JPH0644408B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0644408B2
JPH0644408B2 JP60256957A JP25695785A JPH0644408B2 JP H0644408 B2 JPH0644408 B2 JP H0644408B2 JP 60256957 A JP60256957 A JP 60256957A JP 25695785 A JP25695785 A JP 25695785A JP H0644408 B2 JPH0644408 B2 JP H0644408B2
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洋一郎 横谷
純一 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は1100℃以下で焼成される高誘電率系誘電体
磁器組成物に関し、特に低酸素分圧雰囲気で焼成でき高
い抵抗率の得られる組成物に関する。
従来の技術 近年セラミックコンデンサにおいては素子の小型化、大
容量化への要求から積層型セラミックコンデンサが急速
に普及しつつある。積層型セラミックコンデンサは内部
電極とセラミックを一体焼成する工程によって通常製造
される。従来より高誘電率系のセラミックコンデンサ材
料にはチタン酸バリウム系の材料が用いられてきたが、
焼成温度が1300℃程度と高いため、内部電極材料と
してはPt,Pdなどの高価な金属を用いる必要があっ
た。
これに対し空気中1000℃以下で焼成でき内部電極と
して安価なAg系材料を用いることができる鉛複合ペロ
ブスカイト系材料や、低酸素分圧雰囲気中で焼成できN
iなどの卑金属材料を内部電極として使用できるチタン
酸バリウム系材料が開発されている。前者については発
明者らはすでにPbTiO−Pb(Mg1/3Nb
2/3)O−Pb(2n1/21/2)Oを含む
誘電体磁器組成物を提案している。後者については特公
昭56−46641号公報に記載の材料などが知られて
いる。
PbTiO−Pb(Mg1/3Nb2/3)O−P
b(Zn1/21/2)O系固溶体は低温で焼成で
き、誘電率の温度変化率が同程度のチタン酸バリウム系
材料に比べ高い誘電率が得られる。従ってこの誘電体磁
器組成物とAg系内部電極からなる積層コンデンサは素
子の大容量、小型化、低コスト化が図れる利点を有して
いる。しかし近年さらに内部電極材料の低コスト化が図
れるCuなどの卑金属を内部電極として用いることが求
められている。このため、同時焼成したときCuなどの
金属が酸化しないような低酸素分圧雰囲気で焼成したと
き、誘電体磁器の抵抗率が低下しない材料が必要とされ
ている。
発明が解決しようととする問題点 PbTiO−Pb(Mg1/3Nb2/3)O−P
b(Zn1/21/2)O系固溶体は低酸素分圧雰
囲気で焼成するとチ密に焼結せず、また抵抗率が小なく
なる傾向がある。
本発明はPbTiO−Pb(Mg1/3Nb2/3
−Pb(Zn1/21/2)O系のもつ高い誘
電率と低温焼結性をそこなわず、低酸素分圧雰囲気で焼
成したとき抵抗値が高い誘電体磁器組成物を提供するこ
とを目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明の誘電体磁器組成物は、(PbMe)(Mg
1/3Nb2/3Ti(Zn1/21/2)O
2+a+bで表され(ただしx+y+z=1)、Meが
Ca,Sr,Baからなる群の少なくとも一つの成分か
らなり、0.001≦0.250,1.000≦a+b
≦1.200の範囲の組成である。
作用 本発明の組成物においては、低酸素分圧雰囲気、110
0℃以下の焼成温度でチ密な焼成物が得られ、高い抵抗
率を有する信頼性の高い素子がえられる。
実施例 出発原料には化学的に高純度なPbO,MgO,MeC
(Me:Ca,Sr,Ba),Nb,TiO
,ZnO,WOを用いた。これらを純度補正をおこ
なったうえで所定量を秤量し、メノウ製玉石を用い純水
を溶媒としてボールミルで17時間湿式混合した。これ
を吸引ろ過して水分の大半を分離した後乾燥し、その後
ライカイ機で充分解砕した後粉体量の5tw%の水分を加
え、直径60mm高さ約50mmの円柱状に成形圧力500
kg/cm2で成形した。これをアルミナルツボ中に入れ同質
のフタをし、750℃〜880℃で2間仮焼した。次に
仮焼物をアルミナ乳鉢で粗砕し、さらにメノウ製玉石を
用い純水を溶媒としてボールミルで17時間紛砕し、こ
れを吸引ろ過し水分の大半を分離した後乾燥した。以上
の仮焼,粉砕,乾燥を数回くりかえした後この粉末にポ
リビニルアルコール6wt%水溶液を粉体量の6wt%
加え、3メッシュふるいを通して造粒し、成形圧力10
00kg/cm2で直径13mm高さ約5mmの円柱状に成形し
た。成形物は空気中で700℃まで昇温し1時間保持し
ポリビニルアルコール分をバーンアウトした。これを上
述の仮焼粉を体積の1/3程度敷きつめた上に200メ
ッシュZrO粉を約1mm敷いたマグネシヤ磁器容器に
移し、同質のフタをし、管状電気炉の炉心管内に挿入
し、炉心管内をロータリーポンプで脱気したのちN
混合ガスで置換し、酸素分圧(Po)が1.0x
10−8atmになるようNとHガスの混合比を調
節しながら混合ガスを流し所定温度まで400℃/hrで
昇温し2時間保持後400℃/hrで降温した。炉心管内
のPoは挿入した安定化ヂルコニア酸素センサーによ
り測定した。第2図に焼成時のマグネシヤ磁器容器の構
造を、第3図に炉心管内部をそれぞれ断面図で示す。
第2図において1はマグネシア容器であり、その上部は
マグネシア容器蓋2で封じた。マグネシア容器1の下部
には仮焼粉3を配置し、その上にジルコニア粉4を配置
した。それらにその上に試料5を配置した。
第2図のように準備されたマグネシア容器1を第3図の
ように炉心管6内に配置した。7は安定化ジルコニア酸
素センサーである。
焼成物は厚さ1mmの円板状に切断し、両面にCr−Au
を蒸着し、誘電率、tanδを1kHz1V/mmの電界下
で測定した。また抵抗率は1kV/mmの電圧を印加後1
分値から求めた。
なお焼成温度は焼成物の密度がもっても大きくなる温度
とした。
表1に本発明の組成範囲および周辺組成の成分[a,
b,x,y,zは(PbMe)(Mg1/3Nb
2/3Ti(Zn1/21/2
2+a+bと表したときの値]、低酸素分圧雰囲気で焼
成したときの章成温度、誘電率、誘電率の温度変化率
(20℃に対する)、tanδ、抵抗率、密度を示し
た。
第1図は表1に示した各試料を(PbMe)TiO
2+a+b,(PbMe)(Mg1/3
2/3)O2+a+b,((PbMe)(Zn
1/21/2)O2+a+bを端成分とする三角形成
図中に示したもので、斜線の範囲が発明の範囲である。
発明範囲外の組成物では、a+bが1.000より小さ
いと低酸素分圧雰囲気で焼成したときチ密な焼結物が得
られない、もしくは抵抗率が低くなる難点を有してお
り、1.200より大きくなると誘電率および抵抗率が
低下する難点を有する。またbが0.250より大きい
と誘電率が低下する。x,y,zが限定の範囲外の組成
物はキュリー点が室温から大きくはずれ誘電率が低くな
る、もしくは誘電率の温度変化率が大きくなる難点を有
している。発明の範囲内の組成物では前記の問題がいず
れも克服されている。
なお焼成雰囲気として選択した低酸素分圧雰囲気P
;1.0x10−8atmは焼成温度における銅の
平衡酸素分圧より低く金属はほとんど酸化しないと考え
られる。
発明の効果 本発明によれば、低酸素分圧雰囲気1100℃以の焼成
で積層コンデンサ素子として高信頼性を得るためのチ密
で抵抗率の高い焼結体が得られ、内部電極としてCuな
どの卑金属材料を用いることが可能になる優れた誘電体
磁器組成物を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る磁器組成物の成分組成を示す三角
組成図、第2図は焼成時に磁器を入れるマグネシヤ容器
の断面図、第3図は焼成時の炉心管を示す断面図であ
る。 1;マグネシア容器、;マグネシア容器蓋、3;仮焼
粉、4;ジルコニア粉、5;試料、6;炉心管、7;安
定化ジルコニア酸素センサー。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−115817(JP,A) 特開 昭62−78146(JP,A) 特開 昭62−115608(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(PbMe){(Mg1/3Nb
    2/3Ti(Zn1/21/2)z}O
    2+a+bで表される組成式(ただし、x+y+z=
    1)において、MeがCa,Sr,Baからなる群から
    選ばれた少なくとも一種であり、 0.001≦b≦0.250 1.000≦a+b≦1.200 の範囲にあり、この範囲内の各a,bの値に対し(Pb
    Me)(Mg1/3Nb2/3)O2+a+b,P
    Me)TiO2+a+b,(PbMe)(Z
    1/21/2)O2+a+bを頂点とする三角座標
    において下記組成点、A,B,C,Dを頂点とする五角
    形の領域内の組成物からなることを特徴とする誘電体磁
    器組成物。 A;x=0.950 y=0.049 z=0.001 B;x=0.600 y=0.399 z=0.001 C;x=0.010 y=0.700 z=0.290 D;x=0.010 y=0.100 z=0.890
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