JPH0645795B2 - 潤滑油添加剤組成物及びこれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤組成物及びこれを含有する潤滑油組成物

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JPH0645795B2
JPH0645795B2 JP61209989A JP20998986A JPH0645795B2 JP H0645795 B2 JPH0645795 B2 JP H0645795B2 JP 61209989 A JP61209989 A JP 61209989A JP 20998986 A JP20998986 A JP 20998986A JP H0645795 B2 JPH0645795 B2 JP H0645795B2
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文夫 花畑
雅次 河野
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐熱性に優れた潤滑油組成物、さらに詳しくは
リン系化合物を含有する耐熱性の優れた潤滑油組成物、
あるいは同様の目的を達成する添加剤組成物に関する。
(従来の技術) 最近の機械装置類の性能向上は、使用する潤滑油の要求
性能をより高度なものにしている。特に、環境条件ある
いは使用条件の苛酷化に伴う潤滑油の温度上昇に対応す
るための耐熱性の向上あるいはメンテナンスフリーのた
めの長寿命化が要求されている。
近年の潤滑油は、その性能を向上させるために潤滑油添
加剤と総称される種々の添加剤、例えば、耐荷重添加
剤、酸化防止剤、清浄分散剤、流動点添加剤、粘度指数
向上剤、さび止め剤、腐食防止剤、金属不活性剤、乳化
剤、着色剤等の添加剤が使用されている。潤滑油の耐熱
性の向上や長寿命化を図るためには、合成潤滑油あるい
は石油系潤滑油とも酸化防止剤の添加が有効であり、広
く使用されている。
酸化防止剤としては、ラジカル連鎖禁止剤あるいは1次
酸化防止剤と総称される、1)フエノール系酸化防止剤、
2)アミン系酸化防止剤;過酸化物分解剤あるいは2次酸
化防止剤と総称される、3)硫黄系酸化防止剤、4)リン系
酸化防止剤、5)ジチオ酸塩類等がある。これらは目的に
より単独で、あるいは組合せて使用される。一般にラジ
カル連鎖禁止剤と過酸化物分解剤の併用が効果的である
ことが知られている。
このようにリン系酸化防止剤は、フエノール系酸化防止
剤等と併用して使用すると有効であること、あるいは酸
化防止効果以外に耐荷重添加剤としても機能する有用な
添加剤であることが知られているが、この添加剤の欠点
は高温下での安定性に劣る点にある。例えば、リン系酸
化防止剤を1%添加した石油系潤滑油をビーカに適当量
採り120℃のエアーバス中に静置試験すると、大部分の
リン系酸化防止剤は5〜10日で劣化物の析出が起こる。
一般に、劣化物の析出沈降は潤滑油としての機能を阻害
するため、酸化防止能の点で優れていても、熱安定性の
劣る酸化防止剤は、特に耐熱性を要求される潤滑油の添
加剤としては使用できない。耐熱性の優れた潤滑油の製
造において、有用なリン系酸化防止剤が使用できないと
いうことは、大きな制約であり問題点であつた。またリ
ン系酸化防止剤の製造業者においても、その熱安定性を
改良することが大きな課題であつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は耐熱性に優れた潤滑油添加剤組成物及び
これを含有する潤滑油組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明はリン系化合物1重量部に対しシリコーン系化合
物を0.02〜10重量部の比率で含有することを特徴とする
潤滑油添加剤組成物及びこれを含有する潤滑油組成物に
係る。
本発明においてリン系化合物としては、具体的には例え
ば酸化防止剤として使用されるジアルキルビスフエノー
ルAジホスフアイト、ジラウリルハイドロゲンジホスフ
アイト、フエニルジイソデシルホスフアイト、ジフエニ
ルイソデシルホスフアイト、トリスノニルフエニルホス
フアイト等、あるいは酸化防止剤若しくは耐摩耗剤とし
て使用されるジチオ燐酸亜鉛等が例示できる。
本発明に使用できるシリコーン系化合物としては、特に
好ましいものとしてアルキル変成シリコーンオイルを挙
げることができる。本品を使用するときは均一な潤滑油
組成物を得ることができる。最終組成物の均一性を問わ
ないのであれば、メチルシリコーン、メチルフエニルシ
リコーンあるいは各種の変成シリコーンを使用すること
が出来る。
アルキル変成シリコーンオイルあるいはオレフイン変成
シリコーンオイルと呼ばれる化合物は分子量あるいは粘
度等に制約されない。
上記のアルキル変成シリコーンオイルは、広く使用可能
でメーカ等には何ら制約されるものではない。具体的に
は例えば、東芝シリコーン(株)製のYS3808(1500cS
t,40℃)、信越化学工業(株)製のKF410(1000cSt,2
5℃,メチルスチレン変成シリコーンオイル)、KF412
(500cSt,25℃)、KF413(100cSt,25℃)、KF414
(100cSt,25℃)、トーレ・シリコーン(株)製のSH2
03(1200cSt,25℃)、SH230(1400cSt,25℃)、SF8
416(900cSt,25℃)等を例示できる。
リン系化合物と共存させるシリコーン系化合物の量は、
リン系化合物1重量部に対し、0.5重量部以上、好まし
くは0.5〜20重量部配合すれば良い。この量は使用する
リン系化合物の種類、潤滑油の使用目的に応じて適宜選
択できるが、少なすぎると当該リン系化合物の耐熱性の
改善効果が小さく、一方多過ぎる場合は経済的な面から
制限される。上記の配合比率を具体的に例示すると、最
終潤滑油組成物中にリン系化合物を1.0%添加する場合
には、シリコーン系化合物は0.5%以上、好ましくは0.5
〜20%添加すれば良いことになる。
本発明における潤滑油組成物は、リン系化合物とシリコ
ーン系化合物を上記の比率で混合した原液組成物を作成
した後、石油系あるいは合成油系基油に添加溶解する
か、あるいは、それぞれ個別に基油に添加溶解して製造
される。リン系化合物とシリコーン系化合物を上記比率
で混合した組成物に、一種あるいは2種以上のその他の
潤滑油添加剤を配合してパツケージタイプの添加剤組成
物とした後、基油に溶解して最終の潤滑油組成物を得る
ことも、何ら制約されるものではない。
本発明の組成物は耐熱性の要求される潤滑油、例えば自
動車用エンジン油、デイーゼルエンジン油、油圧作動
油、軸受油、含浸軸受油、摺動面潤滑油、工業用多目的
潤滑油、タービン油、スピンドル油、コンプレツサー
油、ギヤー油、金属加工油、真空ポンプ油、チエーン潤
滑油等に利用できる。
本発明による潤滑油組成物に対してさらに他の酸化防止
剤を添加することは何ら制限されるものではない。ま
た、通常使用される他の潤滑油添加剤、例えば耐荷重添
加剤、清浄分散剤、流動点添加剤、粘度指数向上剤、さ
び止め剤、腐食防止剤、金属不活性剤、乳化剤、着色剤
等を添加することも可能である。
(実施例) 以下に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜6 合成油(アルキル置換ジフエニルエーテル)に、リン系化
合物1重量%とアルキル変成シリコーンオイル2重量%
を配合した潤滑油組成物を作成した。なお実施例5と6
では、スミライザーTNPあるいはHITEC E−65
3等のリン系化合物とアルキル変成シリコーンオイル(K
F−412)を重量比で1対2の比率で混合し均一な添加剤
組成物を作成した後、この添加剤組成物を基油に3重量
%添加して潤滑油組成物を得た。このようにして得た潤
滑油組成物を、JIS K2540(潤滑油熱安定度試験方
法)に規定のある装置を使用して、試料50g、試験温度1
20℃で熱安定度試験を実施した。対照として、リン系化
合物のみを添加した試料についても同様の試験を行い、
結果を第1表に示した。
熱安定度試験結果より、本発明による実施例が比較例に
比して熱安定度が格段に改良されていることが分る。
実施例7〜9及び比較例7〜9 合成油あるいは石油潤滑油に、フエノール系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を各々0.5重
量%、およびアルキル変成シリコーンオイルを2.0重量
%添加した潤滑油組成物を作成し、JIS K2540(潤
滑油熱安定度試験方法)に規定のある装置を使用して、
試料50g、試験温度150℃で熱安定度試験を実施した。
対照としてアルキル変成シリコーンオイルを添加しない
試料についても、同様に試験を行った。結果を第2表に
示した。
何れの基油においても、本発明による潤滑油組成物が格
段に熱安定性を示すことが分る。
実施例10〜14及び比較例10〜11 合成油(アルキル置換ジフエニルエーテル、VG68)に、
フエノール系酸化防止剤(イルガノツクス1076)、硫黄系
酸化防止剤(スミライザーTPL−R)、リン系酸化防止
剤(スミライザーTNP)を各々0.5重量%、およびアル
キル変成シリコーンオイル(KP−412)を0.5〜10重量%
の範囲で添加量を変化させた潤滑油組成物を作成し、J
IS K2540(潤滑油熱安定度試験方法)に規定のある装
置を使用して、試料50g、試験温度150℃で熱安定度試
験を実施した。対照としてアルキル変成シリコーンオイ
ルを添加しない試料についての結果も合わせて第3表に
示した。尚、実施例15は欠番である。
実施例16〜17及び比較例12〜15 合成油(アルキル置換ジフエニルエーテル、VG68)に、
フエノール系酸化防止剤(トミノツクスSS)、硫黄系酸
化防止剤(スミライザーTPL−R)、リン系酸化防止剤
(スミライザーTNP)を各々0.5重量%、および粘度の
異なる2種のアルキル変成シリコーンオイルを3重量%
添加した潤滑油組成物を作成し、JIS K2540(潤滑
油熱安定度試験方法)に規定のある装置を使用して、試
料50g、試験温度150℃で熱安定度試験を実施した。対
照としてその他のシリコーン系化合物を添加した場合あ
るいはシリコーン系化合物を全く添加しない試料につい
ても同様に試験を行い、結果を第4表に示した。
本発明によるアルキル変成シリコーンオイルを配合した
潤滑油組成物が格段に優れた耐熱性を示すこと、その他
のシリコーン系化合物では耐熱性の改善効果は認められ
るものの基油との相溶性の点で劣つていることが分る。
実施例18〜21及び比較例16〜17 合成油(アルキル置換ジフエニルエーテルとエステル配
合油)に、フエノール系酸化防止剤(トミノツクスSS)
を4%、硫黄系酸化防止剤(スミライザーTPL−R)、
リン系酸化防止剤(スミライザーTNP)を各々1.0重量
%、およびアルキル変成シリコーンオイルを5〜2重量
%添加した潤滑油組成物を作成した。本品とアルキル変
成シリコーンオイル無添加の対照油について、JIS
K2540(潤滑油熱安定度試験方法)に規定のある装置を
使用して、試料50g、試験温度150℃での熱安定度試験
と曽田式振子型油性試験機II型による境界摩擦係数の測
定を実施した。結果を第5表に示した。
本発明によるアルキル変成シリコーンオイルを配合した
潤滑油組成物が格段に優れた耐熱性を示すこと、また摩
擦係数はアルキル変成シリコーンオイルの添加によつて
も何ら悪影響を受けないことが分る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 30:06 30:08 30:10 40:00 A 8217−4H 40:02 40:04 40:08 40:20 Z 8217−4H 40:25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアルキルビスフエノールAジホスフアイ
    ト、ジラウリルハイドロゲンジホスフアイト、フエニル
    ジイソデシルホスフアイト、ジフエニルイソデシルホス
    フアイト、トリスノニルフエニルホスフアイト及びジチ
    オ燐酸亜鉛から選ばれる1種以上のリン系化合物1重量
    部に対しアルキル変成シリコーンオイル、フエニル変成
    シリコーン及びオレフイン変成シリコーンオイルから選
    ばれるシリコーン系化合物を0.5〜20重量部の比率で含
    有することを特徴とする潤滑油添加剤組成物。
  2. 【請求項2】リン系化合物がジチオ燐酸亜鉛である特許
    請求の範囲第1項記載の添加剤組成物。
  3. 【請求項3】合成油あるいは石油潤滑油若しくは両者の
    混合油を基油として、潤滑油添加剤として、ジアルキル
    ビスフエノールAジホスフアイト、ジラウリルハイドロ
    ゲンジホスフアイト、フエニルジイソデシルホスフアイ
    ト、ジフエニルイソデシルホスフアイト、トリスノニル
    フエニルホスフアイト及びジチオ燐酸亜鉛から選ばれる
    1種以上のリン系化合物1重量部に対しアルキル変成シ
    リコーンオイル、フエニル変成シリコーン及びオレフイ
    ン変成シリコーンオイルから選ばれるシリコーン系化合
    物を0.5〜20重量部の比率で含有することを特徴とする
    潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】リン系化合物がジチオ燐酸亜鉛である特許
    請求の範囲第3項記載の潤滑油組成物。
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JP2015013965A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 株式会社椿本チエイン チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン

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