JPH0644002Y2 - 偏向ヨークの磁界補正用シート - Google Patents

偏向ヨークの磁界補正用シート

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JPH0644002Y2
JPH0644002Y2 JP1901792U JP1901792U JPH0644002Y2 JP H0644002 Y2 JPH0644002 Y2 JP H0644002Y2 JP 1901792 U JP1901792 U JP 1901792U JP 1901792 U JP1901792 U JP 1901792U JP H0644002 Y2 JPH0644002 Y2 JP H0644002Y2
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JP
Japan
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deflection yoke
sheet
magnetic field
thermoplastic elastomer
styrene
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JP1901792U
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博香 山崎
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Kaneka Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は偏向ヨークの磁界を補正
する為に用いるシート体に関し、更に詳しくは、耐熱寿
命に優れ、且つ湾曲面である偏向ヨーク内面形状に沿っ
て貼着することが容易な柔軟性に優れた偏向ヨークの磁
界補正用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】テレビやCRTディスプレイ等に用いら
れるブラウン管に装着される偏向ヨークには、磁界を微
調整する目的で磁界補正用のシート体が用いられてい
る。図3はこの様子を示すもので、偏向ヨークAの巻線
aにシート体1を取付けた状態を示している。シート体
1はソフトフェライト粉を合成樹脂に分散配合したもの
を成形した磁性材含有樹脂シートであり、当該シート体
1は背面に塗布された粘着剤によって巻線a表面に沿わ
して貼り付けられている。
【0003】このようなシート体1には、高耐熱寿命と
柔軟性が要求されている。偏向ヨークは長時間高温に晒
されることから、シート体1に対し長期の耐熱寿命が要
求されており、例えば110℃以上の温度環境下におい
て10万時間以上の耐熱寿命が要求されている。近年に
いたり、テレビ受像機の大型化や高精彩化が進むなかで
偏向ヨーク周辺の発熱量は増大する傾向にあり、耐熱寿
命に関する要求はより厳しくなりつつある。また、シー
ト体1にとっては柔軟性も極めて重要な要素である。即
ち、シート体1は湾曲面に貼着されることから、湾曲面
に沿ってシート体形状が変形できる必要があり、しかも
変形後は元の形状に復帰することなく変形状態を維持し
ながら貼着され続けていなければならず、いわゆる塑性
変形が求められる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シート体は、高耐熱寿命と塑性変形可能な柔軟性という
両要求を満足することはできなかった。塑性変形可能な
柔軟性を有する合成樹脂は一般的に耐熱性に劣り、発火
等の危険があることから、磁界補正用シートの素材とし
て従来用いられたことはほとんどなく、シート体のバイ
ンダーとしては、耐熱寿命を重視する観点から、ポリメ
チルペンテン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレー
ト、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド等の高
耐熱性樹脂が用いられている。ところが、これら高耐熱
性樹脂は柔軟性に乏しかったり、あるいは柔軟性を有し
ていたとしてもその柔軟性は変形後に原形状に復帰する
弾性変形であって塑性変形ではなく、またこれら合成樹
脂に塑性変形能を付与するための適当な軟化剤もないの
が現状であった。
【0005】従来は、このような状況のなかで耐熱寿命
に優れ且つある程度の柔軟性を有するシート体が成形で
きるバインダーとして、ポリメチルペンテンにポリブテ
ン−1を配合したものが知られている。しかしながら、
このバインダーではポリメチルペンテン100重量部に
対して軟化剤としてのポリブテン−1の配合量を100
重量部程度にまで高めてもその引張破断伸びは5〜15
%程度であって偏向ヨークの湾曲面に沿わすにはその塑
性変形の程度は不充分であり、また仮にポリブテン−1
の配合比率を更に増やしても引張破断伸びはほとんど大
きくならないばかりか、引張破断強度が極端に小さくな
って使用に適さなくなるという問題があった。本考案は
かかる現況に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱寿
命を有するとともに偏向ヨークの湾曲面に沿わせるのに
適する塑性変形可能な柔軟性を発揮できる偏向ヨークの
磁界補正用シートを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本考案者は鋭意研究を重ねた結果、スチレン系熱
可塑性エラストマーをバインダーの一部又は全部に用い
ることとすれば前記課題は解決できることを見出した。
即ち、第1考案は、ソフトフェライト粉をスチレン系熱
可塑性エラストマーとともにポリメチルペンテンに混合
分散した素材によりシート体を成形したことを特徴とし
ている。ソフトフェライト粉とバインダーであるポリメ
チルペンテン及びスチレン系熱可塑性エラストマーの配
合比率は、ソフトフェライト粉が70〜85重量%、ポ
リメチルペンテン及びスチレン系熱可塑性エラストマー
が30〜15重量%の範囲であることが好ましい。ま
た、ポリメチルペンテンに対するスチレン系熱可塑性エ
ラストマーの配合比率は、ポリメチルペンテン100重
量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー70〜1
00重量部に設定することが望まれる。
【0007】第2考案は、ポリメチルペンテンを用いる
ことなくバインダーとしてスチレン系熱可塑性エラスト
マーのみを用いたものであり、ソフトフェライト粉をス
チレン系熱可塑性エラストマーに混合分散した素材によ
りシート体を成形したことを特徴としている。
【0008】
【作用】このようなシート体は、優れた耐熱寿命を有
し、且つ大きな引張破断伸びを有する。したがって本シ
ート体は、偏向ヨーク内面の湾曲面に沿わせて貼着する
ことが容易であるとともに、貼着後は脱落することなく
貼着状態が維持され、且つ高温環境下でその特性を長期
間にわたって維持することができる。
【0009】
【実施例】次に本考案の詳細を図示した実施例に基づき
説明する。図1は本考案の磁界補正用シートの1実施例
を示している。磁界補正用シートは磁性材含有樹脂製の
シート体1の背面に粘着剤層2を積層した構成である。
図例のものは単体のシート体を示しているが、通常は大
判の離型紙上に多数のシート体1が破断用溝部を介して
縦横に配設された状態で供給される。
【0010】第1考案は磁性材含有樹脂製のシート体1
を、ソフトフェライト粉をスチレン系熱可塑性エラスト
マーとともにポリメチルペンテンに混合分散した素材に
より成形したことを特徴とし、第2考案は、ポリメチル
ペンテンを用いることなくバインダーをスチレン系熱可
塑性エラストマーのみとしたことを特徴としている。ス
チレン系熱可塑性エラストマーとポリメチルペンテンと
は相溶性も良いことから、両者の混合は容易である。ソ
フトフェライトとしてはマグネシウムフェライト、ニッ
ケルジンクフェライト、マンガンジンクフェライト等の
公知のソフトフェライトが利用可能である。ソフトフェ
ライト粉の配合量が70重量%未満であると必要な磁気
特性を得ることができず、また85重量%を越えると成
形困難となったり柔軟性が不足して脆くなることから、
ソフトフェライト粉の配合量は全体に対して70〜85
重量%の範囲に設定することが好ましい。スチレン系熱
可塑性エラストマーとしては、例えばクレイトンG(シ
ェルジャパン株式会社製)の製品名で流通しているもの
等が採用できる。
【0011】スチレン系熱可塑性エラストマーは軟化剤
の役目を果たすが、このスチレン系熱可塑性エラストマ
ーのポリメチルペンテンに対する配合比率は、ポリメチ
ルペンテン100重量部に対してスチレン系熱可塑性エ
ラストマー70〜100重量部に設定することが好まし
い。スチレン系熱可塑性エラストマーの配合比率が70
重量部未満であると、引張破断伸びが充分でなく、他
方、100重量部を越えると射出成形に適さなくなる。
しかしながら、射出成形以外の成形手段、例えば押出し
成形やロール成形を採用する場合であれば、スチレン系
熱可塑性エラストマーの配合比率の上限は特に限定する
必要はなく、第2考案のようにポリメチルペンテンを用
いることなくバインダーの全てをスチレン系熱可塑性エ
ラストマーで構成することもできる。スチレン系熱可塑
性エラストマーはポリメチルペンテンに匹敵する耐熱性
を有することから、バインダーの全量をスチレン系熱可
塑性エラストマーとした場合でも優れた耐熱寿命を有し
且つ塑性変形可能な柔軟性を有する磁界補正用シートを
得ることができる。尚、バインダーには従来公知の安定
剤等の添加剤を適量配合しうることはいうまでもない。
【0012】比較試験 本考案の効果を確かめるために比較試験を行った。試験
方法はJIS K7113「プラスチックの引張試験方
法」によった。試験はバインダーの種類を変え、それぞ
れの場合の引張破断強度と引張破断伸びについて測定
し、結果を表1に表した。試験はそれぞれ複数のサンプ
ルについて行った。尚、スチレン系熱可塑性エラストマ
ーとしては前記したクレイトンGを用いた。
【0013】
【表1】
【0014】表1より明らかなように、バインダー成分
中にスチレン系熱可塑性エラストマーが含まれている本
実施例のシート体は、スチレン系熱可塑性エラストマー
の配合比率を30重量部としたときで、ポリブテン−1
を100重量部配合した従来例(比較例)とほぼ同等の
引張破断伸びが実現できている。そして更にスチレン系
熱可塑性エラストマーの配合比率を増やすことで引張破
断伸びを飛躍的に高めることができ、その配合比率を1
00重量部としたときには100%〜200%もの優れ
た引張破断伸びが実現できていることがわかる。そし
て、100%〜200%もの引張破断伸びを達成しなが
ら、0.2〜0.5Kgf/cm2 の引張破断強度も維持
しており、偏向ヨークの磁界補正用シートとして用いる
のに充分な強度を有していることがわかる。また、ポリ
メチルペンテンを用いることなく、バインダー全体をス
チレン系熱可塑性エラストマーによって構成した場合に
は、300%〜400%もの引張破断伸びが得られる。
そしてこの場合の引張破断強度は若干小さくなるもの
の、それでも偏向ヨークの磁界補正用シートとして用い
るのに充分な強度を確保できていることがわかる。
【0015】本考案の磁界補正用シートは柔らかく塑性
変形することができるから、この磁界補正用シートは図
2に示すように偏向ヨーク内面の湾曲面に沿って貼着す
ることができ、巻線aにしっかりと固定することができ
る。
【0016】
【考案の効果】本考案の偏向ヨークの磁界補正用シート
は、ソフトフェライト粉を分散混合するバインダーをポ
リメチルペンテンとスチレン系熱可塑性エラストマーと
の混合物とするか、あるいはスチレン系熱可塑性エラス
トマーのみから構成したので、優れた耐熱寿命を有し、
且つ柔らかく塑性変形しやすいシート体を得ることがで
き、偏向ヨーク内面の湾曲面に沿わせて貼着することが
容易であるとともに、貼着後は脱落することなく貼着状
態が維持することができ、且つ高温環境下でその特性を
長期間にわたって維持することが可能な磁界補正用シー
トを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の磁界補正用シートの1実施例を示す斜
視図
【図2】同実施例の磁界補正用シートを偏向ヨーク内面
の湾曲面に貼着した様子を示す簡略説明図
【図3】偏向ヨークの外観と、当該偏向ヨーク内面に磁
界補正用シートを貼着した様子を示す簡略斜視図
【符号の説明】
A 偏向ヨーク a 巻線 1 シート体 2 粘着剤層

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏向ヨークの巻線表面に貼着されるシー
    ト体であって、当該シート体が、ソフトフェライト粉を
    スチレン系熱可塑性エラストマーとともにポリメチルペ
    ンテンに混合分散した素材により成形されていることを
    特徴とする偏向ヨークの磁界補正用シート。
  2. 【請求項2】 ソフトフェライト粉を70〜85重量
    %、ポリメチルペンテン及びスチレン系熱可塑性エラス
    トマーを30〜15重量%の比率で配合してなる請求項
    1記載の偏向ヨークの磁界補正用シート。
  3. 【請求項3】 ポリメチルペンテンに対するスチレン系
    熱可塑性エラストマーの比率を、ポリメチルペンテン1
    00重量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー7
    0〜100重量部に設定してなる請求項2記載の偏向ヨ
    ークの磁界補正用シート。
  4. 【請求項4】 偏向ヨークの巻線表面に貼着されるシー
    ト体であって、当該シート体が、ソフトフェライト粉を
    スチレン系熱可塑性エラストマーに混合分散した素材に
    より成形されていることを特徴とする偏向ヨークの磁界
    補正用シート。
  5. 【請求項5】 ソフトフェライト粉を70〜85重量
    %、スチレン系熱可塑性エラストマーを30〜15重量
    %の比率で配合してなる請求項4記載の偏向ヨークの磁
    界補正用シート。
JP1901792U 1992-02-27 1992-02-27 偏向ヨークの磁界補正用シート Expired - Lifetime JPH0644002Y2 (ja)

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JPH0569850U JPH0569850U (ja) 1993-09-21
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