JPH0644016Y2 - 電池の梱包ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、酸化銀電池やリチウム電池などの特に偏平
型電池を運搬する際に用いて好適な梱包ケースに関す
る。

〔従来の技術〕

この種の梱包ケースは、一般にスチロール等からなる薄
いプラスチックシートを受皿状に成形してある。最も単
純形状のものとしては、第５図に示すごとく多数の電池
収容室14を凹設した梱包ケース11を積み重ねたとき、上
層ケースの収容室14に部分的に嵌入し、これで下層の収
容室14に収めた電池７の飛び出しを上層の収容室14で阻
止する形態を採る。

また、第６図および第７図に示すように、多数の電池収
容室24が凹設された梱包ケース21の上面にガイド部30を
介して一側方より透明プラスチック製のカバー板31を差
し込み装着し、該カバー板31で電池７の飛び出しを阻止
する形態も公知である。

〔考案が解決しようとする課題〕

第５図に示す梱包ケース11は、安価に製作できる利点を
有する。しかし、収容室14の嵌め合い深さが一定せず多
数の梱包ケース11を積層した場合に、その積層高さに違
いを生じやすく、箱詰め等を行う際に不具合が生じる。
また、運搬中の振動等によっても嵌合が深くなって強固
に嵌まり込んでしまい、次の分解が困難になる不利があ
った。

これに対し、第６図に示す梱包ケース21は、単体で取り
扱う際にも収容電池７の飛び出しがなく便利ではある。
しかし、各梱包ケース21ごとにカバー板31を装備するの
で、使い捨てを考えるとコスト高になるところに最大の
欠点があった。また、この梱包ケースを回路基板等への
電池自動組付け機に装着する場合には、各ケースのカバ
ー板31を抜き取る手段が別に要し、この点にも問題があ
った。

本考案は、かかる従来の不具合を解消し、低コストでし
かも取り扱い性に優れた梱包ケースを提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、電池７の収容室４群が凹設された上板２の周
辺から周側壁３を立ち下げ連設し、この周側壁３の上下
中間部位に突起６を内向きに膨出形成し、この突起形成
部位の内面に、上板２と周側壁３とにわたる補強リブ９
を膨出形成したものである。

〔作用〕

前記突起６は本考案梱包ケースを上下に重合したとき
に、その重合深さを接当規制する働きをする。すなわ
ち、第４図に示すように梱包ケース１を嵌め込み積層し
た状態において、周側壁３に設けた突起６が下層ケース
１の周縁肩部５に上方より接当してそれ以上嵌め合い深
さが大きくなることを阻止する。

補強用リブ９は突起６の存在箇所が外方へ変形するのを
防止し、上下に多少の外力が加わっても周側壁３が外方
に変形して突起６が下層ケース１の肩部５から外れない
ように機能する。

〔考案の効果〕

かかる本考案によれば、基本的には第５図に示す従来形
式と同様に、梱包ケースを嵌め合い積層するものである
が、各ケース間での嵌め合い深さは一定となり、積層し
た梱包ケース群の積層高さにばらつきの出ることがな
く、箱詰め等が容易となる。

運搬中の振動等によっても前述の嵌め合い深さが大きく
ならず、後の分解に手間どることもない。

しかも、嵌め合い深さ規制用の突起６は補強リブ９によ
って外方に変形し難い周側壁部分に形成してあるので、
多少の外力が上下に作用しても規制機能を確実に維持
し、前述の効果がいかんなく発揮される。

〔実施例〕

第１図ないし第４図に本考案の実施例を示す。

本案梱包ケース１はスチロールシートを成形したもので
あって、左右横長の四角形の上板２の周辺から周側壁３
が立ち下げ連設された下向きの浅い受皿状を呈する。

この上板２には多数の電池収容室４が所定のピッチで凹
設されており、収容室４の下端と周側壁３の下端とは同
一レベルに揃えられている。

上板２の一方（左側）の短辺を除く他の三辺と周側壁３
とがつながる肩部５は、少し上方に膨出されてケース全
体の保形性を保つリブの機能が与えられている。

周側壁３の左右長辺部の前後には、上下中間部位に縦断
正面視でほぼ三角形状を呈する左右横長の突起６がそれ
ぞれ内向きに膨出形成されている。この突起６は第４図
に示すように梱包ケース１を嵌め合わせて積層する際
に、下層ケースの前記肩部５に上方より接当して嵌め合
い深さを規制する。このように上下ケースが嵌め合わさ
れたとき、上層ケース１の収容室４の下底部が下層ケー
ス１の収容室４に少し入り込んで、下層の収容室４内に
ある電池７の上方への飛び出しを阻止する。図ではボタ
ン型電池が例示されている。

また、前記突起６の形成部位の内面には、第２図および
第３図に示すごとく上板２と周側壁３にわたって補強用
リブ９が膨出形成されており、この補強リブ９で突起６
の周辺の周側壁部分が外方へ変形するのを防止する。つ
まり、突起６が外方に変形して下層ケースの肩部５が外
れて嵌め合いが深くなり過ぎたり、ケース１が傾いて嵌
め合わされるのを防止している。

図示例の全容は以上のようになっているが、上層ケース
１の収容室４の下底部で下層ケース１の収容室４内にあ
る電池７を押さえ込むよう寸法設定してあってよいし、
対象の電池７が筒形電池などであってもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係る梱包ケースの実施例
を示しており、 第１図は全体の外観斜視図、 第２図は裏側から見た要部の斜視図、 第３図は要部の縦断正面図、 第４図は積層状態での縦断正面図である。 第５図は従来例の積層状態での縦断面図である。 第６図および第７図は別の従来例を示しており、第６図
は全体の外観斜視図、 第７図はその使用状態での一部を示す縦断面図である。 １……梱包ケース、 ２……上板、 ３……周側壁 ４……収容室、 ６……突起、 ７……電池、 ９……補強リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電池７の収容室４群が凹設された上板２の
   周辺から周側壁３を立ち下げ連設し、 この周側壁３の上下中間部位に突起６を内向きに膨出形
   成してあり、 この突起形成部位の内面に、上板２と周側壁３とにわた
   る補強リブ９を膨出形成したことを特徴とする電池の梱
   包ケース。