JPH0645582Y2 - ヒンジ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は例えば台所などのキャビネットの前端部に設け
られる扉を支持するためのヒンジ装置に関するものであ
る。

従来の技術 従来のこの種ヒンジ装置としては例えば第１図に示すよ
うに構成されたものが知られている。以下、図面に基づ
き説明すると、１はキャビネット本体２の前面開口部３
を閉じる扉で、この扉１の左右何れかの一端側における
上下両端は一対のヒンジ装置４により支持されている。

各ヒンジ装置４はキャビネット本体２の前端面に当接し
てビス止めされる本体側金具５と、この本体側金具５に
軸６を以って枢着され扉１の上下両端面にビス止めされ
る扉側金具７とからなり、両金具5,7を枢支連結する軸
６は扉側金具７から突設され、且つ前記本体側金具５の
軸孔８に嵌入された状態で先端がかしめられ、両金具5,
7は連結された状態に構成されていた。

考案が解決しようとする課題 このようなヒンジ装置４を用いて扉１をキャビネット本
体２に取り付けたとき、扉１を閉め切った状態を保持す
るためにマグネットなどによる閉塞保持装置が別途必要
であった。

本考案はこのような課題を解決するもので、マグネット
などによる閉塞保持装置を別途必要とせず扉の閉塞状態
を保持することができるようにすることを目的とするも
のである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本考案は、キャビネット本体
の前面開口部を開閉自在な扉をキャビネット本体に対し
回動自在に支持するヒンジ装置であって、キャビネット
本体の取り付けられる本体側金具と、扉に取り付けられ
る扉側金具と、この扉側金具から突出する軸を嵌入させ
る軸孔と扉閉塞時において前記軸とは別に扉側金具から
突出する軸と係合する爪を持ち本体側金具に固定される
軸受部材とからなるものである。

作用 この構成により、キャビネット本体側に取り付けられる
軸受部材の爪部に扉側の軸が係合して扉の閉塞状態を保
持することができ、マグネットなどによる閉塞保持装置
を別途必要とせずコストダウンを図ることができる。

実施例 以下、本考案の一実施例について、図面に基づいて説明
する。

第１図〜第６図において、11はキャビネット本体12の前
面開口部13を閉じる扉で、この扉11の左右何れかの一端
側（図面に示す実施例では左端部側）における上下両端
はそれぞれ別々のヒンジ装置14,15により支持されてい
る。

上側のヒンジ装置14はキャビネット本体12の上端の前端
面に当接してビス止めされる本体側金具16と、扉11の上
端にビス止めされ上方に突出する軸17を備えた扉側金具
18とからなり、前記軸17が下方より前記本体側金具16の
軸孔19に嵌入し得るようになっている。

一方、下側のヒンジ装置15はキャビネット本体12の下端
の前端面に当接してビス止めされる本体側金具20と、扉
11の下端にビス止めされ下方に突出する２本の軸21,22
を備えた扉側金具23と、前記本体側金具20にビス止めさ
れるとともに前記２本の軸21,22の内の一方の軸21を嵌
入させる軸孔24を持ち、かつ前記他方の軸22に弾性を以
って係脱する爪部25を有する樹脂製の軸受部材26とから
なっている。さらに詳しくは前記本体側金具20は扉11の
下端を受ける水平な板部27を一体に備え、この板部27の
前端から下向きに折曲する板部28を一体に備えている。
そして下向きに折曲する板部28には前記軸受部材26取付
用の長孔29と、扉11の前後傾き調整用のビス孔30が形成
されている。前記軸受部材26は前記板部28の背面に当接
して前記長孔29を介して螺入させるビス31により板部28
に固定される。32は前記ビス孔30に螺入され先端が軸受
部材26に当接して前記板部28即ち本体側金具20に対する
軸受部材26の位置調整を行なうビスである。

次に上記構成によるキャビネット本体12に対する扉11の
取付順序について説明する。

まず、扉11の上下両端にそれぞれ扉側金具18および23を
取り付けておき、キャビネット本体12の上下両端にも本
体側金具16および20を取り付けておく、この状態で扉11
をキャビネット本体12側に近づけ、扉11の左端部の上端
の扉側金具18の軸17をキャビネット本体12の本体側金具
16の軸孔19に下方より嵌入させた後、扉11の左端部の下
端をキャビネット本体12の本体側金具20の板部27上に載
せる。このとき、扉11の下端の扉側金具23の２本の軸2
1,22は前記板部27の両側に位置する状態にあり、この状
態にして前記軸受部材26の軸孔24を一方の軸21に嵌合さ
せるとともに爪部25を他方の軸22に係合させて軸受部材
26を前記板部28の背面に当接させる。この状態で軸受部
材26は前記板部28の長孔29より螺入されるビス31により
固定される。このとき、本体側金具20の板部28に対して
軸受部材26を軸孔24が前記上側の本体側金具16の軸孔19
と同一鉛直線上に位置するように長孔29を以って左右に
調整するものである。また、前記扉11に反りが発生して
いて扉11が上下両端で傾いているような場合は前記板部
28のビス孔30に螺入させたビス32の先端を軸受部材26に
押し当てて板部28と軸受部材26との隙間調整を行なうこ
とにより、扉11の前後の傾きを修正することができる。

以上のようにしてキャビネット本体12に対する扉11の取
り付けが完了し、扉11が閉じた状態において扉11側から
突出する前記他方の軸22は扉11の回動により前記一方の
軸21の周りで移動し、扉11が閉じ切った状態において前
記軸受部材26の爪部25に弾性を以って係合して扉11の閉
塞状態を保持するものである。

ところで、以上述べた実施例では扉11の上端側は従来か
ら知られている一般的なヒンジ装置14で支持したが、扉
11の上端側も下端側のヒンジ装置15と同様のヒンジ装置
により支持するようにしても良い。

考案の効果 以上のように本考案によれば、キャビネット本体側に取
り付けられる軸受部材の爪部に扉側の軸が係合して扉の
閉塞状態を保持することができ、マグネットなどによる
閉塞保持装置を別途必要とせずコストダウンを図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の一実施例を示すもので、第１
図は分解斜視図、第２図はキャビネット本体に対する扉
上部の取付状態を示す斜視図、第３図〜第５図はキャビ
ネット本体に対する扉下部の取付順序を示す斜視図、第
６図は扉の下方から見た動作説明斜視図、第７図は従来
の扉取付状態を示す斜視図である。 11…扉、12…キャビネット本体、13…前面開口部、14,1
5…ヒンジ装置、16…本体側金具、17…軸、18…扉側金
具、19…軸孔、20…本体側金具、21,22…軸、23…扉側
金具、24…軸孔、25…爪部、26…軸受部材、27,28…板
部、29…長孔、30…ビス孔、31,32…ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネット本体の前面開口部を開閉自在
   な扉をキャビネット本体に対し回動自在に支持するヒン
   ジ装置であって、キャビネット本体に取り付けられる本
   体側金具と、扉に取り付けられる扉側金具と、この扉側
   金具から突出する軸を嵌入させる軸孔と扉閉塞時におい
   て前記軸とは別に扉側金具から突出する軸と係合する爪
   を持ち本体側金具に固定される軸受部材とからなるヒン
   ジ装置。