JPH0645B2 - 食品の加熱方法 - Google Patents

食品の加熱方法

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JPH0645B2
JPH0645B2 JP21453989A JP21453989A JPH0645B2 JP H0645 B2 JPH0645 B2 JP H0645B2 JP 21453989 A JP21453989 A JP 21453989A JP 21453989 A JP21453989 A JP 21453989A JP H0645 B2 JPH0645 B2 JP H0645B2
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秀夫 倉島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、果実、蔬菜、畜肉、魚肉等の固状食品や、果
実入りシロップ、ビーフシチュー等の固液混合食品の通
電による、調理又は殺菌処理等のための加熱方法に関す
る。
(従来の技術) 固状および/または液状の食品に通電して抵抗加熱する
ことにより調理もしくは殺菌処理を行なう技術が提案さ
れている(例えば特開昭61132138号公報、特開
昭61−12270号公報)。このような通電方式の食
品加熱法は、ジュール熱による内部加熱を行なうので、
通電の熱伝導による外部加熱法にくらべて、加熱時間が
比較的短かく、食品の風味等の品質の加熱劣化が起り難
いという利点を有する。
しかしながら生の植物性固状食品に通電加熱を適用する
場合は、一般に液状食品や動物性固状食品に比べて加熱
時間が長くなり易く、また不均一加熱を生じ易い。
その対策として、特開昭60−251851号公報に
は、大豆等の穀物を含塩液中に数日間浸して塩分を均等
に滲透せしめるという前処理を行なってから通電加熱す
る方法が提案されている。このような前処理は長時間を
要するため生産性が低く、また塩分の滲透のため食品の
種類によっては本来の味覚を変えるという問題を生ず
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、食品本来の味覚を実質的に変えることなく、
比較的高い加熱速度で、均一な加熱が可能な植物性固状
食品又は固液混合食品の通電加熱法を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、約40℃以上の加温履歴を有する植物性固状
食品に直接通電して、該植物性固状食品を抵抗加熱する
ことを特徴とする植物性固状食品の加熱方法(以下第1
発明とよぶ)を提供するものである。
さらに本発明は、約40℃以上の加温履歴を有する植物
性固状食品を、導電率が該植物性固状食品のそれ以下で
ある導電性液体を媒体として抵抗加熱することを特徴と
する植物性固状食品の加熱方法(以下第2発明とよぶ)
を提供するものである。
次に本発明は、液状食品、および約40℃以上の加温履
歴を有する植物性固状食品よりなる固液混合食品を、該
液状食品を媒体として抵抗加熱することを特徴とする固
液混合食品の加熱方法(以下第3発明とよぶ)を提供す
るものである。
また本発明は、動物性固状食品、および約40℃以上の
加温履歴を有する植物性固状食品を接触させた状態で、
両固状食品に直接通電して両固状食品を抵抗加熱するこ
とを特徴とする固状食品の加熱方法(以下第4発明とよ
ぶ)を提供するものである。この場合動物性固状食品は
生でもよく、また加温履歴を有するものであってもよ
い。次の第5発明および第6発明の場合も同様である。
さらに本発明は、動物性固状食品、および約40℃以上
の加温履歴を有する植物性固状食品を、導電率が該動物
性固状食品および該植物性固状食品のそれら以下である
導電性液体を媒体として抵抗加熱することを特徴とする
固状食品の加熱方法(以下第5発明とよぶ)を提供する
ものである。
次に本発明は液状食品、動物性固状食品、および約40
℃以上の加温履歴を有する植物性固状食品よりなる固液
混合食品を、該液状食品を媒体として抵抗加熱すること
を特徴とする固液混合食品の加熱方法(以下第6発明と
よぶ)を提供するものである。
ここに約40℃以上の加温履歴とは、植物性固状食品の
中心部近傍を含む全体が約40℃以上の加温履歴を有す
ることをいう。抵抗加熱直前の温度は室温であってもよ
い。
加温温度の上限は抵抗加熱温度より低く、従って製品に
よって求められる抵抗加熱温度によって制約されるが、
通常は約80℃以下、より好ましくは60℃以下の温度
であり、本発明の目的達成可能の範囲において可及的低
いことが生産的および経済的に望ましい。
本明細書において、固状食品の導電率は、次の方法によ
って測定された値を指称する。
2〜4cm×2〜4cm×2〜4cmに切断された25℃の食
品サンプルの両端に、第2図に示すように白金電極板(1
2)を接触させ、4端子法のインピーダンス測定器で50
Hz、1ボルトの電圧を印加して測定した。
(作用) 生の植物性固状食品を通電加熱する場合、加熱速度が比
較的遅く、かつ不均一加熱を生じ易いのは、生の状態で
は細胞内で水分が高分子と結合して導電性の低い結合水
となっていること、比較的導電性の低い、セルロースを
主成分とする細胞壁という通電障壁があること、また細
胞間に空気の気泡があることなどのため、イオンが移動
し難いので、導電率が全体として小さく、かつ部分的な
組織差のため導電率が部分的に異なるための推測され
る。
生の植物性固状食品を約40℃以上に加温すると、結合
水が遊離し、また細胞間の空気が膨脹して細胞と細胞を
押し開き細胞壁を傷つけ、導電性の比較的大きい細胞液
が細胞間隙に流れ出て空気を排除することなどによると
推察されるが、全体としてイオンが流れ易くなって導電
率が上昇し(例えば0.1mS/cmから5mS/cmに)、また部
分的な組織差も減少して導電率の部分差も減少する、そ
のため第1発明の場合植物性固状食品を比較的大きい加
熱速度で、比較的均一に通電加熱することが可能になる
ものと考えられる。動物性固状食品は植物性固状食品と
細胞構造等が異なるため、前記のような問題が起り難
い。
第2発明は、曲面状形状や小サイズ等のため、直接電極
板を接触可能な、対向する比較的広い平面状表面を有し
ない固状植物性食品に好ましく適用されるものである。
すなわち電流は第1の電極板−導電性液体−植物性固状
食品−導電性液体−第2の電極板を通って流れて、すな
わち導電性液体が媒体となって植物性固状食品を抵抗加
熱する。
このさい植物性固状食品の導電率は導電性液体のそれよ
りも高いので、植物性固状食品が導電性液体よりも速い
昇温速度で短時間に所定温度まで加熱される。導電性液
体は例えば0.1重量%程度の低濃度の食塩水でよいの
で、植物性固状食品の本来の味覚が変わるおそれが殆ん
どない。
第3発明の場合は、液状食品が媒体となって植物性固状
食品を抵抗加熱すると同時に、液状食品も抵抗加熱され
る。この場合も固液混合食品は加熱によって本来の味覚
が変わるおそれがない。
動物性固状食品の導電率は、生の場合でも、加温履歴を
有する場合でも、一般に約1〜10mS/cmであり、通常
は加熱すると蛋白質の凝固や液汁の滲出等のため導電率
が若干低下する。約40℃以上の加温履歴を有する植物
性固状食品の導電率も一般に約1〜10mS/cmであり、
動物性固状食品のそれと同じオーダである。
従って第4発明のように、動物性固状食品、および約4
0℃以上の加温履歴を有する植物性固状食品を互に接触
させ、好ましくは直列的に両固状食品に直接通電するこ
とにより、両固状食品を同時に、比較的高い加熱速度で
均一に加熱することができる。
生の動物性固状食品の導電率が、約40℃の加温履歴を
有する植物性固状食品のそれよりも高く、その差が比較
的大きい場合、動物性固状食品に加温履歴を与えて、そ
の導電率を前記植物性固状食品のそれに近づけた後、抵
抗加熱すると、加熱がより均一に行なわれる。
上記のように動物性固状食品と、約40℃以上の加温履
歴を有する植物性固状食品の導電率は同じオーダである
ので、第5発明および第6発明の場合、両固状食品はほ
ぼ同じ加熱速度で、比較的迅速に、かつ均一に、それぞ
れ導電性液体および液状食品を媒体として抵抗加熱され
る。
この場合も生の動物性固状食品の導電率が、約40℃の
加温履歴を有する植物性固状食品のそれよりも高く、そ
の差が比較的大きいときは、動物性固状食品に加温履歴
を与えて、両固状食品の導電率を接近させた状態で抵抗
加熱することにより、より均一な加熱が可能となる。
(実施例) 第1発明は、輪切り根菜(例えば人参、大根等の)等の
ように、電極板を接触可能な対向する平面を有する植物
性固状食品に、例えば後記の第2図に示すような態様で
実施される。抵抗加熱の電流は交直流何れでもよいが、
通常は商用周波数の交流が好ましく用いられる。印加電
圧は植物性固状食品の導電率および目標温度に応じて定
められる。
加温方法としては、マイクロ波照射による内部加温、又
は熱水中での加温、もしくは蒸気加温等が好ましい。
第1発明を、植物性固状食品の室温で長期保存のために
適用する場合は、当該食品のpHによって定まる殺菌温度
(pH5.5〜7.0の低酸性食品の場合は約110〜130
℃)に無菌室内にある圧力容器中で、必要な殺菌値(Fo)
が得られる所定時間抵抗加熱した後、常法により容器
(例えば缶又はパウチ等)に無菌充填・密封を行なう。
第2発明は、果実(切断片を含む)、豆類、又は賽の目
状に切断された根菜等の、電極板が接触可能の比較的広
い面積の平面部を表面に有さない植物性固状食品に好ま
しく適用される。導電性液体としては、衛生的に無害で
あることが必要であり、かつ植物性固状食品の風味を損
ねるおそれのないものが好ましい。通常は低濃度(例え
ば約0.01〜0.5重量%)の食塩水が好ましく用いられ
る。
第2発明を、植物性固状食品の室温における長期保存の
ために適用する場合は、例えば第1図に示すような殺菌
加熱−無菌包装システムによって実施される。第1図に
おいて、1は食品タンク、2はポンプ、3は連続式通電
加熱槽、4は冷却器、5は無菌充填・密閉装置、9は還
流パイプである。加熱槽3は例えば内面をセラミックコ
ーチングされたステンレス鋼管よりなり、内面に対向す
る1対の電極板6,6が配線されており、電極板6,6は図示
されない導線により交流電源(図示されない;例えば3
00ボルト、50Hzの)に接続される。
食品タンク1には約40℃以上の加温履歴を有する、す
なわち約40℃以上に加温後、例えば室温まで冷却され
た植物性固状食品7および、導電率が固状食品7のそれ
以下である例えば室温の導電性液体8が収納されてい
る。固状食品7および導電性液体8は、ポンプ2によっ
て食品タンク1から連続的に通電加熱槽3に供給され、
加熱槽3を通過中に電極板6よりフィードされる電流に
より必要な殺菌値(Fo)が得られる時間(固形食品7に対
して例えば数分)、所定殺菌温度(固形食品7に対して
例えば120℃)に抵抗加熱される。
次いで固状食品7および導電性液体8は冷却器4で室温
近傍まで冷却され、導電性液体8は食品タンク1に還流
パイプ9を通って還流し、固状食品7は無菌充填・密封
装置5で缶詰等の包装品となる。
加熱槽3は密閉されているので1気圧よりも高く加圧可
能であり、従って固状食品7を例えば120℃に加熱殺
菌することが可能である。固状食品7と導電性液体8の
導電率が等しい場合は、両者の加熱温度はほぼ等しい
が、前者の導電率が後者のそれよりも高い場合は、後者
の加熱温度は前者のそれよりも低い。例えば前者が12
0℃の場合、後者は例えば約80℃となる。
第3発明は、水煮たけのこ、果実シロップ漬等の、植物
性固状食品および液状食品(水煮たけのこの場合は、ク
エン酸等を適量添加された水が液状食品に当る)よりな
る固液混合食品に適用される。
この場合も室温での長期保存のため適用する場合は、第
1図に示されるような殺菌加熱−無菌包装システムが好
ましく採用される。但し冷却器から食品タンクへの還流
パイプ9は用いられない。
この場合植物性固状食品および液状食品が同時に通電加
熱されるが、両者の導電率が異なるため、加熱時間は同
じであるが、加熱後の両者の温度は異なる。従って通電
加熱によって固状食品および液状食品が所定の殺菌値(F
o)に達するような殺菌温度が得られる各食品の初期温度
(送入温度)を予め実験により求めておき、この各初期
温度に予備加熱された固状食品および液状食品を通電加
熱槽3に送入することが好ましい。
第4発明は、例えば輪切り根菜およびぶつ切り牛肉の組
合せ等の態様で第1発明の場合と同様にして実施され
る。
第5発明は、例えば賽の目状に切断された根菜とぶつ切
り豚肉の組合せ(両者は接触していても、互に離れてい
てもよい)等の態様で第2発明の場合と同様にして実施
される。
第6発明は、ビーフシチューやビーフカレー等の食品
(この場合ルーが液状食品となる)に適用され、第3発
明の場合と同様にして実施される。
以下実験例について述べる。
実験例1 直径約35mm、長さ30mmの輪切り人参11の両端に、
第2図に示すように、白金チタニウム電極板12を接触
させ、100ボルト、50Hzの電源13より交流電流を
供給して人参11に直接通電した。そのさい長さ方向中
央部の中心部a、上方部b(表面よりの深さ5mm)およ
び下方部c(表面よりの深さ25mm)に熱電対(図示さ
れない)を挿入して各部の温度の通電時間に伴なう変化
を測定した。
約100℃の熱水中で3分間、中心部aの温度が40℃
に達する(熱電対で確認した)まで加温し、その後室温
まで放冷された人参(以下加温人参とよぶ)と、生人参
についての測定結果をそれぞれ、第3図(a)および(b)に
示す。なお加温人参の場合の通電量は初期0.75A、終期
2.4A、生人参の場合はそれは初期0.08A、終期3.3Aで
あった。
加温人参(導電率1.67)の場合は各部a,b,cとも均
一に温度が上昇して、180秒後には全体が約110℃
に達することが分る。
一方生人参(導電率0.13)の場合は、場所により組織差
の影響が顕著に現われ、温度上昇の不均一が目立ち、中
心部aの温度上昇が最も早く、上方部bおよび下方部c
の温度上昇は遅れ、特に下方部cは100℃に達しなか
った。なお各部とも最高温度に達した後に温度低下が見
られるのは水分の蒸発によって導電率が低下し、通電量
が減少したためと考えられる。
実験例2 第4図に示すように、29mm×29mm×35mmの直方体
形の大根15を0.1重量%の食塩水16と共にビーカよ
りなる、内容積300c.c.の槽17に収納し、白金より
なる電極板18に100ボルト、50Hzの電源19より
交流電流を供給して、大根15および食塩水16を通電
加熱した。なお通電量は後記の加温大根の場合、初期1.
85A、終期5.0A、生大根の場合、初期1.0A、終期4.5
Aであった。大根15の中心部aおよびその真下の底面
よりの高さ5mmの部分b、ならびに中心部aよりそれぞ
れ上方および下方の食塩水中の部位cおよびdに熱電対
(図示されない)を挿入して各部の通電時間に伴なう温
度変化を測定した。
家庭用電子レンジ(出力500W)での15秒のマイク
ロ波照射により、45℃に加温し、その後室温まで放冷
された大根(以下加温大根とよぶ)と、生大根について
の測定結果をそれぞれ第5図(a)および(b)に示す。なお
加温大根、生大根および食塩水の導電率(25℃におけ
る)はそれぞれ、4.4mS/cm、0.08mS/cmおよび1.8mS/cm
であった。加温大根の場合、均一に急速に食塩水16よ
りも速く100℃以上に加熱されることが分る。一方生
大根の場合は部分的に温度上昇が不均一で、温度上昇の
速い中心部aの近傍には肉崩れがみられた。
実験例3 家庭用電子レンジ(出力500W)で10秒のマイクロ
波照射により52℃に加温し、その後室温まで放冷され
た、長さ3.4cm、直径2.8cmの輪切りにした加温人参20
(導電率3.6mS/cm)を、0.1重量%(導電率1.8mS/c
m)および0.8重量%の食塩水(導電率12.0mS/cm)と共
に第4図の槽17に収納し、実験例2と同じ条件で通電
加熱を行ない、各部a,b,cの温度を測定した。
食塩水濃度が0.1重量%および0.8重量%の場合について
の測定結果をそれぞれ第6図(a)および第6図(b)に示し
た。導電率が加温人参20より大きい0.8重量%食塩水
を加熱媒体とした場合(第6図(b))、食塩水の方が人
参よりも速く昇温して人参の加熱速度が、0.1重量%食
塩水の場合より遥かに遅く、かつ部位により僅かながら
加熱速度が異なることが分る。
実験例4 17mm×35mm×15mmの直方体形の馬鈴薯21をカレ
ー・ルー22(導電率14.5mS/cm)と共に第4図の槽1
7に収納し、40ボルト、50Hzの交流電流を供給して
馬鈴薯およびカレー・ルーを通電加熱した。馬鈴薯21
の中心部aおよびその下方のカレー・ルー22の部分d
に熱電対を挿入して、各部の通電時間に伴なう温度変化
を測定した。通電量は後記の加熱馬鈴薯の場合、初期4.
5A、終期6.7A、生馬鈴薯の場合、初期3.5A、終期6.7
Aであった。
家庭用電子レンジ(出力500W)で10秒のマイクロ
波照射により42℃に加温し、その後室温まで放冷され
た加温馬鈴薯(導電率5.0mS/cm)と、生馬鈴薯(導電率
0.17mS/cm)についての測定結果をそれぞれ第7図(a)お
よび(b)に示す。加温馬鈴薯の場合、馬鈴薯とルーがほ
ぼ同じ速度で急速に加熱されるのが分る。
実験例5 第4図に示す通電槽17に、牛肉24を0.1重量%の食
塩水16と共に収納し、実験例2の場合と同様の条件で
通電加熱した。
牛肉24の中心部aおよびその真下の底面よりの高さ5
mmの部分b、ならびに食塩水16中の電極板18と槽壁
間の上方部eおよび下方部fに熱電対を挿入して各部の
通電時間に伴なう温度変化を測定した。
中心部が60℃になるまで水煮した加熱牛肉(23mm×
28mm×30mm;導電率3.1mS/cm)および同じ寸法の生
牛肉(導電率4.5mS/cm)についての測定結果をそれぞれ
第8図(a)および(b)に示した。何れの場合は牛肉は均一
に短時間に加熱されることが分る。
実験例6 何れも29mm×20mm×15mmの角切り牛肉24と加温
人参20を第9図に示すように接触させ、第4図に示す
通電槽17に0.1重量%の食塩水16と共に収納し、実
験例2の場合と同様の条件で通電加熱した。第9図の矢
印は通電方向を示す。加温人参20の中心部gおよび牛
肉24の中心部h、ならび食塩水16中の上方部eおよ
び下方部f(第4図参照)に熱電対を挿入して、各部の
通電時間に伴なう温度変化を測定した。生牛肉、実験例
5と同様にして加熱された加熱牛肉および実験例1と同
様にして加温された加温人参の導電率はそれぞれ、4.5m
S/cm、3.1mS/cmおよび1.67mS/cmであった。
加熱牛肉と加温人参の組合せ、および生牛肉と加温人参
の組合せについての測定結果をそれぞれ、第10図(a)
および(b)に示す。
加温人参との導電率の差がより小さい加熱牛肉との組合
せの場合の方が、全体としてより均一に、より高い速度
で加熱されることが分る。
(発明の効果) 第1発明および第4発明によれば、固状食品が本来の味
覚を実質的に変えることなく、比較的高い速度で均一に
加熱されるという効果を奏する。従って短時間での加熱
にも拘らず、部分的な加熱不足にもとづく硬い部分や、
あるいは部分的な加温過度にもとづく肉崩れ部分等が生
じ難いというメリットを有する。また約40℃以上の加
温履歴を与えるという前処理は比較的短時間に行なわれ
るので生産性が高いというメリットを有する。
第2発明および第5発明は上気効果およびメリットに加
えて、任意の形状あるいは小サイズの固状食品の抵抗加
熱を効率よく行なえるという利点を有する。
第3発明および第6発明の場合も、固液混合食品の形に
おける固状食品について上記効果およびメリットを奏す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2発明の実施に用いられる連続式加熱装置の
例の説明用図面、第2図は第1発明の実施に用いられる
バッチ式加熱装置の例の説明用1部切断正面図、第3図
(a),(b)は第2図の装置を用いて植物性固状食品を抵抗
加熱した場合の通電時間と温度との関係を示す線図であ
って、第3図(a)は本発明の場合の線図、第3図(b)は比
較例である場合の線図、第4図は第2発明および第3発
明の実施に用いられるバッチ式加熱装置の例の説明用縦
断面図、第5(a),(b)および第6図(a),(b)は第4図の
装置を用いて植物性固状食品を抵抗加熱した場合の通電
時間と温度との関係を示す線図であって、第5図(a)お
よび第6図(a)は本発明の場合の線図、第5図(b)および
第6図(b)は比較例の場合の線図、第7図(a),(b)は第
4図の装置を用いて固液混合食品を抵抗加熱した場合の
通電時間と温度との関係を示す線図であって、第7図
(a)は本発明の場合の線図、第7図(b)は比較例の場合の
線図、第8図(a),(b)は第4図の装置を用いて植物性固
状食品を抵抗加熱した場合の通電時間と温度との関係を
示す線図、第9図は動物性固状食品と植物性固状食品を
抵抗加熱するため接触させ状態を示す正面図、第10図
(a),(b)は第9図の状態を固状食品を抵抗加熱した場合
の通電時間と温度との関係を示す線図である。 6…電極板、7…固状食品、8…導電性液体、11…人
参(植物性固状食品)、12…電極板、24…牛肉(動
物性固状食品)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】約40℃以上の加温履歴を有する植物性固
    状食品に直接通電して、該植物性固状食品を抵抗加熱す
    ることを特徴とする植物性固状食品の加熱方法。
  2. 【請求項2】約40℃以上の加温履歴を有する植物性固
    状食品を、導電率が該植物性固状食品のそれ以下である
    導電性液体を媒体として抵抗加熱することを特徴とする
    植物性固状食品の加熱方法。
  3. 【請求項3】液状食品、および約40℃以上の加温履歴
    を有する植物性固状食品よりなる固液混合食品を、該液
    状食品を媒体として抵抗加熱することを特徴とする固液
    混合食品の加熱方法。
  4. 【請求項4】動物性固状食品、および約40℃以上の加
    温履歴を有する植物性固状食品を接触させた状態で、両
    固状食品に直接通電して両固状食品を抵抗加熱すること
    を特徴とする固状食品の加熱方法。
  5. 【請求項5】動物性固状食品、および約40℃以上の加
    温履歴を有する植物性固状食品を、導電率が該動物性固
    状食品および該植物性固状食品のそれら以下である導電
    性液体を媒体として抵抗加熱することを特徴とする固状
    食品の加熱方法。
  6. 【請求項6】液状食品、動物性固状食品、および約40
    ℃以上の加温履歴を有する植物性固状食品よりなる固液
    混合食品を、該液状食品を媒体として抵抗加熱すること
    を特徴とする固液混合食品の加熱方法。
  7. 【請求項7】動物性固状食品が、生もしくは加温履歴を
    有するものであることを特徴とする請求項(4)、(5)また
    は(6)記載の食品の加熱方法。
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