JPH0643052Y2 - パンコンベア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、海中乃至水中土砂の運搬に用いられるパンコ
ンベアに係り、特にその水抜き構造を改良したパンコン
ベアに関する。

［従来の技術］ 浚渫船等に設けられた揚土機としては、揚土した土砂を
こぼさないように運搬する手段としてパンコンベアを備
えたものがある。このパンコンベアは、例えば移送方向
に分割された複数の底板に両側板及び仕切板を設け、こ
れら底板を無端チェーンを介して屈曲自在に連結した構
造になっている。また、このように水分を多く含む土砂
を取扱うパンコンベアは運搬中に土砂の水切りをするた
めに両側板等に水抜穴が設けられている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記パンコンベアにおいてはその水抜穴
が固定穴であったので、運搬する土砂の粒度や性状によ
っては目詰りを生じたり、土砂漏れを生じ、十分な水抜
効果を発揮し得ない問題があった。

そこで、本考案の目的は上記課題を解決し、水抜穴の大
きさを任意に調節することができ、土砂の性状に応じて
十分な水抜効果を上げることができるパンコンベアを提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、移送方向に分割さ
れた複数の底板に両側板及び仕切板を設け、これら底板
を無端チェーンを介して屈曲自在に連結したパンコンベ
アにおいて、上記底板間の接合部に所定の間隙を有して
互いに噛合う複数の凹凸部からなる第１水抜部を設け、
上記底板に開口径の調節自在な第２水抜部を設けたもの
である。

［作用］ パンコンベアは無端チェーンが前後に配設されたスプロ
ケットに巻き掛けられて回転駆動されることにより、底
板上の両側板と仕切り板により区画される皿状部分に土
砂を収容して搬送する。

この場合、第１水抜部及び第２水抜部から土砂の水抜き
がなされることになるが、特に第１水抜部においては、
底板間が上記スプロケットを通過する時に屈曲して互い
に噛み合う凹凸部がずれることにより間隙に詰まってい
る土砂が自動的に除去されることになる。一方、第２水
抜部においては、その開口径が調節自在であることか
ら、土砂の性状に応じて十分な水抜効果を上げることが
できる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

第１図において、１は浚渫船の揚土機で、この揚土機１
の俯仰自在のフレーム２には水中の土砂を掻取るバケッ
トホィール３が回転自在に取付けられると共に、その掻
取られた土砂を水切りしつつ運搬するパンコンベア４が
取付けられている。なお、パンコンベア４より搬出され
る土砂は図示しないベルトコンベヤによって目的場所へ
搬送されることになる。上記パンコンベア４は移送方向
に分割された複数の底板５を有し、これら底板５は両側
の無端チェーン６を介して屈曲自在に連結され、両無端
チェーン６は移送方向前後に配置されたスプロケット7,
8に巻き掛けられて回転駆動されるようになっている。

第２図〜第４図に示すように各底板５の両側部には側板
９が起立して固定され、両側板９間には仕切板10が掛け
渡されて固定されている。これら底板５上の両側板９と
仕切板10によって区画される皿状部分に土砂が収容され
ることになる。

また、各底板５の両側部にはブラケット11を介して無端
チェーン６のリンク12,13が取付けられ、各リンク12,13
の端部は隣接する底板５同士の接合部Ｃに位置決めされ
たピン14を介して連結されている。上記リンク12,13の
外端部にはローラ15が回転自在に取付けられ、これらロ
ーラ15は前後のスプロケット7,8間に配置されたレール1
6上を案内されるようになっている。

上記底板５間の接合部Ｃ端縁には第５図に示すように所
定の間隙Ｓを有して移送方向から互いに噛合う複数の凹
凸部17a,17b,18a,18bが幅方向に連続して形成され、こ
れら互いに噛合う凹凸部17a,17b,18a,18bによって土砂
の水抜をする第１水抜部19が構成されている。この第１
水抜部は第２図に示すように底板がスプロケット7,8を
通過する時に接合部Ｃにある凹凸部17a,17b,18a,18bが
移送方向と直角の方向に屈曲してずれることから、凹凸
部相互間の間隙Ｓに詰まっている土砂が除去されること
になる。

上記仕切板10の下端縁は底板５上にその幅方向に固定さ
れた断面逆Ｖ字状の基盤20の頂部に固定され、この基盤
20の両傾斜部には第２水抜部21が設けられている。第６
図，第７図に示すように底板５の基盤20で覆われた部分
には水抜用の開口部22が適宜形成され、基盤20の両傾斜
部には幅方向に傾斜した長穴からなる多数の水抜穴23が
幅方向に複数の群（例えば、中央及び左右の三つのグル
ープ）として形成されている。各グループの水抜穴23上
にはこれら水抜穴23と対応する水抜穴24を有する調節カ
バー25が基盤20に形成したボルト孔26に調節カバー25に
形成した長穴７に跨がって挿通されたボルト28とナット
29により幅方向にスライド自在に取付けらている。すな
わち、調節カバー25をスライド調整することにより、基
盤20の水抜穴23の開口径を調節できることになる。な
お、実施例では基盤20の水抜穴23の幅W₁が調節カバー25
の水抜穴24の幅W₂よりも若干大きく形成され、両水抜穴
23,24間に土砂が詰まりにくくなっている。

次に上記実施例の作用を述べる。

パンコンベア４は前後のスプロケット7,8に巻き掛けら
れた無端チェーン６が回転駆動され、巻き掛けられた無
端チェーン６が回転駆動され、バケットホィール３によ
り投入される土砂を底板５上の両側板９と仕切板10によ
り区画される皿状部分に収容して搬送する。

この搬送中に第１水抜部19の間隙Ｓ並びに第２水抜部11
の水抜穴23,24及び底板５の開口部22から土砂の水抜き
がなされることになる。

そして、第１水抜部19においては、、底板５間が上記ス
プロケット7,8を通過する時に屈曲して互いに噛み合う
凹凸部17a,17b,18a,18bがずれることにより間隙Ｓに詰
まっている土砂が自動的に除去されることになる。一
方、第２水抜部21においては、調節カバー25をスライド
調整することにより、基盤20の水抜穴23の開口径を調節
できることから、土砂の正常に性状に応じて十分な水抜
効果を上げることができる。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば、第１水抜部及び第２水抜
部により土砂の水抜ができるばかりでなく、第１水抜部
において底板間がスプロケットを通過する時に屈曲して
互いに噛み合う凹凸部がずれることにより間隙に詰まっ
ている土砂を自動的に除去することができ、第２水抜部
においてその開口径が調節自在であることから砂の性状
に応じて十分な水抜効果を上げることができるという優
れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したパンコンベアを備えた揚土機
を示す側面図、第２図はそのパンコンベアの一部切断拡
大側面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は
第３図の平面図、第５図は第１水抜部の拡大平面図、第
６図は第２水抜部の断面図、第７図は第６図のＢ−Ｂ線
矢示図である。 図中、４はパンコンベア、５は底板、６は無端チェー
ン、９は両側板、10は仕切板、17a,17b,18a,18bは凹凸
部、19は第１水抜部、21は第２水抜部である。

フロントページの続き (72)考案者 米田 幸一 千葉県千葉市朝日ケ丘3261 にれの木台２ ―12―301 (72)考案者 森本 泰二郎 東京都練馬区石神井町１―７―29 石神井 公園パークホームズ103 (56)参考文献 特開 昭61−31073（ＪＰ，Ａ) 実公 昭51−21508（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】移送方向に分割された複数の底板に両側板
   及び仕切板を設け、これら底板を無端チェーンを介して
   屈曲自在に連結したパンコンベアにおいて、上記底板間
   の接合部に所定の間隙を有して互いに噛合う複数の凹凸
   部からなる第１水抜部を設け、上記底板に開口径の調節
   自在な第２水抜部を設けたことを特徴とするパンコンベ
   ア。