JPH0644794B2 - ラインイメージセンサの位置決め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、カラー画像読取装置に適用するラインイメー
ジセンサの位置決め装置に関する。

［従来技術］ カラーファクシミリ装置およびカラーデジタル複写機等
の画像入力手段として用いられるカラー画像読取装置で
は、通常、画像(原稿画像)を走査して画素に分解し、こ
の各画素の色成分をそれぞれ光電変換して画像の色情報
を出力している。

画像を色成分に分解する方法は、大きく分けて、分光特
性が異なる複数の光源を順次点灯してその都度ラインイ
メージセンサを作動する光源順次方式と、画像光をフィ
ルタによって複数の色に分光し、各色成分ごとにライン
イメージセンサで光電変換するフィルタ分解方式の2つ
があり、上述したカラー画像読取装置には、実時間性が
よくかつラインイメージセンサの出力処理回路の構成を
簡単にできるため、後者のフィルタ分解方式が用いられ
る。

このフィルタ分解方式は、大きく分けて、原稿光を1つ
のレンズ(結像素子)で結像する単結像レンズ方式と、原
稿光を色成分に対応する複数の光束に分割してそれぞれ
の光束を異なるレンズで結像する複結像レンズ方式の2
つがあり、上述したカラー画像読取装置には、構造を小
型化できるために前者の単結像レンズ方式が用いられ
る。

さらにこの単結像レンズ方式は、複数の方式に分割でき
るが、通常は、レンズとラインイメージセンサとの間に
光学素子を介在させて光束を複数に分割し、それぞれの
色成分に分解する方式がとられ、多くの場合、光束の分
割と色分解を同時に実現できるダイクロイックプリズム
(またはダイクロイックミラー)が用いられる。

ところで、このように複数の成分の光に分解してそれぞ
れ異なるラインイメージセンサに入射させ、光電変換し
ているので、それらのラインイメージセンサの縮率およ
び読取位置が同一になるように調整する必要がある。

かかる調整方法としては、それぞれのラインイメージセ
ンサを光軸の前後方向および上下方向に移動自在に取り
付け、それぞれのラインイメージセンサ毎に縮率および
読取位置を調整していた。

そのため、従来、かかるラインイメージセンサの調整作
業に多大な労力を要し、その結果、カラー読取装置のコ
ストアップにつながるという不都合を生じていた。

［目的］ 本発明は、このような従来技術の不都合を解消するため
になされたものであり、調整作業に要する労力を格段に
軽減できるラインイメージセンサの位置決め装置を提供
することを目的とする。

［構成］ 本発明は、この目的を達成するために、二つのラインイ
メージセンサの一つを縮率の基準とし、別の一つを読取
位置の基準とし、前者のランイメージセンサの読取位置
を調整するための読取位置調整手段と、後者のラインイ
メージセンサの縮率を調整するための縮率調整手段を設
け、一つのラインイメージセンサに対する調整作業を一
箇所に押えている。

以下、添付図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に
説明する。

第1図は、本発明の一実施例にかかるカラー画像読取装
置における光学系を例示している。

図において、原稿1の画像面は光源2により照明され、読
取線RL上から反射される画像光は鏡3によって反射され
たレンズ4に導かれる。

このレンズ4で結像される画像光は、その上から約1/2の
部分が鏡5によって偏向されてラインイメージセンサ6に
入射され、画像光のそれ以外の部分がラインイメージセ
ンサ7に入射される。なお、このカラー画像読取装置に
おいては、例えば赤色等の特定の一色を読み取ってお
り、したがって、ラインイメージセンサ6あるいはライ
ンイメージセンサ7のいずれかの受光面に、当該色を分
解するための分光フィルタ(図示略)が配設されている。

また、レンズ4、鏡5、ラインイメージセンサ6およびラ
インイメージセンサ7は、同一のレンズブロック8に取り
付けられている。

さらに、ラインイメージセンサ6には、光軸の上下方向
(すなわち光束の断面において取線RLの延長方向と直角
な方向;以下同じ)にその位置を調整するための読取位置
調整機構が設けられており、ラインイメージセンサ7に
は、光軸の前後方向(すなわち読取線RLに近づくあるい
は遠ざかる方向；以下同じ)にその位置を調整するため
の縮率調整機構が設けられている。

このように、この実施例では、ラインイメージセンサ6
が縮率の基準に、ラインイメージセンサ7が読取位置の
基準にそれぞれ設定されている。

したがって、この装置におけるラインイメージセンサ6,
7の調整は、次のようなものになる。

まず、読取線RLに黒い細線の画像を位置決めし、ライン
イメージセンサ7を仮り止めした状態で、読取位置調整
機構を操作してラインイメージセンサ6の読取位置を調
整する。そのさい、ラインイメージセンサ6の出力信号
を計測器で観察していて、その1ライン分の出力が全て
黒に対応した最低レベルになる状態で、読取位置調整機
構を固定する。

次に、白黒のストライプ画像を読取線RLに位置決めし、
ラインイメージセンサ6およびラインイメージセンサ7の
出力信号を測定器によって観察しながら、ラインイメー
ジセンサ6の出力信号とラインイメージセンサ7の出力信
号が等しい状態になるように、縮率調整機構を操作し
て、ラインイメージセンサ7の縮率を調整する。

第2図は、レンズブロック8、読取位置調整機構および縮
率調整機構の一例を示している。

図において、レンズブロック8は、レンズ4および鏡5(図
示略)を収納するための空間が形成されているととも
に、ラインイメージセンサ6,7にそれぞれ光束を分配す
るための窓8a,8bが形成されている。また、窓8bが形成
されている面の延長には、読取位置調整機構および縮率
調整機構を取り付けるための取付座8c,8dが形成されて
いる。

取付座8c,8dには、光軸を含み読取線RLと平行な平面と
交わる線上で窓8bの外側の適宜な位置には支柱8e,8f
が、この支柱8e,8fよりもさらに外側にはネジ孔8g,8hが
それぞれ形成されている。

支柱8e,8fは、外側に開いた縁が形成された矩形を引き
延ばした断面をもつ板バネ10,11の、平坦面に穿設され
ている孔10a,11aに挿通され、さらに、固定板12に穿設
されている孔12a,12bに挿通されている。これにより、
固定板12は、支柱8e,8fに案内されながら光軸の前後方
向に平行に移動される。

この固定板12には、ラインイメージセンサ7の受光面に
対応して窓12cが形成されており、また、取付座8g,8hに
螺合する縮率調整ネジ13,14が挿通する孔12d,12e、およ
び、ラインイメージセンサ7とその周辺回路等が搭載さ
れているセンサボードユニットSBU2を取り付けるための
ネジ孔12f,12gがそれぞれ適宜な位置に穿設されてい
る。

センサボードユニットSBU2は、スペーサ15,16を介し、
ネジ孔12f,12gに螺合するネジ17,18によって固定板12に
取り付けられている。

また、レンズブロック8の窓8aが形成されている面に
は、ラインイメージセンサ8とその周辺回路等が搭載さ
れているセンサボードユニットSBU1を取り付けるための
取付台8i,8jが突設されており、この取付台8i,8jには、
ネジ孔8k,8lが穿設されている。

センサボードユニットSBU1には、ネジ孔8k,8lに対応し
た位置に長穴19,20が穿設されており、この長穴19,20に
挿通してネジ孔8k,8lに螺合するネジ21,22によって取付
台8i,8jに固定される。また、長穴20,21よりも縁の方向
には孔23,24が形成されている。

この孔23,24に嵌合する突起25a,26aが形成された係止板
25,26は、その先端に突起27a,28aが形成されている読取
位置調整ネジ27,28が螺合するネジブロック29,30の上面
に、ネジ31,32によって固定されている。

このネジブロック29,30には、板29a,30aを介し、スプリ
ング33,34の一端を固定するための支柱29b,30bが取り付
けられている。

このスプリング33,34の他端は、取付座8c,8dの角部にネ
ジ35,36によって取り付けられている鈎形の板37,38の一
端に固定されている。

以上の各要素を組みつけた状態を、第3図および第4図に
示す。

まず、ラインイメージセンサ7が搭載されているセンサ
ボードユニットSBU2を固定している固定板12は、板バネ
10,11によって取付座8c,8dから光軸の進む方向に付勢さ
れているとともに、縮率調整ネジ13,14によって取付座8
c,8dに固定されている。

したがって、ラインイメージセンサ7の縮率は、縮率調
整ネジ13,14の送り量によって設定されるので、この縮
率を調整するときには、縮率調整ネジ13,14を操作する
だけでよい。

また、ラインイメージセンサ6が搭載されているセンサ
ボードユニットSBU2は、係止板25,26に突起25a,26aで係
止され、さらに、この係止板25,26はネジブロック29,30
に取り付けられているので、ネジブロック29,30の支柱2
9b,30b取り付けられているスプリング33,34によって、
その力の作用する方向に付勢される。

一方、ネジブロック29,30に螺合している読取位置調整
ネジ27,28の先端が取付台8i,8jに当接した状態で、ネジ
ブロック29,30の移動が規制されるので、その位置でセ
ンサボードユニットSBU1が停止される。

したがって、ラインイメージセンサ6の読取位置は、読
取位置調整ネジ27,28の送り量によって設定されるの
で、この読取位置を調整するときは、ネジ21,22を緩め
た状態で読取位置調整ネジ27,28を操作し、位置を決定
すると再度ネジ21,22を締めればよい。また、センサボ
ードユニットSBU1に穿設した長穴19,20の長手方向の寸
法は、読取位置の調整可能範囲に対応して設定する。

このようにして、ラインイメージセンサ6の読取位置お
よびラインイメージセンサ7の縮率を調整することがで
きる。

なお、上述した実施例では光束を2つに分けるための手
段として鏡5を用いたが、この光束分割手段はこれに限
ることはない。また、ダイクロイックミラーあるいはダ
イクロイックプリズムを用いた光学系に対しても、本発
明を適用することができる。

［効果］ 以上説明したように、本発明によれば、二つのラインイ
メージセンサの一つを縮率の基準とし、別の一つを読取
位置の基準とし、前者のランイメージセンサの読取位置
を調整するための読取位置調整手段と、後者のラインイ
メージセンサの縮率を調整するための縮率調整手段を設
け、一つのラインイメージセンサに対する調整作業を一
箇所に押えているので、調整作業に要する労力を格段に
軽減できるという利点を得る。

【図面の簡単な説明】

第1図は本発明の一実施例にかかるカラー画像読取装置
における光学系を例示した概略構成図、第2図は本発明
の一実施例にかかる機構を例示した分解斜視図、第3図
は本発明の一実施例にかかる機構を例示した側面図、第
4図は本発明の一実施例にかかる機構を例示した正面図
である。 4……レンズ、5……鏡、6,7……ラインイメージセン
サ、8……レンズブロック、8e,8f……支柱、8g,8h……
ネジ孔、10,11……板バネ、12……固定板、13,14……縮
率調整ネジ、15,16……スペーサ、17,18,21,22,31,32…
…ネジ、19,20……長穴、23,24……孔、25,25……係止
板、25a,26a……突起、27,28……読取位置調整ネジ、2
9,30……ネジブロック、33,34……スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】読取線から反射される原稿光を結像する結
   像素子と、この結像素子の出力する光束を、光軸に垂直
   な面に関し、光軸を含む面で２分割して互いに異なる方
   向に導くとともに、それぞれの光束を異なる色成分に分
   解する分光手段と、この分光手段の出力光をそれぞれ光
   電変換する二つのラインイメージセンサを備え、上記二
   つのラインイメージセンサの一つを縮率の基準とし、別
   の一つを読取位置の基準とし、前者のラインイメージセ
   ンサの読取位置を調整するための読取位置調整手段と、
   後者のラインイメージセンサの縮率を調整するための縮
   率調整手段を設けたことを特徴とするラインイメージセ
   ンサの位置決め装置。