JPH06468U - スプリンクラーヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 火災発生時に小数のスプリンクラーヘッドが
作動しても、所定量の水が散布され、不必要な箇所への
散布や必要以上の散布による水損をなくす。 【構成】 本体１の導水孔６下部にオリフィス１０が形
成され、その上に移動板１３を取り付けたバネ１１が設
置され、また移動板１３の中央にはニードル弁１４が設
置され、ニードル弁１４は固定板１７の軸１８に沿って
摺動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、消火用のスプリンクラーヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スプリンクラーヘッドは、火災が発生すると、火災の異常高温で分解部分が分 解し、分解部分で保持していた弁体が飛散することにより弁体が閉塞していた本 体の導水孔を開放することにより、水を散布する閉鎖型と、他の火災感知器から の信号で水を散布する開放型がある。

【０００３】 ところで、スプリンクラーヘッドは火災発生時に一定の範囲に水を散布しなけ ればならないため、スプリンクラーヘッドから流出する水は適正な水量が必要で ある。しかしながら、スプリンクラーヘッドに送られる水の圧力が高過ぎると、 導水孔から大量の水が流出して一定の散水分布が得られなくなり、消火性能に影 響が出てきてしまうことになる。

【０００４】 また、スプリンクラーヘッドに送られてくる水の圧力が高過ぎることによる弊 害としては水損もある。つまり、鎮火後も水圧が高くて作動したスプリンクラー ヘッドから多量の水が散布され続けると、水が火災現場でない部屋に流れ込んで 高価な事務機や家具等を濡らすという水損を起こしてしまう。

【０００５】 従って、火災発生時にスプリンクラーヘッドには適正な圧力の水が送られてこ なければならないが、スプリンクラー消火設備ではスプリンクラーヘッドを取り 付けた配管に水を送る水源のポンプは、多数のスプリンクラーヘッドが作動した 場合でも、どのスプリンクラーヘッドからも適正な圧力（約１０Ｋｇｆ／ｃｍ² ）の水が散布されるような能力で起動するようになっている。

【０００６】 そのため、火災で１〜２個という小数のスプリンクラーヘッドが作動した場合 には、１０Ｋｇｆ／ｃｍ² 以上の圧力の水が作動したスプリンクラーヘッドに送 られ、前述のような水損を起こしてしまうことになる。

【０００７】 このような水損を防止するため、スプリンクラーヘッドの内部に流量を調整す る装置を設置したものが提案されていた。（実公昭５５−１２８２７号） このスプリンクラーヘッドは、本体の導水孔にゴム製の流量調整弁（以下、ゴ ム弁という）を設置したものである。ここに使用されているゴム弁は、中央に孔 が穿設された厚い円盤状で、ゴム弁に圧力の高い水が当たると、ゴム弁が下方に 凹み、中央孔の上部が収縮して狭められることにより中央孔を通過する水の量を 調整するようになっている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

従来のゴム弁を設置したスプリンクラーヘッドでは、流量調整の範囲、つまり ゴム弁の中央孔の大きさが変化する範囲を大きくするためにはゴムの厚さを厚く しなければならないが、ゴムの厚さを厚くすると水圧に抗する力が強くなって凹 みにくくなり、中央孔の大きさの変化が起こらず流量調整弁としての機能がなく なる。

【０００９】 一方、ゴムの厚さを薄くするとゴム弁は水圧に対してシビアに作動するが、中 央孔の大きさの変化量が少なく、やはり流量調整弁としての機能がなくなる。 本考案は、圧力に対する流量調整範囲を広くできるとともに、圧力に対して正 確に流量を調整することのできるスプリンクラーヘッドを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、つる巻バネは荷重に対して正確に変動し、つる巻バネの材質、太 さ等を適当に選択すれば所定の変化量が得られることに着目して本考案を完成さ せた。

【００１１】 本考案は、火災が発生した時に、配管から送られてきた水を散布して消火を行 うスプリンクラーヘッドにおいて、本体の導水孔内にオリフィスが形成されてお り、該オリフィスの一方の側にコイルスプリングが設置されていて、コイルスプ リングの端部には流通孔を有する移動板が設置されているとともに、該移動板の 中央には有底孔を穿設したニードル弁が固定されており、またニードル弁の有底 孔には軸が摺動自在に挿入されていて、該軸は移動板の上方で導水孔に固定され た固定板に設置されており、しかも固定板には流通孔が穿設されていることを特 徴とするスプリンクラーヘッドである。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案のスプリンクラーヘッドを説明する。 図１は本考案実施例の正面断面図、図２は同作動時の正面断面図、図３は本考 案の要部拡大断面斜視図である。

【００１３】 スプリンクラーヘッドは、本体１、弁体２、分解部分３およびデフレクター４ から構成されている。 本体１は外部に図示しない配管と接続するための牡ネジ５が螺設されており、 内部に導水孔６が穿設されている。また導水孔６の端部には弁座７が形成されて いる。

【００１４】 弁体２は円盤状で上部に銅製のパッキン８が被着してあり、該パッキンが前述 弁座７を密閉することにより導水孔６内の水の漏洩を防止している。

【００１５】 分解部分３は弁座２とデフレクター４の間に設置されており、火災の異常高温 で分解して弁体を解放するようになっている。分解部分の構造は周知であり、本 考案の要旨でないため詳細な説明は省略する。

【００１６】 デフレクター４は皿状で周囲に多数の羽根が形成されており、該羽で導水孔か ら噴出してきた水を四方に分散するようになっている。デフレクターは馬蹄形の フレームヨーク９で本体１から吊設されている。

【００１７】 本体１の導水孔６にはオリフィス１０が形成されており、該オリフィスの上部 には圧縮バネ１１が置かれている。圧縮バネには流通孔１２が穿設された円盤状 の移動板１３が設置されており、該移動板の中央にはニードル弁１４が取り付け られている。ニードル弁１４は紡錘形となっていて、移動板に取り付けられた側 からは有底の孔１５が穿設されている。

【００１８】 移動板１３の上方には、流通孔１６を有する固定板１７が導水孔６に固定され ている。移動板１３の流通孔１２を固定板１７の流通孔１６よりも小さくしてお くと流量調整弁としての作動をさらにシビアにすることができる。該固定板の中 央には軸１８が固定されており、該軸はニードル弁の有底孔１５に摺動自在に挿 入されている。

【００１９】 導水孔６の上部には細かい網を張った半紡錘形のストレーナー１９が設置され ている。ストレーナー１９は、配管中のゴミや錆びをここで濾し取り、これらが オリフィスに詰まることによる水の散布妨げを防止するものである。

【００２０】 次に上記構造を有する本考案スプリンクラーヘッドの作動状態について説明す る。 ニードル弁１４は、平時は図１に示すようにオリフィス１０から離れていて、 オリフィスはニードル弁に影響されずに全開状態となっている。

【００２１】 火災が発生し、火災の異常高温で分解部分３が分解する。そして分解部分で保 持していた弁体２が解放されて弁座７を開くと図示しない配管内の水が水源のポ ンプで圧送されて導水孔６から流出し、デフレクター４に当たって四方に散水さ れる。

【００２２】 この時、配管から導水孔６に流入した水は、固定板１７の流通孔１６を通って 移動板１３に当たり、移動板の流通孔１２を通ってオリフィス１０から外方に流 出していく。

【００２３】 配管内の水が導水孔６に入り、固定板１７の流通孔１６を通って移動板１３に 達すると、移動板１３は水に押されるため、図２に示すようにバネ１１に抗して 下方に移動する。この時、移動板１３の流通孔１２が固定板１７の流通孔１６よ りも小さいと、通過する水に対する抵抗が大きくなって、移動板の変動をシビア にすることができる。

【００２４】 移動板１３が下方に移動すると、移動板に固定されたニードル弁１４も軸１８ に沿って下方に移動し、オリフィス１０内に侵入する。すると、オリフィス１０ はニードル弁１４で狭められるため、オリフィスを通過する水の量が少なくなる 。従って、スプリンクラーヘッドから散布される水の量が適正に保たれる。

【００２５】 なお、実施例では本体とデフレクターの間に分解部分を設置したフレームヨー ク型スプリンクラーヘッドで示したが、本考案は多数の散水孔を有するデフレク ターが本体に直接取り付けられたマルチ型や、火災発生時にデフレクターが一定 距離だけ落下するフラッシュ型、さらには分解部分が設置されてなく、他の火災 感知器からの信号で水が散布される開放型スプリンクラーヘッドにも適用できる ことはいうまでもない。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明した如く、本考案のスプリンクラーヘッドはバネを使用した流量調 整弁を導水孔内に組み込んであるため、バネに設置した移動板は水圧に対して正 確な変動を行い、オリフィスをニードル弁が流通路を狭めて適正な散布を行うと いう従来に無い優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の正面断面図である。

【図２】本考案の実施例の作動時の正面断面図である。

【図３】本考案実施例の要部拡大断面斜視図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 弁体 ３ 分解部分 ４ デフレクター ６ 導水孔 １０ オリフィス １１ バネ １２ 移動板の流通孔 １３ 移動板 １４ ニードル弁 １５ ニードル弁の有底孔 １６ 固定板の流通孔 １７ 固定板 １８ 軸 １９ ストレーナー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 火災が発生した時に、配管から送られて
   きた水を散布して消火を行うスプリンクラーヘッドにお
   いて、本体の導水孔内にオリフィスが形成されており、
   該オリフィスの一方の側にコイルスプリングが設置され
   ていて、コイルスプリングの端部には流通孔を有する移
   動板が設置されているとともに、該移動板の中央には有
   底孔を穿設したニードル弁が固定されており、またニー
   ドル弁の有底孔には軸が摺動自在に挿入されていて、該
   軸は移動板の上方で導水孔に固定された固定板に設置さ
   れており、しかも固定板には流通孔が穿設されているこ
   とを特徴とするスプリンクラーヘッド。
2. 【請求項２】 前記移動板の流通孔は、固定板の流通孔
   よりも小さくなっていることを特徴とする請求項１記載
   のスプリンクラーヘッド。