JPH0646139Y2 - 投写型映像表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は液晶板を使用した投写型映像表示装置に関す
る。

〔従来の技術〕

ハロゲンランプ等の光源から放射した光を、前後を偏光
板で挟んだ液晶板に集光し、同液晶板の透過光により形
成した映像光を投射レンズで拡大投射し、前記映像をス
クリーン上に再現するものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

入力した映像信号および同期信号により液晶板の画素を
順次選択し、各画素を遮光または透光状態として映像を
形成するが、単純マトリックス方式の液晶板おいては構
造は簡単で生産効率は高いが、非選択画素の、特に選択
画素周辺の漏洩光量が多く、映像表示装置として十分で
はなかった。

この特性改善のために液晶板の各画素にアクティブスイ
ッチ素子を形成し、同スイッチ素子をＸ−Ｙマトリック
ス状に形成した信号線で選択、開閉して漏洩光量を減ら
し、画像のコントラストを向上させるが、映像拡大率の
大きい投写型表示装置では画素間に形成した同スイッチ
素子による遮光帯も拡大し、画素の粗い映像となってい
た。

また画素の粗い映像を改善するために画素数を多くする
と、画素数とともに増加する前記アクティブスイッチ素
子の不良のために液晶板の生産効率が低下し、コストの
高いものとなっていた。

〔課題を解決するための手段〕

単純マトリックス方式の液晶板を照射する光源として高
輝度ブラウン管を使用し、液晶板の画素を選択する信号
に同期して同ブラウン管の電子ビームを走査し、液晶板
の選択画素と同ブラウン管の光点を一致させて非選択画
素を不要に照射することなく画像のコントラストを向上
させる。

〔作用〕

２枚の偏光板３〜４で挟んだ液晶板２および同液晶板２
の光源であるブラウン管１の走査駆動回路のブロック図
を第２図に示す。

前記液晶板２の画素選択の基準となるクロックパルスを
ドットカウンタ23およびラスターカウンタ26で計数し、
同ドットカウンタ23の計数値をデコーダ24で解読し、前
記液晶板２の走査線30を選択する走査線選択信号25を出
力する。

前記ラスターカウンタ26の計数値はデコーダ27で解読
し、該解読した出力により信号線選択信号29の一つを選
択するとともに、選択した同信号線選択信号29に入力し
た映像信号20を切換出力するアナログスイッチ28を駆動
する。

前記デコーダ24の出力する走査線選択信号25により第３
図および第４図に示す前記液晶板２の走査線30を選択
し、同時に前記アナログスイッチ28の出力する信号線選
択信号29により同液晶板２の信号線31を選択し、マトリ
ックス状に配置した同走査線30および同信号線31の交点
に位置する画素35を選択する。

前記信号線選択信号29に重畳した映像信号20の電圧に応
じて前記選択した画素35に位置する液晶34を透過する光
の偏光面が旋回し、前記液晶板２の出力側に配置した偏
光板３の偏光面と同液晶２の透過光の偏光面との角度差
により同画素35および偏光板３〜４を透過する光量が変
化する。

他方垂直発振回路13は、のこぎり波電圧を発生し、垂直
出力回路で増幅した同電圧により垂直偏向コイル14にの
こぎり波電流を流し、同時に水平発振回路17で発生した
パルス電圧により水平出力回路の過渡現象を利用して水
平偏向コイル18に、のこぎり波電流を供給する。

前記垂直偏向コイル14および水平偏向コイル18に流れ
た、のこぎり波電流によりブラウン管１の電子ビームを
偏向し、同ブラウン管１の管面の所定位置を発光させ
る。

入力した同期信号10より分離生成した垂直同期パルス12
により前記ラスターカウンタ26および前記垂直発振回路
13を制御し、同様に同同期信号10より分離生成した水平
同期パルス16により前記ドットカウンタ23および前記水
平発振回路17を制御して、それぞれの出力する信号の同
期をとる。

以上のように、前記液晶板２の画素35を選択する信号発
生回路であるドットカウンタ23およびラスターカウンタ
26、並びにブラウン管１の電子ビームを偏向する信号を
発生する水平発振回路17および垂直発振回路13をそれぞ
れ同じ同期パルス12および16で同期制御することによ
り、前記液晶板２の選択した画素35の位置と同液晶板２
の後方に配置したブラウン管１の光点位置を一致させ
る。

前記液晶板２の走査線30および信号線31で選択する画素
35の位置をドットカウンタ23およびラスターカウンタ26
の漸増する計数値により漸次移動するとともに、前記ブ
ラウン管１の光点位置を垂直および水平偏向コイル14、
18に供給したのこぎり波電流により漸次移動し、選択し
た同信号線31に重畳してある映像信号により同映像信号
に対応した映像光を形成する。

前記液晶板２および偏向板３〜４を透過した映像光は投
射レンズ５により拡大投射し、前方のスクリーン６に結
像する。

このとき前記液晶板２の選択された走査線30および信号
線31の線上に位置する交点以外の液晶も半選択状態とな
るが、光源となるブラウン管１の光点は、同走査線30お
よび信号線31の交点である画素35以外を照射しないの
で、半選択状態の画素36〜41を透過する光もなく、コン
トラストの高い映像が得られる。

〔実施例〕

入力した映像信号20および同期信号10により駆動する液
晶板２を偏光板３および４で両側から挟み、同偏光板４
の背後には同同期信号10で同期をとった偏向電流により
電子ビームを駆動したブラウン管１を配し、同ブラウン
管１の発光により同偏光板４を透して前記液晶板２を照
射する。

前記液晶板２の画素選択の基準パルスを発生するクロッ
クパルス発生回路22の出力をドットカウンタ23に供給
し、同ドットカウンタ23の計数出力をデコーダ24で解読
し、同デコーダ24の出力する走査線選択信号25で前記液
晶板２の走査線30を選択する。

前記ドットカウンタ23の出力する桁上げ信号をラスター
カウンタ26に供給し、同ラスターカウンタ26の計数出力
をデコーダ27で解読し、同デコーダ27の出力でアナログ
スイッチ28を切り換えて信号線31を選択するとともに、
同信号線31に映像増幅回路21で増幅した映像信号を出力
する。

前記走査線選択信号25および信号線選択信号29をそれぞ
れ前記液晶板２の走査線30および信号線31に供給し、選
択された走査線30および信号線31の交点である画素35に
位置する液晶34に入力した映像信号の電圧を印加する。

選択された画素35に位置する液晶34に印加した電圧によ
り、同液晶34を透過する光の偏向面を旋回し、液晶板２
の前方に配置した偏向板３の偏向面との角度差に応じて
同画素35および偏向板３〜４を透過する光量が変化す
る。

垂直発振回路13で発生した信号電圧を増幅して垂直偏向
出力回路で垂直偏向コイル14を駆動し、水平発振回路17
で発生した電圧を増幅して水平偏向出力回路で水平偏向
コイル18を駆動する。

前記垂直偏向コイル14および水平偏向コイル18に流した
のこぎり波電流によりブラウン管１の電子ビームを偏向
し、同電子ビームが同ブラウン管１の管面に塗布した蛍
光体を衝撃し、同蛍光体を発光させる。

入力した同期信号10から垂直同期分離回路11を経て分離
した垂直同期パルス12を前記ラスターカウンタ26および
前記垂直発振回路13に供給し、液晶板２の信号線31を選
択する信号線選択信号29およびブラウン管１の電子ビー
ムを垂直に偏向する偏向電圧の同期をとる。

また、入力した同期信号10から水平同期分離回路15を経
て分離した水平同期パルス16を前記ドットカウンタ23お
よび前記水平発振回路17に供給し、液晶板２の走査線30
を選択する走査線選択信号25およびブラウン管１の電子
ビームを水平に偏向する偏向電流の同期をとる。

以上のように、同じ同期信号により液晶板２の画素を走
査する信号およびブラウン管１の光点を走査する信号の
同期をとり、同液晶板２の選択した画素35を偏光板４の
後方に配置したブラウン管１の光点で照射する。

ブラウン管１で照射し、入力した映像信号20に対応して
液晶板２および偏光板３〜４で形成した映像光を偏光板
４の前方に配置した投射レンズ５により投射し、さらに
前方に配置したスクリーン６に映像を再現する。

前記ブラウン管１と偏光板４との間に、同ブラウン管１
および前記液晶板２の有効画面サイズの整合および同ブ
ラウン管１の発光の拡散減少のために、集光レンズを配
置することもできる。

また前記ブラウン管１の発光色を白色とし、前記液晶板
２の各画素に赤、緑、青のフィルタを備えたカラー液晶
板とすることにより、前記スクリーン６に結像する画像
をカラー画像とすることもできる。

〔考案の効果〕

以上のように簡易な構造の単純マトリックス液晶板であ
っても、その光源を高輝度ブラウン管として同液晶板の
選択した画素のみを照射することにより、非選択画素か
らの漏洩光もなくコントラストの高い画像とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の光学系概略図、第２図は液晶板および
ブラウン管を走査する電気回路のブロック図、第３図は
液晶板の要部切断斜視図、第４図は液晶板の等価回路
図、第５図は従来の光学系概略図である。 図中１は高輝度ブラウン管、２は液晶板、３〜４は偏光
板、５は投射レンズ、６はスクリーン、７は集光レン
ズ、８は光源、９は反射鏡、10は入力同期信号、11は垂
直同期分離回路、12は垂直同期パルス、13は垂直発振回
路、14は垂直偏向コイル、15は水平同期分離回路、16は
水平同期パルス、17は水平発振回路、18は水平偏向コイ
ル、20は入力映像信号、21は映像増幅回路、22はクロッ
クパルス発生回路、23はドットカウンタ、24はデコー
ダ、25は走査線選択信号、26はラスターカウンタ、27は
デコーダ、28はアナログスイッチ、29は信号線選択信
号、30は走査線、31は信号線、32〜33はガラス基板、34
は液晶、35は選択された画素、36〜41は半選択画素であ
る。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光源からの照明光を偏光板で挟んだ液晶板
   を透過させることにより形成した映像光を投写レンズで
   スクリーンに結像する投写型映像表示装置において、入
   力した同期信号により前記液晶板の画素選択信号を発生
   するカウンタの同期をとるとともに、同同期信号に同期
   して発生した垂直および水平偏向電圧により電子ビーム
   を偏向走査する高輝度ブラウン管を前記照明光の光源と
   したことを特徴とする投写型映像表示装置。
2. 【請求項２】前記液晶板を照射する照明光源を白色発光
   のフライングスポットチューブであることを特徴とする
   請求項（１）記載の投写型映像表示装置。
3. 【請求項３】前記液晶板がカラー映像を形成するカラー
   液晶板であることを特徴とする請求項（１）または
   （２）記載の投写型映像表示装置。