JPH0643510A - 光波長変換素子およびその製造方法 - Google Patents

光波長変換素子およびその製造方法

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JPH0643510A
JPH0643510A JP4217476A JP21747692A JPH0643510A JP H0643510 A JPH0643510 A JP H0643510A JP 4217476 A JP4217476 A JP 4217476A JP 21747692 A JP21747692 A JP 21747692A JP H0643510 A JPH0643510 A JP H0643510A
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conversion element
substrate
nonlinear optical
nonlinear
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JP4217476A
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Takayuki Kato
孝行 加藤
Kiyoshi Takagi
潔 高木
Hiroko Nagasawa
裕子 長澤
Hidetaka Ninomiya
英隆 二宮
Yoshio Takeuchi
良夫 竹内
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光による損傷がなく、光閉じ込めの許容が広
く、ドメインの周期調整の許容が広く、つまり作製許容
度が広く、さらに高出力が得られる波長変換素子を提供
すること。 【構成】 非線形光学結晶が周期構造をもつことによっ
て擬似的に位相を整合させ、入射された基本波を第2次
高調波に変換して出射させる光波長変換素子において、
非線形光学結晶が有機低分子であることを特徴とする光
波長変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光第2高調波発生( S
econd Harmonic Generation 、以下SHGと略す)に用
いられる光波長変換素子及びその製造方法に関し、特
に、光記録・画像処理などの光情報処理、印刷・製板機
用の記録などに用いる小型の短波長光源を得るために用
いられる光波長変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】波長変換素子として、例えば、SHGの
ために必要な位相整合をとる方法としてQPM( Quasi
Phase Matching )を利用したものが知られている。該Q
PMを利用した波長変換素子は、位相整合条件をドメイ
ン反転周期長により設定できるためにSHGの波長幅を
大幅に広げることが可能であり、さらに、非線形光学材
料の表面の一部(数ミクロン)をドメイン反転するだけ
で高効率SHGが実現できる光導波路型SHG素子を作
製できるという特徴がある。
【0003】これらQPMを利用した波長変換素子とし
ては、例えば図5に示したものが提案されている。
【0004】図5において、21はLiTaO3基板、
22は周期的に形成されたドメイン反転領域( Domain-
inverted region )、23は光導波路( Weveguide )
を表す。光導波路23に入射した基本波Pωは波長変換
され、光第2高調波Pが放射される。
【0005】ドメイン反転領域22は、図6に示すよう
に、LiTaO3基板21上に薄いタンタル層24を形
成し、常法により、ドメイン反転領域22を形成させる
領域のタンタル層24を除去し、LiTaO3基板21
を露出させ、LiTaO3基板21の露出部をプロトン
交換し組成を変化させたのち、キューリー温度付近で熱
処理することによって形成される。形成されたドメイン
反転領域の周期長は3.6μmで、その深さは1.6μmであ
る。次いで、プロトン交換とアニール処理により光導波
路23を形成する。光導波路23は幅2μm、深さ1.5μ
m、長さ9mmである。
【0006】上記波長変換素子は、基本波入力が145mW
であるとき、波長433nm,出力15mWのSHGが得られと
されている。[水内公典、山本和久、谷内哲夫“分極反
転LiTaO3−SHG素子の高効率化”平成3年秋季
応用物理学会、11p−ZN−8(1991)]
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光記録・画像処理など
の光情報処理、印刷・製板機用の記録などに用いる小型
の短波長光源を得る等SHGを実用的に利用する場合に
は、数10mWの出力が得られる領域で安定に動作する波長
変換素子が必要であるが、上記のような構成の波長変換
素子では、 ドメイン反転領域形成の周期をサブミクロンオーダ
で制御しなければならない。 基本波パワーを保持するために横方向と縦方向の光
閉じこめを行わなくてはならない。 高出力の光を入射すると光ダメージにより素子が損
傷する。 低出力の光の入射では高出力が得られない。 という欠点を有していた。
【0008】本発明は、上記従来の波長変換素子の有す
る欠点を改善するものであって、ドメイン反転領域形
成の周期設定の許容範囲が広く、光閉じ込めの条件の
許容範囲が広く、光による損傷がなく、高出力が得
られる波長変換素子を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の構成】本発明の上記解決すべき課題は、下記の
構成によって解決することができる。 (1) 非線形光学結晶が周期構造をもつことによって
擬似的に位相を整合させ、入射された基本波を第2次高
調波に変換して出射させる光波長変換素子において、非
線形光学結晶が有機低分子であることを特徴とする光波
長変換素子。 (2) 光波長変換に有機低分子からなる非線形光学結
晶の非線形光学係数の対角成分を使用することを特徴と
する上記(1)記載の光波長変換素子。 (3) 光波長変換に使用する有機低分子の単結晶の誘
電主軸と波長変換素子に入射する光の主要な偏光方向と
のなす角が30度以内であることを特徴とする上記(1)
又は(2)記載の光波長変換素子。 (4) 有機低分子の結晶系が単斜晶系であることを特
徴とする上記(1)〜(3)記載の光波長変換素子。 (5) 線形基板上に無機系材料からなる薄層を周期的
に形成する工程と、該無機系材料の薄層を形成した基板
上に有機低分子からなる非線形光学結晶を形成する工程
と、無機系材料を除去し、線形基板上に周期的に形成さ
れた有機低分子からなる非線形光学結晶を残留させる工
程を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)記載の光
波長変換素子の製造方法。 (6) 無機系材料が塩であることを特徴とする上記
(5)記載の光波長変換素子の製造方法。 (7) 無機系材料が金属であることを特徴とする上記
(5)記載の光波長変換素子の製造方法。 (8) 基板上に凹部を周期的に形成する工程と、該凹
部を形成した基板に線形材料からなる基板を対向して配
置し、形成された間隙に有機低分子からなる非線形光学
結晶を形成する工程と、該基板を取り除き、周期的に形
成された有機低分子からなる非線形光学結晶を有する線
形材料からなる基板を得る工程を含むことを特徴とする
上記(1)〜(4)記載の光波長変換素子の製造方法。 (9) 凹部を周期的に形成した基板上に、クロロシラ
ン系剥離剤の薄膜を形成することを特徴とする上記
(8)記載の光波長変換素子の製造方法。
【0010】本発明の擬似位相整合方式のSHG素子に
おいては、非線形光学材料として低分子の有機非線形光
学材料を用いることが特徴である。低分子の有機材料を
使うことで無機系材料を用いた場合にもたらされる光損
傷が避けられ、高出力の基本波レーザ光を使用すること
が可能になり、変換光の高出力化に有利である。また、
有機低分子材料は2−メチル−4−ニトロアニリン(M
NA)で代表されるように高い非線形光学効果が期待で
き、高出力な変換光が得られる。また、光閉じ込めの条
件の許容範囲が広くなり、ドメイン反転領域形成の周期
設定の許容範囲も広くなるので、波長変換素子の作製に
当っては精度が要求されず、波長変換素子の作製が容易
となり、波長変換素子を安価に製造することができる。
【0011】さらに、本発明の波長変換素子において
は、波長変換に有機低分子の非線形光学定数の成分のう
ち対角成分を使用するのが望ましい。
【0012】2次非線形光学定数(SHG係数)dijk
は3階のテンソル量で2次非線形感受率χijkとはdijk
=χijk/2の関係で結び付けられ、非線形媒質中の非
線形分極Pと基本波の光電場Eωとは次式で表せ
る。
【0013】
【数1】 ここでε0は真空の誘電率である。(通常dijkはそ
の対称性から3×6の行列dijに縮約して表現できる
ので、上式で縮約表現できる。) ところで、分子レベルでの非線形性を最も生かした結晶
は、分極方向と結晶の誘電主軸がそろった、つまり結晶
内分子配列が結晶軸に平行であるものので、この時、非
線形光学係数は、
【0014】
【数2】 の関係がある。(有機非線形光学材料:梅垣真祐:ぶん
しん出版,1990)。
【0015】例えば、波長変換素子として有機低分子を
用いたファイバ型チェレンコフ放射方式SHG素子の場
合は、
【0016】
【数3】 の条件がある。
【0017】この条件式はファイバ型のチェレンコフ放
射方式の位相整合条件を満たし上で、さらに大きなSH
G出力を得る為の条件式である。つまり、理諭上この場
合のSHG光の出力の状態式はちょうど円形開口の回折
像と同じような状態を持つのであるがその1次のピーク
内にあるための条件式である。なお、nG は非線形光
学材料の第2次高調波に対する屈折率でnG ωは非線形
光学材料の基本波に対する屈折率である。λは基本波の
波長、aはコアの半径である。この場合、有機低分子の
屈折率の波長分散特性よって、高い非線形光学係数であ
る対角成分diiを使用し上式を満たすことは難しく、非
対角成分を使用することになる。
【0018】ところが、擬似位相整合方式は位相を打ち
消さないように擬似的に位相整合する方式であるので、
対角成分diiを利用することで、より高い非線形光学効
果が期待できる。
【0019】また、高い非線形光学効果により、基本波
パワーの光閉じ込めの条件をゆるめることが可能にな
る。そのために、波長変換素子作製上の容易性が向上す
る。以下、図7を用いてその作製上の容易性を説明す
る。
【0020】基本波の入射方向を403の方向から40
4の方向、さらに405の方向とすることが可能とな
る。基本波の入射方向を405の方向とした場合、実質
上のドメイン反転周期長は、波長変換素子のドメイン反
転周期長をΛとするとΛ/cosθとなる。このこと
は、ドメイン反転周期長Λを厳密に規定して波長変換素
子が作製されていなくても、基本波の入射方向を角度を
変更することにより位相整合がとりうることを意味して
おり、これは波長変換素子の作製許容度が広くなること
を意味している。なお、図7において、401及び40
2は分極方向が反転した非線形光学結晶を表す。
【0021】以上述べたように、本発明の波長変換素子
では光閉じ込めによる基本波パワーの保持のための条件
がゆるめられるが、高出力の変換光を得るためには横方
向の幅を制限して光閉じ込めを行うことが好ましい。光
閉じ込めのためには、縦方向の非線形光学材料の厚みを
hとした場合、横方向の非線形光学材料の幅Wは、W≦
4.0×hの範囲が好ましく、W≦2.5×hの範囲とするこ
とがさらに好ましい。
【0022】QPM波長変換素子は、有機低分子材料の
誘電主軸のうち高い非線形光学特性を示す誘電主軸に主
要な偏光方向のレーザ光を入れる必要がある。一方、主
要な偏光方向のレーザ光はQPM波長変換素子の導波条
件より制約を受ける。ところが、その誘電主軸は素子作
製上での有機低分子の単結晶成長方向と深くかかわり、
誘電主軸と素子の要求する方向は異なっている場合が多
い。本発明においては、高い非線形光学特性を示す誘電
主軸と主要な偏光方向の入射光とのなす角が30度以内に
あることが好ましく、該角度が30度以内であると高出力
な変換光が得られることがわかった。
【0023】本発明において用いられる非線形光学材料
としては、2−メチル−4−ニトロアニリン(MN
A)、2−アセトアミド−4−ニトロ−N,N−ジメチ
ルアニリン(DAN)、2−アセトアミド−4−ニトロ
−1−ピロリジノベンゼン(PAN)、2−(α−メチ
ルベンジル)アミノ−5−ニトロピリジン(MBA−N
P)、4′−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−
4−メトキシアニリン(MNBA)、3,9−ジニトロ
−5a,6,11a,12−テトラヒドロ−(1,4)
ベンズオキサジノ(3,2−b)(1,4)ベンズオキ
サジン(DNBB)、4−ニトロフェニルカルバミン酸
イソプロピルエステル(PCNB)、3,5−ジメチル
−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール(DMNP)
等が挙げられ、これらの有機非線形光学材料は良好な特
性を有しているが、特に誘電主軸と入射光の関係より、
有機低分子の結晶は単斜晶系が良いことがわかった。中
でも2−メトキシ−5−ニトロフェノール(MNP)が
もっとも高出力な変換光を出力することができ、特に好
ましい。
【0024】非線形光学材料として有機低分子を用いた
場合、結晶の結合や結晶を構成する分子間の結合力が弱
いために、無機系の非線形光学材料では使用できた真空
中での処理や熱による処理をすることができないので、
本発明の波長変換素子は、従来の無機系の非線形光学材
料を使用した波長変換素子と同様の方法では作製するこ
とはできない。
【0025】本発明の波長変換素子は、 (1)線形基板上に無機系材料からなる薄層を周期的に
形成する工程と、該無機系材料の薄層を形成した基板上
に有機低分子からなる非線形光学結晶を形成する工程
と、無機系材料を除去し、線形基板上に周期的に形成さ
れた有機低分子からなる非線形光学結晶を残留させる工
程を含む製造方法。 (2)基板上に凹部を周期的に形成する工程と、該凹部
を形成した基板に線形材料からなる基板を対向して配置
し、形成された間隙に有機低分子からなる非線形光学結
晶を形成する工程と、該基板を取り除き、周期的に形成
された有機低分子からなる非線形光学結晶を有する線形
材料からなる基板を得る工程を含む製造方法。 によって容易に作製することができる。
【0026】以下に、上記(1)及び(2)の製造方法
についてさらに具体的に説明する。
【0027】(1)の製造方法 先ず、線形基板上に無機系材料の薄膜を蒸着法などで形
成し、次いで、一般に用いられているリソグラフィ工程
(レジスト形成、露光、現像、エッチング、レジスト除
去)を用いて、非線形光学結晶を形成させる位置の無機
系材料の薄膜をを除去し、得られた凹所に有機低分子の
非線形光学結晶を形成する。さらに無機系材料の薄膜を
除去し、所望のパターンで非線形光学結晶を形成させた
線形基板を得る。
【0028】また、無機系材料の薄膜を除去するとき、
該除去により有機低分子からなる非線形光学結晶にダメ
ージを与えてはならない。
【0029】薄膜を形成させる無機系材料としては、ア
ルミニウムなどの弱酸、アルカリ水溶液に溶解しやすい
金属が好ましく、塩化ナトリウムなど水溶液に溶解しや
すい塩は非線形光学結晶にダメージを与えることなく溶
解除去することができるので特に好ましい。
【0030】次いで、上記により作製された非線形光学
結晶を形成させた2枚の線形基板を、互いの有機非線形
結晶の凸パターンが入れ子になるように重ね合わせるこ
とにより、有機低分子の非線形光学結晶が、2枚の線形
基板の間に周期構造をもって配列された本発明の光波長
変換素子を得ることができる。
【0031】(2)の製造方法 使用する有機低分子の非線形光学材料が、上記無機系材
料の薄膜の除去のための用いる溶媒に侵される場合に
は、この製造方法を採用することができる。
【0032】先ず、一般に用いられているリソグラフィ
工程(レジスト形成、露光、現像、エッチング、レジス
ト除去)を用いて、基板上の非線形光学結晶を形成させ
る位置に凹部を形成する。次いで、上記基板の凹部を形
成した側に線形基板をある間隙を設けて配置し、形成さ
れた間隙に有機低分子からなる非線形光学結晶を形成
し、該基板を除去し、所望のパターンで非線形光学結晶
を形成させた線形基板を得る。なお、基板の凹部を形成
した側にクロロシラン系剥離剤の薄膜を形成することに
より、線形基板上に有機低分子からなる非線形光学結晶
を歩留りよく形成することができる。
【0033】次いで、上記により作製された非線形光学
結晶を形成させた2枚の線形基板を、互いの有機非線形
結晶の凸パターンが入れ子になるように重ね合わせるこ
とにより、有機低分子の非線形光学結晶が、2枚の線形
基板の間に周期構造をもって配列された本発明の光波長
変換素子を得ることができる。
【0034】上記において、非線形光学結晶の形成に
は、例えば、ブリッジマン法またはゾーンメルト法を用
いることができる。
【0035】
【実施例】図1は本発明の光波長変換素子を説明するた
めの説明図、図2は本発明の光波長変換素子を光導波路
に平行な面で切った断面を説明するための説明図であ
る。
【0036】図1及び図2において、1及び2は線形基
板でガラスもしくは有機高分子(プラスチック)からな
る。線形基板を構成するガラスとしてコーニング7059を
使用することができる。3は導波路を保護するための保
護側板でガラスもしくは有機高分子(プラスチック)か
らなる。5は有機非線形光学結晶層である。6も有機非
線形光学結晶層であるが、図2に矢印で示すように分極
の方向が有機非線形光学結晶層5に対して反転してい
る。7はコヒーレント光源、8は集光レンズ系である。
光は線形基板1及び2によって閉じ込められ、有機非線
形結晶層5及び6中を導波する。
【0037】図1に示された光波長変換素子は、有機低
分子非線形光学結晶層5、6の分極方向が図2に示され
るように周期的に反転しており、光第2高調波を発生す
る非線形分極波の位相が逆向きになっているので、変換
された光は互いに打ち消しあうことなく出力は増大す
る。すなわち、図2で、光導波路に入った基本波は、位
相整合長Lの長さを持った非線形光学結晶層5で高調波
に変換され、次に該非線形光学結晶層5とは分極の方向
が反転している非線形光学結晶層6で位相が逆向きに変
換されるので、それぞれの変換光は互いに強め合い高調
波パワーが発生する。このようにして変換された高調波
パワーはさらに次の非線形光学結晶層で発生した高調波
パワーによって強められることになる。このようにして
パワーを増した高調波は出射部より放射される。
【0038】次に、本発明の波長変換素子の製造方法を
説明する。
【0039】図3に本発明の光波長変換素子の製造方法
の1例を示す。
【0040】図3(a)には、1μmの厚さの無機材料
(塩化ナトリウム)層9を蒸着した線形基板1が示され
ている。
【0041】この線形基板1上の無機材料層9の上に、
レジスト(ポリメチルメタアクリレート:PMMA)を
スピンコートし、約1000Aのレジスト層を形成する。該
レジスト層を、電子線露光装置を用い、幅0.8μmの露光
部が周期1.6μmで並んだ露光部が得られるように露光
し、現像する。次いで、冷水によるエッチングを行い未
露光部の無機材料層9を除去し、さらに、残存するレジ
ストも除去することにより図3(b)に示された幅0.8
μmの無機材料層9が周期1.6μmで形成された線形基板
が得られる。
【0042】次いで、図3(c)に示すように、無機材
料層9によって形成された凹部に、矢印で示される分極
方向を有する有機低分子非線形結晶5を形成する。
【0043】有機低分子非線形結晶5は、例えば図8に
示された方法により形成することができる。
【0044】図8において、31はパイレックスガラス
製の結晶方向制御キャピラリ容器、31aは結晶方向制
御キャピラリ容器31に設けられた種結晶育成部、32
は2−メトキシ−5−ニトロフェノール(MNP)のよ
うな有機低分子非線形光学材料、321はその有機低分
子非線形光学材料の溶融体、322は有機低分子非線形
光学材料の単結晶体、33は図3(b)に示された無機
材料層9が周期的に形成された線形基板と結晶の厚さを
制御するガラスまたはプラスチックから成る補助基板を
張り合わせた構成体、34は構成体33を種結晶育成部
31aの中心軸に対して所定の傾斜角を成すように保持
するセット部材である。なお、該傾斜角は、形成された
有機低分子非線形光学材料の単結晶体の誘電主軸が線形
基板に30度以内になるように選ばれる。
【0045】結晶方向制御キャピラリ容器31に設けら
れた種結晶育成部31aとしては、例えば、長さ3.0m
m、直径0.5mm程度のものが適当であり、結晶方向制御キ
ャピラリ容器31の構成体33をセットする部分は長さ
7.0mm、直径3.0mm程度のものが適当である。
【0046】始め、図9(a)に示すように結晶方向制
御キャピラリ容器31の上部は解放されており、該解放
部から有機低分子非線形光学材料32を投入し、構成体
33及びセット部材34を、構成体33が所定の傾斜角
となり、かつ、その先端が有機低分子非線形光学材料3
2に適当な深さまで沈むようにセットする。構成体33
及びセット部材34の結晶方向制御キャピラリ容器31
へのセットは、先ず、結晶方向制御キャピラリ容器31
にセット部材34を嵌装し、次いでセット部材34の保
持孔へ構成体33を挿入して行ってもよいし、また、予
め構成体33をセット部材34に取り付け、これをセッ
トしてもよい。
【0047】次いで、結晶方向制御キャピラリ容器31
の開放上部に真空ポンプを接続し、結晶方向制御キャピ
ラリ容器31の内部を好ましくは10-4 Torrより高真
空、例えば5×10-6 Torrの高真空にする。その後、窒素
ガスを大気圧近傍まで導入し、結晶方向制御キャピラリ
容器31の上部を溶封する。この状態で結晶方向制御キ
ャピラリ容器31の全体を加熱し、有機低分子非線形光
学材料32を溶融させて溶融体321とし、毛管現象で
構成体33に形成されている間隙に溶融体321を吸い
上げさせる。〔図8(b)〕 この封止した結晶方向制御キャピラリ容器31を例えば
ブリッジマン炉またはゾーンメルト炉に入れて、ブリッ
ジマン法またはゾーンメルト法により、有機低分子非線
形光学材料の単結晶体322を形成させる。
【0048】ブリッジマン法は、例えば、有機低分子非
線形光学材料32として融点104℃の2−メトキシ−5
−ニトロフェノールを用いた場合、ブリッジマン炉とし
て、106℃に保った高温炉及び90℃に保った低温炉を用
い、1時間当り2mmの速度で結晶方向制御キャピラリ容
器31を高温炉から低温炉内に垂直に降下させことによ
って行うことができる。
【0049】結晶方向制御キャピラリ容器31を高温炉
から低温炉内に垂直に降下させると、まず種結晶育成部
31aに有機低分子非線形光学材料の単結晶322が形
成され、次いで該単結晶は成長し、結晶方向制御キャピ
ラリ容器31内の有機低分子非線形光学材料全体が単結
晶となる。このとき、構成体34の間隙の有機低分子非
線形光学材料も同一の結晶軸を有する単結晶となる。
〔図8(c)〕 次に、炉から取り出された結晶方向制御キャピラリ容器
31から保持部材33を除き、単結晶を取り出し、取扱
い上邪魔になる種結晶育成部31aの単結晶体を切り落
して、図8(d)に示した有機低分子非線形単結晶が形
成された構成体33を得る。
【0050】構成体33から補助基板を剥すことによっ
て、図3(c)に示す無機材料層9によって形成された
凹部に有機低分子非線形結晶5が形成された線形基板1
が得られる。
【0051】また、有機低分子非線形結晶5は蒸着等に
より形成することもできる。例えば、有機低分子非線形
結晶5は蒸着により形成した場合、有機低分子非線形結
晶5は図3(c′)に示したように形成される。この場
合、有機低分子非線形結晶5の厚さは無機材料層9の厚
さより薄くなければならない。
【0052】該無機材料層9によって形成された凹部に
有機低分子非線形結晶5が形成された線形基板1から無
機材料(塩化ナトリウム)層9を約5℃冷水にて溶解除
去することによって、図3(d)に示された線形基板1
上に有機低分子非線形結晶5が周期的に形成された線形
基板1が得られる。
【0053】上記方法とまったく同様な方法にて、図3
(d)に示されたと同様の線形基板2上に有機低分子非
線形結晶6が周期的に形成された線形基板2を作製し、
この二つの線形基板1を超精密位置合わせ装置にて、互
いの有機非線形結晶の凸パターンが入れ子になるように
積層することによって、図3(e)に示される線状基板
1及び2の間に分極方向が周期的に反転する有機低分子
非線形結晶5、6が形成された素子が得られる。
【0054】以上のように得られた素子を用いて、図1
に示すような本発明の光波長変換素子が作られる。
【0055】図4は本発明の光波長変換素子の製造方法
の他の例を示すものである。
【0056】ガラス基板にレジスト(ポリメチルメタア
クリレート:PMMA)を塗布し、レジスト層を形成す
る。該レジスト層を電子線露光装置を用いて露光し、現
像する。次にバッファーふっ酸にて深さ1.5μmにエッチ
ングし、レジストを除去し、図4(a)に示す周期的に
凹部が形成されたガラス基板10を得る。
【0057】次いで、該ガラス基板10にクロロシラン
を塗布・乾燥することによって、図4(b)に示すよう
にガラス基板10上にクロロシラン離形剤層11を形成
し、図4(c)に示すようにガラス基板10上に線形基
板1を重ね、ガラス基板10と線形基板1との間に形成
された間隙に、矢印で示される高い非線形光学特性を示
す誘電主軸を有する有機低分子非線形結晶5を形成す
る。有機低分子非線形結晶5は、先に述べた図8に示す
と同様の方法により形成することができる。有機低分子
非線形結晶5を形成した後、ガラス基板10を剥すこと
によって、図4(d)に示された線形基板1上に有機低
分子非線形結晶5が周期的に形成された線形基板1が得
られる。
【0058】上記方法とまったく同様な方法にて、図4
(d)に示されたと同様の線形基板2上に有機低分子非
線形結晶6が周期的に形成された線形基板2を作製し、
この二つの線形基板1及び2を超精密位置合わせ装置に
て、互いの有機非線形結晶の凸パターンが入れ子になる
ように積層することによって、図4(e)に示される線
状基板1及び2の間に分極方向が周期的に反転する有機
低分子非線形結晶5、6が形成された素子が得られる。
【0059】以上のように得られた素子を用いて、図1
に示すような本発明の光波長変換素子が作られる。
【0060】
【発明の効果】本発明の波長変換素子は、ドメイン反転
領域形成の周期設定の許容範囲が広く、かつ、光閉じ込
めの条件の許容範囲が広いため製造が容易であり、ま
た、光による損傷がなく、高出力を得ることができる。
また、光第2高調波発生に非線形光学定数成分の対角成
分を使用することによって、さらに光閉じ込めの許容が
広くなり、ドメインの周期調整の許容が広くなるととも
に高出力な光変換光が得られようになる。この効果は、
有機低分子非線形光学材料の結晶軸方向と光軸方向のな
す角を30度以内としたとき、有機低分子非線形光学材料
の結晶系として単斜晶系を用いた時にさらに優れたもの
となる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の光波長変換素子を説明するための説明
図、図2は本発明の光波長変換素子を光導波路に平行な
面で切った断面を説明するための説明図である。
【図1】本発明の光波長変換素子を説明するための説明
図である。
【図2】本発明の光波長変換素子を光導波路に平行な面
で切った断面を説明するための説明図である。
【図3】本発明の光波長変換素子の製造方法を説明する
説明図である。
【図4】本発明の光波長変換素子の他の製造方法を説明
する説明図である。
【図5】従来提案されたQPMを利用した波長変換素子
の説明図である。
【図6】図5に示された波長変換素子の製造方法を示す
説明図である。
【図7】本発明の光波長変換素子において、ドメイン反
転周期長が厳密に作製されていなくてもよいことを説明
する説明図である。
【図8】有機低分子非線形結晶を形成する方法を説明す
る説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 二宮 英隆 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 竹内 良夫 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶が周期構造をもつことに
    よって擬似的に位相を整合させ、入射された基本波を第
    2次高調波に変換して出射させる光波長変換素子におい
    て、非線形光学結晶が有機低分子であることを特徴とす
    る光波長変換素子。
  2. 【請求項2】 光波長変換に有機低分子からなる非線形
    光学結晶の非線形光学係数の対角成分を使用することを
    特徴とする請求項1記載の光波長変換素子。
  3. 【請求項3】 光波長変換に使用する有機低分子の単結
    晶の誘電主軸と波長変換素子に入射する光の主要な偏光
    方向とのなす角が30度以内であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の光波長変換素子。
  4. 【請求項4】 有機低分子の結晶系が単斜晶系であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載の光波長変換素子。
  5. 【請求項5】 線形基板上に無機系材料からなる薄層を
    周期的に形成する工程と、該無機系材料の薄層を形成し
    た基板上に有機低分子からなる非線形光学結晶を形成す
    る工程と、無機系材料を除去し、線形基板上に周期的に
    形成された有機低分子からなる非線形光学結晶を残留さ
    せる工程を含むことを特徴とする請求項1〜4記載の光
    波長変換素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 無機系材料が塩であることを特徴とする
    請求項5記載の光波長変換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 無機系材料が金属であることを特徴とす
    る請求項5記載の光波長変換素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上に凹部を周期的に形成する工程
    と、該凹部を形成した基板に線形材料からなる基板を対
    向して配置し、形成された間隙に有機低分子からなる非
    線形光学結晶を形成する工程と、該基板を取り除き、周
    期的に形成された有機低分子からなる非線形光学結晶を
    有する線形材料からなる基板を得る工程を含むことを特
    徴とする請求項1〜4記載の光波長変換素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 凹部を周期的に形成した基板上に、クロ
    ロシラン系剥離剤の薄膜を形成することを特徴とする請
    求項8記載の光波長変換素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001332711A (ja) * 2000-05-18 2001-11-30 Sony Corp 固体撮像素子及びその製造方法
US6729541B1 (en) 1998-07-01 2004-05-04 Nippon Telegraph & Telephone Corporation Information reading apparatus and information recording medium

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US6729541B1 (en) 1998-07-01 2004-05-04 Nippon Telegraph & Telephone Corporation Information reading apparatus and information recording medium
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