JPH0643798A - ホログラム - Google Patents

ホログラム

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JPH0643798A
JPH0643798A JP13499391A JP13499391A JPH0643798A JP H0643798 A JPH0643798 A JP H0643798A JP 13499391 A JP13499391 A JP 13499391A JP 13499391 A JP13499391 A JP 13499391A JP H0643798 A JPH0643798 A JP H0643798A
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hologram
relief
holograms
diffraction efficiency
interference fringe
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▲桑▼原祐子
Yuko Kuwabara
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高回折効率のレリーフホログラムを作成する
ことができなかったフォトレジスト等を用いても作成可
能な回折効率の高いホログラム。 【構成】 1枚のレリーフホログラム1とホログラム1
とレリーフパターンが鏡像関係にある別のレリーフホロ
グラム2の2枚のレリーフホログラムを用意し、両者の
レリーフパターンが一致しかつ両者のレリーフ面同士が
接触するように相互に重ね合わせて、両者の凹溝間に空
気等3を介在させ、ホログラム1、2の有効領域の外側
で接着剤4により固定することにより構成される。この
ようにホログラムを構成することにより、各要素レリー
フホログラム1、2のレリーフが浅くとも、重ね合わせ
ホログラムの実効的な凹凸の深さが回折効率を極大にす
る値になり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホログラムに関し、特
に、高回折効率のホログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】基材面に干渉縞に相当する透明な凹凸模
様が形成されてなるレリーフホログラムの回折効率は、
次の関係式(1)により与えられる。
【0003】 Im ={sin2 (πm/2)/ (πm/2)2 }cos2[π{ d(n-1)/λ-m/2}] ・・・・(1) ただし、Im は回折効率、mは回折次数、dはレリーフ
の深さ、nは屈折率、λは波長である。したがって、例
えば、m=1、n=1.50、λ=0.79μmで回折
効率の極大値を得るには、d=0.79μmの深さが必
要である。
【0004】ところで、従来のレリーフホログラムは、
基材に対して1面だけに凹凸のレリーフを設けるもので
あった。凹凸の設け方としては、基材表面にウェットエ
ッチングによりレリーフ模様を設ける方法、基材表面に
イオンエッチングによりレリーフ模様を設ける方法、及
び、フォトレジストを基材として用い、これに干渉パタ
ーンを露光して現像することによりフォトレジストをレ
リーフ化する方法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、高回折効率のレ
リーフホログラムを作成するには、上記数値例より明ら
かなように、少なくとも0.8μm程度の深さのレリー
フが必要である。
【0006】しかしながら、フォトレジストを用い、現
像によるレリーフ化の方法の場合、次のような理由によ
り、このような深溝は形成できない。
【0007】(1)レジストの解像度が悪い。 (2)レジストの内部での光散乱(局部的に光を当てた
としても、レジスト内で広がってしまう。)。 (3)レジスト内で光の吸収がある。
【0008】また、上記のウェットエッチングによる方
法では、サイドエッチングという現象があるため、0.
4μm程度までしかエッチングできない。
【0009】イオンエッチングの用いる方法では、満足
できる深溝は可能であるが、そのための装置が高価にな
り、また、大面積のレリーフパターンは形成困難であ
る。しかも、均一に凹凸模様を形成することが難しく、
エッチング速度が遅い、という問題がある。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記のように、従来、高回折
効率のレリーフホログラムを作成することができなかっ
たフォトレジストやウェットエッチングを用いても作成
可能な、回折効率の高いホログラムを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のホログラムは、図1に示すように、ガラス、フォト
レジスト、フォトポリマー等からなる1枚のレリーフホ
ログラム1とそのホログラム1とレリーフパターンが鏡
像関係にある別のレリーフホログラム2の2枚のレリー
フホログラムを用意し、両者のレリーフパターンが一致
しかつ両者のレリーフ面同士が接触するように相互に重
ね合わせて、両者の凹溝間に空気あるいはホログラムを
形成している材料と異なる屈折率の媒体3を介在させ、
ホログラム1、2の有効領域の外側で接着剤4により固
定することにより構成されるものである。このようにホ
ログラムを構成することにより、各要素レリーフホログ
ラム1、2のレリーフが浅くとも、重ね合わせホログラ
ムの実効的な凹凸の深さが、前記関係式(1)において
回折効率を極大にする値になり得る。したがって、フォ
トレジストやウェットエッチングを用いて作成した回折
効率の低いレリーフホログラムを用いても、回折効率の
高いホログラムを作成することができる。
【0012】上記において、要素レリーフホログラム
1、2をフォトレジストを現像することによりレリーフ
化して形成する場合、及び、ガラス基板等にリソグラフ
ィー技術でマスクを形成してウェットエッチングにより
蝕刻して形成する場合、簡易にかつ高速で形成すること
ができ、したがって、本発明により、このような高回折
効率のホログラムを簡易にかつ高速に形成することがで
きる。また、各レリーフホログラムの溝が浅いため、2
P法、エンボス法等による複製を正確に行うことがで
き、簡易に正確な高回折効率ホログラムを作成すること
ができる。
【0013】ところで、図1のように、要素レリーフホ
ログラム1、2の凹凸模様の凸条同士を正確に位置合わ
せして固定すると、実効的な溝の深さが大きくなり過
ぎ、かえって回折効率が低下する場合もある。そこで、
図2に示すように、凸条同士を多少ずらして固定するこ
とにより、かえって回折効率が向上できる。このために
は、各ホログラム1、2を重ねて、レーザー光を照射し
ながら回折光の光量が最大となる位置で固定するように
すればよい。
【0014】レリーフ面は、図1、図2に示すように、
相互に向き合うようにして接着するのが望ましく、こう
することにより、レリーフ層が外部に露出しないくな
り、保護層を設ける必要がなくなる。この場合、凹溝間
にレリーフ形成材料(凸条の材料)と異なる屈折率の物
質を充填することも可能である。なお、何れか一方又は
両方のレリーフ面が外側に向くようにして接着してもよ
いが、その場合は、レリーフ面が傷ついたり汚れるのを
防止するため、保護層等を設けた方が好ましい。
【0015】なお、相互に鏡像関係にあるレリーフパタ
ーンを有する要素レリーフホログラム1、2を1枚のオ
リジナルホログラムから作成するには、いくつかの方法
が考えられるが、例えばオリジナルレリーフホログラム
を複数回複製を繰り返す場合、奇数番目の複製ホログラ
ムと偶数番目の複製ホログラムとの間にはレリーフパタ
ーンが鏡像関係にあるので、これらを用いればよい。ま
た、干渉縞が濃淡模様で形成された振幅ホログラムをマ
スクとして用い、一方のレリーフホログラムは、この振
幅ホログラムを乾板に密着して露光作成し、他方レリー
フホログラムは、この振幅ホログラムと鏡像関係にある
振幅ホログラムを作成し、これを乾板に密着して露光作
成するようにしてもよい。なお、レリーフ回折格子のよ
うに正確な繰り返しパターンからなるものを作成する場
合には、何れの要素レリーフホログラム1、2も同一の
ものでよい。
【0016】すなわち、本発明のホログラムは、干渉縞
パターンが同一の2枚の要素ホログラムを干渉縞パター
ンがほぼ重なり合うようにして対向させて固定してなる
ことを特徴とするものであり、この場合、要素ホログラ
ムがレリーフホログラムである場合に最も効果的であ
る。
【0017】そして、要素ホログラムの凸条同士及び凹
溝同士が相互に対向してほぼ重なり合うように固定する
と、レリーフ層が外部に露出しないくなり、保護層を設
ける必要がなくなる。
【0018】また、要素ホログラムのレリーフは、レジ
ストの凹凸、ガラスの凹凸等から構成するのが普通であ
る。
【0019】また、要素ホログラムの凹溝間に凸条の屈
折率と異なる液体等の透明媒体を充填して構成してもよ
い。
【0020】なお、要素ホログラムが位相回折格子であ
る場合には、回折効率の高い位相回折格子を実現するこ
とができる。
【0021】作成過程での位置合わせとして、干渉縞パ
ターンが同一の2枚の要素レリーフホログラムを重ね
て、光を照射しながら回折光の光量が最大となる位置で
相互に固定するようにするのが望ましい。
【0022】
【作用】本発明においては、干渉縞パターンが同一の2
枚の要素ホログラムを干渉縞パターンがほぼ重なり合う
ようにして対向させて固定して構成されているので、重
ね合わせホログラムの実効的な凹凸の深さが、回折効率
を極大にする値になり得るので、フォトレジストやウェ
ットエッチングを用いて作成した回折効率の低いレリー
フホログラムを用いても、回折効率の高いホログラムを
作成することができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
にして説明する。フォトレジスト7として、東京応化
(株)製OFPR800を用い、2枚のガラス基板5、
6上に、スピンナーにより1500回転/分でコーティ
ングして、2枚のレリーフホログラム乾板とした。
【0024】他方、干渉縞を濃淡2値化して形成された
振幅ホログラムからなるクロムマスムを用意し、そのマ
スクの裏側を一方の乾板に密着させて紫外線を40mJ
照射した。
【0025】その後、現像液として東京応化(株)製N
MD−3を用いて、露光済みの乾板の現像を行い、図3
に断面を示す一方の要素レリーフホログラム8を得た。
【0026】次に、上記クロムマスクを裏返しにして、
その表側を他方の乾板に密着させて紫外線を40mJ照
射し、上記と同様な現像液により現像して、レリーフパ
ターンが上記の要素レリーフホログラム8と鏡像関係に
あるもう一方のレリーフホログラム9を得た。
【0027】このようにして形成した2枚の要素レリー
フホログラム8、9をレリーフ面で対向させて、その有
効領域外をシアノアクリル酸系接着剤10で接着一体化
したところ、高回折効率のホログラムを得ることができ
た。
【0028】なお、両者8、9の位置合わせは、レーザ
ー光を照射しながら、回折光の光量が最大となるように
合わせることによって行った。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のホログラ
ムによると、干渉縞パターンが同一の2枚の要素ホログ
ラムを干渉縞パターンがほぼ重なり合うようにして対向
させて固定して構成されているので、重ね合わせホログ
ラムの実効的な凹凸の深さが、回折効率を極大にする値
になり得るので、フォトレジストやウェットエッチング
を用いて作成した回折効率の低いレリーフホログラムを
用いても、回折効率の高いホログラムを作成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラムの基本的構成を示す断面図
である。
【図2】要素レリーフホログラムの凸条同士を多少ずら
して構成したホログラムの断面図である。
【図3】本発明によるホログラムの製造工程の1実施例
を説明するための図である。
【符号の説明】
1、2…レリーフホログラム 3…空気又は充填媒体 4、10…接着剤 5、6…ガラス基板 7…フォトレジスト 8、9…要素レリーフホログラム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉縞パターンが同一の2枚の要素ホロ
    グラムを干渉縞パターンがほぼ重なり合うようにして対
    向させて固定してなることを特徴とするホログラム。
  2. 【請求項2】 前記要素ホログラムがレリーフホログラ
    ムであることを特徴とする請求項1記載のホログラム。
  3. 【請求項3】 前記要素ホログラムの凸条同士及び凹溝
    同士が相互に対向してほぼ重なり合うように固定されて
    いることを特徴とする請求項2記載のホログラム。
  4. 【請求項4】 前記要素ホログラムのレリーフがレジス
    トの凹凸からなることを特徴とする請求項2又は3記載
    のホログラム。
  5. 【請求項5】 前記要素ホログラムのレリーフがガラス
    の凹凸からなることを特徴とする請求項2又は3記載の
    ホログラム。
  6. 【請求項6】 前記要素ホログラムの凹溝間に凸条の屈
    折率と異なる透明媒体が充填されていることを特徴とす
    る請求項2から5の何れか1項記載のホログラム。
  7. 【請求項7】 前記要素ホログラムがレリーフ回折格子
    からなることを特徴とする請求項2から6の何れか1項
    記載のホログラム。
  8. 【請求項8】 干渉縞パターンが同一の2枚の要素レリ
    ーフホログラムを重ねて、光を照射しながら回折光の光
    量が最大となる位置で相互に固定することを特徴とする
    請求項2から7の何れか1項記載のホログラムの作成方
    法。
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