JPH0645723Y2 - トルク変動吸収装置 - Google Patents

トルク変動吸収装置

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JPH0645723Y2
JPH0645723Y2 JP1989045599U JP4559989U JPH0645723Y2 JP H0645723 Y2 JPH0645723 Y2 JP H0645723Y2 JP 1989045599 U JP1989045599 U JP 1989045599U JP 4559989 U JP4559989 U JP 4559989U JP H0645723 Y2 JPH0645723 Y2 JP H0645723Y2
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friction
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重太郎 八幡
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、車両用の内燃エンジンと変速装置間等に介装
され、エンジンのトルク変動を吸収して変速装置の入力
軸の回転変動を抑制するトルク変動吸収装置に関する。
(従来の技術) 車両用の内燃エンジンのクランク軸(出力軸)は、内燃
エンジンの構造上あるいは操作状況により絶えずトルク
変動が生じているが、このトルク変動による振動や騒音
の発生、パワートレーンの破損等を防止するためにトル
ク変動を吸収する装置が要請されている。従来、乾式単
板式摩擦クラッチのフライホイールに組込まれたトルク
変動吸収装置が知られている。このトルク変動吸収装置
を組込んだ乾式単板式摩擦クラッチのフライホイール3
は、第6図及び第7図に示すように、クランク軸2と一
体回転する主動部9とこれに相対回動可能な従動部10と
に分割される分割フライホイールであり、厚肉の慣性回
転体で、主動部9の回転トルクは、主動部9と従動部10
との間に介在されるヒステリシス機構11、ばね機構12及
び減衰・トルクリミット機構13を介して従動部10に伝達
される。
ヒステリシス機構11は、主動部9のドライブプレート14
に係止されてこれと一体回動する摩擦板23を従動部10の
ホルダ19に摩擦係合させており、この摩擦係合力により
主動部9の回転トルクを所定の限界まで従動部10に伝達
する。
ばね機構12は、ドライブプレート14に螺着固定された一
対のサブプレート25,26によりコイルスプリング27を挾
持する構成で、コイルスプリング27は周方向に沿って等
間隔で5個配設されている。各コイルスプリング27の両
端には、それぞればね座30が嵌挿されており、各ばね座
30の対向面にはコイルスプリング27の圧縮変形時に当接
する弾性体30cが固着されている。
減衰・トルクリミット機構13は、第8図に示すように、
両面に摩擦板33が固着されたハブプレート31を、ドライ
ブプレート14側に配置されたコーンスプリング32が、ホ
ルダ19にスプライン嵌合する中間プレート34を介して従
動部10のドリブンプレート18側に押圧する構成で、ハブ
プレート31には、それぞれ前述の各コイルスプリング27
間に向けて延出するアーム31aが形成されている。
第9図は伝達トルク特性図を示し、区間ABでは、ばね機
構12と減衰・トルクリミット機構13は作用せず、ヒステ
リシス機構11の摩擦力のみで回転トルクが伝達される。
主動部9と従動部10との相対回動角(捩れ角)が増加
し、ハブプレート31のアーム31aがコイルスプリング27
に当接すると(B点)、コイルスプリング27はこれに圧
縮され、圧縮変形量に応じて主動部9の回転トルクを従
動部10に伝達する。
図中C点では、コイルスプリング27の両端に配設される
ばね座30の弾性体30c同士が当接し、さらに、弾性体30c
及びコイルスプリング27の弾性力がハブプレート31の両
面の摩擦板33の最大摩擦力に達すると(D点)、ハブプ
レート31が従動部10のドリブンプレート18及び中間プレ
ート34に対し摺動し、主動部9からTq2以上の回転トル
クが従動部10に伝わらず、従って、フライホイール3の
出力側に前記最大摩擦力より大きなトルク変動が伝達さ
れず、これの回転変動が規制される。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら上記従来のトルク変動吸収装置において
は、減衰・トルクリミット機構13の摩擦板33の摩耗が許
容値以上に進んだ場合、伝達できる最大トルク量Tq2
減少し、車輪の駆動トルクが低下して走行しづらくなる
虞があるという問題があった。
本考案は上述の問題点を解決するためになされたもの
で、摩擦板の摩耗等の経時的要因による伝達トルクの低
下を防止できるトルク変動吸収装置を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本考案によれば、主動板とこ
れに相対回動可能な従動板間に介装され、これらに相対
回動可能な環状板、当該環状板と、前記主動板及び従動
板のうちどちらか一方との間に介装され、これらが相対
回動すると圧縮変形されてその変形量に応じた回転トル
クを伝達する第1のプレッシャスプリング、前記環状板
と、前記主動板及び従動板のうちどちらか一方との間に
介装され、これらの相対回動角が第1の所定角度に達す
ると圧縮変形が開始されてその変形量に応じた回転トル
クを伝達する第2のプレッシャスプリング、前記環状板
と、前記主動板及び従動板のうちどちらか一方との相対
回動角が前記第1の所定角度より大きい第2の所定角度
に達するとこれらの相対回動を規制する第1の回動規制
手段、該第1の回動規制手段の回動規制により、前記主
動板及び従動板のうちどちらか他方と前記環状板との摩
擦係合面が摺動し、これらが相対回動して第3の所定角
度回動した時点から圧縮変形されてその変形量に応じた
回転トルクを伝達する第3のプレッシャスプリング、及
び、前記環状板と、前記主動板及び従動板のうちどちら
か他方との相対回動角が第3の所定角度より大きい第4
の所定角度に達するとこれらの相対回動を規制する第2
の回動規制手段を備えてなるように構成したものであ
る。
好ましくは、主動板及び従動板間に、これらに夫々摩擦
係合し、且つ、これらの相対回動角が所定角度に達する
と前記環状板に当接してこれと一体回動する摩擦板を設
け、当該摩擦板の、前記主動板及び従動板のうちどちら
か一方への摩擦係合面の摩擦係数が、前記主動板及び従
動板のうちのどちらか他方への摩擦係合面の摩擦係数に
比べ大きく設定する。
さらに好ましくは、第2のプレッシャスプリングの圧縮
変形が開始された後に前記摩擦板が前記環状板に当接す
るように設定する。
(作用) 本考案のトルク変動吸収装置にトルク変動が入力されて
主動板と従動板が相対回動すると、主動板及び従動板の
うちどちらか他方に摩擦係合する環状板は、主動板及び
従動板のうちどちらか一方と相対回動する。このため、
先ず、第1のプレッシャスプリングが圧縮変形され、主
動板の回転トルクはこの変形量に応じて従動板に伝達さ
れる。
主動板と従動板の相対回動角、即ち、主動板及び従動板
のうちどちらか一方と環状板との相対回動角が第1の所
定角度に達すると、第1のプレッシャスプリングに加え
て第2のプレッシャスプリングも圧縮変形され、主動板
の回転トルクはこれらの変形量に応じて従動板に伝達さ
れる。
そしてこれらの相対回動角が第2の所定角度に達する
と、第1の回動規制手段が環状板と主動板及び従動板の
うちどちらか一方との相対回動を規制するので、以後こ
れらの間に伝達される回転トルクは、第1の回動規制手
段を介される。
伝達される回転トルクが、前記環状板の、前記主動板及
び従動板のうちのどちらか他方への摩擦係合力に達する
と、この摩擦係合面が摺動してこれらが相対回動する。
この相対回動角が第3の所定回動角度に達すると、第3
のプレッシャスプリングが圧縮変形され、この圧縮変形
量に応じて回転トルクが伝達される。
そして、これらの相対回動角が第4の所定角度に達する
と、第2の回動規制手段が環状板と主動板及び従動板の
うちのどちらか他方との相対回動を規制するので、以
後、これらが一体回動して回転トルクは第2の回動規制
手段を介して伝達され、即ち、主動板と従動板は一体回
動する。
また好ましくは、主動板及び従動板間の摩擦板を、先ず
摩擦係数の小さい主動板及び従動板のうちどちらか他方
に対する係合面を摺動させると、この摩擦係数に応じた
ヒステリシスを発生させ、そして、前記他方と一体回動
する環状板に当接する。従って、以後摩擦板は、環状板
と一体回動するので、主動板及び従動板のうちどちらか
一方に対する係合面を摺動させ、この摩擦係数に応じた
ヒステリシスを発生させる。
また好ましくは、環状板を第2のプレッシャスプリング
に当接した後に摩擦板に当接させると、この当接時の衝
撃は分散される。
(実施例) 以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
第1図及び第2図は本考案のトルク変動吸収装置を適用
したフライホイールを示し、フライホイール40は環状に
形成されたドライブプレート41とドリブンプレート42と
に分割される分割フライホイールであり、厚肉の慣性回
転体で、ドライブプレート41の回転トルクはヒステリシ
ス機構43及びばね機構44を介してドリブンプレート42に
伝達される。
ドライブプレート41は、図示しないエンジン側に配置さ
れ、その内周縁にはドリブンプレート42が取り付けられ
る厚肉ハブ部41aが形成され、また、ドリブンプレート4
2側面の径方向略中央位置には、全周に亘り環状溝41bが
形成されている。ドリブンプレート42は、図示しないト
ランスミッション側に配置され、ドライブプレート41の
環状溝41bを塞いでフライホイール40の内部に環状空間4
5を形成している。
ヒステリシス機構43は、第2のフリクションワッシャ47
を介してドリブンプレート42に摩擦係合する第2のリン
グプレート49に、第1のフリクションワッシャ46を介し
て摩擦係合する第1のリングプレート48が皿ばね50によ
りドリブンプレート42側に押圧される構成であり、環状
空間45のハブ部41a側に配設されている。第1のリング
プレート48には、外周縁の複数箇所にドライブプレート
41に形成された孔41cに向けて係合片48aが延出形成さ
れ、これによりドライブプレート41と第1のリングプレ
ート48は一体回動される。一方、第2のリングプレート
49には、外周縁の複数箇所にドリブンプレート42側に向
けて係合片49aが延出形成されている。
また、第2のフリクションワッシャ47の摩擦係数は、第
1のフリクションワッシャ46の摩擦係数に比べて大とさ
れている。
ばね機構44は、環状板ユニット51、第1,第2及び第3の
コイルスプリング52〜54、第1及び第2のストッパピン
55,56等より構成され、環状空間45内に収容されてい
る。環状板ユニット51は、環状空間45の径方向長さと略
同じ長さに設定される第1の環状板57と、該第1の環状
板57の外周部分をそれぞれ第3のフリクションワッシャ
58を介して挾持し、且つ、皿ばね59によりドリブンプレ
ート42側に押圧される一対の第2の環状板60と、第1の
環状板57の内周部分を、前述の第2の環状板60と半径方
向に若干の間隙を存して挟むように配置される一対の第
3の環状板61等より構成されている。第1の環状板57に
は、その内周縁の、第2のリングプレート49の係合片49
aに対応する位置に切欠部57aが形成され、切欠部57aの
周方向の長さは係合片49aの周方向の長さに比べ長く設
定されている。従って、第1の環状板57と第2のリング
プレート49の相対回動角が角度θ4またはθ4′に達する
と、第1の環状板57は係合片49aに当接し、以後これら
は一体回動する。また、第1の環状板57は、第2及び第
3の環状板60,61に対し相対回動可能とされている。
環状板ユニット51には、3種類の切欠部51a〜51cが形成
されている。第1の切欠部51aは第1のコイルスプリン
グ52を収容しており、環状板ユニット51の内周縁近傍、
即ち、第1及び第3の環状板57,61に周方向等間隔で、
例えば3箇所に形成され、その周方向の長さは、第1及
び第3の環状板57,61に対して第1のコイルスプリング5
2の自由ばね長と略同寸法に設定されている。従って、
第1の環状板57と第3の環状板61が相対回動すると、第
1のコイルスプリング52はすぐに圧縮変形される。即
ち、第1の環状板57の回転トルクは、第1のコイルスプ
リング52の圧縮変形量に応じて第3の環状板61に伝達さ
れる。
第2の切欠部51bは第2のコイルスプリング53を収容し
ており、環状板ユニット51の径方向中央、即ち、第3の
環状板61の外周部と第1の環状板57の中央部に、周方向
等間隔で、例えば3箇所に形成されている。この切欠部
51bの周方向の長さは、第1の環状板57に対しては第2
のコイルスプリング53の自由ばね長に比べ所定長だけ長
く、第3の環状板61に対しては第2のコイルスプリング
53の自由ばね長と略同寸法にそれぞれ設定されている。
従って、第1の環状板57と第3の環状板61の相対回動角
が角度θ4あるいはθ4′に達すると、第1の環状板57は
第2のコイルスプリング53の端面に当接してこれを圧縮
変形させる。即ち、第1の環状板57の回転トルクは、第
2のコイルスプリング53の圧縮変形量に応じて第3の環
状板61に伝達される。
第3の切欠部51cは第3のコイルスプリング54を収容し
ており、環状板ユニット51の外周縁近傍、即ち、第1の
環状板57及び第2の環状板60に、周方向等間隔で、例え
ば3箇所に形成されている。この切欠部51cの周方向の
長さは第1の環状板57に対しては第3のコイルスプリン
グ54の自由ばね長に比べ所定長だけ長く、第2の環状板
60に対しては第3のコイルスプリング54の自由ばね長と
略同寸法にそれぞれ設定されている。従って、第1の環
状板57と第2の環状板60の相対回動角が、角度ε3ある
いはε3′に達すると、第1の環状板57は第3のコイル
スプリング54の端面に当接してこれを圧縮変形させる。
即ち、第2の環状板60の回転トルクは、第3のコイルス
プリング54の圧縮変形量に応じて第1の環状板57に伝達
される。
第1のストッパピン55は、環状板ユニット51の外周縁近
傍に配設され、ドライブプレート41に穿設されたピン挿
通孔41dと、これに対応して第1及び第2の環状板57,60
にそれぞれ穿設されたピン挿通孔57d,60dとを貫通して
いる。各ピン挿通孔41d,60dは、ストッパピン55に合致
する形状に、ピン挿通孔57dは周方向に所定長だけ長い
長孔形状(第2図)に成形されている。従って、第1の
環状板57と第2の環状板60の相対回動角が角度θ6−θ5
またはθ6′−θ5′に達すると、第1の環状板57は第1
のストッパピン55に当接し、以後第1の環状板57とドラ
イブプレート41は一体回動する。
第2のストッパピン56は、環状板ユニット51の内周縁近
傍に配設され、ドリブンプレート42に穿設されたピン挿
通孔42eと、これに対応して第1及び第3の環状板57,61
に穿設されたピン挿通孔57e,61eとを貫通している。各
ピン挿通孔42e,61eは、ストッパピン56に合致する形状
に、ピン挿通孔57eに対しては周方向に所定長だけ長い
長孔形状(第2図)に成形されている。従って、第1の
環状板57と第3の環状板61の相対回動角が角度θ5また
はθ5′に達すると第1の環状板57は第2のストッパピ
ン56に当接し、以後第1の環状板57とドリブンプレート
42は一体回動する。
以下作用を説明する。
ドライブプレート41とドリブンプレート42とは相対回動
可能なため、伝達トルクに変動が生じるとこれらが相対
的に回動してドライブプレート41の回転トルクがドリブ
ンプレート42に伝達される。つまり、第3図の伝達トル
ク特性図を基に説明すると、先ず、フライホイール40、
即ち、ドライブプレート41とドリブンプレート42の相対
回動角(以下単に相対回動角と記す)θがθ4′<θ<
θ4のときには、伝達される回転トルクは微少であり、
第3のフリクションワッシャ58の摩擦係合力を超えてお
らず、従って、第1及び第2の環状板57,60は一体回動
する。つまり、ドライブプレート41より第1のストッパ
ピン55を介して第2の環状板60に伝達された回転トルク
は、第3のフリクションワッシャ58を介して第1の環状
板57に伝達される。そして、このトルクは、第1の環状
板57により圧縮変形された第1のコイルスプリング52の
圧縮変形量に応じて第3の環状板61に伝達され、さら
に、第2のストッパピン56を介してドリブンプレート42
に伝達される。
尚、ドライブプレート41とドリブンプレート42との間に
相対回動が生じているときには、上述の第1のコイルス
プリング52の圧縮変形量に応じた伝達トルクに、ヒステ
リシス機構43の、第2のフリクションワッシャ47よりも
小さい摩擦係数の第1のフリクションワッシャ46が摺動
することによる摺動抵抗H1/2が加わる。この衝動抵抗H1
/2は捩り特性(伝達トルク特性)にヒステリシスを与え
る。
回転トルクの絶対値が増加して相対回動角θが角度θ4
またはθ4′に達すると、第1の環状板57が第2のコイ
ルスプリング53に当接すると共に、第2のリングプレー
ト49の係合片49aが第1の環状板57に当接する。このた
め、相対回動角θがθ4≦θ<θ5またはθ4′≧θ>
θ5′のときには、第1のコイルスプリング52に加えて
第2のコイルスプリング53も圧縮変形され、これらの圧
縮変形量に応じて回転トルクが伝達される。また、第2
のリングプレート49と第1の環状板57が一体回動し始め
るので、ドリブンプレート42と第2のリングプレート49
間に相対的な回動が発生し、第2のフリクションワッシ
ャ47の摩擦係合面が摺動することによる摺動抵抗H2/2が
加わる。この摺動抵抗H2/2は捩り特性にヒステリシスを
与える。
相対回動角θが角度θ5またはθ5′に達すると、第1の
環状板57は第2のストッパピン56に当接するので、第1
の環状板57とドリブンプレート42は一体回転し、この間
の回転トルクの伝達は、各コイルスプリング52,53に代
えて第2のストッパピン56を介しておこなわれる。ま
た、回転トルクの絶対値は、第3のフリクションワッシ
ャ58の摩擦係合力に達し、第3のフリクションワッシャ
58の摩擦係合面が摺動して第1の環状板57と第2の環状
板60が相対的に回動する。従って、相対回動角θがθ5
≦θ<θ5+ε3またはθ5≧θ>θ5′+ε3′のときに
は伝達される回転トルクは増加せず、第3のフリクショ
ンワッシャ58の摺動抵抗H3/2に等しくなる。
第3のフリクションワッシャ58の摩擦係合面が摺動して
相対回動角θが角度θ5+ε3またはθ5′+ε3′に達
し、第1の環状板57と第2の環状板60とが相対的に角度
ε3またはε3′だけ回動すると、第1の環状板57が第3
のコイルスプリング54に当接する。従って、相対回動角
θがθ5+ε3≦θ<θ6またはθ5′+ε3′≧θ>θ6
のときには、第2の環状板60(ドライブプレート41)の
回転トルクは第3のコイルスプリング54の圧縮変形量に
応じて第1の環状板57に伝達される。
第3のコイルスプリング54の圧縮変形量がさらに増加
し、相対回動角θが角度θ6またはθ6′に達し、第1の
環状板57と第2の環状板60とか相対的に角度θ6−θ5
たはθ6′−θ5′だけ回動すると、第1のストッパピン
55が第1の環状板57に当接し、以後これらを一体回動さ
せる。従って、ドライブプレート41の回転トルクは第1
のストッパピン55を介して第1の環状板57に伝達され、
そして、この回転トルクは第2のストッパピン56を介し
てドリブンプレート42に伝達される。
また本実施例においては、第2のリングプレート49の係
合片49aが第1の環状板に当接係合する相対回動角θ
と、第1の環状板57が第2のコイルスプリング53に当接
する相対回動角θとを共に角度θ4またはθ4′に設定す
る構成としたがこれに限るものではなく、これらの相対
回動角θをそれぞれ異なる角度に設定しても良い。例え
ば、第4図に示すように、第1の環状板57の切欠部57a
の周方向の長さを、第1図および第2図に示す第1の環
状板57の切欠部57aのそれに比べ長く設定し、第2のリ
ングプレート49の係合片49aが第1の環状板57に当接係
合する相対回動角θを角度θ4またはθ4′に比べ絶対値
で大きい角度θ10またはθ10′に、また、第1の環状板
57が第2のコイルスプリング53に当接する相対回動角θ
を、第1図及び第2図に示すフライホイール40と同様に
角度θ4またはθ4′にそれぞれ設定しても良い。
第5図はこの場合のトルク伝達特性を示し、相対回動角
θがθ4またはθ4′のときに第2のコイルスプリング53
が圧縮変形され始め、相対回動角θがθ10またはθ10
のときに第1のフリクションワッシャ46に代わり第2の
フリクションワッシャ47が摺動を開始する。これによ
り、第1の環状板57が第2のコイルスプリング53に当接
する衝撃と、第2のリングプレート49が第1の環状板57
に当接する衝撃とを別々に第2のストッパピン56に作用
させることができ、第2のストッパピン56が強度的に有
利になる。
(考案の効果) 以上説明したように本考案のトルク変動吸収装置によれ
ば、摩擦板の摩耗等の経時的要因による伝達トルクの低
下を防止でき、走行安定性が向上するという優れた効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のトルク変動吸収装置を適用したフライ
ホイールの一実施例を示す断面図、第2図は第1図の矢
印IIより視た一部切欠平面図、第3図は第1図のフライ
ホイールの伝達トルク特性図、第4図は第1図及び第2
図のフライホイールの他の実施例を示し、第2図のIV円
で示す部位の拡大図、第5図は第4図のフライホイール
の伝達トルク特性図、第6図は従来のトルク変動吸収装
置を適用したクラッチのフライホイールの断面図、第7
図は第6図の一部切欠平面図、第8図は第6図のVIII円
の拡大詳細図、第9図は第6図のトルク変動吸収装置の
伝達トルク特性図である。 40……フライホイール、41……ドライブプレート、42…
…ドリブンプレート、46,47,58……フリクションワッシ
ャ、49……リングプレート、52〜54……コイルスプリン
グ、57……環状板。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】主動板とこれに相対回動可能な従動板間に
    介装され、これらに相対回動可能な環状板、当該環状板
    と、前記主動板及び従動板のうちどちらか一方との間に
    介装され、これらが相対回動すると圧縮変形されてその
    変形量に応じた回転トルクを伝達する第1のプレッシャ
    スプリング、前記環状板と、前記主動板及び従動板のう
    ちどちらか一方との間に介装され、これらの相対回動角
    が第1の所定角度に達すると圧縮変形が開始されてその
    変形量に応じた回転トルクを伝達する第2のプレッシャ
    スプリング、前記環状板と、前記主動板及び従動板のう
    ちどちらか一方との相対回動角が前記第1の所定角度よ
    り大きい第2の所定角度に達するとこれらの相対回動を
    規制する第1の回動規制手段、該第1の回動規制手段の
    回動規制により、前記主動板及び従動板のうちどちらか
    他方と前記環状板との摩擦係合面が摺動し、これらが相
    対回動して第3の所定角度回動した時点から圧縮変形さ
    れてその変形量に応じた回転トルクを伝達する第3のプ
    レッシャスプリング、及び、前記環状板と、前記主動板
    及び従動板のうちどちらか他方との相対回動角が第3の
    所定角度より大きい第4の所定角度に達するとこれらの
    相対回動を規制する第2の回動規制手段を備えてなるこ
    とを特徴とするトルク変動吸収装置。
  2. 【請求項2】主動板及び従動板間に、これらに夫々摩擦
    係合し、且つ、これらの相対回動角が所定角度に達する
    と前記環状板に当接してこれと一体回動する摩擦板を設
    け、当該摩擦板の、前記主動板及び従動板のうちどちら
    か一方への摩擦係合面の摩擦係数は、前記主動板及び従
    動板のうちどちらか他方への摩擦係合面の摩擦係数に比
    べ大であることを特徴とする、請求項1記載のトルク変
    動吸収装置。
  3. 【請求項3】第2のプレッシャスプリングの圧縮変形が
    開始された後に前記摩擦板が前記環状板に当接すること
    を特徴とする、請求項2記載のトルク変動吸収装置。
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