JPH0643475U - ねじ込み式フランジ管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 雌ねじ付き受け口１１の一端にフランジ１２
を設け、フランジ１２に背向して内鍔１３を設けたねじ
込み式フランジ管継手本体１の内部に合成樹脂製ライナ
ー２を設け、ライナー２は筒状部２１の一端に鍔部２２
を設けたものであって、ライナー２の筒状部２１を管継
手本体１の雌ねじ付き受け口１１内に嵌合し、ライナー
２の鍔部２２を管継手本体１のフランジ外面の切欠部１
５に嵌合し、ライナー２の筒状部２１にその周囲の方向
に開口する環状溝２１３を設け、環状溝２１３内に管継
手本体１の内鍔１３を挿入嵌合したねじ込み式フランジ
管継手において、ライナー２の鍔部内面に設けた凹部２
２１に管継手本体１のフランジ外面の切欠部１５に突設
した凸部１５１を挿入嵌合した。 【効果】 ライナー２の鍔部内面に設けた凹部２２１に
本体１のフランジ外面の切欠部１５に突設した凸部１５
１を挿入嵌合したので、両者の係合によりライナー２が
本体１から剥離しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はねじ込み式フランジ管継手に関し、特に、内部に合成樹脂製ライナー が設けられたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ねじ込み式フランジ管継手は、例えば実開平１−１１４９４号公報にも 記載されているように、鋳鉄製管継手本体が腐食しないように管継手本体内部に 合成樹脂製ライナーが設けられている。

【０００３】 このように管継手本体内部に合成樹脂製ライナーが設けられている従来のねじ 込み式フランジ管継手は、図６に示されるように、ライナー２は筒状部２１の一 端に鍔部２２が設けられたものであり、ライナー２の筒状部２１は本体１の受け 口１１内に嵌合され、ライナー２の筒状部２１には側方に開口する溝２１１が設 けられ、ライナー２の鍔部２２は管継手本体１のフランジ１２の外面の切欠部１ ５に嵌合されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のねじ込み式フランジ管継手においては、管継手本体１の受け 口１１内に管３を矢印ａで示す方向にねじ込んで行くと、管３のねじ込みに従い ライナー２の筒状部２１を管継手本体１の受け口１１から矢印ｂで示す方向に剥 離する力が働き、その結果、長期間使用するとライナー２が管継手本体１から剥 離し、ライナー２の役目を果たさず防食継手の効果がなくなる。

【０００５】 本考案は、従来のねじ込み式フランジ管継手におけるこのような問題点に着目 してなされたものであり、その目的とするところは、上記の問題を解決し、長期 間の使用によっても、合成樹脂製ライナーが管継手本体から剥離する恐れのない ねじ込み式フランジ管継手を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案ねじ込み式フランジ管継手は、 雌ねじ付き受け口の一端にフランジが設けられ、フランジに背向して内鍔が設け られたねじ込み式フランジ管継手本体の内部に合成樹脂製ライナーが設けられ、 ライナーは筒状部の一端に鍔部が設けられたものであり、ライナーの筒状部は受 け口内に嵌合され、ライナーの鍔部は管継手本体のフランジ外面の切欠部に嵌合 され、ライナーの筒状部にその周囲の方向に開口する環状溝が設けられ、管継手 本体の内鍔がライナーの環状溝に挿入嵌合されたねじ込み式フランジ管継手にお いて、ライナーの鍔部内面及びこれと当接する管継手本体の切欠部外面の一方に 凹部が設けられ、他方に凹部と嵌合する凸部が設けられていることを特徴とする ものである。

【０００７】 本考案において、ライナーの材質としては、硬質塩化ビニル樹脂、硬質塩素化 塩化ビニル樹脂、架橋ポリエチレン等の合成樹脂が使用される。

【０００８】

【作用】

本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、ライナーの鍔部内面及びこれと 当接する管継手本体の切欠部外面の一方に凹部が設けられ、他方に凹部と嵌合す る凸部が設けられているので、ライナーの鍔部内面及びこれと当接する管継手本 体の切欠部外面の一方に設けられた凹部と、他方に設けられて凸部とが相互に係 合する結果、管継手本体の受け口内に管をねじ込んでもライナーの筒状部が管継 手本体の受け口から剥離しない。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。 図１は、本考案ねじ込み式フランジ管継手の一例を示す上半部切欠正面図であ る。

【００１０】 図１において、１は鋳鉄製管継手本体であり、この管継手本体１には筒状受け 口１１の一端にフランジ１２が設けられ、フランジ１２に背向して内鍔１３が設 けられ、筒状受け口１１の内面には雌ねじ１４が設けられている。

【００１１】 ２は鋳鉄製管継手本体１の内部に設けられた硬質塩化ビニル樹脂製ライナーで あり、ライナー２は筒状部２１の一端に鍔部２２が設けられたものであり、ライ ナー２の筒状部２１は管継手本体１の受け口１１内に嵌合され、ライナー２の筒 状部２１には側方に開口する環状溝２１１が設けられ、環状溝２１１の内壁面に は管継手本体１の受け口１１に設けられた雌ねじ１４と連続した雌ねじ２１２が 設けられている。

【００１２】 ライナー２の鍔部２２は管継手本体１のフランジ１２の外面の切欠部１５に嵌 合されている。

【００１３】 ライナー２の筒状部２１に筒状部２１の周囲の方向に開口する環状溝２１３が 設けられ、環状溝２１３内に管継手本体１の内鍔１３が挿入嵌合されている。

【００１４】 ライナー２の鍔部２２の内面には環状凹部２２１が設けられ、この凹部２２１ 内に管継手本体１の切欠部１５の外面に突設された環状凸部１５１が挿入嵌合さ れている。

【００１５】 又、ライナー２の鍔部２２の内面と対向する環状溝２１３の側面には凹部２１ ４が設けられ、この凹部２１４内に管継手本体１の内鍔１３の内面に突設された 凸部１３１が挿入嵌合され相互に係合されている。

【００１６】 尚、このような本考案ねじ込み式フランジ管継手を製作するには、射出成形用 金型内に管継手本体１をセットし、硬質塩化ビニル樹脂を射出成形用金型内に射 出成形する所謂インサート成形することにより硬質塩化ビニル樹脂製のライナー ２が設けられたねじ込み式フランジ管継手が得られる。

【００１７】 尚、又、２４はライナー２の鍔部２２の外面内方に設けられた面取り部であり 、図示しない蝶形弁と接続したときに蝶形弁が当たらないようになっている。

【００１８】 このような本考案ねじ込み式フランジ管継手について、９５℃から２０℃の間 を１サイクル５分間間隔で加熱冷却を繰り返したところ、１５０００サイクルの 加熱冷却を繰り返しても本体１からライナー２の剥離は見られなかった。

【００１９】 これに対し、図６に示す従来品については、５００サイクルで本体１からライ ナー２の剥離が見られた。

【００２０】 図２、図３には、本考案ねじ込み式フランジ管継手の他の一例が示され、図２ は、上半部切欠正面図、図３は、その側面図である。

【００２１】 図２、図３に示す本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、ライナー２ａ の鍔部２２ａに貫通された凹部２１４ａが設けられ、凹部２１４ａ内に管継手本 体１ａの内鍔１３ａの外面に突設された凸部１３１ａが挿入嵌合され相互に係合 されている。

【００２２】 図４は、本考案ねじ込み式フランジ管継手の更に他の一例を示す上半部切欠正 面図である。

【００２３】 図４に示す本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、管継手本体１ｂのフ ランジ外面の切欠部１５ｂに設けられた環状凹部１５２ｂ内にライナー２ｂの鍔 部２２ｂの内面に突設された環状凸部２２５ｂが挿入嵌合され相互に係合されて いる。

【００２４】 図５は、本考案ねじ込み式フランジ管継手の更に他の一例を示す上半部断面図 である。

【００２５】 図５に示す本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、管継手本体１ｃのフ ランジ外面の切欠部１５に設けられた環状凹部１５２ｃ内にライナー２ｃの鍔部 ２２ｃの内面に突設された環状凸部２２５ｃが挿入嵌合され相互に係合されてい る。

【００２６】 更に、図５に示す本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、ライナー２ｃ の鍔部２２ｃの内面と対向する環状溝２１３ｃの側面は、ライナー２ｃの中心軸 の垂直面に対し、角度θ＝５〜３０度の勾配が付されて環状溝２１３ｃは奥広が りとなされ、この環状溝２１３ｃに挿入嵌合される管継手本体１ｃの内鍔１３ｃ の内面が管継手本体１ｃの中心軸の垂直面に対し、角度θ＝５〜３０度の勾配が 付されて先太となされることにより、ライナー２ｃの環状溝２１３ｃ内に管継手 本体１ｃの内鍔１３ｃが強固に挿入嵌合されるようになっている。

【００２７】 尚、管継手本体１ｃの内鍔１３ｃの内径Ｄはライナー２ｃの筒状部２１ｃの側 方に開口する溝２１１ｃの最大内径ｄ₂ よりも小さく最小外径ｄ₁ よりも大きく なされている。即ち、管継手本体１ｃの内鍔１３ｃの内径Ｄが溝２１１ｃの最大 内径ｄ₂ よりも大きいとき、つまり、内鍔１３ｃの半径方向の長さが短いときは 、溝２１１ｃ内に管をねじ込んだときに管の推力によりライナー２ｃが破壊され 易く、逆に、管継手本体１ｃの内鍔１３ｃの内径Ｄが溝２１１ｃの最小外径ｄ₁ よりも小さく内鍔１３ｃの長さが過大であるときは、ライナー２ｃの環状溝２１ ３ｃの底部の肉の厚さが過少となり、そこから破損する恐れが生じる。

【００２８】

【考案の効果】

本考案ねじ込み式フランジ管継手においては、ライナーの鍔部内面及びこれと 当接する管継手本体の切欠部外面の一方に凹部が設けられ、他方に凹部と嵌合す る凸部が設けられているので、ライナーの鍔部内面及びこれと当接する管継手本 体の切欠部外面の一方に設けられた凹部と、他方に設けられて凸部とが相互に係 合する結果、管継手本体の受け口内に管をねじ込んでもライナーの筒状部が管継 手本体の受け口から剥離しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案ねじ込み式フランジ管継手の一例を示す
上半部切欠正面図。

【図２】本考案ねじ込み式フランジ管継手の他の一例を
示す上半部切欠正面図。

【図３】図３に示す本考案ねじ込み式フランジ管継手の
側面図。

【図４】本考案ねじ込み式フランジ管継手の更に他の一
例を示す上半部切欠正面図。

【図５】本考案ねじ込み式フランジ管継手の更に他の一
例の上半部のみの断面図。

【図６】従来品を示す上半部切欠正面図。

【符号の説明】

１、１ａ、１ｂ、１ｃ 管継手本体 １１ 受け口 １２ フランジ １３、１３ａ、１３ｃ 内鍔 １３１、１３１ａ 凸部 １４ 雌ねじ １５、15b 、１５ｃ 切欠部 １５１ 凸部 １５２ｂ、１５２ｃ 凹部 ２、２ａ、２ｂ、２ｃ ライナー ２１、２１ｃ 筒状部 ２１１、２１１ｃ 環状溝 ２１３、２１３ａ、２１３ｃ 環状溝 ２１４、２１４ａ 凹部 ２２、２２ａ、２２ｂ 鍔部 ２２１ 凹部 ２２５ｂ、２２５ｃ 凸部 ３ 管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雌ねじ付き受け口の一端にフランジが設
   けられ、フランジに背向して内鍔が設けられたねじ込み
   式フランジ管継手本体の内部に合成樹脂製ライナーが設
   けられ、ライナーは筒状部の一端に鍔部が設けられたも
   のであり、ライナーの筒状部は受け口内に嵌合され、ラ
   イナーの鍔部は管継手本体のフランジ外面の切欠部に嵌
   合され、ライナーの筒状部にその周囲の方向に開口する
   環状溝が設けられ、管継手本体の内鍔がライナーの環状
   溝に挿入嵌合されたねじ込み式フランジ管継手におい
   て、ライナーの鍔部内面及びこれと当接する管継手本体
   の切欠部外面の一方に凹部が設けられ、他方に凹部と嵌
   合する凸部が設けられていることを特徴とするねじ込み
   式フランジ管継手。