JPH0615874Y2 - 果物包装用トレイ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は果物包装用トレイに関し、より詳しくは、リ
ンゴ、梨等の略球形状の果物を衝撃から保護し、安全に
輸送または保管させるのに有用な果物包装用トレイに関
する。

〈従来技術と、考案が解決しようとする課題〉 従来より、上記果物の輸送用包装体としては、果物の形
状に適応する略半球状の凹陥部を多数形成した発泡ポリ
スチレン樹脂シート製トレイが用いられている。上記ト
レイは、多数の凹陥部に順次果物を能率的に収納できる
利便性を有するものの、凹陥部が縦横又は斜め方向へ整
然と配列されたものである。

一方、果物包装用トレイは、果物を収納した後、段ボー
ル箱内に複数段積み重ねられて収納されるものであるか
ら、トレイの大きさは、規格に適合する段ボール箱内の
内寸に一致する寸法に規制されることになる。一定の大
きさに規制されたトレイに収納される果物の個数は、果
物の大きさ次第で変動することになり、またトレイに
は、収納する果物の大きさに応じた個数の凹陥部が形成
されることになる。

しかしながら、複数の凹陥部が縦横又は斜め方向へ整然
と配列されてある従来のトレイでは、凹陥部間に多くの
余剰部分が生じ、収納効率の点で決して良いものではな
かった。このため、従来、凹陥部の数が多数の１６穴、
１８穴のものにあっては、相隣る凹陥部をずらせたり、
列交互にずらせたりして、所期の収納効率を上げようと
しているものが提供されている。しかし、より多数の凹
陥部を有するトレイについては、その数の多さから配列
が困難となり、収納バランスを悪くしている。また、こ
の種のトレイにおいては、その方向性のあることが１つ
の重要な課題となっており、例えば、１８０°方向を変
えて逆に積み重ねることができるのが好ましい。

この考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、２
６個の果物をバランスよく収納でき、しかも使い勝手の
よい果物包装用トレイを提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するためのこの考案の果物包装用トレイ
としては、２６個の果物が収納される矩形状のトレイで
あって、対峙する長辺(L)(L′）に沿って６個の凹陥部
(1)(2)(3)(4)(5)(6)及び(7)(8)(9)(10)(11)(12)が形成
されてあり、短辺(S)(S′)に沿った各列には、凹陥部
(1)、(7)、(6)、(12)に近接する凹陥部(13)、(14)、(15)、(1
6)と、トレイ中央部で凹陥部(3)(4)間、(9)(10)間に近
接する凹陥部(17)、(18)とが形成されており、凹陥部(1)
(2)(3)(4)(5)(6)(13)(15)(17)に対して凹陥部(7)(8)(9)
(10)(11)(12)(14)(16)(18)がトレイ中央を中心として対
称に設けられていると共に、凹陥部(17)(18)を境とし
て、略菱形状に並べられた４個の凹陥部(19)(20)(21)(2
2)及び(23)(24)(25)(26)が左右対称に設けられているも
のである。

〈作用〉 上記構成の果物包装用トレイによれば、２６この凹陥部
を方向性よく配列することができる。

〈実施例〉 次いで、この考案の実施例について図を参照しながら以
下に説明する。第１図はこの考案の一実施例に係る果物
包装用トレイの平面図である。

第１図において、(A)は略球形状の２６個の果物を収納
することができる矩形状トレイであって、対峙する長辺
(L)(L′)に沿った各列には、それぞれ、略半球状に凹入
形成された６個の凹陥部(1)(2)(3)(4)(5)(6)、及び(7)
(8)(9)(10)(11)(12)が形成されている（第２図及び第３
図参照）。

短辺(S)(S′)に沿った各列には、短辺(S)側で互いに隔
てられて凹陥部(1)に近接する凹陥部(13)及び、凹陥部
(7)に近接する凹陥部(14)が形成されている。また、短
辺(S′)側で互いに隔てられて凹陥部(6)に近接する凹陥
部(15)及び、凹陥部(12)に近接する凹陥部(16)が形成さ
れている。そして、トレイ中央部で互いに隔てられて凹
陥部(3)(4)間側に近接する凹陥部(17)及び、凹陥部(9)
(10)間側に近接する凹陥部(18)が形成されている。

この場合、凹陥部(1)(2)(3)(4)(5)(6)(13)(15)に対して
凹陥部(7)(8)(9)(10)(11)(12)(14)(16)がトレイ中央を
中心として対称に設けられている。そして、凹陥部(17)
に対して凹陥部(18)が同じくトレイ中央を中心として対
称に設けられている。

一方、凹陥部(1)(2)(3)(7)(8)(9)(13)(14)(17)(18)及
び、凹陥部(4)(5)(6)(10)(11)(12)(15)(16)(17)(18)に
て囲まれた部分、即ち凹陥部(17)(18)を境とした部分に
は、略菱形状に並べられた４個の凹陥部(19)(20)(21)(2
2)及び(23)(24)(25)(26)が左右対称に設けられている。

従って、上記構成を有する果物包装用トレイにあって
は、２６個の凹陥部を特定の配列形態に設けているこ
と、即ち、凹陥部(1)(2)(3)(4)(5)(6)(13)(15)と(7)(8)
(9)(10)(11)(12)(14)(16)、凹陥部(17)と(18)、凹陥部
(19)(20)(21)(22)と(23)(24)(25)(26)を、それぞれ、ト
レイ中央を中心として互いに対称に設けていることか
ら、トレイの収納バランスを良くする一方、上記各凹陥
部の配置は長辺(L)(L′)を逆にして使用しても同形状と
なるものでり、１８０°の方向転換での使用を可能と
し、取扱い時におけるトレイの方向性を良くすることが
できる。

なお、上記トレイ(A)は規格に適合する段ボール箱に内
接して収納されるもので、トレイ(A)上面の所定凹陥部
間には、裏面へ突出する溝状の補強部(40)が形成されて
おり、補強部(40)はトレイ(A)の剛性を保持するように
機能している（第４図参照）。

また、第３図に示すように、各凹陥部の椀形の周壁部分
には、溝状の補強用リブ(30)が形成されている。補強用
リブ(30)は、外方（裏面）へ突出形成されており、通気
と補強との両機能を有している。また、補強用リブ(30)
としては、上記のように外方（裏面）へ突出形成される
溝状のものに変え、内方（表面）へ突出形成される突条
のものが形成され得る。

上記トレイの素材となる熱可塑性樹脂シートとしては、
ポリスチレン、またはスチレン５０重量％以上含有する
スチレンと共重合し得るモノマーとの共重合体、あるい
はポリスチレンと他の重合体との混合樹脂に発泡剤を加
えて押出成形して得られる発泡シートが好適に用いられ
る。例えば、ポリスチレンにポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン等のポリオレフィン系樹脂を共重
合または混合した樹脂の発泡シートは柔軟性、弾力性が
良好であるので、本考案の果物包装用トレイの素材とし
て特に好適である。この他、ポリ塩化ビニル、またはそ
の他の熱可塑性樹脂シートも使用することができる。

本考案の果物包装用トレイは、前記の熱可塑性樹脂シー
トを所定の形状を有する金型を使用して押圧成形または
真空成形することによって容易に得ることができる。

〈考案の効果〉 以上のようにこの考案による果物包装用トレイによれ
ば、２６個の凹陥部を特定の配列形態に設けていること
により、長辺(L)(L′)を逆にしても同形状とすることが
できるので、トレイの収納バランスを良くする一方、１
８０°の方向転換を可能として、取扱い時におけるトレ
イの方向性を良くすることができ、トレイの使い勝手を
向上させることができるという種々の実用的効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであり、第１図
は平面図、 第２図は第１図のII−II線の断面図、 第３図は第１図長辺Ｌ′側正面図、 第４図は第１図のIV−IV線の断面図。 (A)……果物包装用トレイ、(1)〜(26)……凹陥部、 (L)(L′)……長辺、(s)(S′)……短辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２６個の果物が収納される矩形状のトレイ
   であって、対峙する長辺(L)(L′）に沿って６個の凹陥
   部(1)(2)(3)(4)(5)(6)及び(7)(8)(9)(10)(11)(12)が形
   成されてあり、短辺(S)(S′）に沿った各列には、凹陥
   部(1)、(7)、(6)、(12)に近接する凹陥部(13)、(14)、(15)、
   (16)と、トレイ中央部で凹陥部(3)(4)間、(9)(10)間に
   近接する凹陥部(17)、(18)とが形成されており、凹陥部
   (1)(2)(3)(4)(5)(6)(13)(15)(17)に対して凹陥部(7)(8)
   (9)(10)(11)(12)(14)(16)(18)がトレイ中央を中心とし
   て対称に設けられていると共に、凹陥部(17)(18)を境と
   して、略菱形状に並べられた４個の凹陥部(19)(20)(21)
   (22)及び(23)(24)(25)(26)が左右対称に設けられている
   ことを特徴とする果物包装用トレイ。