JPH0643405U - 倍速送り装置 - Google Patents

倍速送り装置

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JPH0643405U
JPH0643405U JP8652992U JP8652992U JPH0643405U JP H0643405 U JPH0643405 U JP H0643405U JP 8652992 U JP8652992 U JP 8652992U JP 8652992 U JP8652992 U JP 8652992U JP H0643405 U JPH0643405 U JP H0643405U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動部材を直線移動させる送り装置におい
て、振動および騒音を抑制しつつ高速長距離移動を可能
にする。 【構成】 それぞれ弾性体製噛合歯を備えた固定側ベル
ト16および可動側ベルト20を、台車22を挟んで互
いに対向させた状態で本体フレーム14およびスライド
部材12に配設する一方、台車22に回転可能に設けら
れた一対のプーリ24a,24b間に、外周側に弾性体
製噛合歯を備えた環状ベルト26を巻き掛けて、その環
状ベルト26を固定側ベルト16および可動側ベルト2
0の双方に噛み合わせた構成とし、駆動モータ56によ
りタイミングベルト50を介して台車22を直線移動さ
せることにより、スライド部材12が台車22の2倍の
速度で2倍の距離を移動させられるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、移動部材を直線移動させる送り装置に係り、特に、高速長距離移動 を行うことが可能な倍速送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種のロボット、加工機、搬送機器においては、移動部材を直線移動させる送 り装置として、従来よりボールねじ機構を利用した種々の装置が考えられている 。図10はその一例であり、ボールねじ軸110を回転可能に支持したベース部 材112に対し、そのボールねじ軸110に螺合したボールナット114を備え た移動部材116がボールねじ軸110と平行な方向の移動可能に配設され、ボ ールねじ軸110が回転駆動されることにより、移動部材116がボールねじ軸 110に沿って直線移動させられるようになっている。かかる送り装置において は、ボールねじ機構によりねじ溝内を転動する多数の鋼球を介して動力が変換さ れることから、少ない動力損失で通常のねじを用いた送りねじ機構の場合よりも 高速長距離の送り移動を行うことが可能となる。
【0003】 この他の構成例としては、図10の装置とは逆に、ボールナット114をベー ス部材に固定するとともにボールねじ軸110を移動部材に保持させるようにし た装置もある。或いは、ボールねじ軸を回動不能に移動部材に保持させるととも に、ボールナットを回動可能且つ軸方向の移動不能にベース部材に配設し、その ボールナットを回転駆動することにより移動部材を直線移動させたり、ボールね じ軸をベース部材に固設するとともにボールナットを移動部材に保持させて駆動 することもできる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ボールねじ機構を用いて構成した従来の送り装置においては、 例えばねじ軸を長くしたり駆動回転速度を速くしたりして移動距離の拡大や移動 速度の高速化を図ろうとしても、ボール中心径×毎分回転数で表されるDN値( 一般には70000mm・rpm が上限)や、ボールねじ軸の座屈に対する許容スラ スト荷重などの制限条件が課せられることから、移動の高速化および長距離化が 必ずしも容易ではなかった。特に、ボールねじ軸を回転駆動する場合には、ボー ルねじ軸の振れ回り現象などが生じて振動や騒音が激しくなるため、予め軸径、 軸材質、軸受スパンなどから算出される危険回転速度についても考慮する必要が あり、一層困難になる。
【0005】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 振動および騒音を抑制しつつ高速長距離移動を行うことが可能な送り装置を提供 することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本考案の要旨とするところは、一直線方向へ移動 させられる第1移動部材の移動に伴って、その第1移動部材の移動速度の2倍の 速度で第2移動部材を上記一直線方向へ移動させる倍速送り装置であって、(a )多数の弾性体製噛合歯を長手方向に連続して備え、前記一直線方向と平行に位 置固定に配設される固定側ベルトと、(b)多数の弾性体製噛合歯を長手方向に 連続して備え、前記第1移動部材を挟んで前記固定側ベルトと対向する姿勢で、 前記一直線方向の移動可能とされた前記第2移動部材にその一直線方向と平行に 配設される可動側ベルトと、(c)前記第1移動部材に前記一直線方向において 互いに離間して配設され、その一直線方向と直角で且つ前記固定側ベルトおよび 前記可動側ベルトの対向方向と直角な軸心まわりの回転可能にそれぞれ軸支され た一対のプーリと、(d)少なくとも外周側の全周に多数の弾性体製噛合歯を備 えて無端環状を成し、前記一対のプーリ間に巻き掛けられて前記固定側ベルトお よび可動側ベルトの双方に噛み合わされる環状ベルトとを有することにある。
【0007】 なお、上記第1移動部材を移動させるための駆動手段は、例えば、上記一直線 方向に設けられたシリンダやボールねじ機構、第1移動部材の移動ストローク以 上に離間した一対のプーリ間に巻き掛けられて一部が第1移動部材に連結された ベルト部材、或いは第1移動部材に配設されて前記プーリを回転駆動する駆動モ ータなどにより構成される。
【0008】
【作用】
このような倍速送り装置においては、第1移動部材に配設されて一対のプーリ 間に巻き掛けられた環状ベルトの外周側に備えられた弾性体製噛合歯が、位置固 定に配設された固定側ベルトの弾性体製噛合歯と噛み合うとともに、第2移動部 材に配設された可動側ベルトの弾性体製噛合歯と噛み合っていることから、第1 移動部材が一直線方向へ移動させられると、それに伴って環状ベルトが一対のプ ーリまわりに回転させられ、その環状ベルトと噛み合わされた可動側ベルトが第 1移動部材の2倍の速度で2倍の距離を同じ方向へ移動させられる。したがって 、可動側ベルトと一体の第2移動部材は、第1移動部材が一方の移動端から他方 の移動端まで移動させられるのに伴って、各ベルト部材の弾性体製噛合歯を介し ての動力伝達により、その第1移動部材の2倍の速度で2倍の移動ストロークを 移動させられることになる。
【0009】
【考案の効果】
このように、本考案の倍速送り装置によれば、第1移動部材は要求される第2 移動部材の移動ストロークの半分の距離を半分の速度で移動させられればよいた め、第1移動部材の移動に伴って移動させられる第2移動部材の移動速度の高速 化および移動距離の拡大が容易となり、従来のようにボールねじ機構を用いて単 純に高速化および長距離化を図る場合に比べて、容易に高速長距離移動を行う送 り装置を構成することが可能となる。
【0010】 また、各ベルトに備えられた噛合歯はいずれも弾性体製であるため、バックラ ッシレスとすることが可能であり、がたつきが無くなるとともに噛合歯相互のあ たりが和らげられ、特に起動時および停止時の衝撃負荷が吸収されることから、 送り精度を維持しつつ振動や騒音が大幅に軽減される。
【0011】 更に、第1移動部材に配設された環状ベルトは一対のプーリ間に巻き掛けられ ているため、固定側ベルトおよび可動側ベルトとの噛合い範囲を充分に確保する ことが可能で、それらの弾性体製噛合歯を介して駆動力が確実に伝達されるとと もに、第2移動部材が円滑に移動させられる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は本考案の一実施例である倍速送り装置10の一部を切り欠いて示す正面 図であり、図2はその一部を切り欠いて示す平面図である。この倍速送り装置1 0は、一直線方向である略水平な送り方向すなわち図における左右方向の移動可 能に配設されたスライド部材12を直線移動させる送りユニットである。上記の 各図において、位置固定に配設される本体フレーム14内には、一対の固定側ベ ルト16,16が、その長手方向と上記スライド部材12の送り方向とが一致す る姿勢で底板18上に固定されているとともに、第2移動部材としての上記スラ イド部材12には、一対の可動側ベルト20,20が、その長手方向と上記送り 方向とが一致し且つ一対の固定側ベルト16,16に対向する姿勢で配設されて いる。そして、それら固定側ベルト16,16と可動側ベルト20,20との中 間には、第1移動部材としての台車22が前記送り方向の移動可能に配設されて いるとともに、その台車22には、送り方向に互いに離間するとともに一対の固 定側ベルト16,16に対応して一対ずつのプーリ24aおよび24bが略水平 で且つ送り方向と直角な軸まわりの回転可能に配設されており、無端環状を成す 一対の環状ベルト26,26がそれぞれ巻き掛けられている。
【0013】 図3は、上記固定側ベルト16、可動側ベルト20、および環状ベルト26の 噛合い状態を示すとともに作動原理を簡単に説明するための概念図である。固定 側ベルト16および可動側ベルト20は、それぞれ図における上向きおよび下向 きに長手方向に連続して多数の弾性体製噛合歯28および30をおのおの備えて いる一方、環状ベルト26は、その外周側の全周に多数の弾性体製噛合歯32を 備えており、それらの噛合歯28と噛合歯32とが台車22の下方において噛み 合うとともに、噛合歯30と噛合歯32とが台車22の上方において噛み合って いる。上記弾性体製噛合歯28,30,32のピッチは同一であり、噛合い状態 におけるバックラッシは無し(零)とされている。また、一対のプーリ24a, 24bの径寸法は互いに等しい。
【0014】 このような噛合い関係においては、台車22が固定側ベルト16に対して長手 方向の前方すなわち図中矢印の方向へ移動させられると、それに伴って環状ベル ト26がプーリ24a,24bと共に図における左まわりに回転させられ、その 環状ベルト26と噛み合わされた可動側ベルト20が台車22の2倍の速度で2 倍の距離を同じ方向へ移動させられる。したがって、可動側ベルト20と一体の スライド部材12は、台車22が図1に実線で示された一方の移動端から一点鎖 線で示された他方の移動端まで移動させられるのに伴って、各ベルト部材の弾性 体製噛合歯28,30,32を介しての動力伝達により、その台車22の2倍の 速度で2倍の移動ストロークを移動させられることになる。図4は、スライド部 材12および台車22が他方の移動端に位置した状態を示す図である。スライド 部材12の先端側の取付部12aには、例えば図示しない受け部材が取り付けら れ、その上に載置されたワーク等が送り移動させられる。
【0015】 前記スライド部材12は、図2におけるV−V断面を示す図5、或いはその単 体状態の正面図および底面図をそれぞれ示す図6(a)および(b)から明らか なように、断面形状が下方に開口する略コの字形となるように板材が曲げ加工さ れた胴部12bの端部に前記取付部12aが固設されるなどして構成された部材 であり、その胴部12bの上部内周面に前記可動側ベルト20が多数の止めビス 34により固定されている。また、スライド部材12は、本体フレーム14の両 側壁36,36に沿って上下一対ずつ設けられた4本のガイドレール38aおよ び38bにそれぞれ係合する4個のガイドローラ40を側面に備えており、それ ら4個のガイドローラ40の転動により上記送り方向に案内されるようになって いる。各ガイドレール38a,38bの先端部は山形断面を成している一方、ガ イドローラ40の外周部はM字形断面を成しており、ガイドレール側の山の頂部 がガイドローラ側の谷部に嵌まり込む状態で係合させられている。上記ガイドレ ール38a,38bは、長手方向の3箇所ずつにおいて側壁36,36にそれぞ れ固設された支持部材42aおよび42bにより互いに平行となるよう位置決め されて固設されている。
【0016】 図1および図2に戻って、本体フレーム14の底板18には、多数の止めビス 44により固定された前記2本の固定側ベルト16,16の中間位置であって送 り方向におけるそれら固定側ベルト16の前方および後方に、一対の歯付きプー リ46aおよび46bがそれぞれベアリングを内装した軸受部材48aおよび4 8bを介して回転可能に配設されており、それら歯付きプーリ46a,46b間 にタイミングベルト50が巻き掛けられている。一方の歯付きプーリ46bが相 対回転不能に固定されたシャフト52の反対側の端部は、本体フレーム14から 外側に突き出しており、その外側の端部には歯付きプーリ54aが相対回転不能 に固定されている。また、本体フレーム14の後方すなわち図における右方には 駆動モータ56が取付部材58を介してシャフト52と平行に配設されており、 その出力軸に相対回転不能に固定された歯付きプーリ54bと上記歯付きプーリ 54aとの間にタイミングベルト60が巻き掛けられている。このため、駆動モ ータ56の動力は、プーリ54b、タイミングベルト60、プーリ54a、シャ フト52、およびプーリ46bを介してタイミングベルト50に伝達される。駆 動モータ56はエンコーダ62を備えており、エンコーダ62からの出力信号に より、タイミングベルト50の回転速度や回転量をサーボ制御することが可能で ある。なお、上記タイミングベルト50および60は、内周側の全周に多数の弾 性体製噛合歯を備えた無端環状のベルトである。
【0017】 上記タイミングベルト50は、前記図5から明らかなように、その上側および 下側の直線部の中間に前記台車22が位置するように配設されているとともに、 その上側の一部において台車22の上端に固定されている。図7は、図1におけ る台車22の詳細図で、前記一対のプーリ24a,24bを省略するとともに構 成部品の一部を切り欠いて示す図である。台車22の本体64の上面には、タイ ミングベルト50の噛合歯66のピッチに対応して3本の溝68が予め形成され ており、その溝68内にそれぞれ配設された3本のピン70に上記噛合歯66が 噛み合わされた状態で、押え板72が図2および図5に示すように複数の皿ねじ 86で本体64側へ締めつけられることにより、その本体64からのタイミング ベルト50の離脱が不能とされている。一方、タイミングベルト50の下側の直 線部は、本体64および一対のストッパ88a,88b(図1および図2参照) と本体フレーム14の底板18との隙間を通っている。
【0018】 このため、タイミングベルト50が前記歯付きプーリ46a,46bの図1に おける左まわり或いは右まわりに駆動されると、タイミングベルト50と連結さ れた台車22は、環状ベルト26と固定側ベルト16および可動側ベルト20と の噛合いを維持しつつ、固定側ベルト16に沿って送り方向の前後に移動させら れ、前記サーボ制御により前記一方の移動端と他方の移動端との間を往復するこ とになる。本実施例では前記駆動モータ56および駆動モータ56からタイミン グベルト50に至るベルト伝達機構が台車22の駆動手段として機能している。 なお、前記一対のストッパ88a,88bは、固定側ベルト16の長手方向の両 端位置付近にそれぞれ固設された緩衝部材で、台車22の最大ストロークを機械 的に規定するものである。
【0019】 前記一対のプーリ24a,24bは、図5から明らかなように、ベアリング7 4a,74bを介して一対のシャフト76aおよび76bまわりの回転可能にそ れぞれ軸支されているが、その一方のシャフト76bは、図7に示す軸受ブロッ ク78に保持されている。この軸受ブロック78は、前記本体64に対してプー リ24aおよび24bの離間方向の移動可能に設けられており、押しボルト80 によりシャフト76bの軸心位置を予め調整した後、一対のボルト82の締付け により相対移動不能に固定されるようになっている。これにより、前記環状ベル ト26に所定の張力が付与される。なお、一対のシャフト76a,76bは、止 めボルト77等が締めつけられることにより、本体64および軸受ブロック78 とそれぞれ相対回転不能に固定されている。
【0020】 また、本体64の側方であって一対の環状ベルト26の内周側の空間には、バ ックアップブロック84がその環状ベルト26の上側の直線部内周面と下側の直 線部内周面とにそれぞれ対向する姿勢で計4個配設されている。このバックアッ プブロック84に内周側からバックアップされた環状ベルト26は、プーリ24 aおよび24b間の直線部において内側へ撓むことが防止されるため、プーリ2 4a,24b間の全範囲に亘って固定側ベルト16,可動側ベルト20と確実に 噛み合わされ、大きな駆動力を伝達することが可能とされている。
【0021】 次に、上述した如く構成された倍速送り装置10の作動を説明する。 スライド部材12が初期の移動端に位置させられている図1の状態から、駆動 モータ56が所定の正回転方向へ起動されてタイミングベルト50が左まわりに 駆動されると、台車22が図の左方向へ速度V1 で移動させられる。この移動に 伴って環状ベルト26が一対のプーリ24a,24bまわりに回転させられると ともに、その環状ベルト26と噛み合わされた可動側ベルト20が台車22の2 倍の速度V2 (=2V1 )で同様に左方向へ移動させられ、可動側ベルト20と 一体のスライド部材12が倍速で送り移動させられる。そして、スライド部材1 2が予め定められた所定位置に到達すると、駆動モータ56の作動が停止されて スライド部材12が停止させられる。なお、上記送り速度V2 は適宜設定される とともに、移動途中で変速することも可能である。
【0022】 また、その状態から駆動モータ56が逆回転方向に起動されると、タイミング ベルト50が右まわりに駆動されて台車22が図の右方向へ速度V1 で移動させ られ、上記と逆まわりに回転させられる環状ベルト26と噛み合わされた可動側 ベルト20さらにはスライド部材12が2倍の速度V2 で同様に右方向へ戻り移 動させられる。そして、駆動モータ56の出力軸の正回転方向への回転数が上記 と同じ所定の回転数だけ減少して当初の零に達すると、駆動モータ56の作動が 停止されてスライド部材12が初期の移動端に位置させられる。
【0023】 このように、本実施例の倍速送り装置10においては、台車22が一方の移動 端から他方の移動端まで移動させられるのに伴って、各ベルト部材の弾性体製噛 合歯28,30,32を介しての動力伝達により、スライド部材12が台車22 の2倍の速度で2倍の移動ストロークを移動させられることから、台車22は要 求されるスライド部材12の移動ストロークの半分の距離を半分の速度で移動さ せられればよい。このため、台車22の移動に伴って移動させられるスライド部 材12の移動速度の高速化および移動距離の拡大に際して、送り機構としてボー ルねじ機構を用いる場合のように前記危険回転速度や負荷荷重等の制限条件を考 慮する必要がなく、図10の従来例においてボールねじ軸110を長くしたり回 転速度を速めたりして単純に高速化および長距離化を図る場合に比べて、容易に 高速長距離移動を行う送り装置を構成することが可能となる。
【0024】 また、固定側ベルト16,可動側ベルト20,環状ベルト26にそれぞれ備え られた噛合歯28,30,32はいずれも弾性体製で、且つバックラッシレスと されているため、がたつきが無くなるとともに噛合歯相互のあたりが和らげられ 、特に起動時および停止時の衝撃負荷が吸収されることから、送り精度を維持し つつ振動や騒音が大幅に軽減される。加えて、本実施例では、駆動モータ56の 動力がタイミングベルト50,60等のベルト伝達機構により伝達されて台車2 2が移動させられるため、かかる台車22の駆動手段部分においても振動および 騒音が軽減され、大幅に静粛性が高められて設備環境がより一層健全なものにな るとともに、前記高速化,長距離化が一層容易となるのである。
【0025】 更に、台車22に配設された環状ベルト26は一対のプーリ24a,24b間 に巻き掛けられているため、固定側ベルト16および可動側ベルト20との噛合 い範囲を充分に確保することが可能で、それらの弾性体製噛合歯28,30,3 2を介して駆動力が確実に伝達されるとともに、スライド部材12が円滑に移動 させられる。特に、本実施例では、環状ベルト26の内周側に配設されたバック アップブロック84によりその環状ベルト26の直線部がバックアップされてい るため、上記噛合い範囲の全般に亘って固定側ベルト16および可動側ベルト2 0との確実な噛合い状態が得られ、大きな駆動力を伝達することができる利点が ある。
【0026】 以上、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態 様で実施することもできる。
【0027】 例えば、前述の実施例においては、第1移動部材である台車22を駆動する手 段として駆動モータ56からタイミングベルト50に至るベルト伝達機構が採用 されていたが、空油圧シリンダやボールねじ機構、或いはリニアモータ等のアク チュエータにより駆動されても良い。また、図8に示すように、プーリ24a, 24bの少なくとも一方を歯付きプーリ90a,90bに置き換えるとともに内 周側にも噛合歯を備えた環状ベルト92を巻き掛け、その歯付きプーリ90aま たは90bを駆動する駆動モータ94および減速機96を台車22に配設して上 記環状ベルト92を回転駆動することより、台車22を自走させるように構成す ることも可能である。
【0028】 また、前述の実施例においては、それぞれ一対ずつの固定側ベルト16,16 、可動側ベルト20,20、環状ベルト26,26、および二対のプーリ24a ,24bが配設されていたが、必ずしも複列構成とする必要はない。
【0029】 また、前述の実施例においては、シャフト76bを保持している軸受ブロック 78の本体64に対する位置調整により環状ベルト26に所定の張力が付与され るようになっていたが、バックアップブロック84により環状ベルト26が内周 側への撓み不能にバックアップされることから、シャフト76bが本体64に対 して位置固定に配設されても差支えない。
【0030】 また、前述の実施例においては、環状ベルト26を内周側からバックアップす るバックアップブロック84が配設されていたが、バックアップブロック84を 、転がり接触させられる複数のバックアップローラ98(図9参照)に置き換え たり、或いは、磁性を帯びた環状ベルトに反発力を作用させるマグネットを配設 したりしても良い。また、環状ベルト26には所定の張力が付与されるので、こ れらのようなバックアップ手段を省略しても差支えない。
【0031】 また、前述の実施例においては、固定側ベルト16および可動側ベルト20が それぞれ底板18および胴部12bに密着する状態で固定されることにより背後 側がバックアップされていたが、それら固定側ベルト16および可動側ベルト2 0の背後に撓み可能な空間がある場合においては、例えば図9に示すように、固 定側ベルト16および可動側ベルト20にそれぞれ背後から転がり接触する複数 のバックアップローラ100を付勢手段102等と共に台車22に一体的に配設 することにより、環状ベルト26との確実な噛合い状態を得ることが可能である 。
【0032】 また、前述の実施例においては、固定側ベルト16および可動側ベルト20が 一直線方向としての水平方向に配設されるとともに固定側ベルト16が下側に位 置し且つ可動側ベルト20が上側に位置して構成された場合であったが、固定側 ベルト16と可動側ベルト20との上下位置関係が逆にされても良いし、固定側 ベルト16および可動側ベルト20が他の方向、例えば鉛直方向に配設されて第 2移動部材としてのスライド部材12が昇降移動させられる場合などであっても 良い。なお、前述の実施例では倍速送り装置10が水平に配設されることを前提 として説明したが、例えば倍速送り装置10をそのまま鉛直方向に配設して使用 することも可能であり、送りユニットとしての配設方向は特に限定されない。
【0033】 また、前述の実施例においては、スライド部材12の後部側に4個のガイドロ ーラ40が取り付けられ、片持ち状で支持されるようになっていたが、ガイドレ ール38a,38bをスライド部材12の全移動ストロークに亘って配設すると ともに、スライド部材12の前部側にもガイドローラ40を取り付ければ、スラ イド部材12の姿勢が安定して位置精度が高くなる。スライド部材12のガイド 機構としては、LMガイドなどの他の種々の手段を採用できる。
【0034】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である倍速送り装置の一部を
切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1の倍速送り装置の一部を切り欠いて示す平
面図である。
【図3】図1の倍速送り装置の作動原理を説明するため
の概略図である。
【図4】図1の倍速送り装置においてスライド部材が他
方の移動端に位置させられた状態を示す図である。
【図5】図2におけるV−V断面図である。
【図6】図1の倍速送り装置におけるスライド部材の単
品図で、(a)は正面図、(b)は一部を切り欠いて示
す底面図である。
【図7】図1の倍速送り装置における台車を詳細に示す
一部を切り欠いた正面図である。
【図8】図1の倍速送り装置における一対のプーリおよ
び環状ベルト等の他の態様を説明するための概略図であ
る。
【図9】図1の倍速送り装置における固定側ベルトおよ
び可動側ベルトを背後からバックアップする手段の一態
様を説明するための概略図である。
【図10】従来の送り装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10:倍速送り装置 12:スライド部材(第2移動部材) 16:固定側ベルト 20:可動側ベルト 22:台車(第1移動部材) 24a,24b:プーリ 26,92:環状ベルト 28,30,32:弾性体製噛合歯 90a,90b:歯付きプーリ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一直線方向へ移動させられる第1移動部
    材の移動に伴って、該第1移動部材の移動速度の2倍の
    速度で第2移動部材を該一直線方向へ移動させる倍速送
    り装置であって、 多数の弾性体製噛合歯を長手方向に連続して備え、前記
    一直線方向と平行に位置固定に配設される固定側ベルト
    と、 多数の弾性体製噛合歯を長手方向に連続して備え、前記
    第1移動部材を挟んで前記固定側ベルトと対向する姿勢
    で、前記一直線方向の移動可能とされた前記第2移動部
    材に該一直線方向と平行に配設される可動側ベルトと、 前記第1移動部材に前記一直線方向において互いに離間
    して配設され、該一直線方向と直角で且つ前記固定側ベ
    ルトおよび前記可動側ベルトの対向方向と直角な軸心ま
    わりの回転可能にそれぞれ軸支された一対のプーリと、 少なくとも外周側の全周に多数の弾性体製噛合歯を備え
    て無端環状を成し、前記一対のプーリ間に巻き掛けられ
    て前記固定側ベルトおよび可動側ベルトの双方に噛み合
    わされる環状ベルトとを有することを特徴とする倍速送
    り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012105746A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Iura Co Ltd ストレッチャー等における載置台のスライド機構
JP2013194822A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Nsk Ltd アクチュエータ

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