JPH0646862A - セファロスポリウム・アクレモニウムのアセチルCoA:デアセチルセファロスポリンCアセチルトランスフェラーゼをコードする完全な遺伝子(cef G)並びにその単離および用途 - Google Patents

セファロスポリウム・アクレモニウムのアセチルCoA:デアセチルセファロスポリンCアセチルトランスフェラーゼをコードする完全な遺伝子(cef G)並びにその単離および用途

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JPH0646862A
JPH0646862A JP10503393A JP10503393A JPH0646862A JP H0646862 A JPH0646862 A JP H0646862A JP 10503393 A JP10503393 A JP 10503393A JP 10503393 A JP10503393 A JP 10503393A JP H0646862 A JPH0646862 A JP H0646862A
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acremonium
cephalosporin
dac
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JP10503393A
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Martin Juan Francisco Martin
ファン、フランシスコ、マルチン、マルチン
Martin Santiago Gutierrez
サンティアゴ、グティエレス、マルチン
Alvarez Javier Velasco
ハビエル、ベラスコ、アルバレス
Perrino Francisco J Fernandez
フランシスコ、ホセ、フェルナンデス、ペリノ
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Hoechst AG
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セファロスポリウム・アクレモニウム(syn.
Acremonium chrysogenum)C10のアセチルCoA:デ
アセチルセファロスポリンC アセチルトランスフェラ
ーゼをコードする遺伝子(cef G)を単離した。これは
ふたつのイントンを含み、また、444個のアミノ酸か
らなるゲル濾過から推定される分子量(52000±1
000)とよく相関する分子量49269のタンパク質
をコードする。 【効果】 cef Gは、例えば非生産変異体C.acremoniu
m (ATCC寄託第20371号)において、デアセチ
ルセファロスポリンアセチルトランスフェラーゼの欠失
を補い、セファロスポリンの生合成をこの系統において
復活させる。従って、上記cef Gは、セファロスポリン
Cの生産を改良することに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】セファロスポリウム・アクレモニ
ウムのアセチルCoA:デアセチルセファロスポリンC
アセチルトランスフェラーゼをコードする完全な遺伝子
(cef G)並びにその単離および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】セファロスポリンの生合成経路の最終段
階は、デアセチルセファロスポリン(DAC)を酵素デ
アセチルセファロスポリン- アセチルトランスフェラー
ゼ(DAC- ATF)によってセファロスポリンCに変
換する反応である(図1)。最近までこの酵素はほとん
ど知られておらず、完全精製に至っていなかった。欧州
公開特許EP−A1−0450758号の特許請求の範
囲にDAC- ATFをコードする遺伝子の単離が記載さ
れている。この欧州出願によると、DAC- ATFは、
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって測定さ
れた分子量27000±2000ダルトン(サブユニッ
ト)と分子量14000±2000ダルトン(サブユニ
ット2)の二つのサブユニットからなる。DAC- AT
FのcDNAのスクリーニングに用いたれたプローブ
は、下記のように決定された各々のサブユニットのN末
端部分から得られた: サブユニット1: Leu-X-Ala-Gln-Asp-Ile-Ser-Leu-Phe
-Thr-Leu-Glu-Ser-Gly-Val-Ile-Leu-Arg-... サブユニット2: Asp-Ser-Gly-Asn-Ser-His-Arg-Ala-
Gly-Gln-Pro-Ile-Glu-Ala-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Arg-Ty
r-Gln-Ala-Gln-Lys-Phe-Ala-... Xは、当時特定されていなかったアミノ酸を表し、Asp
であることがわかった。これらのプローブで単離された
遺伝子をコードするDAC- ATFは、387個のアミ
ノ酸を持つタンパク質分子をコードすると考えられた。
サブユニットのアミノ末端部分として決定されたLeu-As
p-Ala-Gly-Asp...の前のプレ配列であるMet-Ser-Pro-Gl
n-Ile-Ala-Asn-Arg-Phe-Glu-Ala-Ser で始まるわずかに
大きい分子が、また、記載されていた。
【0003】[発明の概要]
【発明が解決しようとする課題】本発明は完全なcef G
遺伝子を単離することを目的とする。また、本発明は、
単離された完全なcef G遺伝子を用いて、例えば、DA
CからセファロスポリンCへの変換を増大させるような
この遺伝子を発現させるプラスミドを用いて形質転換す
ることによって、cef Gの発現を最適化することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】セファロスポリウム・ア
クレモニウム(syn.Acremonium chrysogenumに同じ)C
10のアセチルCoA:デアセチルセファロスポリンC
アセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子(ce
f G)が単離された。これはふたつのイントロンを含
み、また、444個のアミノ酸からなり、ゲル濾過から
推定される分子量(52000±1000)とよく相関
する分子量49269のタンパク質をコードする。cef
G遺伝子は、cef EF遺伝子(二機能性デアセトキシセ
ファロスポリンCシンターゼ/ヒドロキシラーゼをコー
ドする)と結合しているが、それはcef EF遺伝子に対
して反対の方向で発現される。単離されたcef Gは、例
えば非生産変異体C.acremonium (ATCC寄託第20
371号)において、デアセチルセファロスポリンアセ
チルトランスフェラーゼの欠失を補い、セファロスポリ
ンの生合成をこの菌株において復活させる。従って、こ
のcef Gは、セファロスポリンCの生産を改良するのに
有用である。
【0005】[発明の具体的説明]上記タンパク質をコ
ードするDNAまたはわずかに大きいDNAを用いて、
完全といわれるDAC- ATF遺伝子をセファロスポリ
ウム系統に導入するのに最適なプラスミッドを構築し
た。
【0006】驚くべきことに、完全なcef G遺伝子が、
444個のアミノ酸からなる推定分子量49269ダル
トンのタンパク質をコードしていることが見い出され
た。この領域のヌクレオチド配列は、GC含量が56.
8%であり1.4kbの転写産物に相当する1332塩基
対(bp)の読みとり枠を表す。cef EF遺伝子を伴う
遺伝子間領域およびcef EFの5’末端領域を含む完全
なcef G遺伝子のヌクレオチド配列は、第1表に示され
るとおりである(実施例参照)。
【0007】cef Gは、二つのイントロンを含む。cef
Gのヌクレオチド配列のコンピューター解析によると、
イントロンのスプライシング反応におけるラリアット中
間体の形成に関わるイントロン/エクソン結合配列およ
び内部のコンセンサス配列と非常によい相同性を示す二
つのイントロンの存在が推定された。イントロンの存在
を確認するために、三つのオリゴヌクレオチドL、M、
N(以下参照)をC.アクレモニウムの全RNAとハイ
ブリダイズされることに用いた。プローブLおよびM
は、推定されるイントロン1および2に内在する配列に
相当し、一方プローブNは、翻訳領域に相当する(ヌク
レオチド2016〜2035:第1表)。ハイブリダイ
ゼーションの結果、プローブLおよびMは、C.アクレ
モニウムの全RNAとハイブリダイズしなかったが、プ
ローブNは明かなハイブリダイゼーションシグナルを与
えた。これらの結果によって、1〜187、188〜3
02および303〜444番目のアミノ酸におよぶ三つ
のエクソンに分割する二つのイントロンの存在が確認さ
れた。
【0008】C.アクレモニウムのcef G遺伝子のイン
トロンAは、S.セレビシエ(S.cerevisiae)met
2遺伝子のDNAにない領域に相当する。イントロンB
は、A.イマーサス(A.immersus)またはS.セレビ
シエのいずれかのmet2遺伝子にほとんど保存されて
いない領域に相当する。
【0009】3’非コード領域は、古典的なAATAA
Aポリアデニル化配列を含む(第1表の2845〜28
52番目のヌクレオチド)。第1表のATG開始コドン
から上流の5’末端領域の解析は、コンセンサス“TA
TA”ボックス と関連した配列(TACTAT:1001〜1006番
目のヌクレオチド)を明かにする。コンセンサス“CA
AT”ボックス(GGPyCAATCT)は観察されな
かった。これらの配列は、高等生物における転写開始に
用いられるが、繊維状菌のプロモーターに必ず存在する
と言うわけではない。菌のプロモーターの特質を表して
いると思われるピリミジンに富む(66%)ストレッチ
(865〜895番目のヌクレオチド)が、cef G遺伝
子の上流領域に存在している。
【0010】C.アクレモニウムにおけるcef G遺伝子
の発現を、DAC−アセチルトランスフェラーゼに欠陥
を有するC.アクレモニウム変異体の補完性を用いて行
った。7.2kbのBamHI断片中のcef G遺伝子
を、BamHIで切断され脱リン酸化された菌由来のベ
クターpULJL43においてサブクローニングした。
この構築物を、DACを蓄積し(第3表)、DAC−ア
セチルトランスフェラーゼに欠陥を有するC.アクレモ
ニウム(ATCC寄託番号第20371号:セファロス
ポリン欠陥変異体、第2表)を形質転換することに用い
た。セファロスポリンCおよびDACの濃度を、非形質
転換カルチャーおよび三つの形質転換体、すなわちC.
アクレモニウム371.1、371.2および371.
3、並びにコントロールクローンC.アクレモニウム3
71P43(遺伝子を挿入しないでpULJL43で形
質転換した)、で測定した。
【0011】(第2表及び第3表)結果は、完全なcef
G遺伝子を導入することによってセファロスポリンCの
生産が生ずることを示している。
【0012】従って本発明は、完全なcef G遺伝子およ
びセファロスポリンCの生産を改良するための用途(工
業的セファロスポリン生産系統において大量のDACが
セファロスポリンCに変換されずに残っていることが知
られている)に関する。
【0013】cef EFおよびcef G遺伝子に相当するプ
ローブによるノーザンブロット分析は、ハイブリダイゼ
ーションの強度は、48時間後の細胞において、イクス
パンダーゼ(expandase )/ヒドロキシラーゼの転写物
に対してよりDAC−アセチルトランスフェラーゼに対
しての方がより小さいことを示している。このプローブ
は両方の場合において相補性があり、また同様のRNA
の調製を用いたことから、これらの結果は、cef G遺伝
子(セファロスポリン合成経路の最終酵素をコードして
いる)が48時間の培養ではほとんど発現されないこと
を示している。この最終発現は、セファロスポリン発酵
におけるDACからセファロスポリンへの最終変換とよ
く相関する。cef EFおよびcef Gの発現における同様
の違いは、低生産菌株CW19およびセファロスポリン
高生産菌株C.アクレモニウムC10において観察され
た。cef EFおよびcef Gは両方とも同様のプロモータ
ー領域から分岐して発現されることから、合成経路にお
けるこれら最終遺伝子を調節する異なる機構が生じてい
るに違いない。
【0014】従って単離された完全なcef G遺伝子を用
いて、例えば、DACからセファロスポリンCへの変換
を増大させるようなこの遺伝子を発現させるプラスミド
を用いて形質転換することによって、cef Gの発現を最
適化することができる。
【0015】本発明を実施例および特許請求の範囲にお
いてさらに詳しく説明する。
【0016】
【実施例】実施例1 完全なcef G遺伝子の単離 C.アクレモニウムC−10(セファロスポリンC高生
産:Ramos,F.R.et.al.,FEMS Microbiol.Lett.35,p123-1
27(1986))をDNA源に用いた。C.アクレモニウムC
−10の遺伝子ライブラリーを以下に記載されるように
ble EMBL3ベクターに構築した(Gutierrez et.a
l.,J.Bacteriol.173,p2354-2365(1991) )。cef EF遺
伝子に対するファージのスクリーニングは、C.アクレ
モニウムのcef EF遺伝子のヌクレオチド配列(274
〜303番目のヌクレオチド:Samson et.al.,Bio/Tech
nology 5,p1207-1214(1987) )に従って合成された30
-merオリゴヌクレオチド5’−GGCAAGTACTC
GGACTACTCGACGTGCTAC−3’(プロ
ーブK)を用いて行った。三つの他のプローブ、L
(5’−GGATCGGTGCGCTTACC−
3’)、M(5’−TGAGCATCGACCGACG
GCAA−3’)およびN(5’−TACTCCCCG
TCCAGGTACTT−3’)、をcef G遺伝子にお
ける二つの異なったイントロンの存在を確認するために
用いた。
【0017】オリゴヌクレオチドを、前記したようにポ
リヌクレオチドキナーゼを用いてその5’末端について
標識した(Diez et.al.,J.Biol.Chem.265,p16358-16365
(1990))。サザンハイブリダイゼーションを、0.25
%SDSと6×SSC、2×Denhardtの溶液とを含むプ
レハイブリダイゼーションバッファーを用いて、標準的
方法で行った。
【0018】Bluescript(登録商標)KS(+)ベクタ
ーにサブクローニングされた遺伝子の断片の配列を、er
ase-a-base system (Promega,Madison,WI)を用いてエ
クソヌクレアーゼIII で切断することによって、一定方
向の一連の欠失を生じさせることによって決定した(S.
Henitzoff,Gene 28,p351-359(1984))。一定方向の一連
の断片の配列の決定を、前記したようにSequenase (登
録商標:U.S.Biochemicals,Cleveland,Oh )またはTa
qポリメラーゼ(Promega,Madison,WI)のいずれかを用
いてジデオキシヌクレオチド法によって行った(Monten
egro et.al.,Mol.Gen.Genet.221,p322-330(1990))。
【0019】結果は、図2並びに第1表に示されるとお
りである。完全なcef G遺伝子は、cef EF遺伝子のフ
ランキングDNA領域に位置する可能性がある。イクス
パンダーゼ/ヒドロキシラーゼ(cef EF)遺伝子を保
持するクローンを、30merプローブK(上記参照)で
ハイブリダイゼーションすることによって選択した。二
つの明らかにハイブリッド形成したファージF31およ
びF39を選択し、精製した。両方のファージは、共通
の2.7kbSalIバンドを持ったオーバーラップし
たDNA挿入物を示した。プローブKとハイブリダイズ
したファージF31の7.2kbBamHI断片を、Bl
uescript(登録商標)中にサブクローニングし、次いで
マッピングした(図2)。SstII部位(300bp)
付近の断片の配列を決定し、クローン化された断片がイ
クスパンダーゼ/ヒドロキシラーゼ遺伝子を含むことを
確認した。図2において、矢印は、cef EFおよびcef
G遺伝子それぞれの位置および長さを表しており、これ
らは反対方向に発現される。7.2kbBamHI断片
において線で囲んだ領域の配列を決定した。4.8kb
の断片Aを、その両方向において末端を満たしてサブク
ローニングし、pBXR4.8AおよびpBXR4.8
Bを得た。第1表は、完全なcef G遺伝子並びに上流お
よび下流の遺伝子間配列を含む3.11kbDNA領域
のヌクレオチドおよび推定されるアミノ酸配列を示した
ものである。cef EFおよびcef G遺伝子のATG翻訳
開始トリプレットは線で囲んである。cef G遺伝子から
下流のポリアデニル化配列AAATAAAおよびイント
ロンコンセンサス配列には下線が引いてある。プロモー
ター領域のピリミジンストレッチおよびTATAボック
スのような配列には上線か引いてある。cef EF遺伝子
は、相補鎖と反対の方向で発現される、ということに注
意すべきである。
【0020】実施例2 DAC- ATFを欠失するC.
アクレモニウム変異体における完全なcef G遺伝子の発
7.2kbBamHI断片におけるcef G遺伝子を、B
amHIで切断された菌ベクターpULJL43におい
てサブクローニングし、脱リン酸化した。この構成物を
用いて、C.アクレモニウム(AATC寄託第2037
1号)、すなわちDACを蓄積し(第3表)DACアセ
チルトランスフェラーゼを欠失する(図3)セファロス
ポリン欠失変異体(第2表)、を形質転換した。セファ
ロスポリンCおよびDACの濃度を、非形質転換カルチ
ャー並びに三つの形質転換体、すなわちC.アクレモニ
ウム371.1、371.2および371.3、および
コントロールクローンC.アクレモニウム371P43
(遺伝子を挿入しないでpULJL43で形質転換し
た)、で測定した。結果(第2表および第3表)は、
C.アクレモニウム20371が形質転換されない場合
もコントロールプラスミドpULJL43で形質転換さ
れた場合も、セファロスポリンCを有意な量生産せず、
一方でDACをかなりの量蓄積することを示している。
形質転換体371.2および371.3(cef G遺伝子
が補われた)は、セファロスポリンC合成能力を再び獲
得し、検出可能なDACの蓄積を行なわなくなった。形
質転換菌株371.1はセファロスポリンCを合成する
が、依然としてかなりの量のDACを維持しており、こ
のことはアセチルトランスフェエラーゼ遺伝子の発現が
低いことを示唆している(5頁およびノーザンブロット
の結果を参照)。
【0021】非生産変異体(ATCC20371)は、
96時間カルチャーした後で、残存するDAC−アセチ
ルトランスフェラーゼ活性を示したが、一方三つの形質
転換されたクローンはこれよりも10〜15倍の高い活
性を示した(図3)。第2表および第3表を比較するこ
とにより推定されるDACからセファロスポリンCへの
変換と、異なった形質転換体におけるDAC−アセチル
トランスフェラーゼ活性(すなわち形質転換体371.
3は他の形質転換体よりも低いアセチルトランスフェラ
ーゼ活性を示したこと)との間には、良い関係が観察さ
れた。
【0022】セファロスポリンCおよびデアセチルセフ
ァロスポリンCの定量を以下に説明する。
【0023】異なった菌株およびC.アクレモニウム形
質転換体の培養を、以下に記載されような決められた生
産培地において、セファロスポリンCまたはDACの生
産用に行った(D.H.Zanca and J.F.Martin,J.Antibiot.
36,p700-708(1983) )。1mlの培養汁を24時間ごと
に得てミリポア(Millipore )10000NMWLで濾
過し、分子量10,000ダルトン以上の分子を取り除
いた。ろ液の一部(50μl)をμBondapack
(登録商標)C18カラム(300×4mm)を装備し
たBeckman System Gold HPLCでのセファロスポリン
の分析に用いた。DACおよびセファロスポリンCを、
溶媒A:10mM酢酸- 酢酸ナトリウム(pH4.7)
および溶媒B:アセトニトリル(100%)の混合溶液
で、以下のような勾配を用いた1.3ml/min一定
流量で溶出した。
【0024】 時間 0分→ 5分→10分→20分→25分 溶媒Bの濃度 0%→ 0%→ 5%→ 5%→ 0% これらの条件下で、DACを3.4分の保持時間で、セ
ファロスポリンCを12.8分の保持時間で溶出した。
両方の化合物を、セファロスポリンCおよびDACの真
正なサンプル(F.Salto,Antibioticos,S.A.,Leon,Spain
の提供による)をHPLCで同時に溶出することによっ
て特定した。
【0025】DAC- アセチルトランスフェラーゼ活性
を、50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)
150μl中に、5mMアセチルCoA(Sigma Chem.
Co.,St.Louis,Mo )50μlと、5mMDAC(または
デアセチル- 7- アミノセファロスポリン酸(デアセチ
ル- 7- ACA))50μlと、50mM硫酸マグネシ
ウム25μlと、細胞を除いた抽出液(タンパク100
g)とを含む反応混合液において測定した。この酵素
は、基質類似体デアセチル- 7- ACAをアセチル化さ
れた誘導体7- ACAに変換することができる。
【0026】混合物を37℃で1時間インキュベート
し、反応物を氷中で急冷し、次いで冷却された反応混合
物をミリポア10000NMWLフィルターで濾過し
た。反応混合物5μlをHPLCに注入し、セファロス
ポリンC(または7- ACA)を以下のようなプログラ
ムで溶出した。
【0027】 時間 0分→ 2分→10分→15分→20分→25分 溶媒Bの濃度 0%→ 3%→ 3%→ 7%→ 7%→ 0% 7- ACAは保持時間7.1分で溶出されたが、デアセ
チル化された基質デアセチル- 7- ACAは2.5分の
保持時間を示した。
【0028】実施例3 P.クリソゲナム(P.chryso
genum )におけるcef G遺伝子の発現 cef G遺伝子の異種間の発現を、P.クリソゲナム(P.
chrysogenum )npe 6で観察した。これは、イソペニシ
リンNアシルトランスフェラーゼを欠くためペニシリン
生合成が阻害された変異体である。DAC- アセチルト
ランスフェラーゼはこの菌株において観察されなかった
が、形質転換体npe6.T1およびnpe6.T2は
それぞれ1.35および7.4nkatals /mg・タンパ
ク質のDAC- アセチルトランスフェラーゼ活性を示し
た(図4)。これらの二つの形質転換体は、イクスパン
ダーゼ/ヒドロキシラーゼおよびDAC- アセチルトラ
ンスフェラーゼの両方をコードする遺伝子を保持する
が、セファロスポリンを合成しない。このことは、イソ
ペニシリンエピメラーゼ遺伝子(セファロスポリン合成
経路を完結するのに欠かせない)が、P.クリソゲナム
を形質転換するのに用いた7.2kbBamHI断片に
位置していないのか、または少なくともそれが機能して
いないことを示している。さらにそれらはペニシリンを
合成せず、このことはDAC- アセチルトランスフェラ
ーゼがイソペニシリンNアシルトランスフェラーゼの代
わりにペニシリンを合成することができない、というこ
とを示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】デアセチルセファロスポリンCをアセチルトラ
ンスフェラーゼによってセファロスポリンCに変換する
反応を示したものである。
【図2】ファージF1およびF39から得られたDNA
断片の制限地図を示したものである。
【図3】cef G遺伝子を保持するpULJL43で形質
転換されたセファロスポリンC非生産変異体C.アクレ
モニウムのアセチルトランスフェラーゼ活性を示したも
のである。
【図4】cef G遺伝子を保持するpULJL43で形質
転換されたP.クリソゲナムnpe 6のアセチルトランス
フェラーゼ活性を示したものである。
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】3’非コード領域は、古典的なAATAA
Aポリアデニル化配列を含む(第1表の2845〜28
52番目のヌクレオチド)。第1表のATG開始コドン
から上流の5’末端領域の解析は、コンセンサス“TA
TA”ボックス と関連した配列(TACTAT:1001〜1006番
目のヌクレオチド)を明かにする。コンセンサス“CA
AT”ボックス(GGPyCAATCT)は観察されな
かった。これらの配列は、高等生物における転写開始に
用いられるが、繊維状菌のプロモーターに必ず存在する
と言うわけではない。菌のプロモーターの特質を表して
いると思われるピリミジンに富む(66%)ストレッチ
(865〜895番目のヌクレオチド)が、cef G
遺伝子の上流領域に存在している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:75) (C12P 35/06 C12R 1:75) (72)発明者 ハビエル、ベラスコ、アルバレス スペイン国サモラ、カーイエ、ベラ、ビス タ、ヌメロ、10 (72)発明者 フランシスコ、ホセ、フェルナンデス、ペ リノ スペイン国バリャドリド、カーイエ、ノガ ル、ヌメロ、6−3デー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セファロスポリウム・アクレモニウムのア
    セチルCoA:デアセチルセファロスポリンCアセチル
    トランスフェラーゼ(DAC- ATF)をコードする、
    完全な遺伝子(cef G)。
  2. 【請求項2】第1表のヌクレオチド配列で表されること
    を特徴とする、請求項1記載のcefG遺伝子。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のcef G遺伝子をコ
    ードする、cDNA。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか一項記載のcef G遺
    伝子を含んでなる、プラスミド。
  5. 【請求項5】cef G遺伝子が独立した誘導性のプロモー
    ターの調節下にあることを特徴とする、請求項4記載の
    プラスミド。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載のプラスミドで形質
    転換されたことを特徴とする、セファロスポリンC生産
    能を有する微生物。
  7. 【請求項7】請求項4または5記載のプラスミドで形質
    転換された、セファロスポリウム・アクレモニウム菌
    株。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の微生物を発酵さ
    せ、生産されたセファロスポリンCを単離することを含
    んでなる、セファロスポリンCの製造法。
  9. 【請求項9】セファロスポリンCの生産を改良するため
    の、請求項1または2記載の完全なcef G遺伝子の使用
    法。
JP10503393A 1992-04-07 1993-04-07 セファロスポリウム・アクレモニウムのアセチルCoA:デアセチルセファロスポリンCアセチルトランスフェラーゼをコードする完全な遺伝子(cef G)並びにその単離および用途 Pending JPH0646862A (ja)

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