JPH07106154B2 - 酵素もしくは微生物反応方法 - Google Patents

酵素もしくは微生物反応方法

Info

Publication number
JPH07106154B2
JPH07106154B2 JP61122994A JP12299486A JPH07106154B2 JP H07106154 B2 JPH07106154 B2 JP H07106154B2 JP 61122994 A JP61122994 A JP 61122994A JP 12299486 A JP12299486 A JP 12299486A JP H07106154 B2 JPH07106154 B2 JP H07106154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
enzyme
phase
water
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61122994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62278988A (ja
Inventor
雅信 谷垣
英俊 和田
勝 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP61122994A priority Critical patent/JPH07106154B2/ja
Publication of JPS62278988A publication Critical patent/JPS62278988A/ja
Publication of JPH07106154B2 publication Critical patent/JPH07106154B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酵素もしくは微生物を用いて基質を生成物へ
変換せしめる方法に関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
近年、酵素あるいは微生物を触媒として用いるバイオリ
アクターの開発が盛んに行われているが、それらの反応
で取り扱われている化合物はほとんどすべて水溶性であ
り、従って水溶液系での反応が主である。しかしなが
ら、水に難溶か、もしくは不溶な化合物で有用な反応は
数多くある。例えば、リパーゼによる油脂の加水分解、
油脂の改質、油脂の合成や種々のエステル合成反応、ま
たプロテアーゼを利用した人工甘味料アスパルテームの
合成等にみられる種々のペプチド合成反応などにおい
て、これらグリセライドや油脂酸及びペプチドは一般に
水に難溶である。従って、通常反応は微細なエマルショ
ンとし、所定分解率に達した後反応を停止して生成物を
2相に分離して回収する回分操作となる。また連続的に
酵素あるいは微生物反応を行わせる方法として、固定化
酵素あるいは固定化微生物をカラムに充填し、基質溶液
を連続的に供給する方法が知られているが、この場合に
おいてもあらかじめ非水溶液相と水相を混和して供給す
ることが必要であり、反応終了後には再び2相に分離す
る必要がある。
このように、互いに溶け合わない2相分散系での反応に
おいては、反応後の酵素あるいは微生物の分離回収は勿
論、生成物の回収においても2相に分離する必要があ
り、この方法としては、一般に静置分離、遠心分離、あ
るいは膜による分離等の方法が挙げられるが、反応後に
これらの分離工程を組み合わせた場合システム的に複雑
となり、またコスト的にも負担が大きくなり、工業化の
際には問題がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討を重
ねた結果、前述のような2相系の反応においても高い反
応率を維持しながら同時に生成物の分離をも行うことが
できる画期的な反応方法を見出し本発明に到った。
即ち、本発明は、非水溶液相と水相とが上下2層に分離
して存在する反応器において、非水溶液相と水相とが混
和しない部分を残しながら非水溶液相と水相とを下層を
巻き上げることによりことにより、非水溶液相及び/又
は水相の中に存在する基質を、酵素もしくは微生物によ
って生成物に変換せしめ、混和しない部分の非水溶液相
及び/又は水相中に存在する生成物を取り出すことを特
徴とする酵素もしくは微生物反応方法を提供するもので
ある。
尚、本発明において非水溶液とは水に難溶もしくは不溶
の疎水性溶液のことである。
本発明を更に詳しく、本発明の好適実施態様を示した図
面に基づいて説明する。
一例としてA+B→C+D(A,Bはそれぞれ基質で、C,D
はそれぞれ生成物である。今A及びCは水溶性、B及び
Dは水不溶性とする。)で表される酵素あるいは微生物
反応系について第1図を用いて説明する。1は内部にド
ラフトチューブを有する反応槽である。この反応器内に
基質A(水相)と基質B(非水溶液相)をそれぞれ基質
(水相)貯槽11、基質(非水溶液相)貯槽12より一定の
比率で仕込み下層になる水相をドラフトチューブ3内の
撹拌羽根20により巻き上げ、エマルションとして酵素あ
るいは微生物と効率良く接触せしめ酵素あるいは微生物
反応を行わせるものである。ここに4は基質(非水溶液
相)供給ノズル、6は生成物(非水溶液相)貯槽、7は
せき、8は限外濾過膜、9は水相膜処理用貯槽、10は生
成物(水相)貯槽である。
第1図の場合、基質と酵素あるいは微生物の接触効率を
上げ、しかもこれら酵素あるいは微生物を吸着等により
効率良く反応器内に保持するため充填材2をドラフトチ
ューブの外側に充填しているが、充填材を用いなくても
これらの条件が満たされるならば特に充填材等を使用す
る必要はない。
また、反応器の上部、下部にそれぞれじゃま板5,17を設
けると、液の完全混合を防止し非水溶液相と水相とが分
離した状態の部分を形成できるので好ましい。
本発明の方法を用いれば反応と同時に生成物の分離を行
うことができるので回分操作は勿論連続的に生成物を抜
き出しながら基質を供給する連続反応あるいは半連続反
応を行うことも可能である。
本反応器の場合、反応に使用した酵素あるいは微生物の
大部分は反応器内に保持されるが、酵素あるいは微生物
を更に効率良く回収再利用するためには水相に溶解して
いる酵素あるいは微生物を濃縮回収することが好まし
い。これには限外濾過膜を用いるのが好ましい。使用す
る限外濾過膜は、酵素あるいは微生物を通過させないも
のであれば材質、形状等特に限定するものではなく、例
えば酢酸セルロース膜、ポリアクリロニトリル膜、ポリ
スルホン膜、ポリアミド膜等どのような材質のものでも
使用でき、また形状についても平膜状、管状、スパイラ
ル状、中空糸状等どのような形状のものでも使用でき
る。限外濾過膜の分画分子量については反応に使用する
酵素あるいは微生物により異なり酵素あるいは微生物の
透過が阻止できる孔径を有しておればよく特に限定する
ものではないが、一般に3000〜50000程度のものが好ま
しい。限外濾過により酵素あるいは微生物を含まない水
相を連続的に抜き出し、酵素あるいは微生物の濃縮液は
連続的にあるいは半連続的に反応系内へ戻してやればよ
い。
尚、酵素あるいは微生物のほとんどが反応器内に保持さ
れ水相への溶解が無視できるならば限外濾過による酵素
あるいは微生物の分離の必要はない。また、あらかじめ
種々の方法で酵素あるいは微生物を固定化した固定化酵
素あるいは固定化微生物を充填することも可能で、この
場合も限外濾過による酵素回収工程は必要ない。あるい
はまた限外濾過工程を省略して、水相に溶解した酵素あ
るいは微生物分に相当するフレッシュな酵素あるいは微
生物を添加する方法も可能である。
本発明の方法を用いれば特別な前処理を行うことなく、
反応器内に酵素あるいは微生物を保持し効率良くこれら
酵素あるいは微生物の回収再利用が可能である。酵素あ
るいは微生物は、特別な前処理を行うことなく、充填材
に吸着等により保持させるか、又はあらかじめ種々の方
法で固定化処理をした固定化酵素あるいは固定化微生物
を充填するか、あるいはまたこれら充填物を用いること
なくフリーな状態で用いる等の方法があるが、何れの方
法を用いるかは酵素及び微生物の特徴、あるいは反応条
件等により適当に選択すればよい。
第1図のようなドラフトチューブ3及び撹拌羽根20を用
いる場合のドラフトチューブの径は特に限定されるもの
ではなく目的とする反応により径を決定すればよいが、
反応槽の径の5〜90%の径であれば好ましく用いられ
る。また撹拌羽根の回転速度は、反応器中の下層がうま
く巻き上げられて非水溶液相と水相との界面近傍で混和
が起こり、しかも反応器上部と下部に、非水溶液相と水
相とが混和しない部分が残るように設定すればよい。
第1図に示した如く充填材を用いる場合について、その
充填材の形態は特に限定されるものではなく、通常一般
に充填材として用いられるラシヒリング、レッシングリ
ング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ポールリ
ング等の充填材や円筒状にしたネットなどを充填しても
よい。材質も特に限定されるものではなく、金属、磁
製、プラスチック製のもの等を用いることができる。ま
た固定化酵素あるいは固定化微生物を充填する場合で
も、固定化方法は特に限定されるものではなく、通常使
われている担体結合法、架橋法、包括法あるいは、これ
らを適当に組み合わせた複合法等、いずれの方法でもよ
く、適当に選択すればよい。
また、反応器中の下層をうまく巻き上げる方法として
は、第1図に示したドラフトチューブ方式の他に、例え
ば、第2図に示した如く、反応器中の上下2層の界面近
傍の下方より窒素ガス等の不活性気体を吹き込む方法、
第1図の如きドラフトチューブ内を窒素ガス等の不活性
気体を通過させる方法、あるいはドラフトチューブを用
いずに、界面近傍を単に撹拌してやる方法などが挙げら
れ、界面近傍で上層と下層が混和される方法であればど
のような方法でもよく、反応系に適した方法を採用すれ
ばよい。
本発明の特徴は、反応器中の上下2層を、その界面近傍
で混和させて酵素もしくは微生物反応を行わせ、反応器
中の上層部及び下層部には混和されない部分を残したま
まで反応を行わせるので、反応と同時に非水溶液相と水
相をそれぞれ独立に取り出すことができ、生成物を分離
できることである。従って連続的に基質等を加えながら
同時に生成物を得ることができる。また、連続的に反応
を行えるので、反応器内の各成分の濃度を一定に維持す
ることができ、これは、酵素の安定性等を考慮した場合
に非常に有利である。
本発明の方法を用いて油脂の加水分解を行う場合につい
て以下に述べる。この場合、基質は油脂及び水、酵素は
リパーゼ、反応生成物を脂肪酸及びグリセリンである。
本発明者らは、リパーゼを用いた油脂の加水分解に際し
ては、生成物であるグリセリンの濃度がリパーゼの安定
性に大きく寄与していることを見出している。本発明者
らの研究によれば、反応系内の水相中のグリセリン濃度
が10〜40重量%の範囲内にあるとき、酵素が安定化さ
れ、好ましく油脂の加水分解が進行する。本発明の方法
は、反応器内の各種成分の濃度を一定に保つことが容易
であり、従ってリパーゼによる油脂の加水分解に好まし
く適用される。
本発明の方法をリパーゼによる油脂の加水分解に適用す
る場合には、油脂及び水の供給比率は以下の方法により
計算して決定しグリセリン濃度を最適条件に推持するこ
とができる。例えば、反応系内の水相中のグリセリン濃
度を20wt%に維持しようとする場合、 連続あるいは半連続供給する油脂量=X(kg/hr) 〃 〃 水量=Y(kg/hr) 油脂分解率=η(%),油脂の分子量=M 水の分子量=18,グリセリンの分子量=92 とすると、 の式が成立し、式よりXとYの比を決定できる。仮
に、M=900、η=95%とすると式より X/Y=1.84 となる。このようにして、油脂/水の連続あるいは半連
続供給比率を決定する。
本発明の方法は、非水溶液相と水相の2相系で反応を行
う種々の酵素反応、微生物反応に適用でき、前述のリパ
ーゼによる油脂の加水分解反応以外にも、リパーゼによ
るトリグリセリド合成、トリグリセリドのエステル交換
反応、あるいはサーモライシンによるカルボベンジルオ
キシ−1−アスパラギン酸とγ−フェニルアラニンメチ
ルエステルからの人工甘味料アスパルテーム(アスパル
チルフェニルアラニンメチルエステル)の合成などのよ
うなプロテアーゼによるペプチドの合成反応等に適用で
きるが、これらに限定されるものではない。
本発明のもう1つの特徴は、使用する酵素あるいは微生
物の形態として、あらかじめ種々の方法で固定化したい
わゆる固定化酵素あるいは固定化微生物を用いてもよい
が、特別な固定化処理を行わなくても適当な充填材を充
填すること、あるいはこれら充填材を用いなくても酵素
あるいは微生物をある程度反応器内に保持することがで
きることである。また水相に溶解した酵素あるいは微生
物も限外濾過膜により容易に回収できるので特に複雑な
固定化処理を行わなくても効率良く回収再利用ができ
る。
本発明で用いる酵素あるいは微生物は必ずしも高度に精
製されているものである必要はなく、抽出液や部分精製
品、またあるいは醗酵液も用いることができる。
本発明によるバイオリアクターは、第1図あるいは第2
図で示したように1槽のみで使用してもよいがさらに効
率的に反応を行うためには多段反応としてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例−1 第1図に示した反応システムによりリパーゼによる大豆
油の加水分解を行った。リパーゼによる油脂の加水分解
では、第1図、第2図において4は油脂供給ノズル、6
は脂肪酸溶液貯槽、9はグリセリン水溶液膜処理用貯
槽、10はグリセリン水貯槽、11は水貯槽、12は油脂貯槽
となる。
反応槽1に予め大豆油を酵素分解した分解脂肪酸(脂肪
酸含有率85%)1kg、20wt%グリセリン水1kg及びキャン
ディダシリンドラセより生産したリパーゼ(320000単位
/g)2gを加えて反応槽を30℃に保ちながら反応を行っ
た。
反応槽の径とドラフトチューブ3の径の比率は10:6であ
る。また撹拌羽根は第1図に示したようなリボン型羽根
20を用い周速は約0.5m/秒として撹拌を行った。
この反応槽1に油脂貯槽12からポンプ13により50g/HRの
流量で大豆油(脂肪酸含有率0%)を反応槽下部から連
続供給し、また水貯槽11よりポンプ14を用いて25g/HRの
流量で水を反応槽上部から連続的に供給した。即ち反応
槽内での大豆油の平均滞留時間が20時間、そして水相中
のグリセリン濃度が約20%に保つことができるようにそ
れぞれ反応槽内へ供給した。反応槽内では下層の水がド
ラフトチューブにより一旦巻き上げられ、ドラフトチュ
ーブ外側の充填層を水滴が通過する間にリパーゼと油と
水が接触し加水分解反応が行われる。
一方、反応槽の上部と下部にそれぞれじゃま板5、17を
設けることにより、その上側と下側ではほとんど水を含
まない脂肪酸あるいはほとんど油を含まない甘水が得ら
れる。この様にして脂肪酸は供給した大豆油の量だけ連
続的にオーバーフローにより抜き出し、甘水は反応槽下
部からポンプ15により連続的に抜き出し、一旦貯槽9に
貯めた後、限外濾過膜8により水相に溶解している酵素
を濃縮回収し、グリセリン水の抜き出し量が25g/HRとな
るように調製しながら反応を行った。本実施例では限外
濾過膜としてポリアクリロニトリル膜(分画分子量3000
0)を用いて半連続的に酵素の濃縮を行い再び反応槽へ
もどした。
このような反応装置を用いて大豆油、水の連続供給及び
脂肪酸溶液、グリセリン水溶液の連続抜き出しを行いな
がら反応を継続した。
20時間(反応槽内での平均滞留時間に等しい)後、脂肪
酸溶液貯槽6から脂肪酸溶液を採取して酸価及びけん化
価を測定したところ、酸価=170、けん化価=194が得ら
れた。下式より加水分解率を計算したところ86%であっ
た。
尚、グリセリン水溶液貯槽10のグリセリ水のグリセリン
濃度は20wt%であった。
同様に大豆油の供給開始後40時間後、60時間後、80時間
後、100時間後の分解率及びグリセリン濃度を測定した
ところ第1表の如くであった。
このように100時間の連続反応を行っても酵素は全く失
活せず、大豆油の分解率も85〜86%を維持し、水相中の
グリセリン濃度も18〜20%に維持できた。
一方、脂肪酸溶液貯槽6に得られる脂肪酸溶液中の水分
は0.5%以下であった。また、限外濾過膜を透過したグ
リセリン水は品質的にも良好なグリセリン水が得られ
た。このように本反応システムを用いることにより、反
応と生成物の分離を同時に行いながらしかも効率良く酵
素を回収再利用し高分解率を維持できることがわかっ
た。
実施例−2 実施例−1と同様の装置を用い、初期仕込み大豆油分解
液、20wt%グリセリン水溶液及び酵素仕込量も実施例−
1と同じにし、ポンプ13及び14による大豆油及び水の連
続添加量を以下のように変更し、大豆油の平均滞留時間
を40時間とした。
大豆油添加量25g/HR、水添加量12.5g/HR脂肪酸溶液の抜
き出しはオーバーフローでグリセリン水の抜き出し量は
12.5g/HRとなるように調製しながら連続分解を行った。
反応時間毎の大豆油の加水分解率及びグリセリン濃度を
測定したところ第2表のようになった。
このように滞留時間を40時間とすると約90%の分解率が
得られることがわかった。
実施例−3 実施例−1では反応槽内の水をドラフトチューブ内の撹
拌羽根により水を巻き上げて加水分解反応を行わせた
が、本実施例では撹拌の代わりに第2図に示した如く、
反応槽の下部より窒素ガス吹き込みノズル22から窒素を
吹き込み水滴を油相内に巻き上げ、充填層に保持されて
いるリパーゼと油と水を接触させて加水分解反応を行わ
せた。反応槽上部にはロート状のじゃま板を設け、窒素
を捕集し、じゃま板の上側では液の混合が起こらないよ
うに配慮してある。
初期仕込み大豆油分解液、20wt%グリセリン水溶液及び
酵素仕込み量及び大豆油の平均滞留時間は実施例−1と
同様にし、窒素吹込み量は100ml/minで大豆油の連続加
水分解を行った。反応時間毎の大豆油の加水分解率及び
グリセリン濃度を測定したところ第3表のようになっ
た。
このように、反応の下部から窒素を吹き込む方法でも第
1図に示した様な撹拌方法と同様の撹拌効果が得られ、
85〜86%の分解率が維持でき、実施例−1の場合と同様
効率良く脂肪酸溶液相とグリセリン水相の分離が行える
ことがわかった。
実施例−4 実施例−1,2,3では、反応器1槽のみでの連続加水分解
であるが、本実施例では、効率良く高分解率を得るた
め、第1図に示した反応器を2槽用いて2段の連続加水
分解を行った。
この場合、大豆油と水は向流となる様に供給した。即
ち、大豆油は先ず1段目の反応器から供給し、得られた
脂肪酸溶液を再び2段目の反応器に供給し、一方水は反
応器内のグリセリン濃度が約20%となる様に配慮しなが
ら供給した。
大豆油は50g/HRで供給し、水は1段目の反応器にはフレ
ッシュ水と2段目の反応器から回収したグリセリン水を
混合し約15%としたグリセリン水を3g/HRの流量で供給
し、2段目には1段目の反応器から回収したグリセリン
水と新たにフレッシュな水を混合して20g/HRの流量で供
給した。
反応時間毎の大豆油の加水分解率及びグリセリン濃度を
測定したところ第4表のようになった。
このように多段反応とすることにより効率よく油脂の加
水分解が行えることがわかった。
〔発明の効果〕
本発明の酵素もしくは微生物反応方法は、基質を生成物
に変換せしめながら同時に生成物を取り出す操作を行い
得る方法であり、各種反応条件をコントロールしたり、
反応を連続化することが極めて容易であり、工業化に有
利である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ本発明の反応システムの例の
模式図である。 1……反応槽 2……充填材 3……ドラフトチューブ 4……基質(非水溶液相)供給ノズル 5……上部じゃま板 6……生成物(非水溶液相)貯槽 7……せき 8……限外濾過膜 9……水相膜処理用貯槽 10……生成物(水相)貯槽 11……基質(水相)貯槽 12……基質(非水溶液相)貯槽 13〜16……ポンプ 17……下部じゃま板 18〜19……バルブ 20……撹拌羽根 21……撹拌用モーター 22……N2ガス等・吹き込みノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非水溶液相と水相とが上下2層に分離して
    存在する反応器において、非水溶液相と水相とが混和し
    ない部分を残しながら非水溶液相と水相とを下層を巻き
    上げることにより混和することにより、非水溶液相及び
    /又は水相の中に存在する基質を、酵素もしくは微生物
    によって生成物に変換せしめ、混和しない部分の非水溶
    液相及び/又は水相中に存在する生成物を取り出すこと
    を特徴とする酵素もしくは微生物反応方法。
  2. 【請求項2】酵素もしくは微生物が、特別な前処理を行
    うことなく充填材に吸着もしくは保持され、あるいは、
    予め種々の固定化方法により固定化担体に固定化されて
    反応器中の非水溶液相と水相との界面近傍に配置されて
    いる特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】混和を、ドラフトチューブ内の攪拌羽根を
    用いて行う特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】混和を、反応器下方より不活性気体を吹き
    込むことによって行う特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】基質が水及び油脂であり、酵素がリパーゼ
    である特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】反応系内の水相中のグリセリン濃度を10〜
    40重量%の範囲内に維持して反応を行うことを特徴とす
    る特許請求の範囲第5項に記載の方法。
JP61122994A 1986-05-28 1986-05-28 酵素もしくは微生物反応方法 Expired - Lifetime JPH07106154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61122994A JPH07106154B2 (ja) 1986-05-28 1986-05-28 酵素もしくは微生物反応方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61122994A JPH07106154B2 (ja) 1986-05-28 1986-05-28 酵素もしくは微生物反応方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62278988A JPS62278988A (ja) 1987-12-03
JPH07106154B2 true JPH07106154B2 (ja) 1995-11-15

Family

ID=14849652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61122994A Expired - Lifetime JPH07106154B2 (ja) 1986-05-28 1986-05-28 酵素もしくは微生物反応方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07106154B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63296698A (ja) * 1987-05-29 1988-12-02 Lion Corp 高純度モノグリセリドの連続製造方法
DD282822A7 (de) * 1988-05-06 1990-09-26 Univ Halle Wittenberg Verfahren zur biokatalytischen umsetzung schlecht wasserloeslicher substanzen
US5089403A (en) * 1989-06-05 1992-02-18 Iowa State University Research Foundation, Inc. Process for enzymatic hydrolysis of fatty acid triglycerides with oat caryopses
US5137660A (en) * 1991-03-15 1992-08-11 The Procter & Gamble Company Regioselective synthesis of 1,3-disubstituted glycerides
CN107109326B (zh) 2014-10-07 2020-04-28 纽埃斯技术股份公司 用于酶处理的紧凑反应器
JP6676880B2 (ja) * 2015-03-27 2020-04-08 株式会社豊田中央研究所 非親水性物質に細胞を曝露させるための構造体及び非親水性物質の細胞に対する作用の評価方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59154999A (ja) * 1983-02-21 1984-09-04 Shoichi Shimizu 生物化学反応方法および生物化学反応装置
JPS6185195A (ja) * 1984-10-02 1986-04-30 Agency Of Ind Science & Technol 脂質の連続加水分解法
JPH0646947B2 (ja) * 1984-12-17 1994-06-22 祥一 清水 生物化学反応方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62278988A (ja) 1987-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4865973A (en) Process for extractive fermentation
EP2440670B1 (en) Process for extracting fatty acids from aqueous biomass in a membrane contactor module
Giorno et al. Performance of a biphasic organic/aqueous hollow fibre reactor using immobilized lipase
EP0232933A1 (en) The hydrolysis of fats using immobilized lipase
Patnaik Liquid emulsion membranes: principles, problems and applications in fermentation processes
US5032515A (en) Hydrolysis process of fat or oil
EP0216221B1 (en) Fermentation process involving liquid-liquid extraction of the fermentation product
JPH07106154B2 (ja) 酵素もしくは微生物反応方法
Giorno et al. Use of stable emulsion to improve stability, activity, and enantioselectivity of lipase immobilized in a membrane reactor
US6258575B1 (en) Hydrolyzing fats and oils using an immobilized enzyme column and substrate-feeding chamber that separates phases
JP5558831B2 (ja) 酵素法による連続式バイオディーゼル燃料の生産
JP3439675B2 (ja) 油脂の加水分解方法
JPH0669360B2 (ja) 液−液異相系の反応装置
JP2011050304A (ja) 酵素法による連続式バイオディーゼル燃料の生産方法
JPS59210893A (ja) 油脂の加水分解システム
EP0265409A1 (fr) Procédé de préparation d'acide lactique par fermentation de lactoserum
CN106459824B (zh) 用于回收脂质或碳氢化合物的方法
US20060191848A1 (en) Integrated separation of organic substances from an aqueous bio-process mixture
JPS60118190A (ja) 酵素反応方法
JP2983655B2 (ja) ジグリセリドの製造法
JP2520155B2 (ja) 生体触媒を用いる反応方法およびその反応装置
JP2564147B2 (ja) 高濃度菌体酢酸醗酵法
CN105992753B (zh) 用于从水性混合物分离二羧酸的方法
JPH0638778A (ja) 脂肪酸の製造方法
VLADISAVLJEVIC Biocatalytic membrane reactors. IN: Saha, B.(ed.) Catalytic Reactors

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term