JPH0643456B2 - N−(ヒドロキシフエニル)マレイミド共重合体の製法 - Google Patents

N−(ヒドロキシフエニル)マレイミド共重合体の製法

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JPH0643456B2
JPH0643456B2 JP9266286A JP9266286A JPH0643456B2 JP H0643456 B2 JPH0643456 B2 JP H0643456B2 JP 9266286 A JP9266286 A JP 9266286A JP 9266286 A JP9266286 A JP 9266286A JP H0643456 B2 JPH0643456 B2 JP H0643456B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重
合体の製法、詳しくは、無水マレイン酸と不飽和炭化水
素化合物とを共重合して得られた共重合体と、アミノフ
ェノール、及びアルカリ水溶液に対する溶解性を付与す
る基を有していない一級アミンとを有機溶媒中で反応さ
せて、上記共重合体を変性させることにより、N−(ヒ
ドロキシフェニル)マレイミド共重合体を製造する方法
に関するものである。
本発明の製法で得られるN−(ヒドロキシフェニル)マ
レイミド共重合体は、ジメチルホルムアミド、シクロヘ
キサノン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなど
の有機溶媒に化溶であるため、薄膜コーティング樹脂と
して有用であり、またフェノール性水酸基を有すること
からアルカリ水溶液に化溶であるため、感光性樹脂等の
ベースポリマーとして有用であり、さらに耐熱性樹脂と
しての広範囲な用途に利用することができる。
〔従来の技術〕
N−(ヒドロキシフェニル)マレイミドを一成分とする
共重合体の製法としては、高分子化学、第26巻598
頁(1969年)に、水酸基がエステル化されたマレイ
ミドを経てエステル交換反応により合成したN−(p−
ヒドロキシフェニル)マレイミドモノマ−とスチレンと
を共重合して、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイ
ミドに基づく構成単位がやや多いN−(p−ヒドロキシ
フェニル)マレイミド−スチレン共重合体を合成する方
法が示され、また、第7回フォトポリマーコンファレン
ス(SPE主催、於Ellenville,N.Y.)予稿集35頁
(1985年)に、パラ位の水酸基がエステル化された
N−(p−アセトキシフェニル)マレイミドモノマ−と
スチレンとを共重合し、その後、エステル交換反応す
る、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド−スチ
レン共重合体(組成比1:1)の合成法が示されてい
る。
上記の従来公知のN−(p−ヒドロキシフェニル)マレ
イミド−スチレン共重合体の製法においては、モノマー
又はポリマーの段階でエステル化された水酸基をエステ
ル交換反応により水酸基にもどす工程が必要であるが、
それは、通常のイミド化合物の製法のみでは、上記のN
−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドモノマ−など
のように水酸基を有するイミド化合物を製造することが
できないためである。
一般に、イミド化合物の製法としては、触媒としてピリ
ジン、トリエチルアミン、酢酸ナトリウムなどの塩基、
及び脱水剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安
息香酸などの酸無水物を用いて、アミノ化合物と無水マ
レイン酸などの酸無水物とを反応させる方法がよく知ら
れているが、この方法を、例えばアミノフェノールと無
水マレイン酸とのマレイミドモノマ−の製造に適用する
と、アミノフェノールの水酸基がエステル化され、水酸
基を有するイミド化合物を製造することができない。
そこで、従来公知のN−(p−ヒドロキシフェニル)マ
レイミド−スチレン共重合体の製法においては、モノマ
ー又はポリマーの段階でエステル化された水酸基をエス
テル交換反応により水酸基にもどすために、通常、例え
ばベルギー特許第613801号明細書に開示されてい
る如き、水酸基がエステル化されたマレイミドのエステ
ル交換反応の方法が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の従来公知のN−(p−ヒドロキシフェニル)マレ
イミド−スチレン共重合体の製法は、前述した如くモノ
マー又はポリマーの段階でエステル化された水酸基をエ
ステル交換反応により水酸基にもどす工程が必要であ
り、このエステル交換反応に長時間を要するため、経済
性等の点から工業的に非常に不利な方法であり、しか
も、アミノフェノールと無水マレイン酸とからマレイミ
ドモノマ−を製造する際に無水マレイン酸の不飽和二重
結合がアミノフェノールにより攻撃されるため、該マレ
イミドモノマ−とスチレン共重合体を高収率で合成する
ことができないなどの問題がある。
従って、本発明の目的は、N−(p−ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体をエステル交換反応工程を経ず
に水酸基を保持したまま極めて容易に、しかも高収率で
合成することができる、N−(p−ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体の製法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前記目的を、無水マレイン酸と不飽和炭化水
素化合物との共重合体と、アミノフェノール、及びアル
カリ水溶液に対する溶解性を付与する基を有していない
一級アミンとを有機溶媒中で反応させて、 式(I) 式(II) 式(III) 及び式(IV) 〔式中、R1及びR2はアリール基、1〜16個の炭素原
子を有するアルキル基又はシクロアルキル基であり、R
3は水素又は低級アルキル基である。また、l、m、n
及びpはそれぞれ式(I)、式(II)、式(III)及び
式(IV)の繰り返し単位数(整数)であり、pと、(l
+m+n)との割合、(l+m)と(l+m+n)との
割合、及びlと(l+m)との割合は、それぞれ 好ましくは 及び である。〕 で示される構成単位を有するN−(ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体を得ることを特徴とするN−
(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体の製法を提
供することにより達成したものである。
以下に本発明のN−(ヒドロキシフェニル)マレイミド
共重合体の製法について詳述する。
本発明の製法で用いられる無水マレイン酸と不飽和炭化
水素化合物との共重合体(以下、無水マレイン酸共重合
体という)は、 式(V) 及び式(VI) 式中、R2はアリール基、1〜16個の炭素原子を有す
るアルキル基又はシクロアルキル基であり、R3は水素
又は低級アルキル基である。また、a及びbはそれぞれ
式(V)、及び式(VI)の繰り返し単位数(整数)であ
り、aとbとの割合は、 好ましくは である。) で示される構成単位を有する共重合体であり、適当な上
記不飽和炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、
α−メチルセチレン、ビニルナフタレン、イソブチレ
ン、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、ビニルシク
ロヘキサンなどを挙げることができる。
上記無水マレイン酸共重合体において、上記式(V)で
示される構成単位と上記式(VI)で示される構成単位と
の割合(b/a)は、目的とするN−(ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド共重合体における前記式(I)、(I
I)、及び(III)でそれぞれ示される構成単位と前記式
(IV)で示される構成単位との割合〔p/(l+m+
n)〕と同一である。この割合が10を超えると、不飽
和炭化水素化合物のホモポリマーと殆ど変わらない性質
となり、耐熱性がなく、また感光性ポリマーのベースポ
リマーとしても使用できないようなN−(ヒドロキシフ
ェニル)マレイミド共重合体しか製造できないので適当
ではない。また、上記b/aの割合が余り小さくなる
と、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体の
被膜が弱くなったり脆くなったりするので適当ではな
い。
また、上記無水マレイン酸共重合体としては、数平均分
子量(▲▼)が、1,000〜500,000のものを用いるこ
とが好ましい。
また、本発明の製法で用いられるアミノフェノールとし
ては、例えば、o−アミノフェノール、m−アミノフェ
ノール、p−アミノフェノールなどを挙げることができ
る。
また、本発明の製法で用いられる一級アミンとしては、
水酸基やカルボキシル基などのアルカリ水溶液に対する
溶解性を付与する基を有していない一級アミンであれば
良く、例えば、o−アミノトルエン、m−アミノトルエ
ン、p−アミノトルエン、2,3−キシリジン、2,4
−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジ
ン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、アミノ
エチルベンゼン、アミノイソプロピルベンゼン、アミノ
−t−ブチルベンゼンなどの芳香族一級アミン、メチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン
などの脂肪族一級アミン及びシクロヘキシルアミンなど
の脂環式一級アミンを挙げることができる。
前記無水マレイン酸共重合体と、前記アミノフェノール
及び前記一級アミンとの使用比率は、無水マレイン酸共
重合体中の無水マレイン酸成分〔前記式(V)で示され
る構成単位〕1モルに対して、好ましくはアミノフェノ
ール及び一級アミンとの合計が2モル以下、さらに好ま
しくは1.5モル以下である。
また、前記アミノフェノールと前記一級アミンとの使用
比率は、前者1モルに対して、好ましくは後者0.05〜4
モル、さらに好ましくは0.1〜2モルである。
また、本発明で反応溶媒として用いられる有機溶媒とし
ては、種々の極性溶媒を使用することができ、具体的に
はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−
メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホルアミ
ド、シクロヘキサノンなどを挙げることができる。
上記有機溶媒の使用量は、用いる無水マレイン酸共重合
体の分子量や溶媒への溶解性などにより異なるが、無水
マレイン酸共重合体10gに対して、通常10〜200
ml、好ましくは20〜100mlである。
而して、本発明の製法の好ましい実施態様としては、例
えば、 (1)無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及び一
級アミンとをジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中、
0〜150℃、好ましくは10〜100℃での反応温度
で1〜20時間反応させて、無水マレイン酸成分の一部
または全部をマレアミック酸成分に変化させた後、三級
アミン触媒を添加し、さらに環化脱水で生成した水を除
去するためのトルエン、キシレンなどの共沸溶媒を添加
し、80〜200℃、好ましくは100〜150℃の反
応温度で1〜20時間環化脱水反応して、N−(ヒドロ
キシフェニル)マレイミド共重合体を得る方法、 (2)無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及び一
級アミンとをジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中、
三級アミン触媒の存在下0〜150℃、好ましくは10
〜100℃の反応温度で1〜20時間反応させ、次いで
トルエン、キシレンなどの共沸溶媒を添加し、80〜2
00℃、好ましくは100℃〜150℃の反応温度で1
〜20時間反応させて、無水マレイン酸成分の一部また
は全部を、マレアミック酸を経て環化脱水反応して、N
−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体を得る方
法、及び、 (3)無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及び一
級アミンとをジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中、
三級アミン触媒とトルエン、キシレンなどの共沸溶媒の
存在下80〜200℃、好ましくは100℃〜150℃
の反応温度で1〜20時間反応させて無水マレイン酸成
分の一部または全部を、マレアミック酸を経て環化脱水
反応して、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重
合体を得る方法 などを挙げることができる。
なお、上記実施態様(1)〜(3)のいずれの方法において
も、環化脱水反応時、共沸溶媒を使用せず100〜20
0℃の反応温度で生成した水を除去することができ、ま
た窒素ガスの流通により効果的に脱水反応を行うことが
できる。
上記の無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及び
一級アミンとの反応において使用される三級アミン触媒
としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロ
ピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−i−ブチ
ルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキ
シルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ピリジン、N
−エチルモルホリン、N−ジメチルベンジルアミン、イ
ソキノリンなどを挙げることができる。
これらの三級アミン触媒の使用量は、無水マレイン酸共
重合体中の無水マレイン酸成分1モルに対して、0.01〜
2モル、特に0.1〜1モルとすることが好ましい。
また、上記の環化脱水反応において生成した水を除去す
るために使用される共沸溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどを挙げることができる。
これらの共沸溶媒の使用量は、無水マレイン酸共重合体
中の無水マレイン酸成分とアミノフェノール及び一級ア
ミンとが反応して生成したマレアミック酸成分1モルか
ら水1モルが生成するため、該生成水を共沸除去するに
足る量であればよく、通常、共沸除去された水と分離
し、還流して使用することが好ましく、反応溶媒と共沸
溶媒の容積比は好ましくは1:1以下、さらに好ましく
は1:0.5以下である。
上記共沸溶媒は、反応の進行に合わせて必要量を数回に
分割添加するか、水を共沸除去しながら還流させればよ
い。
本発明の製法において、前記実施態様(1)及び(2)の場合
のように無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及
び一級アミンとの反応を2段階で行う場合、無水マレイ
ン酸共重合体とアミノフェノール及び一級アミンとの反
応によりマレアミック酸の共重合体を生成する第1段目
の反応の反応温度は、0〜150℃の範囲、特に10〜
100℃の範囲にするのが好ましい。0℃未満では反応
速度が極めて小さく、ほとんど反応は進行せず、また1
50℃を超えると、一部生成したマレアミック酸の環化
脱水により生じた水が未反応の無水環と反応しやすく、
また水酸基による副反応も生じやすく、好ましくない。
また、マレアミック酸の共重合体を環化脱水する第2段
目の反応の反応温度、及び前記実施態様(3)の場合のよ
うに無水マレイン酸共重合体とアミノフェノール及び一
級アミンとの反応を三級アミンと脱水のための共沸溶媒
の存在下に1段階で行う場合の反応温度は、それぞれ、
80〜200℃の範囲、特に100〜150℃の範囲に
するのが好ましい。80℃未満では反応速度が極めて小
さく、ほとんど反応は進まず、また200℃を超える
と、水酸基による副反応や分子間反応が生じやすく好ま
しくない。
また、本発明の製法において、無水マレイン酸共重合体
とアミノフェノール及び一級アミンとの反応時間は、反
応温度、アミノフェノール及び一級アミンの使用量、及
び目的とする反応率〔無水マレイン酸共重合体中の無水
マレイン酸成分のマレイミドへの変性率〕などにより異
なるが、通常、マレアミック酸の共重合体を生成する第
1段目の反応では1〜20時間、該共重合体を環化脱水
反応する第2段目の反応では1〜20時間とするとよ
い。
また、三級アミンと共沸溶媒の存在下、1段で反応を行
う場合の反応時間は、通常、1〜20時間とするとよ
い。
本発明の製法において、目的とするN−(ヒドロキシフ
ェニル)マレイミド共重合体中の、前記式(I)で示さ
れる構成単位の割合及び前記式(II)で示される構成単
位の割合のコントロールは、アミノフェノール及び一級
アミンの使用量、反応温度及び反応時間を適宜選択する
ことによって容易に行うことができる。
反応終了後、反応溶液からのN−(ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体の回収は、例えば、水やエーテ
ル類などの不活性溶剤を用いてポリマーを析出させるこ
とにより容易に行うことができる。
上述の如くして得られる本発明のN−(ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド共重合体は、ジメチホルムアミド、シ
クロヘキサノン、テトラヒドロフラン、エチルセロソル
ブなどの有機溶媒に可溶であるため、薄膜コーティング
樹脂として有用であり、またフェノール性水酸基を有す
ることからアルカリ水溶液に可溶であるため、感光性樹
脂等のベースポリマーとして有用であり、さらに耐熱性
樹脂としての広範囲な用途に利用することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説
明する。なお、下記の実施例において、無水マレイン酸
共重合体中の無水マレイン酸成分のマレイミドへの変性
率は、元素分析の窒素含量より求め、無水マレイン酸共
重合体中の無水マレイン酸成分に対する割合 で示した。
また、N−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体
における前記式(I)で示される構成単位()と前記
式(II)で示される構成単位(m)との割合は、プロト
ンNMRより求め、/mで示した。また、赤外吸収ス
ペクトルはKBr錠剤法により、数平均分子量(▲
▼)はテトラヒドロフランを溶媒としてGPC法によ
り、標準ポリスチレンの検量線により求めたポリスチレ
ン換算の値である。また、ガラス転移温度(Tg)はデュ
ポン990熱分析装置DSCにより測定した。
実施例1 攪拌機、温度計、水分定量受器及び窒素導入管を備えた
200ml容量の4つ口フラスコに無水マレイン酸−イソ
ブチレン共重合体(共重合比1:1、クラレイソプレン
ケミカル社製の商品名イソバン−04)10gと脱水ジ
メチルホルムアミド50mlを入れ、撹拌して溶解した
後、アニリン3.02gとp−アミノフェノール3.57gを添
加して溶解させ、第1段反応として80℃で撹拌下に3
時間反応させ、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレア
ミック酸及びN−フェニルマレアミック酸共重合体を生
成した。次いで、第2段反応として、トリ−n−ブチル
アミン7gと15mlを加え、140℃で窒素ガスを通じ
ながら環化脱水反応で生じた水をトルエンと共沸させて
反応系外へ取り出しながら1時間後にトルエン10mlを
添加しその後は水分定量受器からオーバーフローするこ
とによりトルエンを還流させて、環化脱水反応を4時間
行った。
反応終了後、溶液の温度を40℃以下に冷却してから、
エチルエーテル300ml中へ添加し、ポリマーを析出さ
せた。静置後、上澄を除去し、析出したポリマーをエチ
ルエーテル200mlで洗浄後、THF150mlに溶解
し、次いで該溶液をエチルエーテル700ml中に徐々に
滴下して粉末状のポリマーを析出させた。次いで、該ポ
リマーを口別し再度THF−エチルエーテルによる溶
解、析出精製を行い、100℃で24時間真空乾燥さ
せ、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド−N−
フェニルマレイミド−イソブチレン共重合体を得た。
ポリマー収量は12.2gであり、元素分析値は、C=68.2
4%,H=6.86%,N=4.86%であり、無水マレイン酸
−イソブチレン共重合体の無水マレイン酸成分の80%
がイミド成分に変性されていた。また、N−(p−ヒド
ロキシフェニル)マレイミド成分とN−フェニルマレイ
ミド成分との割合(l/m)は60/40であった。ま
た、▲▼は33,800、Tgは215℃であっ
た。また、赤外吸収スペクトルは第1図に示した。
実施例2〜4 p−アミノフェノールとアニリンの使用量を下記表1に
示す量とした以外は実施例1と同様の方法によりN−
(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド−N−フェニル
マレイミド−イソブチレン共重合体を得た。これらの共
重合体の収量及び各種物性の測定結果を下記表1に示し
た。
実施例5 無水マレイン酸−イソブチレン共重合体(イソバン−0
4)10gの代わりに無水マレイン酸−スチレン共重合
体(共重合比1:1、川原油化社製の商品名SMA−1
000)13.1gを用いた以外は実施例1と同様の方法に
よりN−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド−N−
フェニルマレイミド−スチレン共重合体を得た。
ポリマー収量は15.8gであり、元素分析値は、C=75.0
9%,H=5.84%,N=4.53%であり、無水マレイン酸
−スチレン共重合体の無水マレイン酸成分の93%がイ
ミド成分に変性されていた。また、N−(p−ヒドロキ
シフェニル)マレイミド成分とN−フェニルマレイミド
成分との割合(l/m)は50/50であった。また、
▲▼は4,070、Tgは192℃であった。また、赤
外吸収スペクトルは第2図に示した。
実施例6 アニリン3.02gを代わりにp−アミノトルエン3.47gを
用いた以外は実施例1と同様の方法によりN−(p−ヒ
ドロキシフェニル)マレイミド−N−(p−メチルフェ
ニル)マレイミド−イソブチレン共重合体(白色ポリマ
ー)を得た。
ポリマー収量は12.7gであり、元素分析値は、C=70.8
8%,H=6.80%,N=5.45%であり、無水マレイン酸
−イソブチレン共重合体の無水マレイン酸成分の92%
がイミド成分に変性されていた。また、N−(p−ヒド
ロキシフェニル)マレイミド成分とN−(p−メチルフ
ェニル)マレイミド成分との割合(l/m)は50/5
0であった。また、▲▼は32,000、Tgは2
25℃であった。
実施例7 アニリン3.02gの代わりにモノ−n−ブチルアミン2.38
gを用いた以外は実施例1と同様の方法によりN−(p
−ヒドロキシフェニル)マレイミド−N−ブチルマレイ
ミド−イソブチレン共重合体(白色ポリマー)を得た。
ポリマー収量は13.39gであり、元素分析値は、C=67.
16%,H=8.39%,N=5.11%であり、無水マレイン酸
−イソブチレン共重合体の無水マレイン酸成分の77%
がイミド成分に変性されていた。また、N−(p−ヒド
ロキシフェニル)マレイミド成分とN−ブチルマレイミ
ド成分との割合(l/m)は40/60であった。ま
た、▲▼は23,000、Tgは180℃であっ
た。また、赤外吸収スペクトルは第3図に示した。
〔発明の効果〕
本発明のN−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合
体の製法によれば、感光性樹脂等のベースポリマーなど
として有用であり、さらに耐熱性樹脂としての広範囲な
用途に利用することができる、N−(ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体を、エステル交換反応工程を経
ずに水酸基を保持したまま極めて容易に、しかも高収率
で合成することができ、また、N−(ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド共重合体の全イミド組成のコントロール
も容易であり、さらに、全イミド組成中の、前記式
(I)で示される構成単位と前記式(II)で示される構
成単位の割合のコントロールも容易であることから、得
られるN−(ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体
のアルカリ水溶液への溶解性のコントロールも容易であ
り、本発明の製法は、工業的に極めて有利な製造方法で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたN−(p−ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド−イソブチレン共重合体の赤外吸収ス
ペクトルのチャートを示し、第2図は実施例5で得られ
たN−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド−スチレ
ン共重合体の赤外吸収スペクトルのチャートを示し、第
3図は実施例7で得られたN−(p−ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド−イソブチレン共重合体の赤外吸収スペ
クトルのチャートを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と不飽和炭化水素化合物と
    の共重合体と、アミノフェノール、及びアルカリ水溶液
    に対する溶解性を付与する基を有していない一級アミン
    とを有機溶媒中で反応させて、 式(I) 式(II) 式(III) 式(IV) 〔式中、R1及びR2はアリール基、1〜16個の炭素原
    子を有するアルキル基又はシクロアルキル基であり、R
    3は水素又は低級アルキル基である。また、l、m、n
    及びpはそれぞれ式(I)、式(II)、式(III)及び
    式(IV)の繰り返し単位数(整数)であり、pと、(l
    +m+n)との割合、(l+m)と(l+m+n)との
    割合、及びlと(l+m)との割合は、それぞれ である。〕 で示される構成単位を有するN−(ヒドロキシフェニ
    ル)マレイミド共重合体を得ることを特徴とするN−
    (ヒドロキシフェニル)マレイミド共重合体の製法。
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US07/146,245 US4816523A (en) 1985-12-25 1988-01-20 N-chydroxyphenyl)maleimide-isobutylene copolymer

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