JPH0644203Y2 - Ｄｃｐ装置用送信機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はDCP（data collecting platform）装置用送
信機に関するものである。

［従来の技術］ DCP装置では、ディジタル信号の形のデータがPSK変調の
形で送信される。その変調速度は100ボー（bauds）であ
る。

また搬送周波数としては、400MHz近傍に1.5kHzのセパレ
ーションで多数のチャネルが存在し、当該DCP装置に対
しどのチャネルが割り当てられるかは、その都度決定さ
れて許可されている。

従って、従来はチャネルの割り当てが決定されてから後
に、そのチャネルに対応する水晶発振器の手配を行って
いた。第２局部発振器としても水晶発振器を使用する
が、その周波数は搬送波チャネルの周波数いかんに関わ
らず一定の周波数になるようにDCP装置を設計すること
ができる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような従来のDCP装置用送信機では、チャネルが
決定してから水晶発振素子の手配をするために、製作に
日数がかかり、納期が遅れがちになる等の問題点があっ
た。

この考案はかかる課題を解決するためになされたもの
で、第２局部発振器の周波数から任意のチャネルの周波
数を合成することができ、従って搬送波チャネル決定前
に予め水晶発振素子を手配しておくことができるDCP装
置用送信機を得ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案にかかるDCP装置用送信機は、基準周波数ｆで
制御するPLL（位相ロックループ）を使用して任意のチ
ャネル周波数を合成し、かつf/B（Ｂは所定の整数）の
周波数を送信信号によりPSK変調しておき、変調部ではV
COの発振周波数とチャネル周波数との差周波数を抽出し
て、この差周波数の位相がPSK変調されたf/Bの位相に一
致するように変調部のVCOを制御することとしたもので
ある。

［作用］ この考案においては、変調部にPSK変調されるVCOを設け
ることによって送信搬送波を生成するための水晶発振器
を省略することとしたものである。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図面を用いて説明する。第１
図はこの考案の一実施例を示す構成図で、図において
（１）は第２局部発振器、（２）は第１局部発振器、
（３）はミキサ、（４）はPSK部、（５）は変調部、
（６）は電力増幅部、（10）は第２局部発振器（１）内
に設けられた水晶発振器（以下XOと略記する）であっ
て、XO（10）は高い周波数精度で基準周波数ｆを発生す
る。

第２局部発振器（１）は基準周波数ｆによって制御され
る第１のPLL内で第１のVCOを発振させて、Nf/LMの周波
数を出力する。ここにL,Mはそれぞれ所定の整数であ
り、Ｎは所定範囲内で任意に選定できる整数である。例
えばｆ＝12.288MHz,L＝16,M＝512,N＝4974〜5439の範囲
の任意の整数を選定できるとすれば、第２局部発振器
（１）の出力周波数は7.461MHzから、1.5kHzステップ
で、8.1585MHzの範囲の任意の周波数に設定することが
できる。

第１局部発振器（２）は基準周波数ｆによって制御され
る第２のPLL内で、第２のVCOを発振させてAf（Ａは所定
の整数）の周波数を出力する。

ミキサ（３）は第１局部発振器（２）の出力周波数と第
２局部発振器（１）の出力周波数との和の周波数を出力
する。

PSK部（４）はf/B（Ｂは所定の整数）の周波数を伝送す
べきディジタル信号によってPSK変調した信号を出力す
る。

変調部（５）に設けられる第３のVCOはその発振周波数
とミキサ（３）とからの入力周波数の、差周波数の位相
がPSK部（４）の出力位相に一致するように制御され
る。この結果、変調部（５）の出力周波数は（Ａ＋N/LM
＋1/B）ｆとなりPSKされた信号になる。従ってＮの数値
を適当に選定するこにより、指定されたチャネルのPSK
波を得ることができる。

電力増幅部（６）は変調部（５）の出力を所望のレベル
まで増幅する。出力電力を所定のレベルに自動制御する
回路は電力増幅部（６）に含まれる。

第２図は第１図の第２局部発振器（１）の一構成例を示
すブロック図で、第１図と同一符号は同一部分を示し、
（11）はその分周比を1/Mとする分周器（以下FDと略記
する）、（12）は位相比較器（以下PDと略記する）、
（13）はローパスフィルタ（以下LPFと略記する）、（1
4）は第１のVCO、（15）は増幅器、（16）はその分周比
を1/NとするFDで、このＮは先に説明したように所定の
範囲内の整数を任意に選定できるように構成されてい
る。（17）はその分周比を1/LとするFD、（18）は増幅
器である。（12）−（13）−（14）−（15）−（16）−
（12）で第１のPLLを構成し、増幅器（18）の出力周波
数はNf/LMとなる。

第３図は第１図の第１局部発振器（２）の一構成例を示
すブロック図で、（20），（25），（26）はそれぞれF
D、（21）はPD、（22）はLPF、（23）は第２のVCO、（2
4），（27），（28）はそれぞれ増幅器である。（21）
−（22）−（23）−（24）−（25）−（26）−（21）で
第２のPLLを構成し、各FDの分周比が図面に示す数値で
ある場合には、32fの周波数（一般的にはAfの周波数）
を出力する。

第４図は第１図の変調部（５）の一構成例を示すブロッ
ク図で、図において（50）はPD、（51）はLPF、（52）
は第３のVCO、（53），（56）はそれぞれ増幅器、（5
4）はミキサ、（55）はLPF、（57）はバンドパスフィル
タ（以下BPFと略記する）である。

（50）−（51）−（52）−（53）−（54）−（55）−
（50）により第３のPLLを構成する。但し、LPF（51）は
PSK信号を通過させるのに十分なカットオフ周波数を持
っていなければならず、LPF（55）はLPFではあるがf/B
の周波数成分を通過させるものである必要がある。

BPF（57）は第１図に示すミキサ（３）の出力周波数の
内の和周波数（Ａ＋N/LM）ｆだけを通過させるBPFであ
る。

第４図に示す回路の制御によって、VCO（52）の発振周
波数は（Ａ＋N/LM）ｆとPSK部（４）の出力周波数との
和になり、PSK変調された搬送波になる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように、基準周波数から所望の
周波数の搬送波を、PSK変調した送信波として生成する
ことができるので、チャネル周波数に無関係にDCP装置
用送信機を製作することが可能になり、送信周波数精度
が向上し、かつ送信用水晶発振素子が不要なだけ製造原
価を低減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す構成図、第２図は第
１図の第２局部発振部の一構成例を示すブロック図、第
３図は第１図の第１局部発振器の一構成例を示すブロッ
ク図、第４図は第１図の変調部の一構成例を示すブロッ
ク図。 （１）は第２局部発振器、（２）は第１局部発振器、
（３）はミキサ、（４）はPSK部、（５）は変調部、（1
0）は水晶発振器（基準周波数ｆ）、（14）は第１のVC
O、（23）は第２のVCO、（52）は第３のVCO。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示すもの
とする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】正確な周波数である基準周波数ｆを発生す
   る基準周波数発生器と、この基準周波数ｆによって制御
   される第１の位相ロックループ内で第１のVCO（電圧制
   御発振器）を発振させてNf/LMの周波数の信号を出力す
   る手段（但しL,Mはそれぞれ所定の整数、Ｎは所定範囲
   内で任意に選定できる整数とする）とを含む第２局部発
   振器、 上記基準周波数ｆによって制御される第２の位相ロック
   ループ内で第２のVCOを発振させてAfの周波数の信号を
   出力する第１局部発振器（但しＡは所定の整数とす
   る）、 この第１局部発振器の出力周波数と上記第２局部発振器
   の出力周波数との和の周波数を生成するミキサ、 上記基準周波数ｆをＢ分周した周波数f/B（但しＢは所
   定の整数）を搬送波周波数とし、この搬送波周波数を信
   号によりPSK（phase shift keying）変調するPSK部、 第３のVCOと、この第３のVCOの出力周波数と上記ミキサ
   の出力周波数との差の周波数を抽出し、この差の周波数
   の位相が上記PSK部の出力の位相に一致するよう上記第
   ３のVCOの発振位相をフィードバック制御する第３の位
   相ロックループとを含む変調部、 この変調部の出力を電力増幅する電力増幅部、 を備えたDCP装置用送信機。