JPH0644384U - 可動磁石式アクチュエータ - Google Patents

可動磁石式アクチュエータ

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JPH0644384U
JPH0644384U JP8399192U JP8399192U JPH0644384U JP H0644384 U JPH0644384 U JP H0644384U JP 8399192 U JP8399192 U JP 8399192U JP 8399192 U JP8399192 U JP 8399192U JP H0644384 U JPH0644384 U JP H0644384U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくとも2個の永久磁石を同極対向配置と
しかつ確実に一体化した磁石可動体を用いるとともに永
久磁石の磁極が発生する磁束を有効利用することで、信
頼性の向上、推力及び効率の向上を図った可動磁石式ア
クチュエータを実現する。 【構成】 同極対向された少なくとも2個の永久磁石5
A,5B間に磁性体6を配置しかつこれらの永久磁石及
び磁性体を非磁性筒状ホルダ7内に固定して磁石可動体
3を構成し、少なくとも3連のコイル2A,2B,2C
の内側に磁石可動体3を移動自在に設け、前記少なくと
も3連のコイル2A,2B,2Cを、各永久磁石の磁極
間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線した
構成とし、フレミングの左手の法則に準ずる推力を発生
するようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、制御機器、電子機器、工作機械等において電気エネルギーを電磁作 用により往復運動エネルギー等に変換させる可動磁石式アクチュエータに関する 。
【0002】
【従来の技術】
従来、可動磁石式の往復運動装置としては、図7の第1従来例の構造を持つも の、及び図8の第2従来例の構造を持つものがある。
【0003】 図7の第1従来例において、10は軸方向に着磁した棒状の永久磁石からなる 磁石可動体であり、両端面に磁極を有している。コイル11A,11Bは、磁石 可動体10の端部外周側をそれぞれ環状に周回するように巻回され、隣合う部分 に同極が発生するようになっている。なお、図示は省略してあるが、コイル11 A,11Bは通常磁石可動体10を軸方向に移動自在にガイドするためのガイド 筒体に装着される。そして、磁石可動体10の各端面からの磁束がそれぞれコイ ル11A,11Bと鎖交している。
【0004】 図8の第2従来例において、磁石可動体15は同極対向配置の2個の棒状永久 磁石16A,16Bと、これらの永久磁石16A,16B間に固着される棒状軟 磁性体17とを固着一体化したものであり、コイル18は磁石可動体15の中間 部外周側をそれぞれ環状に周回するように巻回されている。なお、図示は省略し てあるが、コイル18は通常磁石可動体15を軸方向に移動自在にガイドするた めのガイド筒体に装着される。そして、磁石可動体15の同極対向した永久磁石 端面からの磁束がコイル18と鎖交している。
【0005】 ところで、第1従来例及び第2従来例において、磁石可動体10,15に発生 する推力は、基本的にはフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力に準 ずるものである(フレミングの左手の法則はコイルに対して適用されるが、ここ ではコイルが固定のため、磁石可動体にコイルに作用する力の反力としての推力 が発生する。)。したがって、推力に寄与するのは、磁石可動体が有する永久磁 石の磁束の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交する成分)である。
【0006】 そこで、1個の永久磁石の場合、あるいは2個の同極対向配置の永久磁石の場 合について、磁束の垂直成分がどのようになるのかそれぞれ解析してみた。
【0007】 図9は、単独の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解 析した結果を示す。但し、永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5mm、 長さ6mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0008】 図10は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、かつ直接接合した場合におい て、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析した 結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5mm、長さ 3mm(2個で6mm)で、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測 した。
【0009】 図11は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、かつ対向間隔を1mmとした場 合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場 解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5m m、長さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0010】 図12は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、かつ対向間隔を2mmとした場 合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場 解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5m m、長さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0011】 図13は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、かつ対向間隔を3mmとした場 合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場 解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5m m、長さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0012】 図14は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟 磁性体を配置した場合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密 度の垂直成分を磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石で あって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れ た位置を計測した。
【0013】 図15は、2個の永久磁石を同極対向配置とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟 磁性体を配置し、さらに2個の永久磁石の外周に対向させて軟磁性体ヨークを配 設した場合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成 分を磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直 径2.5mm、長さ3mmで、ヨークは永久磁石を取り囲む円筒形状で厚み0.5mm、 長さ10mmで永久磁石外周から1.25mm離間した位置となっており、表面磁束 密度の垂直成分は永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0014】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、磁石可動体に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手 の法則に基づいて与えられる推力に準ずるものであり、コイルと鎖交する永久磁 石の磁束の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が多いことが望まれる が、図7の第1従来例では、表面磁束密度の垂直成分は図9のようになり、図1 0乃至図15の2個の永久磁石を同極対向配置とした場合に比較して垂直成分が 少ないことが判明した。このため図7の第1従来例の構成では、推力の向上に限 界がある。例えば、磁石可動体10を直径2.5mm、長さ6mmの希土類永久磁石 で構成し、2個のコイル11A,11Bの隣合う部分に同極が発生するように各 コイル11A,11Bに40mAの電流を流したときに発生する推力F1は4. 7(gf)であった。
【0015】 一方、図8の第2従来例では、2個の同極対向の永久磁石間に軟磁性体を配し た磁石可動体15を用いており、磁束密度の垂直成分は図14に示す如くなり、 同極対向の永久磁石16A,16Bの磁極から出る磁束は1個の永久磁石の場合 (図9参照)や2個の永久磁石のみの場合(図10乃至図13参照)よりも多く なるが、コイルが磁石可動体15の中間部を囲む1個のみであり、磁石可動体1 5の両端面の磁極による磁束は有効に利用していない嫌いがある。このため、図 8の第2従来例の場合も推力の向上が難しかった。例えば、図8の第2従来例に おいて磁石可動体15として直径2.5mm、長さ3mmの希土類永久磁石を2個用 い(希土類永久磁石の性能は第1従来例と同じとする)、かつ両者間に長さ1mm の軟磁性体を配置したものを用い、図7の第1従来例と同じ消費電力となるよう に作成したコイル18に40mAの電流を流し、第1従来例と同じ消費電力とし たときに発生する推力F2は5.6(gf)であった。
【0016】 なお、複数個の永久磁石を組み合わせて磁石可動体を構成する場合、各永久磁 石を確実に一体化する必要があり、この点についての配慮も必要である。
【0017】 本考案は、上記の点に鑑み、少なくとも2個の永久磁石を同極対向配置としか つ確実に一体化した磁石可動体を用いるとともに永久磁石の磁極が発生する磁束 を有効利用することで、信頼性の向上、推力及び効率の向上を図った可動磁石式 アクチュエータを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の可動磁石式アクチュエータは、同極対向 された少なくとも2個の永久磁石間に磁性体を配置しかつこれらの永久磁石及び 磁性体を非磁性筒状ホルダ内に固定して磁石可動体を構成し、少なくとも3連の コイルの内側に当該磁石可動体を移動自在に設け、前記少なくとも3連のコイル を、各永久磁石の磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線した構 成としている。
【0019】 また、前記筒状ホルダの端部をかしめて前記永久磁石及び磁性体を当該筒状ホ ルダ内に固定する構成としてもよい。
【0020】 さらに、前記筒状ホルダの端部で出力取り出し用のピン付き部材を固定する構 造としてもよい。
【0021】
【作用】
本考案の可動磁石式アクチュエータの動作原理を図5の概略構成図によって説 明する。この図5で、磁石可動体3は同極対向配置の2個の円柱状永久磁石5A ,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間に固着される円柱状軟磁性体6とを非 磁性筒状ホルダ7を用いて一体化したものであり、図14に示したように、磁束 密度の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が多い構造となっている。 3連のコイル2A,2B,2Cは、磁石可動体3の外周側を周回する如く巻回さ れ、磁石可動体3を構成する永久磁石5Aの左端、永久磁石5A,5Bの同極対 向端、及び永久磁石5Bの右端の磁極からの磁束とそれぞれ鎖交するように配置 されている。これらのコイル2A,2B,2Cは永久磁石5A,5Bの磁極間を 境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線されている(磁極間の境は磁極と 磁極の間であれば必ずしも磁極中間位置になくともよい。)。なお、図示は省略 してあるが、コイル2A,2B,2Cは通常磁石可動体3を軸方向に移動自在に ガイドするためのガイド筒体に装着される。コイル2A,2B,2Cと磁石可動 体3との位置関係は、当該磁石可動体3の静止時を含む大部分の可動位置におい て、永久磁石磁極間を境にして各コイルに流れる電流が相互に逆向きとなるよう に設定しておく。
【0022】 図5における磁石可動体3の構造は、非磁性筒状ホルダ7を省略して考えると 図14のように2個の永久磁石を同極対向させかつ永久磁石間に軟磁性体を配置 したものである。この図14のときは軟磁性体位置に相当する領域Qの表面磁束 密度の垂直成分は、軟磁性体の無い図10乃至図13よりも優れている(磁束密 度0.3T以上のピークの幅が広くかつピークが高い。)。
【0023】 このように、2個の永久磁石5A,5Bを同極対向させかつ永久磁石間に軟磁 性体6を設けた磁石可動体3は、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与で きる磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大きくでき、かつ3連のコイル 2A,2B,2Cは永久磁石の全磁極の磁束と有効に鎖交するので、3連のコイ ル2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向きに電流を通電すること により、従来例では到達し得ない大きな推力を発生することができる。各コイル の電流を反転させれば磁石可動体3の推力の向きも反転する。交流電流を流した 場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレータとして働く。その際、磁石可 動体3は、2個の永久磁石5A,5B及び軟磁性体6を筒状ホルダ7内に収納固 定したものであり、それらの組立精度が良く一体化が確実であるため、永久磁石 5A,5B間の反発力で永久磁石5A,5B及び軟磁性体6相互間が離散して不 良品となる危険性を解消し、信頼性を保つことができる。
【0024】 本考案に係る図5の場合、例えば、磁石可動体3として直径2.5mm、長さ3m mの希土類永久磁石を2個用い(希土類永久磁石の性能は第1従来例と同じとす る)、かつ両者間に長さ1mmの軟磁性体を配置したものを用い、図7、図8の第 1、第2従来例と同じ消費電力となるように作成した3連のコイル2A,2B, 2Cに40mAの電流を流し、同じ消費電力としたときに発生する推力F3は6 .7(gf)であった。これは、同一消費電力の第1従来例の場合の約1.42倍の 推力であり、また第2従来例の約1.2倍の推力であり、第1及び第2従来例に 比較して格段に優れていることが判る。
【0025】 図6の曲線(イ)は図5(ヨーク無し)の場合の磁石可動体3の軸方向変位量 と推力(gf)との関係を示す。但し、永久磁石の寸法、特性は図14に示したも のとするとともに、磁石可動体3の中間点が中央のコイル2Bの中間点に位置す るときを変位量零とし、各コイルの電流は40mAとした。
【0026】 このように、本考案の可動磁石式アクチュエータは、同極対向の永久磁石を非 磁性筒状ホルダ内に組み込んだ構造体で磁石可動体を構成しており、永久磁石の 着磁方向(軸方向)に垂直な磁束密度成分を充分大きくできかつ永久磁石の全て の磁極の発生する磁束を有効利用できるので、磁石可動体を取り巻くように周回 した少なくとも3連のコイルに流れる電流との間のフレミングの左手の法則に基 づく推力を充分大きくでき、小型、小電流で大きな推力を得ることができ、永久 磁石及び軟磁性体を非磁性筒状ホルダに収納し固定したことで、磁石可動体の構 造を堅固にして信頼性を向上させ得る。
【0027】
【実施例】
以下、本考案に係る可動磁石式アクチュエータの実施例を図面に従って説明す る。
【0028】 図1及び図2は本考案の第1実施例を示す。これらの図において、1は軟磁性 体の円筒状ヨークであり、該円筒状ヨーク1の内側に3連のコイル2A,2B, 2Cが配置され、磁石可動体3を摺動自在に案内するためのガイド筒体4を構成 する絶縁樹脂等の絶縁部材で円筒状ヨーク1に固着されている。磁石可動体3は 、同極対向配置の2個の円柱状希土類永久磁石5A,5Bと、これらの永久磁石 5A,5B間に配置される円柱状軟磁性体6と、非磁性筒状ホルダ7とからなり 、それらの永久磁石5A,5B及び軟磁性体6は筒状ホルダ7内に収納され接着 剤等で固定されている。前記3連のコイル2A,2B,2Cは永久磁石5A,5 Bの磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線されている。すなわ ち、中央のコイル2Bは軟磁性体6及び永久磁石5A,5BのN極を含む端部を 囲み、両側のコイル2A,2Cは、永久磁石5A,5BのS極を含む端部をそれ ぞれ囲むことができるようになっており、かつ中央のコイル2Bに流れる電流の 向きと、両側のコイル2A,2Cの電流の向きとは逆向きである(図1の各コイ ルに付したN,Sを参照)。
【0029】 この第1実施例では、各コイル2A,2B,2Cの外周側に軟磁性体の円筒状 ヨーク1が設けられているため、磁石可動体3の表面磁束密度の垂直成分は、図 15に示す如く、さらに増大する。このため、フレミングの左手の法則に基づく 推力に寄与できる磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大きくでき、磁石 可動体3の周囲を環状に巻回する3連のコイル2A,2B,2Cに交互に逆極性 の磁界を発生する向きに電流を通電することにより、いっそう大きな推力を発生 することができる。例えば、磁石可動体3として直径2.5mm、長さ3mmの希土 類永久磁石を2個用い(希土類永久磁石の性能は第1従来例と同じとする)、か つ両者間に長さ1mmの軟磁性体を配置したものを用い、図7、図8の第1、第2 従来例と同じ消費電力となるように作成した3連のコイル2A,2B,2Cに4 0mAの電流を流し、同じ消費電力としたときに発生する推力F4は8.0(gf )であった。推力F4の向きは、図1の極性では、磁石可動体3が右方向に移動 する向きであり、各コイルの電流を反転させれば磁石可動体3の推力の向きも反 転する。交流電流を流した場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレータと して働き、ポケットベル等に組み込み可能である。
【0030】 図6の曲線(ロ)は第1実施例(但し、永久磁石及びヨークの寸法、配置及び 永久磁石の特性は図15の通り)の場合の磁石可動体3の軸方向変位量と推力( gf)との関係であって変位量零の点から離れる方向に磁石可動体が動作するとき を示す。また、曲線(ハ)は第1実施例(ヨーク有り)の場合の磁石可動体3の 軸方向変位量と推力(gf)との関係であって変位量零の点に近付く方向に動作す るときを示す。但し、磁石可動体3の中間点が中央のコイル2Bの中間点に位置 するときを変位量零とし、各コイルの電流は40mAとした。このように、磁石 可動体3が変位量零の点に近付くか又は離れるかによって推力が相違するのは、 磁石可動体3の永久磁石の磁極とヨーク1との間に磁石可動体3を変位量零点に 戻す磁気吸引力が働いているからである。
【0031】 さらに、上記第1実施例の場合、永久磁石5A,5B及び軟磁性体6を非磁性 筒状ホルダ7に収納し固定したので、永久磁石の同極反発力で永久磁石相互がば らばらになる不良がなく、磁石可動体3の構造を堅固にし、永久磁石の欠けや摩 耗を防止して信頼性を向上させ得る。また、組立精度も向上させ得る。
【0032】 図3は本考案の第2実施例を示す。この場合、磁石可動体3Aは、同極対向配 置の2個の円柱状希土類永久磁石5A,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間 に配置される円柱状軟磁性体6と、各永久磁石の外側端面に配置される非磁性の ピン付き部材9と非磁性筒状ホルダ7Aとからなり、それらの永久磁石5A,5 B、軟磁性体6及びピン付き部材9の円板状基部は筒状ホルダ7A内に収納され 接着剤等で固定されている。また、軟磁性体の円筒状ヨーク1及びガイド筒体4 の両端部に軟磁性の吸着板8A,8Bが嵌合、固着されている。そして、吸着板 8A,8Bにあけられた穴から永久磁石5A,5Bの外側端面に固着されたピン 付き部材9のピン部分が出力取り出し用として突出している。なお、ピン付き部 材9のピン部分は吸着板8A,8Bの穴に対し摺動自在であり、その他の構造は 前述の第1実施例と同様である。
【0033】 この第2実施例の場合、磁石可動体3Aは各コイル2A,2B,2Cに通電し ていない状態では軟磁性の吸着板8A,8Bのいずれかに吸着されている。いま 、図示の状態に磁石可動体3Aがあるとき、各コイル2A,2B,2Cに交互に 逆極性の磁界を発生する向きに通電して矢印R方向の推力を発生させれば、磁石 可動体3Aは吸着板8Aから離脱して矢印R方向に移動し、吸着板8Bに吸着し て停止する。また、各コイル2A,2B,2Cの電流を反転させて矢印Rの反対 向きの推力を発生させれば、磁石可動体3Aは吸着板8Bから離脱して吸着板8 A方向に移動しこれに吸着して停止する。このように吸着板8A,8Bを設けた ことで磁石可動体3Aの移動範囲を正確に規制することができ、磁石可動体3A の移動をピン付き部材9を介し外部に伝達することができる。
【0034】 図4は上記第1実施例で使用可能な磁石可動体の変形例を示す。この場合、磁 石可動体3Bは、同極対向配置の2個の円柱状希土類永久磁石5A,5Bと、こ れらの永久磁石5A,5B間に配置される円柱状軟磁性体6と、非磁性筒状ホル ダ7Bとからなり、それらの永久磁石5A,5B及び軟磁性体6は筒状ホルダ7 B内に収納され、当該筒状ホルダ7Bの端部をかしめることで固定、一体化され ている。この構造によれば、磁石可動体の生産性を上げることができる。
【0035】 また、上記第2実施例においても、永久磁石5A,5B、軟磁性体6及びピン 付き部材9の円板状基部を筒状ホルダ内に収納し、当該筒状ホルダの端部をかし めることで固定、一体化した磁石可動体を用いることもできる。
【0036】 なお、上記各実施例では、2個の同極対向の永久磁石と両永久磁石間の軟磁性 体を筒状ホルダ内に収納固定して磁石可動体を構成したが、3個以上の同極対向 の永久磁石と両永久磁石間の軟磁性体を筒状ホルダに収納固定して磁石可動体を 構成してもよく、これに対応させてコイル数も4個以上とすることができる。
【0037】 また、第2実施例では円筒状ヨーク1及びガイド筒体4の両側に軟磁性吸着板 8A,8Bを設け、両方の永久磁石5A,5Bの外側端面にピン付き部材9を設 けたが、いずれか一方のみに吸着板及びピン付き部材を設ける構造を採用しても よい。
【0038】 さらに、各実施例において、円筒状のヨーク1及びガイド筒体4を用いたが、 角筒状、楕円筒状等のヨーク及びガイド筒体を採用し、磁石可動体として角柱状 や楕円柱状のものを採用することもできる(この場合筒状ホルダは角筒状や楕円 筒状、永久磁石及び軟磁性体は角柱状や楕円柱状となる。)。これらの場合も各 コイルは磁石可動体の外周を周回するように巻回すればよい。
【0039】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の可動磁石式アクチュエータによれば、同極対向 された少なくとも2個の永久磁石間に磁性体を配しこれらを非磁性筒状ホルダ内 に固定して磁石可動体を構成したので、磁石可動体を強固な構造体とし耐摩耗性 を向上させることができるとともに、磁石可動体の長手方向(永久磁石の着磁方 向)に垂直な磁束成分を充分大きくでき、かつ磁石可動体の周囲を取り巻くよう に少なくとも3連のコイルを巻回して磁石可動体の各磁極が発生する磁束と有効 に鎖交可能としたので、前記垂直な磁束成分と各コイルに流れる電流との間のフ レミングの左手の法則に基づいて与えられる推力を充分大きくできる。このため 、信頼性が高く、小型、小電流で大きな推力の可動磁石式アクチュエータを実現 できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る可動磁石式アクチュエータの第1
実施例を示す正断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】本考案の第2実施例を示す正断面図である。
【図4】第1実施例で使用できる磁石可動体の変形例を
示す正断面図である。
【図5】本考案の基本構成を示す概略構成図である。
【図6】図1及び図5の可動磁石式アクチュエータにお
ける磁石可動体の変位量と推力との関係を示すグラフで
ある。
【図7】第1従来例を示す概略構成図である。
【図8】第2従来例を示す概略構成図である。
【図9】単一の永久磁石の長手側面(永久磁石の着磁方
向に平行な面)の表面磁束密度の垂直成分(長手側面に
垂直な成分)を示すグラフである。
【図10】2個の同極対向の永久磁石を直接的に対接状
態とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示
すグラフである。
【図11】2個の永久磁石を1mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図12】2個の永久磁石を2mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図13】2個の永久磁石を3mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図14】2個の永久磁石を軟磁性体を介し同極対向状
態とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示
すグラフである。
【図15】2個の永久磁石を軟磁性体を介し同極対向状
態とし、かつ軟磁性体ヨークを配置した場合の長手側面
の表面磁束密度の垂直成分を示すグラフである。
【符号の説明】
1 円筒状ヨーク 2A,2B,2C コイル 3,3A,3B 磁石可動体 4 ガイド筒体 5 円柱状永久磁石 6 円柱状軟磁性体 7,7A,7B 筒状ホルダ 8A,8B 吸着板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 斉藤 重男 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同極対向された少なくとも2個の永久磁
    石間に磁性体を配置しかつこれらの永久磁石及び磁性体
    を非磁性筒状ホルダ内に固定して磁石可動体を構成し、
    少なくとも3連のコイルの内側に当該磁石可動体を移動
    自在に設け、前記少なくとも3連のコイルを、各永久磁
    石の磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く
    結線したことを特徴とする可動磁石式アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記磁石可動体が前記筒状ホルダの端部
    をかしめて前記永久磁石及び磁性体を固定したものであ
    る請求項1記載の可動磁石式アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記磁石可動体が出力取り出し用のピン
    付き部材を前記筒状ホルダの端部で固定したものである
    請求項1記載の可動磁石式アクチュエータ。
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