゼをポリプロピレン多孔質中空糸膜の表面に吸着固定し
た。吸着処理前後のリパーゼの活性差から、リパーゼの
膜に対する固定化量を求めたところ、28単位/cm2で
あつた。次いでリパーゼ−グリセリン溶液を18%グリ
セリンを含む燐酸緩衝溶液で完全に置換した。オリーブ
油の加水分解反応は、オリーブ油を入口22から3.0
ml/hr の流速で連続的に供給し、入口24より上記の
18%グリセリンを含む緩衝溶液を7.0mi/hrの流速
で供給することによつて行つた。グリセリンを添加した
のは酵素の安定化のためである。オリーブ油は固定化リ
パーゼにより連続的に加水分解され、得られた脂肪酸は
出口23より順次送出された。酸価およびけん化価か
ら、次式により求めた加水分解率は初期値85%、半減
期11日であつた。
実施例2 エタノール中でのバブルポイント8.0Kg/cm2空気透
過性8×104/m2hr・0.5atm、空孔率60%、膜
厚55μm、内径260μm、有効長160mmのポリエ
チレン多孔質中空糸膜700本を用い、実施例1と同様
の構造の反応器を作製した。ムコール・ミエハイより産
生するリパーゼを用い、実施例1と同様にして、酵素を
ポリエチレン多孔質中空糸膜の表面に吸着固定した。固
定化量は3.1単位/cm2 であつた。この反応器を用
い、実施例1と同様の方式で、魚油を加水分解した。加
水分解生成物の初期分解率は65%、半減期は7日であ
つた。
過性8×104/m2hr・0.5atm、空孔率60%、膜
厚55μm、内径260μm、有効長160mmのポリエ
チレン多孔質中空糸膜700本を用い、実施例1と同様
の構造の反応器を作製した。ムコール・ミエハイより産
生するリパーゼを用い、実施例1と同様にして、酵素を
ポリエチレン多孔質中空糸膜の表面に吸着固定した。固
定化量は3.1単位/cm2 であつた。この反応器を用
い、実施例1と同様の方式で、魚油を加水分解した。加
水分解生成物の初期分解率は65%、半減期は7日であ
つた。
実施例3 実施例1と同様の装置を用い、エイコサペンタエン酸と
グリセリンのエステル化反応を行つた。酵素はジオトリ
カム・キヤンデイダムより産生したリパーゼを用い、実
施例1と同様にして反応器の多孔質ポリプロピレン中空
糸膜の表面に吸着固定した。固定化量は3.2単位/cm
2であつた。中空糸内側にエイコサペンタエン酸を供給
し、外側にグリセリンを供給した。得られた疎水性のエ
イコサペンタエン酸のエステルは次式による初期エステ
ル化率85%、半減期6日であつた。
グリセリンのエステル化反応を行つた。酵素はジオトリ
カム・キヤンデイダムより産生したリパーゼを用い、実
施例1と同様にして反応器の多孔質ポリプロピレン中空
糸膜の表面に吸着固定した。固定化量は3.2単位/cm
2であつた。中空糸内側にエイコサペンタエン酸を供給
し、外側にグリセリンを供給した。得られた疎水性のエ
イコサペンタエン酸のエステルは次式による初期エステ
ル化率85%、半減期6日であつた。
実施例4 エタノール中でのバブルポイント4.5Kg/cm2、空孔
率63%、膜厚55μm、内径280μmのポリエチレ
ン多孔質中空糸にポリアクリロニトリルのジメチルホル
ムアミド溶液をコーライングし、湿式凝固後1メガラド
の電子線を照射した。次いでアルカリ加水分解すること
により表面にカルボキシル基を有する多孔質中空糸膜を
得た。これをキヤンデイダシリンドラセより産生するリ
パーゼ水溶液に浸漬し、さらにジシクロヘキシルカルボ
ジイミドを加えて液を循環かくはんすることにより、酵
素固定化多孔質中空糸膜を得た。この中空糸を用いて、
実施例1と同様の反応器を作製し、40℃でオリーブ油
の加水分解を行つた。中空糸の内側にオリーブ油を3.
0ml/hrで流し、外側をリン酸緩衝液−グリセリンを
7.0ml/hrで流したときの初期加水分解率は80%で
あり、半減期は18日であつた。
率63%、膜厚55μm、内径280μmのポリエチレ
ン多孔質中空糸にポリアクリロニトリルのジメチルホル
ムアミド溶液をコーライングし、湿式凝固後1メガラド
の電子線を照射した。次いでアルカリ加水分解すること
により表面にカルボキシル基を有する多孔質中空糸膜を
得た。これをキヤンデイダシリンドラセより産生するリ
パーゼ水溶液に浸漬し、さらにジシクロヘキシルカルボ
ジイミドを加えて液を循環かくはんすることにより、酵
素固定化多孔質中空糸膜を得た。この中空糸を用いて、
実施例1と同様の反応器を作製し、40℃でオリーブ油
の加水分解を行つた。中空糸の内側にオリーブ油を3.
0ml/hrで流し、外側をリン酸緩衝液−グリセリンを
7.0ml/hrで流したときの初期加水分解率は80%で
あり、半減期は18日であつた。
本発明の方法により、次のような種々の効果が得られ
る。
る。
(1) 酵素を反応器の多孔質膜に固定化するため、従来
法のような担体は不要であり、固定化の方法も簡単であ
る。特にポリオレフイン多孔質膜を用いる場合、吸着法
により酵素を固定化出来るので、極めて有利である。
法のような担体は不要であり、固定化の方法も簡単であ
る。特にポリオレフイン多孔質膜を用いる場合、吸着法
により酵素を固定化出来るので、極めて有利である。
(2) 油を乳化する必要がない。したがつて、界面活性
剤や撹拌は不要である。
剤や撹拌は不要である。
(3) 油を有機溶媒に溶解する必要がない。有機溶媒に
溶解すれば、酵素は失活させられる場合が多い。
溶解すれば、酵素は失活させられる場合が多い。
(4) グリセロール濃度もしくは水の濃度の制御が容易
である。
である。
(5) 生成物(たとえば脂肪酸)は、他の相を含まず、
それのみの相として得られる。したがつて、従来の乳化
法のように遠心分離の必要がない。
それのみの相として得られる。したがつて、従来の乳化
法のように遠心分離の必要がない。
(6) 油の流れは押し出し流れに近い。従来の乳化法は
完全に混合状態では実施できない。
完全に混合状態では実施できない。
(7) 本発明者らによる先行発明と比較して、使用酵素
量が少なくてすみ、経済的に極めて有利である。
量が少なくてすみ、経済的に極めて有利である。
第1図は本発明の実施に使用する反応装置の一例を示す
回路図、第2図は第1図の装置における反応器の一例を
示す断面図である。 第1図及び第2図において(1)は反応器、(2)は油脂の貯
槽、(3)は脂肪酸の貯槽、(4)は供給用緩衝剤−グリセリ
ン溶液の貯槽、(5)は使用済の緩衝剤−グリセリン溶液
の貯槽、(21)は多孔質中空糸、(22)は油脂入口、(23)は
脂肪酸出口、(24)は緩衝液入口、(25)は緩衝液出口であ
る。
回路図、第2図は第1図の装置における反応器の一例を
示す断面図である。 第1図及び第2図において(1)は反応器、(2)は油脂の貯
槽、(3)は脂肪酸の貯槽、(4)は供給用緩衝剤−グリセリ
ン溶液の貯槽、(5)は使用済の緩衝剤−グリセリン溶液
の貯槽、(21)は多孔質中空糸、(22)は油脂入口、(23)は
脂肪酸出口、(24)は緩衝液入口、(25)は緩衝液出口であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−154999(JP,A) 特開 昭58−165773(JP,A) 特開 昭58−187190(JP,A) 特公 昭59−50317(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】酵素を固定化した多孔質膜を介して、相互
に溶解しない親水性と疎水性との2種の基質を反応させ
ることを特徴とする生物化学反応方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59265895A JPH0646947B2 (ja) | 1984-12-17 | 1984-12-17 | 生物化学反応方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59265895A JPH0646947B2 (ja) | 1984-12-17 | 1984-12-17 | 生物化学反応方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61141897A JPS61141897A (ja) | 1986-06-28 |
JPH0646947B2 true JPH0646947B2 (ja) | 1994-06-22 |
Family
ID=17423590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59265895A Expired - Fee Related JPH0646947B2 (ja) | 1984-12-17 | 1984-12-17 | 生物化学反応方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0646947B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07106154B2 (ja) * | 1986-05-28 | 1995-11-15 | 花王株式会社 | 酵素もしくは微生物反応方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5844401B2 (ja) * | 1973-05-07 | 1983-10-03 | ドル オリバ− インコ−ポレイテツド | ナイゾウスルコウソオブンサンシテナル ジユウゴウタイマク ナラビニ ソノセイゾウホウホウ |
JPS58165773A (ja) * | 1982-03-25 | 1983-09-30 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 酵素反応装置 |
JPS5950317A (ja) * | 1982-09-16 | 1984-03-23 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料残量警告センサ |
JPS59154999A (ja) * | 1983-02-21 | 1984-09-04 | Shoichi Shimizu | 生物化学反応方法および生物化学反応装置 |
-
1984
- 1984-12-17 JP JP59265895A patent/JPH0646947B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61141897A (ja) | 1986-06-28 |
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